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アセチル/メチル/リン酸化などの修飾ヒストンやHDAC/HMTなどヒストン修飾酵素など エピジェネティクスカタログ <ヒストン修飾/ヒストン修飾酵素など >
掲載日情報:2016/01/06 現在Webページ番号:6340
フナコシ /
フナコシ(株)
[メーカー略称:FUN]
追加しました。
修飾ヒストン(アセチル/メチル/リン酸化など)や、ヒストン修飾酵素(HAT, HDAC, HMTなど)を測定するキットなどをご紹介します。
ヒストンは、DNA 鎖が巻きつくコイルのような形状をした、染色体の主要なタンパク質成分です。 ヌクレオソームには4種類のコアヒストン(H2A, H2B, H3, H4)が含まれ、クロマチンの主要な 構成要素になっています。コアヒストンのN末端は、細胞のシグナル刺激に応答してアセチル化/脱アセチル化、 リン酸化、メチル化など様々な転写後修飾を受け、遺伝子発現に直接影響を与えます。

- ヒストンのアセチル化・脱アセチル化
ヒストンアセチルトランスフェラーゼ(HAT)
■HAT活性測定キット
EpiQuik HAT Activity/Inhibition Assay Kit 核抽出物中のHAT活性を比色定量するキット |
HAT Activity Colorimetric Assay Kit HAT活性を比色法で測定するキット |
HAT(pCAF) Inhibitor Screening Assay Kit pCAF活性・阻害物質をスクリーニングするキット |
SensoLyte p300 / pCAF Assay Kit p300またはpCAFの活性を蛍光により測定するキット |
GCN5 / p300 Fluorogenic Assay Kit GCN5 / p300阻害物質のスクリーニングキット |
GCN5 Chemiluminescent Assay Kit CGN5阻害物質のスクリーニングキット |
Fluorogenic GCN5 Assay Kit GCN5活性を蛍光測定するキット |
TIP60 Colorimetric Cell-Based ELISA Kit 生細胞中のTIP60発現を測定するELISAキット |
■HAT抗体/阻害物質
HAT酵素/HAT阻害物質 阻害物質のスクリーニングなどに有用 |
抗HAT抗体 各HATに対する抗体 |
HDAC活性測定
■HDAC総活性測定キット
Epigenase HDAC Activity / Inhibition Direct Assay Kit 核抽出物・精製酵素中のHDAC総活性の測定キット |
HDAC Activity Assay / Inhibitor Drug Screening Kit HDACの総活性を測定するキット |
Fluorogenic HDAC Assay Kit HDAC Class 1またはClass 2αの活性を測定するキット |
InSitu HDAC Activity Fluorometric Assay Kit 培養細胞中のHDAC活性を測定するキット |
HDAC Activity Assay Kit 核抽出物・培養細胞中のHDAC活性を測定するキット |
SensoLyte HDAC Activity Assay Kit 試料中のHDAC酵素活性を測定するキット |
■各HDACの活性測定キット
EpiQuik HDAC Assay Kit 各HDAC(1~11)の量を半定量するキット |
Fluorogenic HDAC 1~9 Assay Kit 各HDACの活性を測定するキット--> |
HDAC1/8 Inhibitor Screening Assay Kit HDAC1 / 8の阻害物質をスクリーニングするキット |
HDAC 3/8 Activity Assay / Inhibitor Screening Kit HDAC3 / 8の活性を測定するキット |
JMJD2A Tudor Domains TR-FRET Assay Kit JMJD2A阻害物質の活性を測定するキット |
■SIRT活性の測定
Epigenase Universal SIRT Activity / Inhibition Assay Kit 核抽出物中・精製酵素中のSIRTの総活性を測定するキット |
SIRT Screening Assay Kit SIRT阻害/活性化物質をスクリーニングするキット |
SensoLyte SIRT Activity Assay Kit SIRTの酵素活性を2ステップで高感度に検出するキット |
SIRT1 Fluorogenic Assay Kit SIRT1活性を測定するキット--> |
SIRT1/2 Human Intracellular ELISA Kit ヒト細胞中のSIRT1 / 2を定量するELISAキット |
SIRT2 Inhibitor Screening Assay Kit SIRT2阻害物質を蛍光法でスクリーニングするキット |
SIRT6 Chemiluminescent Assay Kit SIRT6阻害物質のスクリーニング・プロファイリングキット |
■その他HDAC / SIRT関連製品
DiscoveryPak HDAC Inhibitor Set 6種類のHDAC阻害物質をセットにした製品 |
SIRT関連化合物 SIRT阻害物質などを紹介 |
組換え体ヒストン脱アセチル化酵素 酵素カイネティクス解析や、阻害物質のスクリーニングなどに有用 |
組換え体ヒトSirtuin 組換え体SIRT1~7をラインナップ |
HDAC抗体/ペプチド/酵素 HDAC関連製品をまとめてご紹介 |
抗SIRT抗体 各SIRTに対する抗体 |
ブロモドメイン
■阻害物質の解析
BRD Inhibitor Screening Assay Kit ブロモドメインと基質の結合の阻害物質スクリーニングキット |
Bromodomain Inhibitor, (+)-JQ1 BETファミリータンパク質のブロモドメインに対する阻害物質 |
EpiQuik BRD2 Binding Activity / Inhibition Assay Kit 核抽出物中・精製タンパク質中のBRD2のリガンドに対する結合活性を測定するキット |
Bromodomain TR-FRET Assay Kit ブロモドメインとアセチル化ヒストン間の結合を阻害する物質の阻害活性を測定するキット |
ATAD2A TR-FRET Assay Kit ATAD2A阻害物質をスクリーニングするキット |
BRG1 Bromodomain TR-FRET Assay Kit BRG1 阻害物質をスクリーニングするキット |
BRD TR-FRET Assay Kit BRD阻害物質の阻害活性をハイスループットに測定するキット |
■ブロモドメインタンパク質
組換え体ブロモドメイン(BRD)
タグなどを付加したBRDタンパク質
アセチル化ヒストン測定キット
■アセチル化ヒストン総量測定キット
EpiQuik Total Histone Acetylation Detection Fast Kit 哺乳動物組織/細胞ライセート中のヒストンH3/H4アセチル化レベルを測定するキット |
EpiQuik Global Histone Acetylation Assay Kit 哺乳動物組織/細胞ライセート中のヒストンH3/H4アセチル化レベルを測定するキット |
EpiQuik In Situ Histone H3-K9 Acetylation Assay Kit in situにおけるアセチル化ヒストンを検出するキット |
■特定部位のアセチル化測定キット
EpiQuik Global Acetyl Histone Quantification Kit 哺乳動物組織/細胞ライセート中のアセチル化ヒストンを定量するキット |
EpiQuik Global Di-Methyl Histone H4R3 Quantification Kit ヒストンH4のR3位アルギニン残基のジメチル化を特異的な抗体を用いて比色定量するキット |
■アセチル化ヒストン検出抗体
抗アセチル化ヒストン抗体
アセチル化ヒストンH3/H4を特異的に認識する抗体です。
- ヒストンのメチル化・脱メチル化
ヒストンメチルトランスフェラーゼ(HMT)
■HMT活性測定キット
EpiQuik Histone Methyltransferase Assay Kit 核抽出物中のHMT活性を測定するキット |
EpiQuik DNA Methyltransferase Screening Kit Dnmt1または3Bの阻害物質スクリーニングキット |
G9a Methyltransferase Inhibitor Screening Assay Kit G9a阻害物質をスクリーニングするキット |
Histone Universal Methyltransferase Assay Kit HMT活性を測定するキット |
EZH2 Homogenous Assay Kit EZH2活性を測定するキット |
|
EHMT1 Chemiluminescent Assay Kit EHMT1活性を測定するキット |
Epigenase PRMT Methyltransferase Assay Kit Ⅱ型PRMTの活性を測定するキット |
ヒストンメチルトランスフェラーゼ活性測定キット PRMTファミリーや SUV39H1活性を測定するキット |
SMYD2 Chemiluminescent Assay Kit SMYD2活性を蛍光測定するキット |
EZH2 Mutant Chemiluminescent Assay Kit 変異体EZH2を有するポリコーム抑制複合体2の活性を測定するキット |
NSD Chemiluminescent Assay Kit NSD1/2活性を蛍光測定するキット |
P300 Chemiluminescent Assay Kit P300の阻害物質をELISA法によりスクリーニングするキット |
P300 Homogeneous Assay Kit P300の阻害物質をAlphaLISAによりスクリーニングするキット |
■その他HMT関連製品
ヒストンメチルトランスフェラーゼ タグを付加したHMTなどを紹介 |
抗Set1複合体抗体 ヒストンH3-K4 メチルトランスフェラーゼの複合体Set1に対する抗体 |
Human Recombinant PRC2 Complex Protein
ポリコーム抑制複合体2(PRC2)を構成する因子をバキュロウィルスで共発現させた組換え体タンパク質
ヒストンデメチラーゼ(Histone Demethylase)
■Histone Demethylase活性測定キット
Epigenase JMJD3 / UTX Demethylase Assay Kit 核抽出物・精製酵素中のJMJD3・UTXの総酵素活性測定キット |
EpiQuik HDM (H3K9)Assay Kit 核抽出物中のヒストンH3K9のHDM活性を定量するキット |
EpiQuik Histone H3K4 Demethylase Assay Kit 核抽出物中のヒストン脱メチル化酵素活性を定量するキット |
EpiQuik DNA Demethylase Activity / Inhibition Assay Kit LSD1阻害物質をスクリーニングするキット |
EpiQuik DNA Demethylase Activity / Inhibition Assay Kit 核抽出物中のDNA脱メチル化酵素活性を測定するキット |
LSD1 Inhibitor Screening Assay Kit LSD1 活性阻害物質をスクリーニングするキット |
JMJD2A/B/C Homogenous Assay Kit JARID/JMJD/LSD1の酵素活性を測定するキット |
|
Histone Demethylase Chemiluminescent Assay Kit JMJD2C/2D/3D、LSD1の酵素活性を測定するキット |
[BPS]LSD1 Fluorescent Assay Kit LSD1 活性を測定するキット |
LSD1 Homogeneous Assay Kit LSD1活性を測定するキット |
■Histone Demethylase関連製品
組換え体ヒストン脱メチル化酵素
酵素カイネティクス解析や、阻害物質のスクリーニングなどに有用
メチル化ヒストン測定キット
■メチル化ヒストンの総量測定キット
EpiQuik Global Histone Methylation Assay Kit 哺乳動物組織/細胞ライセート中のメチル化ヒストン (H3-K4/H3-K9/H3-K27)を検出する |
EpiQuik In Situ Histone Methylation Assay Kit in situ におけるメチル化ヒストンを検出するキット |
■特定部位のメチル化測定キット
EpiQuik Global Methyl Histone Quantification Kit
哺乳動物組織/細胞ライセート中に含まれるメチル化ヒストンを定量するキット
モノ、ジ、トリメチル化のいずれかを定量するキットと、同時に定量するキットがラインナップ
■メチル化ヒストン関連製品
Methyl-Lysine Reader組換え体 メチル化リジンを特異的に認識する酵素群Methyl-Lysine Readerの組換え体タンパク質 |
L3MBTL1 Inhibitor Screening Assay Kit メチル化ヒストン結合タンパク質L3MBTL1の阻害物質のスクリーニングを行うキット |
- ヒストンのリン酸化
リン酸化ヒストンの解析
EpiQuik Histone H3 Phosphorylation Assay Kit H3S10/H3S28のリン酸化を検出するキット |
Cell-Based Phospho-Histone H3 (Ser10) ELISA Kit 培養細胞中のリン酸化H3S10を半定量するキット |
Kinase Profiling Tools キナーゼ活性測定や基質特異性の探索・同定用基質セット |
ヒストンリン酸化酵素測定キット
DNA-PK Colorimetric Cell-Based ELISA Kit 生細胞中のDNA-PKの発現を測定するELISAキットです。 |
DUSP1, Human, Cell-Based ELISA Kit 生細胞中のDUSP1の発現を測定するELISAキットです。 |
- その他ヒストン修飾関連製品
SUMO化関連製品
EpiQuik In Vivo Protein Sumoylation Assay Ultra Kit ヒト、マウス、ラット試料中SUMO化タンパク質の測定キット
EpiQuik In Vivo HDAC1 Sumoylation Assay Kit HDAC1のSUMO 化を検出するキット
シトルリン化関連製品
PAD4 Inhibitor Screening Assay Kit ヒトPAD4阻害物質のスクリーニングキット
ADP-リボシル化関連製品
PARP Chemiluminescent Assay Kit PARP酵素活性を化学発光で測定するキット
- ヒストン
■ヒストン定量キット
EpiQuik Total Histone H3/H4 Quantification Kit 組織/細胞中のヒストンH3 / H4を定量するELISAキット |
High Throughput γH2AX ELISA Kit ヒト試料中のヒストンγH2AXを蛍光定量するELISAキット |
EpiQuik Histone H4 Modification Multiplex Assay Kit ヒストンH4の修飾状態を比色法により検出・定量するキット |
■修飾阻害物質
ヒストン修飾酵素阻害物質
様々なヒストン修飾を阻害する物質をご紹介
■ヒストンペプチド
各種ヒストンペプチド 化学合成されたヒストンペプチド |
EpiTitan Histone Peptide Array 修飾コアヒストン・変異体のペプチドアレイ |
■ヒストン抗体
ヒストンコード(Histone Code)関連抗体 各ヒストンを特異的に認識する抗体 |
抗ヒストン抗体 各ヒストンに対するポリクローナル抗体 |
Epi-Plus Antibody 飾されたヒストンタンパク質に対する抗体 |
ヒストン関連抗体 ヒストン関連抗体(HDAC, Histone H2B/H3/H4, LSD1, SIRT7)をご紹介 |
- ヒストンシャペロン
Daxx Cell-Based ELISA Kit 生細胞中のDaxx発現を測定するキット |
NPM Cell-Based ELISA Kit 生細胞中のNPM発現を測定するキット |
FANCD2 Cell-Based ELISA Kit 生細胞中のFANCD2発現を測定するキット |
- 受託サービス
阻害物質の評価受託サービス 高品質のHDAC、PTP、PDEまたはDPPを用いて阻害物質の評価を行います。 |
酵素活性・阻害物質評価受託サービス 各酵素ファ ミリーのプロファイリングを行います。また、キットが発売されていない酵素については、測定系の構築も承ります。 |
- ヒストン関連用語解説
ブロモドメイン
ブロモドメインはヒストンのアセチル化リジンを認識し、制御タンパク質を集めてクロマチン構造や遺伝子発現を制御する機能が知られているタンパク質ドメインです。
ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)
ヒストン脱アセチル化酵素(HDACs)は、ヒストンのε-N- アセチルリジン残基からアセチル基を除去するタンパク質です。ヒストンのアセチル化/脱アセチル化は遺伝子発現の亢進/抑制に強く相関しています。
ヒストンアセチルトランスフェラーゼ(HAT)
ヒストンアセチルトランスフェラーゼ(HAT)は、ヒストンのN末端にあるリジン残基へアセチル基を付加する酵素で、遺伝子調節、DNA合成および修復を含む数多くの細胞機能に関与しています。
ヒストン脱メチル化酵素
ヒストンのリジン残基のメチル化は重要なエピジェネティックな制御機構のひとつです。特にヒストンH3の27番目のリジン残基(H3K27)はゲノムの抑制領域との関連で注目されています。当初H3K27のメチル化は不可逆反応と考えられていましたが、その後多くの脱メチル化酵素が発見されたことにより、H3K27の脱メチル化がヒストン動態で重要であると考えられるようになりました。現在までにH3K27特異的ヒストン脱メチル化酵素(JMJD3(KDM6B)およびUTX(KDM6A))などが同定されており、これらは、がん遺伝子との関連も明らかになっています。例えば前立腺がんでのJMJD3の遺伝子増幅、腎臓がんや多発性骨髄腫など複数のがんにおけるUTX遺伝子変異の報告があります。JMJD3 / UTX活性の測定や阻害物質の発見は、エピジェネティックな遺伝子の活性化/不活性化の制御機構の解明や、がんの診断、治療への応用に重要であると考えられます。
SIRT
SIRT(Sirtuin)は、クラスⅢHDAC(ヒストン脱アセチル化酵素)に属するトリコスタチンA非感受性のリジン脱アセチル化酵素で、NAD+依存的にタンパク質のリジン残基を脱アセチル化します。ヒトでは7種類のSIRT(SIRT1~SIRT7)が存在することがわかっています。
EZH2(Enhanced of Zeste Homolog 2)
ヒストンメチル基転移酵素であるEZH2は、EED、SUZ12、RbAp48、AEBP2とともにポリコーム抑制複合体2(PRC2)を形成し、ヒストンH3の27番目のリジン(H3K27)をジメチル化およびトリメチル化することによって、遺伝子転写を抑制します。EZH2の過剰発現は、様々な固形腫瘍形成に関与しているとされています。 近年では、EZH2変異体Y641F/N/S/H/Cがリンパ腫に存在し、この変異によるH3K27のトリメチル化が亢進していることが報告されています。
JMJD2A
JMJD2Aは、ヒストン脱メチル化酵素の一群JMJD2クラスに属するタンパク質で、ヒストン脱メチル化ドメインJmjN、JmjCに加え、2つのPHDフィンガー、2つのTudorドメインから構成されます。JMJD2Aは、クラスⅠヒストン脱アセチル化酵素およびpRbと複合体を形成し、転写抑制を引き起こします。 この複合体中のJMJD2AのTudorドメインにより、H3K4メチル化状態のクロマチンへと複合体が選択的にリクルートされます。
pCAF(p300/CBP-Associated Factor)
ヒストンアセチルトランスフェラーゼの一種で、ヒストン H3, H4 の特定リジン残基をアセチル化します。がん抑制因子である p53, PTENをアセチル化することも報告されています。
BRG1
SWI / SNFファミリーはヒストンとDNAの結合性を変化させるATP依存性のクロマチン再構成因子です。哺乳動物のSWI / SNFは、1.5 MDaを超える大きな複合体を形成しており、BRG1は触媒サブユニットとしてこの複合体に含まれています。BRG1は、中心的な触媒活性を担うsnf2 helicase様ドメインに加え、ヒストンのアセチル化残基に結合するブロモドメインをC末端領域に有しており、このBRG1ブロモドメインの結合活性は、通常のBETファミリーブロモドメイン阻害物質では阻害されないことが知られています。また、SWI / SNF複合体に含まれるいくつかのサブユニットはがん抑制活性を示し、非小細胞肺がんの多くの症例においてBRG1の変異や発現欠損が報告されています。
LSD1
LSD1(lysine-specific demethylase1)は、ヒストン H3 のメチル化またはジメチル化されたリジンから、特異的にメチル基を除去するクロマチン修飾酵素の1 つです。創薬ターゲットの候補因子として注目されています。
G9a Methyltransferase
G9a(EHMT2)はSETドメインを有する哺乳類のヒストンメチル基転移酵素で、ヒストンH3の9番目のリジン(H3K9)、27番目のリジン(H3K27)のモノ/ジメチル化を行います。G9aによるヒストンのメチル化は初期胚の発生や、ゲノムインプリンティング、リンパ球分化などに関与していると考えられています。G9aは侵襲性の肺癌で発現しており、発現の増加は予後不良と相関性があるとされています。また、G9aおよびホモログであるGLP(G9a-like protein)は、癌抑制因子p53の373番目のリジンを特異的にメチル化することで、p53の不活性化に関与しています。様々な癌においてG9aが過剰発現しており、その阻害物質は癌の抑制に有効に働くのではないかと注目されています。
PRMT
ヒストンのアルギニンのメチル化は、細胞内情報の制御を行う重要なエピジェネティクスの一つです。ヒストンH3(Arg2, Arg17, Arg26)とヒストンH4(Arg3)のアルギニンのメチル化は、Protein Arginine Methyltransferase (PRMT)ファミリーを介して転写を活性化します。ヒトでは9種類のHMTが存在し、そのうち7種類のみがヒストンをメチル化すると報告されています。メチル基の付加の位置により、Ⅰ型PRMT(CARM1、PRMT1/2/3/6/8)とⅡ型PRMT(PRMT5/7)に分類されます。
JMJD3とUTX
ヒストンのリジン残基のメチル化は重要なエピジェネティックな制御機構のひとつです。特にヒストンH3の27番目のリジン残基(H3K27)はゲノムの抑制領域との関連で注目されています。当初H3K27のメチル化は不可逆反応と考えられていましたが、その後多くの脱メチル化酵素が発見されたことにより、H3K27の脱メチル化がヒストン動態で重要であると考えられるようになりました。現在までに少なくとも2種類のH3K27特異的ヒストン脱メチル化酵素(JMJD3(KDM6B)およびUTX(KDM6A))が同定されており、これらは、癌遺伝子との関連も明らかになっています。例えば前立腺癌でのJMJD3の遺伝子増幅、腎臓癌や多発性骨髄腫など複数の癌におけるUTX遺伝子変異の報告があります。JMJD3 / UTX活性の測定や阻害物質の発見は、エピジェネティックな遺伝子の活性化/不活性化の制御機構の解明や、癌の診断、治療への応用に重要であると考えられます。
LSD1
LSD1(Lysine-specific demethylase 1)は、FAD 依存性アミン酸化酵素ファミリーに属する酵素で、ヒストンH3のメチル化/ジメチル化リジン(H3-K4)の脱メチル化反応を触媒し、遺伝子の転写を抑制する方向に働きます。また近年、LSD1 が p53 の特定のリジン残基(Lys370)を脱メチル化することにより、p53 の抗腫瘍活性を調節していることが分かり、腫瘍治療への応用も視野に、大いに注目されています。LSD1 阻害物質は、p53 と LSD1 が細胞周期に及ぼす影響を調査する重要なツールとなることから、その探索が急がれています。
SUMO化
SUMO化は、翻訳後修飾の1つで核細胞質輸送, 転写制御, アポトーシス、タンパク質の安定性、ストレスに対する応答および細胞周期など、様々な細胞プロセスに関与しています。 SUMOタンパク質は、ユビキチンに類似しているタンパク質でヒトでは3種類のアイソフォーム(SUMO-1、SUMO-2およびSUMO-3)が確認されています。SUMO化は、ユビキチン化に関与する酵素と類似した酵素カスケードによって行われます。
PAD4
タンパク質アルギニン脱イミノ化酵素(Protein Arginine Deiminase:PAD)は、アミジノ基転移酵素スーパーファミリーに属するグアニジン修飾酵素です。PAD1~4および6が知られており、このうちPAD4のみが核に局在し、他は細胞質に分布しています。PAD4はホモダイマーを形成し、ヒストンH2AやH3、H4などの特定のアルギニン残基をシトルリン残基へカルシウム依存的に変換するという、転写制御におけるコレギュレーターとして機能します。関節リウマチ患者においてPAD4活性が亢進しており、シトルリン残基を含むタンパク質量が増加することにより免疫反応が活性化し、この結果、自己免疫反応による組織障害が引き起こされています。またPAD4はアルツハイマーや緑内障、癌といった様々な疾患への関与が指摘されています。
追加しました。
製品情報は掲載時点のものですが、価格表内の価格については随時最新のものに更新されます。お問い合わせいただくタイミングにより製品情報・価格などは変更されている場合があります。
表示価格に、消費税等は含まれていません。一部価格が予告なく変更される場合がありますので、あらかじめご了承下さい。