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miRNA-Seq / Small RNA-Seq解析受託サービス

掲載日情報:2023/02/17 現在Webページ番号:64721

遺伝子発現に大きく影響を与えることが知られているmiRNAや、スプライシングに関わるとされるSmall nuclear RNA(snRNA)などのSmall RNAを網羅的に解析します。特にエクソソーム中のmiRNAの解析に関して実績が豊富にあります。
本製品は研究用です。研究用以外には使用できません。


特長

  • 各種試料に対応しています。細胞や組織由来RNAのほか、血清、血漿由来のセルフリーRNA(cfRNA)にも対応しており、近年、盛んに研究されているリキッドバイオプシーについても解析することができます。リキッドバイオプシーは、体液に含まれる核酸を検出する技術であり、がんの検査などにも使われるようになってきました。
    • 細胞・組織由来のtotal RNA
    • 血清・血漿 由来total RNA
    • 培養上清・血中エクソソームRNA

      とくにエクソソーム中のmiRNAの解析に関しては実績が豊富にあり、近年では動脈硬化疾患に関するプロジェクトに参画しております。
  • 解析対象に応じて下記のキットをご利用いただけます。
    • miRNA-Seq(miRNA、piRNA)の場合:
      QIAseq miRNA Library Kit(Qiagen社)
      分子バーコードUnique Molecular Indices(UMI)対応

    • Small RNA-Seq(miRNA、siRNA、piRNA、scRNA、snoRNA)の場合:
      SMARTer smRNA-Seq Kit for illumina(Clontech)
  • 対応する生物種
    miRNAについては、miRBaseに搭載している生物種であれば基本的に解析可能です。

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miRNA-Seq・Small RNAシークエンスとは

miRNA-Seq・Small RNA-Seqは、次世代シークエンサーを用いてnon-coding RNA(ncRNA) の一種であるマイクロRNA(miRNA)やSmall RNAの配列情報を網羅的に読み取ります。その得られた配列情報を生物種別の既知の配列(リファレンスゲノム)にアライメントすることで、どのSmall RNAが発現しているか数値(発現値)に変換することで遺伝子発現を調べる解析手法です。


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miRNAとは

miRNAは、18から25塩基程度の非常に短い小分子RNAで、メッセンジャーRNA(mRNA)に作用することで遺伝子発現の調整に影響を与えることが知られています。miRNAが調整する分野は多岐にわたり、発生生理機能に関わると言われています。
とくに近年ではエクソソームの解析が進んでおり、その中に含まれるmiRNAのがんや生活習慣病への作用に対する解析が進んでいます。


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Small RNAとは

Small RNAは、miRNAを含むnon-coding RNA(ncRNA)の種類で、miRNA以外にもスプライシングに関わるとされる核内低分子RNA(small nuclear RNA, snRNA)や、リボソームRNAのメチル化を誘導する核小体低分子RNA(small nucleolar RNA, snoRNA)といったmiRNA以外のncRNAを解析することが出来ます。


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解析の流れ


1. 試料のクオリティチェック
2. シークエンスライブラリー調製 
3. シークエンス
4. データ解析
  1. 試料のクオリティチェック(QC)を行います。
  2. miRNAまたはSmall RNAを対象としたシークエンスライブラリーを調製します。
    ライブラリー調製試薬
    QIAseq miRNA Library Kit(Qiagen社)
    SMARTer smRNA-Seq Kit for illumina(Clontech)
  3. 調製したシークエンスライブラリーはQC後、illumina社の次世代シークエンサーでシークエンスします。
  4. シークエンス後のデータは、リファレンスゲノムにアライメント(マッピング)後、発現量を定量化(正規化)し、アノテーション情報を含むExcel形式のファイルを作成します。デフォルトでは、TMMで定量化します。ご要望に応じて、Small RNAの分類、発現変動遺伝子抽出、時系列解析、ターゲット遺伝子予測などの解析を実施します。

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データ解析

miRNAの解析(ライブラリー調製キット:QIAseq miRNA Library Kit)

miRNAの解析データ解析
  1. リードの品質の評価を行います。
  2. QIAGEN社CLC Genomics Workbenchにより、シークエンスで得られたリードをリファレンスゲノムにアライメント(マッピング)後、分子バーコード(UMIs)によるPCR重複の除去を行い、リードカウントをします。
  3. 試料間のリードカウントを補正するために正規化を行います。
  4. 階層的クラスタリングと主成分分析(PCA)を行います(6試料以上の場合)。
  5. ご指定の比較に沿って、変動するmiRNAなどを抽出します。
  6. miRNAが標的とする遺伝子予測を行います。遺伝子予測データベースであるTargetScanなどを利用します。
  7. 予測された遺伝子リストについてGO解析で特徴的なGO Termを抽出します。複数ある遺伝子の特徴を客観的につかむことが出来ます。
  8. Pathway解析では、Wikipathwaysに登録されたPathway上に、予測された遺伝子をmiRNAの発現情報(UP/DOWN)で色分けしPathway画像を作成します。さらに予測された遺伝子を有意に多く含むPathwayを絞り込むことができます。

解析内容は統計解析(データ解析)のページをご参照下さい。


Small RNAの解析(ライブラリー調製キット:SMARTer smRNA-Seq Kit for illumina)

Small RNAの解析データ解析
  1. リードの品質の評価を行います。
  2. シークエンスで得られたリードをリファレンスゲノムにアライメント(マッピング)します。
  3. small RNA組成の分類を行います。
  4. 試料間のリードカウントを補正するために正規化(TMMなど)を行います。
  5. 階層的クラスタリングと主成分分析(PCA)を行います(6試料以上の場合)。
  6. ご指定の比較に沿って、変動するmiRNAおよびSmall RNAなどを抽出します。
  7. miRNAが標的とする遺伝子予測を行います。
  8. 予測された遺伝子リストについてGO解析で特徴的なGO Termを抽出します。
  9. 予測された結果をもとに得られた全遺伝子をPathway上にマッピングし、Pathway画像を作成します。さらに予測された遺伝子を有意に多く含むPathwayを絞り込むことが出来ます。

解析内容は統計解析(データ解析)のページをご参照下さい。


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納品物例

miRNAの解析(ライブラリー調製キット:QIAseq miRNA Library Kit)

  • original_fastq(FASTQ生データ)
  • 試料QC結果(品質検査結果)
  • データQC結果(FastQC、MultiQC)
  • データ解析結果(正規化、変動miRNA抽出、標的遺伝子予測、GO解析、Pathway解析)

Small RNAの解析(ライブラリー調製キット:SMARTer smRNA-Seq Kit for illumina)

  • original_fastq(FASTQ生データ)
  • Trimmed_fastq(トリミング済みFASTQ)
  • Bam(アライメントデータ)
  • 試料QC結果(品質検査結果)
  • データQC結果(FastQC、MultiQC)
  • データ解析結果(正規化、変動miRNA抽出、変動Small RNA抽出、標的遺伝子予測、GO解析、Pathway解析)

USBメモリなどの記憶媒体もしくはクラウド経由で納品します。

Small RNA の分類結果析

Small RNA の分類結果

Fold changeによる変動Small RNA / miRNAの抽出結果

Fold changeによる変動Small RNA / miRNAの抽出結果

Small RNAのリードカウント正規化(定量化)

Small RNAのリードカウント正規化(定量化)


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納期

試料QC通過後、2か月程度。
(データ解析を含む場合は2.5か月程度)


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お送りいただく試料について

RNA量 OD260/280 RIN値 送付液量
total RNA
(microRNA含む)
1 μg以上 1.5以上 8以上 10 μl以上
濃縮
Small RNA
500 ng以上 1.5以上 10 μl以上
エクソソーム分画由来
total RNA(miRNA含む)
1 ng程度*1 10 μl以上
RNA抽出する
血清または血漿
400 μl以上
エクソソーム画分 *2 *2
エクソソーム分離後
にRNA抽出をし
miRNA-Seqをする
血清・血漿・培養上清
細胞培養上清:15 ml以上
血清・血漿:2 ml以上

*1 エクソソーム分画由来total RNAは1 ngからシークエンスライブラリー調製が可能ですが、全量で10 ngを下回る試料はクオリティチェックが実施できません。ご注意下さい。
*2 超遠心などで分画したエクソソーム画分の送付量については、あらかじめご相談下さい。
RNA抽出の際はカラムを使用し、有機溶媒が混入しないようにして下さい。
試料量が上記に満たない場合はお気軽にご相談下さい。
※ 採血の際に使用する抗凝固剤はEDTAをお使い下さい。ヘパリン使用の場合には、ヘパリナーゼ処理が必要になります。
培養上清からエクソソームを分離して解析を行う場合、FBSにはウシ由来エクソソームが含まれているのでFBSフリーで培養することをおすすめします。FBSフリーでの培養が困難な場合、ウシ胎児血清中のエクソソームを除去するキットのご利用をおすすめします。
送付方法は「サンプル送付方法」をご確認下さい。


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ご注文方法/価格

詳細は当社受託・特注品担当(下記参照)までお問い合わせ下さい。


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DNAチップ研究所の次世代シークエンス解析受託サービス

解析受託サービス 解析内容
ChIP-Seq解析 転写因子やその他のタンパク質が相互作用するDNAの特定部位を検出し、DNA-タンパク質間の相互作用を解明。
DNAメチレーション解析 メチル化DNAに特異的に結合するタンパク質、抗体を用いてメチル化DNAを濃縮し、回収されたDNAをシークエンスする。
RNA-Seq解析 RNA-Seq法により、mRNAやlincRNAの配列をシークエンスし、発現変動のある遺伝子を同定。
Small RNA-Seq解析 miRNAやスプライシングに関わるとされるsnRNAなどのsmall RNAを次世代シークエンサーにより網羅的に解析。
エクソーム解析 エクソン領域のみを濃縮して解析することにより、効率的にエクソン上の変異 (SNV (SNP)/InDel) を検出。
Cancer Panel解析 がん遺伝子のエクソン領域およびホットスポット領域をPCR増幅し、遺伝子変異を検出。

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