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miRNA-Seq解析受託サービス

掲載日情報:2023/02/17 現在Webページ番号:64721

遺伝子発現に大きく影響を与えることが知られているmiRNAの配列情報を網羅的に解析します。特にエクソソーム中のmiRNAの解析に関して実績が豊富にあります。
本製品は研究用です。研究用以外には使用できません。


特長

RNA-Seq同様、 miRNA-Seqでもさまざまな試料に対応した解析を行っています。

  • 細胞・組織由来RNA
  • 血清・血漿由来RNA
  • 培養上清・血中エクソソームRNA

細胞や組織由来RNAのほか、血清、血漿由来のセルフリーRNA(cfRNA)にも対応しており、近年、盛んに研究されているリキッドバイオプシーについても解析することができます。リキッドバイオプシーは、体液に含まれる核酸を検出する技術であり、がんの検査などにも使われるようになってきました。とくにエクソソーム中のmiRNAの解析に関しては実績が豊富にあり、近年では動脈硬化疾患に関するプロジェクトに参画(2021年1月14日プレスリリース)しています。


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miRNA-Seqシークエンスとは

miRNA-Seqは、次世代シークエンサーを用いてnon-coding RNA(ncRNA) の一種であるマイクロRNA(miRNA)の配列情報を網羅的に読み取ります。その得られた配列情報を生物種別の既知の配列(リファレンスゲノム)にアライメントすることで、どのmiRNAが発現しているか数値(発現値)に変換することで遺伝子発現を調べる解析手法です。


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miRNAとは

miRNAは、18から25塩基程度の非常に短い小分子RNAで、メッセンジャーRNA(mRNA)に作用することで遺伝子発現の調整に影響を与えることが知られています。miRNAが調整する分野は多岐にわたり、発生生理機能に関わると言われています。
とくに近年ではエクソソームの解析が進んでおり、その中に含まれるmiRNAのがんや生活習慣病への作用に対する解析が進んでいます。


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対応する生物種

miRNAについては、miRBaseに搭載している生物種であれば基本的に解析可能です。miRBaseはmiRNAの配列情報やアノテーション情報に関するデータベースで広く利用されています。


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ライブラリー調製

QIAseq miRNA Library Kit(Qiagen社)をご利用いただけます。
分子バーコードUnique Molecular Indices(UMI)対応。PCRやシークエンスバイアスを最小限にし、個々のmiRNAを定量するように設計されています。


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サービス概要


1. 試料のクオリティチェック
2. シークエンスライブラリー調製 
3. シークエンス
4. データ解析
  1. 試料のクオリティチェック(QC)を行います。
  2. miRNAを対象としたシークエンスライブラリーを調製します。
    ライブラリー調製試薬
    QIAseq miRNA Library Kit(Qiagen社)
  3. 調製したシークエンスライブラリーはQC後、illumina社の次世代シークエンサー(NextSeq 500、NovaSeq 6000、Hiseq Xなど)でシークエンスします。
  4. シークエンス後のデータは、リファレンスゲノムにアライメント(マッピング)後、発現量を定量化(正規化)し、アノテーション情報を含むExcel形式のファイルを作成します。デフォルトでは、TMMで定量化します。ご要望に応じて、発現変動遺伝子抽出、時系列解析、ターゲット遺伝子予測などの解析を実施します。正規化以降の解析をご依頼いただいた場合には、 6試料以上の場合で階層的クラスタリングと主成分分析(PCA)を行います。

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データ解析

miRNAの解析(ライブラリー調製キット:QIAseq miRNA Library Kit)

miRNAの解析データ解析
  1. リードの品質の評価を行います。
  2. QIAGEN社CLC Genomics Workbenchにより、シークエンスで得られたリードをリファレンスゲノムにアライメント(マッピング)後、分子バーコード(UMIs)によるPCR重複の除去を行い、リードカウントをします。
  3. 試料間のリードカウントを補正するために正規化を行います。
  4. ご指定の比較に沿って、変動するmiRNAなどを抽出します。
  5. miRNAが標的とする遺伝子予測を行います。遺伝子予測データベースであるTargetScanなどを利用します。
  6. 予測された遺伝子リストについてGO解析で特徴的なGO Termを抽出します。複数ある遺伝子の特徴を客観的につかむことが出来ます。
  7. Pathway解析では、Wikipathwaysに登録されたPathway上に、予測された遺伝子をmiRNAの発現情報(UP/DOWN)で色分けしPathway画像を作成します。さらに予測された遺伝子を有意に多く含むPathwayを絞り込むことができます。

解析内容は統計解析(データ解析)のページをご参照下さい。


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納品物

miRNAの解析(ライブラリー調製キット:QIAseq miRNA Library Kit)

  • original_fastq(FASTQ生データ)
  • 試料QC結果(品質検査結果)
  • データQC結果(FastQC、MultiQC)
  • データ解析結果(正規化、変動miRNA抽出、標的遺伝子予測、GO解析、Pathway解析)

USBメモリなどの記憶媒体もしくはクラウド経由で納品します。

Fold changeによる変動miRNAの抽出結果

Fold changeによる変動miRNAの抽出結果

miRNAのリードカウント正規化(定量化)

miRNAのリードカウント正規化(定量化)


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納期

試料QC通過後、2か月程度。
(データ解析を含む場合は2.5か月程度)


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お送りいただく試料について

RNA量 OD260/280 RIN値 送付液量
total RNA
(microRNA含む)
200 ng以上 1.5以上 8以上 10 μl以上
血清・血漿・各種体液・培養上清・エクソソーム由来RNA
(miRNA含む)
10 ng以上 10 μl以上
RNA抽出する
血清または血漿
400 μl以上
エクソソーム画分 1 ml程度*
エクソソーム分離後
にRNA抽出をし
miRNA-Seqをする
血清・血漿・培養上清
2 ml以上
(孔径0.22 µmフィルターでろ過必須)

抽出後にRNAが10 ng以上得られると想定される量をお送り下さい。液量が1 mlを超える場合は限外ろ過フィルターなどで濃縮し、液量を調整して下さい。
RNA抽出の際はカラムを使用し、有機溶媒が混入しないようにして下さい。
試料のクオリティチェックには試料を5 µl使用します。余裕をもってご送付下さい。
RNAはDNase処理を行い、DNAのコンタミネーションがない状態の試料をご送付下さい。
試料量が上記に満たない場合はお気軽にご相談下さい。
※ 採血の際に使用する抗凝固剤はEDTAをお使い下さい。ヘパリン使用の場合には、ヘパリナーゼ処理が必要になります。
培養上清からエクソソームを分離して解析を行う場合、FBSにはウシ由来エクソソームが含まれているのでFBSフリーで培養することをおすすめします。FBSフリーでの培養が困難な場合、ウシ胎児血清中のエクソソームを除去するキットのご利用をおすすめします。
送付方法は「サンプル送付方法」をご確認下さい。


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ご注文方法/価格

詳細は当社受託・特注品担当(下記参照)までお問い合わせ下さい。


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DNAチップ研究所の次世代シークエンス解析受託サービス

解析受託サービス 解析内容
ChIP-Seq解析 転写因子やその他のタンパク質が相互作用するDNAの特定部位を検出し、DNA-タンパク質間の相互作用を解明。
DNAメチレーション解析 メチル化DNAに特異的に結合するタンパク質、抗体を用いてメチル化DNAを濃縮し、回収されたDNAをシークエンスする。
RNA-Seq解析 RNA-Seq法により、mRNAやlincRNAの配列をシークエンスし、発現変動のある遺伝子を同定。
miRNA-Seq解析 miRNAを次世代シークエンサーにより網羅的に解析。
エクソーム解析 エクソン領域のみを濃縮して解析することにより、効率的にエクソン上の変異 (SNV (SNP)/InDel) を検出。

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