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翻訳中のRNAを高い解像度で解析できます! リボソームプロファイリング受託サービス

掲載日情報:2024/03/15 現在Webページ番号:71310

eRibo ProサービスはEclipse Bioinnovations社独自のRibo-Seq法(米国特許取得済み)によってリボソームプロファイリングを行う受託サービスです。同社では、eRibo Proを含む包括的なRNAゲノミクスプラットフォームを利用して、詳細な多次元RNAマップを構築する体制が整えられています。

本製品は研究用です。研究用以外には使用できません。


eRibo Proサービスのイメージ

リボソームプロファイリングとは

RNA-Seqによるトランスクリプトーム(transcriptome)解析は遺伝子発現を網羅的に解析する強力な手法であり、細胞内プロテオームの推測用途にも広く用いられています。しかし、RNAの発現量を測定するという原理上、RNAからタンパク質への翻訳段階での制御を捉えることはできず、試料中に実際に存在するタンパク質レベルを精度よく推測することは難しいという問題がありました。

リボソームプロファイリングはリボソームに結合しているRNAの量を測定する手法であり、試料中のタンパク質発現レベルを推測するためのより精密な手法として有用です。Eclipse Bioinnovations社では独自の手法(Ribo-Seq法)によるリボソームプロファイリング受託サービス(eRibo Proサービス)を提供しています。

eRibo Proサービスでは、リボソーム結合RNAとトランスクリプトームをプロファイリングし、リボソームによって保護されたRNA断片(Ribosome protected fragment、RPF)のマッピングや、転写・翻訳の量が変動した遺伝子の同定結果をインタラクティブなレポートとして報告します。トランスクリプトーム全体におけるリボソーム占有率を定量化することができるため、トランスラトーム(Translatome)研究への広範な応用が可能です。


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特長

  • RNA-Seqだけでは見逃されるような翻訳の変化を定量化することができます。
  • 1コドンレベルの高解像度な解析が可能です。
  • 実験間で非常に高い再現性が得られます。
  • ライブラリーの調製からシークエンス、データ解析まで、リボソームプロファイリングのすべての過程をEclipse Bioinnovations社の経験豊富なRNA専門家が実施します。
  • 解析結果はインタラクティブなレポートとして納品いたします。

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解析内容

解析可能な試料

  • 500万個のヒト細胞(70~80%コンフルエント)
  • 架橋処理は必要ありません。

■解析の手順

eRibo Proサービスのワークフロー

eRibo Proサービスには、RNA-Seqおよびリボソームによって保護されたRNA断片(RPF)の単離、ライブラリーの調製、配列決定、およびデータ分析が含まれます。
RPFは500万個の非架橋細胞から生成され、約30 ntの高解像度リボソームフットプリントが得られます。


■納品データ

データの種類

フォーマット

概要

シークエンス生データ

FASTQ

シークエンサーから直接読み込んで、試料ごとに単離したデータです。

ゲノムアラインメントデータ

BAM

下流の解析のために、反復エレメントのフィルタリング、アラインメント、PCR duplicateの除去を行ったリードのデータです。
カバレッジトラック

BIGWIG

IGVのようなゲノムビューアで可視化するための、ポジティブ鎖とネガティブ鎖上において正規化されたリードカバレッジです。
発現変動とリボソーム占有率

TSV

RPFライブラリーとRNA-seqライブラリーを対象とした発現変動遺伝子解析およびリボソーム占有率解析の結果と統計表です。
eRiboサマリーレポート

HTML

RPFライブラリーとRNA-Seqライブラリーを、異なる条件の試料においてインタラクティブな表とプロットで比較したレポートです。


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解析例

■翻訳阻害剤処理の影響の分析例

阻害物質解析のイメージ

既知の翻訳阻害剤であるTorin 1で処理した試料とコントロール試料との間で、RPFライブラリー(Ribo-seq)およびTotal RNAライブラリー(RNA-seq)の発現変動を比較した。

Torin1処理によって多くの遺伝子においてRPF量が減少している(図A. 左)一方で、RNA発現量はほとんど変動していなかった(図A. 右)。このことから、Torin 1は翻訳過程のみを特異的に阻害することが示唆された。
また、TOPモチーフを含む遺伝子と含まない遺伝子とでRPF量の変動を比較すると、TOPモチーフを含む遺伝子のみRPF量が減少していることがわかる(図B)。このことは、Torin 1がTOPモチーフを含む遺伝子を標的として翻訳阻害することと矛盾しない。

■コドン周期性の検出例

コドン周期性検出のイメージ

翻訳阻害剤として知られているHarringtonineで処理した試料を用いた解析を行なった。Harringtonineは、リボソームの60SサブユニットのAサイトに結合することで、リボソームによるタンパク質合成を阻害し、リボソームを翻訳開始点に蓄積させる作用を有する。

図A. コントロール試料におけるRPFライブラリー由来のリードについて、5‘末端のカバレッジをそれぞれの遺伝子の翻訳開始点を基準とした相対位置に対してプロットしたグラフ。各コドンに対応した3塩基ごとの周期性が見られる。
図B. コントロール試料由来のRPFライブラリー、Harringtonine処理試料由来のRPFライブラリー、Harringtonine処理試料由来のRNA-Seqライブラリーについて、全遺伝子のCDS上流部分と5’UTRへマッピングされたリード全体の平均カバレッジを示したメタ遺伝子プロット。Harringtonine処理したRPFライブラリーにおいては、Harringtonineによって翻訳開始点にリボソームが蓄積することに対応した顕著なピークが翻訳開始点に見られる。

これらの結果からeRibo Proでは高解像度のリボソームプロファイリングデータが得られることが分かる。



■実験間の高い再現性

実験間の高い再現性のイメージ

eRibo Proサービスは、RNA-Seqライブラリー、RPFライブラリー、リボソーム占有率のそれぞれのデータにおいても高い再現性を示す。また、eRibo ProはEclipse Bioinnovations社の免疫沈降法を元にしたリボソームカウントアッセイeRibo Countとも高い相関性を有する。高い再現性、相関性は各手法間の一貫性の高いリボソーム関連解析を可能にする。

図A. eRibo Pro解析における再現性の検討。RNA-Seq(r=0.999)、RPF(r=0.999)、リボソーム占有率(r=0.986)の全てにおいて実験間で非常に高い再現性が見られた。
図B. eRibo Proによる解析結果とeRibo Count法による解析結果間の相関性。RNA-Seqライブラリー(r=0.924)、リボソーム関連ライブラリー(r=0.921)の両方で高い相関性が見られた。



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