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次世代シークエンス(NGS)関連製品特集
次世代シークエンス(NGS)関連製品特集
掲載日情報:2021/03/02 現在Webページ番号:65840
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2024/11/15
機器 特別価格
機器・消耗品 年度末キャンペーン 2024-2025[~2025/02/28]
期間:2024/11/15 ~2025/02/28
- 次世代シークエンシンス(NGS)に関する技術情報
- 次世代シークエンス(NGS)に関する技術情報の動画
- 次世代シークエンス(NGS)関連製品カタログ
- 次世代シークエンス(NGS)関連製品ラインナップ
- 第3世代ロングリードシークエンス
- ゲノム増幅酵素/逆転写酵素
- NGSライブラリー調製キット
- その他NGS関連製品
- NGS関連受託サービス
- NGS関連機器
次世代シークエンシンス(NGS)に関する技術情報
株式会社資生堂 柴垣様より、スキンケアの観点から皮膚常在菌叢研究とその応用について解説していただきました。
Zymo Reseach社マイクロバイオーム解析受託サービスについて、「わずかな皮膚試料からでも安定した結果を提供していただいています。」とご評価いただいています!
次世代シークエンシング(NGS)について
次世代シークエンシング(NGS)でできること
従来のDNAシークエンシング法であるサンガー法(ジデオキシ法)よりも、より迅速・よりハイスループット・より安価に塩基配列解読を行うために次世代シークエンシング(NGS)法は開発されました。
NGSのシークエンシング法には、参照ゲノム配列が未知の生物種を対象としたde novoシークエンシング(新規に行われる塩基配列解読)もありますが、多くの場合、解読した塩基配列を参照ゲノム配列とマッチングをさせます。
参照ゲノム配列とのマッチングを行うことにより、目的DNA配列量の絶対定量を行ったり、SNV(一塩基多型)や、SV(構造多型)、INDEL(挿入欠失)、 CNV(コピー数多型)、転座・融合遺伝子などの遺伝子変異を検出することができます。また、がん細胞中の後天的に獲得された(蓄積された)体細胞変異の総量を示すTMB(Tumor Mutational Burden:腫瘍遺伝子変異量)のように、NGSにより求められる新しいがんマーカーもあります。
さらには、生物の体内・皮膚、あるいは土壌などに存在する微生物の集まりである細菌叢(さいきんそう;マイクロバイオーム)中のすべてのDNAまたはRNAをNGS解析し、細菌叢に含まれる微生物のプロファイリングを行うマイクロバイオーム解析も、研究が急速に発達している分野です。
Sequence by Synthesis法(Illumina社の手法)について
Sequence by Synthesis法とは
次世代シークエンシング(NGS)によるハイスループットな塩基配列解読には、パイロシークエンシング、ion torrent、nanoporeシークエンシングなどいくつかの手法があります。Illumina社の手法が最も一般的であるため、ここでは同社の手法であるSequence by Synthesis法(合成によるシークエンシング)について説明いたします。この手法は、調製したライブラリーを用いたクラスター形成と、それに続く実際のシークエンシングプロセスの2つの部分からなります。
ライブラリー調製時におけるアダプターのライゲーションとインデックス化について
アダプターは、シークエンシングを行うDNA鎖(またはcDNA鎖)の末端に結合させた短い合成オリゴヌクレオチドで、2つの機能を有しています。その1つは、このアダプターの配列と、シークエンサーのフローセル表面に高密度で共有結合している2種類のオリゴ配列は相補的になっており、DNA鎖はフローセルに一過的にハイブリダイズすることができます。
もう1つは、シークエンシング時に使用されるポリメラーゼのプライミング部位として機能することです。DNA鎖にアダプターをライゲーションした後、多くの場合、PCRによってバーコード配列と呼ばれるユニークな配列を付加するインデックス化が行われます。
このバーコード配列により、プールした試料を用いてのシークエンシング時に、それぞれを識別することが可能となります。プールとは多数の異なる試料を既知の濃度で一緒に混合してフローセルに添加することにより、同時にシークエンシングすることができるようにするプロセスです。試料のプールは、時間とコストを節約するために行われます。
アダプターのライゲーションとインデックス化を行うと、調製したライブラリーはシークエンシングの準備が完了します。
- 試料DNAを精製する。
- 試料DNAにアダプターを加える。
- アダプターをライゲーションさせる。アダプターには、ユニークなバーコード配列と、Illumina社指定のP5またはP7配列が含まれている。P5 / P7配列をDNA鎖の5’、3’いずれの末端にライゲーションさせるかは、ライブラリー調製キットにより異なる。
- DNA鎖のもう一方の末端に、P5 / P7配列のもう一方をライゲーションさせる。 アダプターをライゲーションさせたDNA鎖をPCR増幅して、調製したライブラリーの濃度を高める。その後、濃度定量・ノーマライズを行い、プールした際にそれぞれのバーコード配列を有するライブラリーが均等量存在するようにする。
クラスター形成の仕組みについて
- プールされた試料を、シークエンサーのフローセルにアプライする。アプライした試料は、フローセル表面に高密度で共有結合している相補的オリゴにハイブリダイズする。フローセル表面のオリゴは、ハイブリダイズしたDNA断片からDNAポリメラーゼにより相補的配列が合成される際のプライマーとして機能する。その後、二本鎖DNAを変性させ、元のテンプレートを洗い流し、フローセルに直接結合している新たに合成されたDNA鎖のみを残す。
- DNA鎖が折り畳まれ、フローセルに結合していない反対の末端側のアダプター領域が、フローセル上の他の種類のオリゴとハイブリダイズする。ハイブリダイズした新しいオリゴをポリメラーゼがプライマーとして使用して、再び相補的な二本鎖DNAを作成する。
- 相補的な二本鎖DNAの両端がフローセルに結合し、ブリッジ構造が形成される。
- ブリッジ構造を変性させると、末端がフローセルに結合した一本鎖DNAが2本生じる。
- このプロセス(ブリッジ増幅)を繰り返すと、フローセル上に同じDNA鎖のコピーが多数生成したクラスターとなる。
合成によるシーケンシングの仕組みについて
クラスターを生成後、reverse鎖を切断・洗い流し、forward鎖のみをシークエンシングに使用します。不要なプライミングを防ぐために、3’末端をブロックします。
最初のsequencing primerから伸長してシークエンシングを行うことで、「read1」すなわち「forward read」が得られます。これは、元のフラグメントの5’から3’方向へオリゴ鎖の配列を読み取っています。
- 各ヌクレオチドに異なる蛍光色素が標識された蛍光標識ヌクレオチドを、テンプレートの配列に基づいて1塩基ずつ相補鎖に付加する。各標識ヌクレオチドには可逆性なターミネーターが結合しているため、DNA鎖に組み込まれると、別のヌクレオチドを付加することができなくなる。
- 光源の光により励起・蛍光シグナル放出が行われ、検出器により読み取られる。放出された蛍光の波長により、コンピューターは相補鎖に付加された塩基の種類が分かる。これがベースコールである。生成した蛍光シグナルの強度により、ベースコールの精度に対する信頼度スコアが決定する。
- 塩基の読み取りを行った後、蛍光色素とターミネーターが切断され、相補鎖に未標識ヌクレオチドが1つ取り込まれたことになる。その後、この蛍光シグナルを読み取るプロセスが繰り返され、そのサイクル数によってリードの長さが決定される。クラスター内のすべての同一のストランドが同時に読み取られ、コンピューターによって大規模並列プロセスで配列決定される。これは、サンガーシークエンシングが一度に単一のアンプリコンを処理するのとは対照的に、一度に何百万ものリードが生成されることを意味する。
read1の読み取り終了後、リード生成物を洗い流します。次いで、テンプレートにindex read primerをハイブリダイズさせ、同様にindex readを行います。これにより、バーコード配列を含めた読み取りが行われて、個々の試料由来の読み取りのソートが可能となります。index readの読み取り終了後、リード生成物を洗い流し、テンプレートの3’末端を脱保護します。テンプレートは折り畳まれ、再びフローセル上の第2のオリゴに結合することができるようになります。その後、第1のindexと同様に、第2のindexの読み取りを行います。第2のindexを読み取った後、ポリメラーゼによりオリゴ鎖を再び伸長させて、ブリッジ構造を形成させます。次いで、相補鎖を直線化して、forward鎖を洗い流します。その後、reverse鎖テンプレートの3’末端をブロックします。
第2のsequencing primerを加え、同様の操作により「read2」すなわち「reverse read」が得られます。
このプロセス全体で、フローセル内のすべてのフラグメントを示す数百万のリードが生成されます。
シークエンシング解析の原理
DNAのNGS解析時のライブラリーの種類について
DNAのNGS解析法には以下のものがあります。
全ゲノムシークエンシング | 試料中に存在するすべてのDNAについてシークエンシングを行う。コスト、試料量、試薬量、時間を要する。 |
---|---|
エクソーム解析 | ゲノム上のエクソン領域(成熟mRNAに反映される領域)のみについてシークエンシングを行う。 |
Targeted Sequencing | 標的遺伝子に対するプライマーを用いてライブラリー調製を行い、シークエンシングを行う。 |
また、エピジェネティクス解析で用いられるBisulfite変換シークエンシング、MeDIP-seq、ChIP-seq、ATAC-seqなどのように、研究目的に応じて試料DNAを処理した後や、標的DNAを濃縮した後にライブラリー調製を行う様々な手法があります。
NGSを用いたRNAのシークエンシング(RNA-seq)について
RNA-seqの範囲の進化と拡大
RNA-seqを用いる理由
RNA-seq以前は、遺伝子発現の検出に最適なテクノロジーはマイクロアレイでした。マイクロアレイは、試料がハイブリダイズすることにより蛍光を発する、既知配列を用いた数千の定義済みスポットで構成されています。
一方、RNA-seqはより用途が広い、強力なテクノロジーで、その対象は既知のゲノム配列に限定されません。RNA-seqは特定のプローブに依存しないため、参照ゲノムがない非モデル生物や新規生物のシークエンシングを行えます。RNA-seqは、新規転写産物の配列決定のほか、選択的スプライシングバリアント・一塩基多型(SNP)・挿入/削除、その他のRNA変異を検出できます。
プローブ依存型のマイクロアレイと比較して、プローブとプライマーが不要なことによりRNA-seq実施時のバイアスも低減します。また、RNA-seqは技術の進展につれて、ますます安価になりつつあります。さらにRNA-seqは、リードをゲノムの該当領域にマッピングすることができるため、マイクロアレイと比較してバックグラウンドのノイズが少なくなります。RNAの相対的発現量を検出するマイクロアレイに比べ、絶対的定量を行えるRNA-seqは、より正確なRNA発現レベルを決定でき、実験間での比較が可能となります。
RNA-seqの一般的なアプリケーションには、遺伝子発現差異解析、新規遺伝子同定、スプライスバリアント分析などがあります。
RNA-seqの種類
RNAそのものを直接シークエンシングする方法もありますが、RNAは不安定な分子であるため、ほとんどの場合は、RNAからcDNAへ逆転写する操作をまず行います。
様々なアプリケーションに対応するために、それぞれのRNA-seqのワークフローには異なる点がありますが、共通してライブラリー調製、シークエンシング、および分析という3つの主要なステップがあります。
RNAのNGS解析法には以下のものがあります。
Total RNA-seq | 試料中に存在するすべてのRNAをシークエンシングする。 |
---|---|
3’-mRNA seq | 細胞内の遺伝子発現の概要をもたらす。 |
Small RNA-seq | RNA単離中のサイズ選択ステップを含み、無細胞RNAやmiRNAなどの重要な非コーディングRNA転写産物を調べる。 |
Single-cell RNA-seq | 単一細胞レベルでの発現プロファイルが得られ、混合細胞群からのシークエンシングによるバイアスを回避する。 |
Transcriptomics | 試料内のmRNAの種類を調べる。 |
Ribosome footprinting | RNAを単離した時点において、どのRNA分子が活発に翻訳されているかを調べる。 |
研究における様々な要望に応えるために、今後も、多種多様な技術がRNA-seqに適用されることが期待されます。
RNA試料からのライブラリー調製法について
標的配列の選択
必要に応じて、標的配列の選択を行います。選択方法は標的配列の濃縮または過剰に存在する転写産物の枯渇化で、過剰な転写産物の枯渇化は、プローブベースまたは酵素法で行います。このステップは、下流の操作の効率の点で重要です。細胞由来RNAの80~95%がリボソームRNA(rRNA)であるため、total RNA試料からできるだけ多くのrRNAを除去することが重要です。
rRNAやグロビンmRNAなどの過剰な転写産物は、シークエンシング実施時の読み取りの大部分を占め、コスト、試薬量、および読み取り深度の無駄となります。最適化されたRNAシークエンシング実施のためには、これらの過剰に存在する転写産物を除去することが最善の結果をもたらします。
標的配列の濃縮法
目的の転写産物のシークエンシングリードの数を増やす方法は試料を濃縮することです。ターゲット濃縮の一般的な方法はmRNAの選択であり、多くの場合、ポリd(T)磁気ビーズを介して行われます。磁気ビーズに共有結合したポリd(T)配列は、成熟したmRNAの3'末端のポリ(A)テールに対して相補的となります。
- total RNA試料にポリd(T)磁気ビーズを添加する。
- ポリd(T)磁気ビーズにmRNAが一過的にハイブリダイズする。
- 磁石をチューブの側面に当てて磁気ビーズを凝集させ、残りの試料を洗い流した後、回収する。
- 磁気ビーズからmRNAを溶出し、得られたmRNAからライブラリーを調製する。
このプロセスでは、試料中の転写物のプールに偏りが生じることがあります。転写物が非常に長い場合や、試料中の取り扱いが荒い場合、転写物がせん断され、mRNAの3'末端が過剰に表現されてしまうことがあります。また、この方法では、通常はポリ(A)テールを持たないマイクロRNA(miRNA)やロングノンコーディングRNA(lncRNA)など、関心のあるその他のRNAを濃縮することができません。
酵素によるrRNA枯渇の原理
酵素によるrRNA枯渇は、プローブを必要としません。その代わりにRNAとcDNAのハイブリダイゼーション反応の速度論が関与します。
- 逆転写により形成されたcDNA-RNAハイブリッドを、変性により一本鎖にする。
- rRNAのように非常に豊富に存在するRNAは、反応液中の相補的なcDNAと再度ハイブリダイズする可能性が高く、rRNAとcDNAの二本鎖を形成する。
- 形成した二本鎖に酵素が結合し、二本鎖からrRNAだけを残してcDNAを分解する。反応が進むにつれて、相補的なcDNAと比較して高濃度のrRNAが存在することになるため、rRNAなどに相補的なcDNAが試料中から枯渇するまで反応はさらに促進される。
- 非常に豊富に存在するRNAを酵素により枯渇させると、残ったRNAが目的のRNA集団となる。この反応は分子動力学に依存しているため、反応への投入量が多いほど反応は速く進み、投入量と培養時間の間には逆相関の関係が生じる。
このプローブを使用しない酵素による枯渇法の利点は、汎用性があり、RNA試料の生物種に応じた製品を個別に購入する必要がなく、1つのキットですべてを行うことができるということです。非モデル生物を対象とした研究で、従来はその生物特有のプローブパネルを開発する必要があった場合に特に有効です。
酵素による枯渇法のもう一つの利点は、枯渇バイアスの低減です。プローブ法では、プローブに結合するRNAのみが枯渇するのに対し、酵素法では、最も豊富に存在するRNAを最初に最も効率的に枯渇させることができます。
※ この後に続く、cDNA試料へのアダプターのライゲーションや、シークエンシング操作などについてはこちらをご覧下さい。
マイクロバイオーム解析について
※ マイクロバイオーム(微生物叢)研究関連製品(試料保存試薬・核酸精製キット・微生物叢標準品など)についてはこちらもご覧下さい。
細菌叢(さいきんそう;マイクロバイオーム)は、生物の体内・皮膚、あるいは土壌などに存在する微生物の集まりのことです。腸内のものは特に「腸内フローラ」と呼ばれます。
マイクロバイオーム解析は、細菌叢中のすべてのDNAまたはRNAを抽出し、これをNGS(次世代シークエンシング)解読することにより、細菌叢に含まれる微生物のプロファイリングを行う手法です。シークエンシングの技術、能力の向上とコストの低下により、研究が急速に発達している分野のひとつです。
ライブラリー調製法としては主に以下の手法が用いられ、いずれの手法もNGS解読後に得られた情報を参照ゲノム配列とマッチングして生物種の同定を行います。
ショットガン・メタゲノム解析 | 得られた全ゲノムを断片化、ライブラリー調製する。 |
---|---|
16S rRNA遺伝子解析 | 細菌、古細菌の幅広い生物種間で配列が高く保存されている16S rRNA遺伝子領域を標的としたライブラリー調製をする。 ※ 真核生物を標的とする場合は、18S rRNA遺伝子解析。 |
ITS解析 | リボソームDNA上の各rRNA遺伝子の間の領域(ITS:Internal Transcribed Spacers)を標的としたライブラリー調製をする。ITS領域は進化速度が大きいため、近縁種や同胞種の識別、系統推定に適している。 |
正確なマイクロバイオーム解析を行うためには、以下の要因によるバイアスを排除する必要があります。
- 試料採取後、DNA抽出までの輸送・保管の期間中における、特定の微生物の増殖・死滅による微生物叢構成の変化。
- 菌体の大きさや溶菌の容易さによるDNA抽出効率の違い。
- 16S rRNA遺伝子解析において、ライブラリー調製時のPCRに由来するバイアスやPCRキメラの形成。
- 16S rRNA遺伝子解析において、ライブラリー調製時のPCRで用いる16Sプライマーがカバーする生物種の幅広さ。
- 真核生物由来の唾液・スワブ・体液試料を用いる場合、宿主(真核生物)由来DNAの混入。
マイクロバイオーム解析で得られた結果を各種手法で画像化したもの
エピジェネティクス解析におけるNGSの利用について
※ エピジェネティクス解析関連製品についてはこちらもご覧下さい。
エピジェネティクス解析の分野においても、NGS(次世代シークエンシング)は下記のとおり幅広く用いられています。
Bisulfite変換によるDNAメチル化解析
最もよく知られているエピジェネティックなマーカーはDNAメチル化です。5-メチル化シトシン(5-mC)はシトシン(C)にメチル基が共有結合しているため、標準的な塩基配列決定法ではDNAメチル化を直接分析することはできません。Bisulfite変換はCから5-mCへの変化を同定する場合のゴールドスタンダードとなっています。この化学的プロセスでは、非メチル基シトシンのみを脱アミノ化し、ウラシルに変換します。Bisulfite変換した試料から調製したライブラリーをNGS(次世代シークエンシング)解読すると、メチル化シトシンは配列中で「C」として読まれ、ウラシルに変換されたシトシンは「T」として読まれます。これらの配列を参照ゲノムと比較することで、1塩基の分解能でメチル化の割合を計算することができます。
Bisulfite変換を用いたNGS解析には、以下の手法が主に用いられています。
RRBS (Reduced Representation Bisulfite Sequencing) | 重要な遺伝子発現調節因子が含まれ、DNAメチル化が主として起きるゲノム中のCpG領域のみを対象としたライブラリーを調製する。 |
---|---|
WGBS (Whole Genome Bisulfite Sequencing) | 全ゲノムを対象としてBisulfiteシークエンシングを行う。 |
Targeted Sequencing | Bisulfite変換後、標的遺伝子に対するプライマーを用いてライブラリー調製を行う。 |
RRBS解析で得られたDNAメチル化情報のヒートマップ
MeDIP-seq(メチル化DNA免疫沈降後のNGS解析)
メチル化DNA免疫沈降法(MeDIP)は、Bisulfite変換を用いずに、5-mCを標的とした抗体を用いて、断片化されたゲノムDNAからメチル化DNAを濃縮させます。この濃縮された画分は、ゲノム全体のメチル化解析に使用することができます。
クロマチン構造変化のNGSによる解析
ヒストン修飾は、ヒストンのコアタンパク質に対する共有結合的な修飾であり、遺伝子発現を変化させます。
クロマチン免疫沈降法(ChIP)は、タンパク質をDNAに架橋した後、タンパク質特異的抗体を用いて、タンパク質に結合したDNA断片を選択的に沈殿・濃縮させます。濃縮されたDNAをNGS解析するChIP-seqは、特定のヒストン修飾のゲノムワイドなプロファイルや、ゲノム内の転写因子や他の酵素結合部位の解析に使用できます。また、ChIP-seqを改良した手法として、ChIP-exo、ChIPmentation、CUT&RUN、CUT&Tag、改良型CUT&RUN(cTIP)などの手法があります。
ゲノム中のヌクレオソームや転写因子が結合していない(開いている)領域であるオープンクロマチン領域は、遺伝子発現と関連しているため、そのマッピングはクロマチン構造変化の理解に有用です。クロマチン中のDNAへのアクセス性を測定するために最も一般的に使用されている手法は、ATAC-seq(Assay for Transposase-Accessible Chromatin)となります。
エピジェネティクス解析の今後について
上記の各手法で得られた情報と、RNAシークエンシングを組み合わせることで、エピジェネティックな変化の影響を「マルチミック」なアプローチで測定することが可能になりました。さらに強力な解析法は、これらの手法をシングルセルレベルで組み合わせて解析することです。近年、シークエンシング能力が急速に向上し、コストが大幅に削減されたことから、シングルセルのエピゲノミクスを解析して、細胞タイプに特化したマップを作成することへの関心が高まっています。これにより、疾患における細胞の発生、同一性、機能を新たなレベルで理解することが可能になります。
例えば、マウス肝臓のシングルセルを対象としたWGBSにより、肝臓組織内における極めて高レベルなDNAメチル化の不均一性が明らかになりました。
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次世代シークエンス(NGS)に関する技術情報の動画
Addressing the Challenges of cfDNA NGS Assay Validation
SeraCare社のNGSによる遺伝子変異解析時の標準物質:Seraseq Reference Materialの紹介動画
約30分
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次世代シークエンス(NGS)関連製品カタログ
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次世代シークエンス(NGS)関連製品ラインナップ
対象項目名をクリックすると該当部分へ移動します。
※ マイクロバイオーム(微生物叢)研究関連製品(試料保存試薬・核酸精製キット・微生物叢標準品など)についてはこちらもご覧下さい。
対象項目 | キーワード | |
---|---|---|
第3世代 ロングリードシークエンス |
・長鎖DNA抽出 ・DNAスタンダード |
|
ゲノム増幅酵素/逆転写酵素 | ・全ゲノム増幅 ・シングルセル |
|
NGSライブラリー調製キット |
・DNAライブラリー ・微生物叢(マイクロバイオーム) ・エピジェネティクス ・ChIP-seq・Cut&Run ・リボソームプロファイリング |
|
その他NGS関連製品 |
・DNAサイズ分類・精製キット ・ライブラリー調製標準試料 |
|
NGS関連受託サービス |
・微生物叢 ・腸内フローラ ・エクソソーム ・エピジェネティクス |
|
NGS関連機器 |
・DNA/RNAフラグメントアナライザー ・核酸精製デバイス |
追加しました。
第3世代ロングリードシークエンス
品名をクリックすると製品詳細をご覧いただけます。
品名 | 特長 |
---|---|
メーカー:ZYR | |
メーカー:ZYR | |
追加しました。
ゲノム増幅酵素/逆転写酵素
品名をクリックすると製品詳細をご覧いただけます。
品名 | 特長 |
---|---|
メーカー:SYN | |
メーカー:SYN | |
メーカー:SYN | |
メーカー:SYN | |
追加しました。
NGSライブラリー調製キット
DNAライブラリー調製キット
品名をクリックすると製品詳細をご覧いただけます。
品名 | 特長 |
---|---|
メーカー:ZYR | |
メーカー:ZYR | |
メーカー:EPG | |
メーカー:CAT | |
メーカー:QTB | |
メーカー:QTB | |
メーカー:QTB | |
メーカー:CLM | |
RNAライブラリー調製キット
品名をクリックすると製品詳細をご覧いただけます。
品名 | 特長 |
---|---|
メーカー:ZYR | |
メーカー:ALI | |
メーカー:GXP | |
メーカー:ZYR | |
メーカー:QTB | |
メーカー:EPG | |
メーカー:ELZ | |
エピジェネティクス(DNA / RNAのメチル化)解析用ライブラリー調製キット
品名をクリックすると製品詳細をご覧いただけます。
品名 | 特長 |
---|---|
メーカー:ZYR | |
メーカー:EPG | |
メーカー:ZYR | |
メーカー:EPG | |
メーカー:ZYR | |
メーカー:ZYR | |
メーカー:ZYR | |
メーカー:EPG | |
メーカー:EPG | |
メーカー:ZYR | |
メーカー:EPG | |
メーカー:EPG | |
ChIP-seq・Cut&Run用ライブラリー調製キット
品名をクリックすると製品詳細をご覧いただけます。
品名 | 特長 |
---|---|
メーカー:TXO | |
メーカー:EPG | |
メーカー:EPG | |
メーカー:EPG | |
メーカー:ANO | |
リボソームプロファイリング用ライブラリー調製キット
品名をクリックすると製品詳細をご覧いただけます。
品名 | 特長 |
---|---|
メーカー:IBT | |
メーカー:IBT | |
ライブラリー調製関連製品
品名をクリックすると製品詳細をご覧いただけます。
品名 | 特長 |
---|---|
メーカー:QTB | |
メーカー:SQM | |
メーカー:EPG | |
追加しました。
その他NGS関連製品
DNAサイズ分類・精製キット
品名をクリックすると製品詳細をご覧いただけます。
品名 | 特長 |
---|---|
メーカー:ZYR | |
メーカー:QTB | |
メーカー:EPG | |
メーカー:EPG | |
メーカー:MBG | |
メーカー:MBG | |
NGS用標準試料
項目名をクリックすると製品詳細をご覧いただけます。
品名 | 特長 |
---|---|
メーカー:KPL | |
シングルセル調製
品名をクリックすると製品詳細をご覧いただけます。
品名 | 特長 |
---|---|
メーカー:MTI | |
追加しました。
NGS関連受託サービス
微生物叢・腸内フローラ・マイクロバイオーム解析
品名をクリックすると製品詳細をご覧いただけます。
サービス名 | 特長 |
---|---|
メーカー:ZYR | |
メーカー:ZYR | |
メーカー:ZYR | |
メーカー:DNA | |
メーカー:JBI | |
メーカー:CGT | |
エピジェネティクス解析
品名をクリックすると製品詳細をご覧いただけます。
品名 | 特長 |
---|---|
メーカー:ZYR | |
メーカー:ZYR | |
メーカー:DNA | |
メーカー:ZYR | |
メーカー:EPD | |
メーカー:ANY | |
メーカー:EPD | |
メーカー:EPD | |
メーカー:ZYR | |
メーカー:ZYR | |
メーカー:DNA | |
RNA解析
品名をクリックすると製品詳細をご覧いただけます。
品名 | 特長 |
---|---|
メーカー:ZYR | |
メーカー:TXO | |
メーカー:DNA | |
メーカー:DNA | |
メーカー:SBI | |
メーカー:ECB | |
メーカー:ECB | |
翻訳解析
品名をクリックすると製品詳細をご覧いただけます。
品名 | 特長 |
---|---|
メーカー:ECB | |
メーカー:ECB | |
その他遺伝子解析
品名をクリックすると製品詳細をご覧いただけます。
品名 | 特長 |
---|---|
メーカー:INP | |
メーカー:DNA | |
メーカー:PGL | |
メーカー:DNA | |
メーカー:EPD | |
追加しました。
NGS関連機器
品名をクリックすると製品詳細をご覧いただけます。
品名 | 特長 |
---|---|
メーカー:BOP | |
メーカー:TAN | |
メーカー:OTO | |
追加しました。
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お問い合わせ先
(テクニカルサポート 試薬担当/テクニカルサポート 機器担当/受託・特注品業務担当)
製品情報は掲載時点のものですが、価格表内の価格については随時最新のものに更新されます。お問い合わせいただくタイミングにより製品情報・価格などは変更されている場合があります。
表示価格に、消費税等は含まれていません。一部価格が予告なく変更される場合がありますので、あらかじめご了承下さい。