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メチル化DNAやアセチル化/メチル化/リン酸化ヒストンなどの研究に! エピジェネティクスカタログ -メチル化DNA・ヒストン・ChIP解析など-
掲載日情報:2017/07/03 現在Webページ番号:5859
フナコシ /
フナコシ(株)
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エピジェネティクスに関する技術情報
エピジェネティクスとは
エピジェネティクス(Epigenetics)とは、基本的なDNAの塩基配列の変化を伴わない遺伝子発現の遺伝的変化*1のことです。エピジェネティックな制御機構にはDNAのメチル化、ヒストン修飾、non-cording RNA、RNAのメチル化などがあり、これらによって遺伝子発現のOn/Offが切り替えられています。
エピジェネティクス解析におけるNGSの利用について
エピジェネティクス解析の分野において、NGS(次世代シークエンシング)は下記のとおり幅広く用いられています。

Bisulfite変換によるDNAメチル化解析
最もよく知られているエピジェネティックなマーカーはDNAメチル化です。5-メチル化シトシン(5-mC)はシトシン(C)にメチル基が共有結合しているため、標準的な塩基配列決定法ではDNAメチル化を直接分析することはできません。Bisulfite変換はCから5-mCへの変化を同定する場合のゴールドスタンダードとなっています。この化学的プロセスでは、非メチル基シトシンのみを脱アミノ化し、ウラシルに変換します。Bisulfite変換した試料から調製したライブラリーをNGS(次世代シークエンシング)解読すると、メチル化シトシンは配列中で「C」として読まれ、ウラシルに変換されたシトシンは「T」として読まれます。これらの配列を参照ゲノムと比較することで、1塩基の分解能でメチル化の割合を計算することができます。

Bisulfite変換を用いたNGS解析には、以下の手法が主に用いられています。
RRBS (Reduced Representation Bisulfite Sequencing) | 重要な遺伝子発現調節因子が含まれ、DNAメチル化が主として起きるゲノム中のCpG領域のみを対象としたライブラリーを調製する。 |
---|---|
WGBS (Whole Genome Bisulfite Sequencing) | 全ゲノムを対象としてBisulfiteシークエンシングを行う。 |
Targeted Sequencing | Bisulfite変換後、標的遺伝子に対するプライマーを用いてライブラリー調製を行う。 |

RRBS解析で得られたDNAメチル化情報のヒートマップ
MeDIP-seq(メチル化DNA免疫沈降後のNGS解析)
メチル化DNA免疫沈降法(MeDIP)は、Bisulfite変換を用いずに、5-mCを標的とした抗体を用いて、断片化されたゲノムDNAからメチル化DNAを濃縮させます。この濃縮された画分は、ゲノム全体のメチル化解析に使用することができます。
クロマチン構造変化のNGSによる解析
ヒストン修飾は、ヒストンのコアタンパク質に対する共有結合的な修飾であり、遺伝子発現を変化させます。
クロマチン免疫沈降法(ChIP)は、タンパク質をDNAに架橋した後、タンパク質特異的抗体を用いて、タンパク質に結合したDNA断片を選択的に沈殿・濃縮させます。濃縮されたDNAをNGS解析するChIP-seqは、特定のヒストン修飾のゲノムワイドなプロファイルや、ゲノム内の転写因子や他の酵素結合部位の解析に使用できます。また、ChIP-seqを改良した手法として、ChIP-exo、ChIPmentation、CUT&RUN、CUT&Tag、改良型CUT&RUN(cTIP)などの手法があります。

ゲノム中のヌクレオソームや転写因子が結合していない(開いている)領域であるオープンクロマチン領域は、遺伝子発現と関連しているため、そのマッピングはクロマチン構造変化の理解に有用です。クロマチン中のDNAへのアクセス性を測定するために最も一般的に使用されている手法は、ATAC-seq(Assay for Transposase-Accessible Chromatin)となります。

エピジェネティクス解析の今後について
上記の各手法で得られた情報と、RNAシークエンシングを組み合わせることで、エピジェネティックな変化の影響を「マルチミック」なアプローチで測定することが可能になりました。さらに強力な解析法は、これらの手法をシングルセルレベルで組み合わせて解析することです。近年、シークエンシング能力が急速に向上し、コストが大幅に削減されたことから、シングルセルのエピゲノミクスを解析して、細胞タイプに特化したマップを作成することへの関心が高まっています。これにより、疾患における細胞の発生、同一性、機能を新たなレベルで理解することが可能になります。
例えば、マウス肝臓のシングルセルを対象としたWGBSにより、肝臓組織内における極めて高レベルなDNAメチル化の不均一性が明らかになりました。
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製品カテゴリー一覧
表中の項目名をクリックすると、該当カテゴリーの紹介ページへリンクします。
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メチル化/ヒドロキシメチル化DNA/メチル化RNA メチル化DNA/RNAに関連する研究用製品・受託サービスをご紹介します。 メチル化DNA関連製品の詳細 5-hmC関連製品の詳細 5-fC定量キットの詳細 メチル化RNA関連製品の詳細 |
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ヒストン修飾 各種修飾ヒストン(アセチル化、メチル化、リン酸化)やヒストン修飾に関わるタンパク質(Histone Acetyltransferase, Histone Deacetylase, Bromodomainなど)に関する製品をご紹介します。 詳細 |
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DNA/ヒストン免疫沈降・ChIP 核抽出物の精製、メチル化DNA/修飾ヒストン/クロマチン免疫沈降(ChIP)などに関連する製品をご紹介します。 詳細 |
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エピジェネティクス研究用抗体 メチル化/ヒドロキシメチル化DNAや修飾ヒストン、およびそれら修飾に関わるタンパク質の検出・免疫沈降などに有用な各種抗体をご紹介しています。 詳細 |
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次世代シークエンス(NGS)用ライブラリー構築キット DNAメチル化研究にも利用可能な次世代シークエンス用ライブラリー構築キットをご紹介します。 詳細 |
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受託サービス 各種メチル化解析受託サービス、創薬支援サービスがあります。メチル化サービスはフローチャートからご希望のサービスをお調べいただけます。 詳細 |
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その他オススメ製品 Direct-Zol フェノール溶解液をそのままカラム精製できるRNA精製キットです。Small RNA・miRNAを含む幅広いサイズのRNA精製や、メチル化解析用RNAの精製などに最適です。 詳細 |

- 製品掲載誌のご紹介
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『実験医学別冊 エピジェネティクス実験スタンダード』(羊土社)にて 『実験医学別冊 エピジェネティクス実験スタンダード
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- 注目の新製品
製品名 | 備考 | 詳細 |
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Anti-Histone PTM Site Specific Antibody | ユニークなヒストンの翻訳後修飾(Post-translational Modification:PTM)に対する特異的抗体をご紹介いたします。リシンのacetyl化(Kac), methyl化(Kme), butyryl化(Kbu), propionyl化(Kpro) succinyl化(Ksucc),crotonyl化(Kcr), β-hydroxybutyryl化(Kbhb), 2-hydroxyisobutyryl化(Khib)などさまざまな翻訳後修飾対する特異的抗体があります。 | 詳細 |
- フナコシニュース連載企画 「FRONTIERS」 EpiGentek Group社の紹介


Epigentek Group Inc. は、2005 年に米国ニューヨーク州に設立された、エピジェネティクス研究用試薬の開発やサービスを提供しているメーカーです。今回は同社のWilliam Lee 氏(VP.Operation)に、同社の歴史や主力製品についてお話を伺いました。
詳細はこちらをご覧下さい。
- PDF版カタログ
- その他関連カタログ
- エピジェネティクス用語解説
DNAのメチル化/ヒドロキシメチル化(5-mC, 5-hmC)
■ DNAのメチル化(メチレーション)
DNAは、DNAメチルトランスフェラーゼと呼ばれる酵素の働きによって、5’-CG-3’のシトシン基(CpG)がメチル化されます。DNAのメチル化によって、遺伝子の発現や細胞の分化、発生といった様々な細胞内の働きを制御しています。また、DNAのメチル化は様々な疾患のバイオマーカーとしても注目されています。
■ 5-ヒドロキシメチルシトシン(5-hmC)
5-ヒドロキシメチル化シトシン(5-hmC)は、様々な生物種に存在するシトシン修飾体の一つで、ヒトやマウスの神経組織では高レベルでその存在が確認されています。幹細胞の自己複製、がんの発症や進行、神経疾患など多くの分野においてエピジェネティックな潜在因子として注目を集めています。ここ数年、DNAのヒドロキシメチル化についての研究が行われてきましたが、その生物学的な役割については未だ不明な点が多く残されています。
“6種類目の塩基”と考えられている5-hmCは、DNA脱メチル化経路において中間体としての役割を担っていると推測されていますが、それ自体が新たなエピジェネティックな調節を担っている可能性があります。

カテゴリ | 因子名 |
---|---|
DNAメチル基転移酵素 | Dnmt1 |
Dnmt3a | |
Dnmt3b | |
メチル化DNA結合タンパク質MBD(Methyl-CpG binding protein)タンパク質ファミリー | MeCP2 |
Mbd3 | |
Mbd1 | |
Mbd4 | |
Mbd2 | |
メチル化DNA結合タンパク質 メチル化DNA結合Znフィンガータンパク質ファミリー | Kaiso |
Zbtb38 | |
Zbtb4 | |
Zfp57 | |
DNA脱メチル化酵素 | TET (Ten-Eleven Translocation) |
IDH1/2 |
DNAメチル化/脱メチル化に関わる因子
物質名 | CAS No |
---|---|
5-アザシチジン(5-Azacytidine) | 320-67-2 |
ゼブラリン(Zebularine) | 3690/10/6 |
RG-108 | 48208-26-0 |
DNAメチルトランスフェラーゼ(DNMT)阻害物質
■ TET(Ten-Eleven Translocation)
TET(Ten-Eleven Translocation)はエピジェネティクス研究における新しい因子で、5-mCを5-hmCへ変換する反応を触媒します。TET1/TET2はES細胞で、TET3は卵細胞で高発現しており、転写調節において重要な役割を果たしていると考えられています。2009年に、TET1(Ten-eleven translocation 1)タンパク質が、DNAの脱メチル化に関与している可能性がある因子として同定されました。5-メチル化シトシン(5-mC)の脱メチル化において、中間体として5-ヒドロキシメチル化シトシン(5-hmC)を経由すると考えられており、TET1は5-mCを5-hmCに酸化する反応を触媒します。TET1は最初、急性骨髄性白血病に関与する遺伝子転座から発見されました。TET1の変異は様々な悪性腫瘍や発達障害に関与していると考えられています。また胚性幹細胞において、多能性に関わる因子のプロモーターを脱メチル化することで、多能性の維持にも関与しているという報告もあります。

RNAのメチル化
RNAのメチル化はmRNA, tRNA, miRNAなどの様々なRNA種の中で起こると考えられています。翻訳後修飾としてこのRNAのメチル化は、エピジェネティクス機構において重要な役割があると考えられています。N6-メチルアデノシトシン(m6A)が様々なRNA種の中で最も共有した豊富なメチル化修飾として知られています。また、5-メチルシトシン(5-mC)のメチル化も様々なRNA種に共通して見られます。最近の研究では、m6Aや5-mCのRNAメチル化がRNAの安定性やmRNAの翻訳のような様々な過程の制御に影響を与えていることや、RNAのメチル化の異常が疾患の原因となっていることが示唆されています。
参考文献
- Mapping recently identified nucleotide variants in the genome and transcriptome, Chun-Xiao Song, Chengqi Yi & Chuan He, Nature Biotechnology, 30, 1107~1116 (2012). [PMID: 23138310]
- N6-methyladenosine-dependent regulation of messenger RNA stability, Wang X, et. al., Nature, 505 (7481), 117~120(2014). [PMID: 24284625]
- Long non-coding RNAs as targets for cytosine methylation, Amort T, et. al., RNA Biology, 10(6), 1003~1008(2013). [PMID: 23595112]
ヒストン修飾
ヒストンは、DNA 鎖が巻きつくコイルのような形状をした、染色体の主要なタンパク質成分です。 ヌクレオソームには4種類のコアヒストン(H2A, H2B, H3, H4)が含まれ、クロマチンの主要な 構成要素になっています。コアヒストンのN末端は、細胞のシグナル刺激に応答してアセチル化/脱アセチル化、 リン酸化、メチル化など様々な転写後修飾を受け、遺伝子発現に直接影響を与えます。
■ ブロモドメインとは
■ ヒストン脱アセチル化酵素(HDACs)とは
■ ヒストンアセチルトランスフェラーゼ(HAT)とは
■ ヒストン脱メチル化酵素とは
■ SIRTとは
■ EZH2(Enhanced of Zeste Homolog 2)とは
■ JMJD2Aとは
JMJD2Aは、クラスⅠヒストン脱アセチル化酵素およびpRbと複合体を形成し、転写抑制を引き起こします。 この複合体中のJMJD2AのTudorドメインにより、H3K4メチル化状態のクロマチンへと複合体が選択的にリクルートされます。
■ BRG1とは
■ LSD1とは
クロマチンモジュレーター
細胞ごとにクロマチンの状態は、さまざまな修飾によって制御されています。修飾を担う酵素“Writer”、修飾されたタンパク質を認識する酵素“Reader”、脱修飾する酵素“Eracer”が関与し、細胞の分化・発達を調節しています。

クロマチンのアクセシビリティ
クロマチンにおける遺伝子調節エレメントのアクセシビリティは、様々な遺伝子制御において重要です。 遺伝子調節エレメントが被覆されたヌクレオソームは、DNAへの転写因子のリクルートを阻害します。 ヌクレオソームは、DNA約147塩基がヒストンオクタマーに巻きついた構造物で、クロマチンの基本ユニットです。
クロマチンと転写因子の相互作用に関する機能解析をする上では、ゲノムに配位されたヌクレオソームについてクロマチンアクセシビリティをマッピング解析することが重要です。概して、転写因子やDNA結合タンパク質のDNAへのアクセシビリティはクロマチンの状態に依存し、遺伝子の転写活性に影響をおよぼします。 近年、DNAのメチル化修飾により、ヌクレオソーム構造をコンパクトに圧縮させることが報告されています。また、ヌクレオソームの配位の仕方により、DNAのメチル化パターンが変化することも明らかになっています。このことから、DNAメチル化修飾とヌクレオソームの配位の情報を、同一のDNA分子から得ることは、遺伝子発現を調節するクロマチンアクセシビリティの理解を深めることに繋がります。
- お役立ち情報(外部リンク)
ZYMO RESEARCH社やEpigentek Group社では、エピジェネティクス研究に関連する製品や、文献情報を豊富に取り揃えています。下記の画像をクリックすると該当ページへと移動することができます。
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