cfDNAなど劣化した試料に最適なNGS Library作製キット 一本鎖DNAライブラリー調製キット(SRSLY Prep Kit)
掲載日情報:2024/01/30 現在Webページ番号:71265
Single Reaction Single-stranded DNA LibrarY Prep Kit(SRSLY Prep Kit)は、シンプルで効率的なライゲーションベースのIllumina社NGS用の一本鎖DNAからのライブラリー調製キットです。法医学試料由来のDNA、古代DNA(Ancient DNA)、セルフリーDNA(cfDNA)などの劣化した核酸試料、in vitroで切断したDNA、合成オリゴヌクレオチドやプローブ、ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)試料など由来の損傷DNA、そしてFirst Strand cDNAまで、試料の種類に関係なく使用できます。
追加しました。
- SRSLY Prep Kitについて
- SRSLY Prep Kit(UMI付加)のワークフロー(動画)
- 特長
- SRSLY Prep Kitの各キットの概要とパーツの選択法
- 使用例
- Topics:cfDNAに含まれる短鎖DNAの貴重な情報
- 主な使用文献および参照文献
- 関連した製品・特集記事
- 価格
SRSLY Prep Kitについて
試料のDNAにはさまざまな形態があります。例えば、一本鎖DNA(single strand DNA, ssDNA)や断片化されてオーバーハングを持つ二本鎖DNA(Fragmented dsDNA with overhang)、断片化されて平滑末端を持つ二本鎖DNA(Fragmented dsDNA with blunt ends)、損傷を持つDNA(Dameged / Nicked DNA)などがあります。
Claret Bioscience社のSRSLY Prep Kitでは、すべてのDNAを一本鎖DNA(████)にした後、一本鎖DNAにアダプターを付加してライブラリーを調製します。
ニックがある二本鎖DNAも、このような手法によりニックで切れた箇所にアダプターを付加することが可能となり、取りこぼしが無くなります。また、従来の二本鎖DNAベースのアダプターライゲーション方式では、平滑末端化やdA tailingを実施しますが、SRSLY法では一本鎖に直接アダプターをライゲーションする手法であるため、ネイティブな末端配列を保持することができ、また失われる可能性のある一本鎖DNA、損傷を受けた二本鎖DNAなども回収することができます。
さらに、一本鎖DNA状態が安定に保たれるようにssEnhancer(●)を使用しています。ssEnhancerは一本鎖DNAに結合し、二本鎖へと戻ることが無いように安定化して、その後の反応を効率的に進めることができます。
通常ライゲーションに使用されるT4リガーゼは、一本鎖DNAを結合させる場合には二本鎖DNAを使用した場合と異なりライゲーション効率が低下します。そこで、SRSLY Prep Kitではランダムな配列を有するSplint sequenceをアダプターに導入し、この問題を解決しました。Splint sequenceは一本鎖DNAに結合するアダプター配列の相補鎖側の3’末端に突出末端として導入されています。このSplint sequenceと対象のDNAが結合することで、二本鎖DNAを付加させるような状況を作り出し、T4リガーゼによる付加反応が高効率となる工夫がされています。
Index PCRに進みます。