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2022年ノーベル化学賞受賞に関連する研究用製品をご紹介! クリックケミストリー(Click Chemistry)試薬

掲載日情報:2022/10/06 現在Webページ番号:68238

2022年のノーベル化学賞は、クリックケミストリーと生体直交化学に関する業績により、バリー・シャープレス(米国スクリプス研究所)、モーテン・メルダル(デンマーク、コペンハーゲン大学)、キャロライン・ベルトッツィ(米国スタンフォード大学)の3名が受賞されました。
本ページではクリックケミストリー関連の製品をまとめてご紹介いたします。
本製品は研究用です。研究用以外には使用できません。


クリックケミストリー試薬について

クリックケミストリー(Click Chemistry)は、シャープレスらにより提唱された方法論で、副反応がほとんどなく容易に進行する反応を組み合せて、新たな機能性分子を合成していきます。「クリック」は、素早く確実な結合を作る様子を、シートベルトがカチッと音を立ててロックされることに例えたものです。
当初のクリックケミストリー試薬は、反応速度を増大させるために銅(Ⅰ)イオン触媒を必要としていましたが、その後に銅(Ⅰ)イオン触媒が不要なクリックケミストリー試薬も発表されています。


アジドとアルキンの反応

クリック反応の例:アジドとアルキンの結合



銅(Ⅰ)イオン触媒なしのクリックケミストリー試薬
三重結合化合物シクロオクチン(Cycrooctyne)とは

銅(Ⅰ)イオンを使用しないクリックケミストリー

銅(Ⅰ)イオンを使用しないクリックケミストリー

アジド基と三重結合化合物は容易にトリアゾール環を形成します。従来のクリックケミストリー試薬では、この反応の際に銅(Ⅰ)イオンを触媒として使用することが一般的でした。

アジド基に対して高い選択性と反応性を持った三重結合化合物シクロオクチン(cyclooctyne)は、活性化エネルギーが低いため、銅(Ⅰ)イオン触媒なしでも容易にアジドと反応します。これによって温和な条件で収率良く簡単に、タンパク質などを標識することが可能です。毒性を示す銅イオンを使用しないため、細胞内での利用も可能になり、画期的なリガンドとしてバイオテクノロジーの分野で注目されています。


製品ラインナップ

クリック反応基で標識されたリンカー(炭化水素、短鎖PEG、ビオチンなど)
クリック反応基で標識された長鎖PEG
クリック反応基で標識された蛍光色素
クリック反応基で標識された抗体および標識キット
クリック反応基で標識された金粒子
クリックケミストリー関連化合物
クリック反応を利用した各種アッセイキット・試薬
クリックケミストリー関連受託サービス

クリック反応基で標識されたリンカー(炭化水素、短鎖PEG、ビオチンなど)

VECロゴ

Vector Laboratories, Inc.
[メーカー略称:VEC]

クリックケミストリー試薬



VECロゴ

Vector Laboratories, Inc.
[メーカー略称:VEC]

クリック反応によるタンパク質のクロスリンクキット
Click & Go Protein‐Protein Conjugation Kit

Tetrazine(Tz)とTrans‐Cyclooctene(TCO)のクリック反応により、リジン残基を含む2つのタンパク質(100~500 μg、> 7 kDa)を簡便に効率よく結合させることができるキットです。



BRPロゴ

BroadPharm
[メーカー略称:BRP]

クリックケミストリー用PEG標識試薬



CNJロゴ

Conju-Probe, LLC
[メーカー略称:CNJ]

バイオコンジュゲーション用クロスリンカー

Conju-Probe社では、PEG LinkerやPEG含有Multi-arm Linker、抗体-薬物複合体リンカー、ビオチン化試薬、クリック反応によるタンパク質のクロスリンク試薬、システイン選択的タンパク質修飾反応リンカー試薬、チロシン選択的タンパク質修飾反応リンカー試薬など 、幅広いクロスリンカー(架橋化)試薬を提供しています。

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クリック反応基で標識された長鎖PEG

PEGリンカーの利用について

PEG(polyethylene glycol)鎖に各種官能基を付与したリンカー試薬を用いて、ペプチド、標的タンパク質または抗体断片などの様々な生物学的分子に付加することにより、元の分子の持つ物性を変化させたり、機能を向上させたりすることが行われています。PEGの有する、水溶性、無毒性、低免疫原性および体内からの排出や体内分散性の違いなどの特性は、薬学や生物学の様々な分野において利用されています。

(1)PEGを用いた2分子の結合

標的分子へのPEGの付加

(2)PEG Linkerの利用

薬学分野への利用生体分子の結合における利用
  • 溶解性の向上
  • 毒性の低減と薬物投与頻度の低減
  • 体内循環寿命の延長
  • 薬物安定性の向上
  • タンパク質分解に対する耐性強化
  • 新しい投与方法や投与量の探索
  • 生体分子の標識
  • 2分子を結合させて、両分子の特性を兼ね備えた複合体の作製
  • 検出、追跡およびイメージング
  • 触媒および化学修飾
  • 治療薬および診断薬への利用
  • ワクチンおよび免疫調節

(3)抗体-薬物複合体(ADC:Antibody-Drug Conjugate)への利用

ADCは、モノクローナル抗体と薬剤(payload)をリンカーで結合した複合体で、標的部位への薬剤の特異的輸送による毒性の低減を目指しています。PEGの有する優れた特性により、ADC作製の際のリンカーとして用いられています。

抗体-薬物複合体


BRPロゴ

BroadPharm
[メーカー略称:BRP]

PEG Linker

PEG(Polyethylene glycol)Linkersは、ポリエチレングリコールに各種官能基を付与した架橋化試薬で、タンパク質、ペプチド、抗体断片などの分子に結合させることにより、分子の持つ固有の物性を変化させたり、機能を向上させたりできる化合物です。表面改質や創薬、抗体医薬、医療面など多方面の利用例があります。
製品ラインナップ中に、各種クリック反応基で修飾された製品があります。



BCPロゴ

Biopharma PEG Scientific Inc
[メーカー略称:BCP]

PEG標識試薬

製品ラインナップ中に、各種クリック反応基で修飾された製品があります。

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クリック反応基で標識された蛍光色素

CYIロゴ

Columbus Nanoworks, Inc.,
(Cymaris Labs)
[メーカー略称:CYI]

退色しない蛍光ナノ粒子
蛍光性ナノダイヤモンド

非常に高い輝度と蛍光寿命を持つことに加え、蛍光が一切退色しないため、安定した蛍光を得ることができます。表面に様々な反応基を持つ製品があり、抗体や生体分子への標識が可能です。
製品ラインナップ中に、アルキンやアジド標識製品があります。

マクロファージ様細胞株における蛍光性ナノダイヤモンド(赤色)の取り込み


SRBロゴ

Stream Bio Ltd
[メーカー略称:SRB]

非常に高感度で安定した蛍光検出が可能です
発光ポリマーを利用した次世代蛍光ナノ粒子 ― CPN

CPN(Conjugated Polymer Nanoparticle)は、発光ポリマー(Light Emitting Polymer)と酸化鉄を両親媒性の物質でコートした蛍光ナノ粒子です。CPNは高い吸光係数を持つと共に、光や熱、化学物質に対して安定で、非常に明るく長期に渡って退色しにくい安定な蛍光を発します。抗体やタンパク質、核酸などの生体分子へ標識した後、各種実験に使用できます。
製品ラインナップ中に、アルキン標識製品があります。

ナノ粒子CPN


MTTロゴ

Molecular Targeting Technologies Inc.
(MTTI)
[メーカー略称:MTT]

遠赤外領域のスペクトルを有する蛍光色素
SRfluor Dye

独自に開発したスクアレインロタキサン系の赤色蛍光色素です。Cy色素やAlexa Fluor色素よりも蛍光強度が高く、安定性に優れています。遠赤外領域にシャープなスペクトルを有しており、in vivoイメージングにも有用です。
製品ラインナップ中に、アジド標識製品があります。

SRfluorで標識したE. coliと黄色ブドウ球菌をヌードマウスの後大腿筋に皮下注射


LUPロゴ

Lumiprobe Corporation
[メーカー略称:LUP]

クリックケミストリー標識用蛍光色素
Fluorescent Dye for Click Chemistry Labeling

クリックケミストリーにより標識できる、Lumiprobe社の幅広いフルオロフォア(蛍光色素分子)製品ラインナップをご紹介します。



BRPロゴ

BroadPharm
[メーカー略称:BRP]

バイオラベリング用蛍光色素標識試薬
Dye Labeling Reagent

BroadPharm社では、幅広いフルオロフォア(蛍光色素分子)標識試薬を取り扱っており、製品ラインナップ中には、各種クリック反応基で修飾された製品があります。

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クリック反応基で標識された抗体および標識キット

GBMロゴ

Gulliver Biomed BV
[メーカー略称:GBM]

C末端にアジド基を有する組換え体(リコンビナント)ナノボディ抗体
N3tag標識済みVHH抗体(Gulliver Biomed社)

Gulliver Biomed社のC末端にアジド基(N3タグ)を付加した組換えVHH抗体(Manduhai Nanobody)です。クリックケミストリーを利用したC末端特異的な修飾、官能基化が容易で幅広いアプリケーションに使用できます。



ATHロゴ

AlphaThera, LLC
[メーカー略称:ATH]

Fc領域を狙い撃ち!部位特異的に抗体を標識できます
oYo-Link 抗体ラベリング試薬

シンプルかつ迅速に標識できる部位特異的な抗体標識試薬です。実際の操作時間はわずか30秒で、抗体のFc領域にビオチン、クリックケミストリータグ(アジド、DBCOなど)、酵素(MNase)、オリゴヌクレオチド、細胞傷害性薬物 (MMAE、MMAF、DM1)などを部位特異的(Fc領域、最大2カ所)に標識できます。脱塩や濃縮、抗体精製の必要はありません。

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クリック反応基で標識された金粒子

NANロゴ

Nanoprobes, Inc.
[メーカー略称:NAN]

アジドまたはアルキンを標識したクリック反応型の金粒子
Click Nanogold

Nanoprobes社独自の小粒径の金粒子(Nanogold:1.4 nm)にアジドまたはアルキンを標識したクリック反応型Nanogoldです。生体直交型(bioorthogonal)の標識反応により、交差反応の心配なく、生細胞、組織、in vivoにおいて選択的な標識が可能です。また、Nanogoldよりさらに小さい、11個の金原子からなるUndecagold(0.8 nm)にアジドまたはアルキンを標識したクリック反応型Undecagoldもあります。

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クリックケミストリー関連化合物

ANAロゴ

AnaSpec, Inc.
[メーカー略称:ANA]

クリックケミストリーに有用な保護アミノ酸
Click Chemistry Reagent

クリックケミストリーで有用な保護アミノ酸のビルディング・ブロックです。合成されるトリアゾール環は、医薬品によく見出される構造です。クリックケミストリーは、天然物合成や創薬化合物の創出だけでなく、簡便な標識反応や生化学分野にも応用されるなど、注目を集めています。



CAYロゴ

Cayman Chemical Company
[メーカー略称:CAY]

クリックケミストリーに使用できる、分子末端にアルキンを含む化合物
Click Tag Alkyne

脂肪酸、Acetyl-CoAレポーター、酵素阻害物質、アミノ酸アナログの末端をアルキンで標識した試薬、およびClick反応促進物質をご紹介します。代謝のトレーサーや、タンパク質の修飾に使用できます。



TCRロゴ

R&D Systems, Inc.
(旧Tocris Bioscience)
[メーカー略称:RSD]

標的タンパク質を特異的にノックダウンする化合物の自作用合成用パーツ
Targeted Protein Degradation (TPD)作製用ビルディングブロック

細胞内の標的タンパク質(Protein Of Interest)をノックダウンするための、合成/創製研究用ビルディングブロックです。Targeted Protein Degradation(TPD、標的タンパク質分解誘導化合物)作製に最適です。
製品ラインナップ中に、アルキン基を有し、クリック反応で合成を行える製品があります。

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クリック反応を利用した各種アッセイキット・試薬

FNAロゴ

フナコシ株式会社
[メーカー略称:FNA]

ドーパミンの挙動を可視化する新規プローブ
DAtracer <Alkyne-tagged Dopamine>

DAtracerはドーパミンの挙動を可視化する試薬です。ドーパミンにごく小さなアルキンタグを付加したもので、ドーパミン本来の物理化学的特性・生理機能を維持しています。DAtracerを組織・細胞試料に取り込ませた後、クリックケミストリーによって標識することで容易に検出することができます。ドーパミンの挙動解析などに応用が可能です。

各種細胞内局在マーカーとの共染色の例


CAYロゴ

Cayman Chemical Company
[メーカー略称:CAY]

細胞内におけるタンパク質合成を緑色蛍光で測定するキット
PURO-Fluor Protein Synthesis Labeling Kit

細胞内におけるタンパク質合成を、放射性同位体標識アミノ酸を用いずに、蛍光色素で測定できるキットです。ピューロマイシンアナログが細胞内の翻訳中のペプチドに取り込まれ、蛍光色素のクリックケミストリーによるラベリングで検出します。

蛍光顕微鏡による観察


IBTロゴ

Immagina BioTechnology S.R.L.
[メーカー略称:IBT]

トランスラトーム/de novoプロテオーム解析用キット
AHARIBO Kit

Immagina BioTechnology社独自のRibo-MINATI技術により、翻訳複合体のプルダウンを行う製品です。新生ペプチドへAHA(L-azidohomoalanine)を取り込ませるAHARIBO Core Kitと、各アプリケーションに適した形で翻訳複合体のプルダウンを行うAHARIBO Moduleを組合せて使用します。
Moduleには、トランスラトーム解析用のAHA RIBO RNA Moduleと、de novoプロテオーム解析用のAHA RIBO Protein ModuleおよびAHA RIBO Western Blotting Moduleがあります。
AHA標識ペプチドへのビーズの結合に、クリック反応を利用しています。

AHARIBOについて


VECロゴ

Vector Laboratories, Inc.
[メーカー略称:VEC]

存在量の少ない糖ペプチドをMS解析できるキット
Click-&-Go IsoTAG Kit

IsoTaG(Isotope Targeted Glycoproteomics)法により、存在量の少ない糖ペプチドをMS解析できるキットです。従来のショットガンプロテオミクス法によるMS解析では、存在量の多いタンパク質のみが検出され、疾患バイオマーカーとなりうる微量の糖ペプチドが検出できないという問題点がありました。
本キットは、あらかじめクリック反応用の官能基を有する糖化合物を含む培地で細胞を培養して糖タンパク質を標識した後に、薬剤などでの処理細胞・未処理細胞それぞれに質量の異なるIsoTaG Probeをクリック反応により試料に結合させます。これを用いて糖タンパク質を濃縮した後、MS解析を行うことにより、存在量の少ない糖ペプチドの検出も行えます。

IsoTaG法のワークフロー

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クリックケミストリー関連受託サービス

ANAロゴ

AnaSpec, Inc.
[メーカー略称:ANA]

ペプチド合成受託サービス

AnaSpec社は数多くのペプチド関連製品を取り扱っており、これまでに50,000種類以上のペプチドのデザイン、合成実績があります。豊富な経験と実績を元に、お客様のご希望に応じたペプチド合成を承ります。
クリックケミストリー用ペプチドの合成や、アジド標識も承ります。



BRPロゴ

BroadPharm
[メーカー略称:BRP]

PEGに関する最先端の設備と最新の知見を有しています
PEGおよび各種標識試薬関連受託サービス

高純度のPEGリンカー、蛍光色素などの標識試薬を多数取りそろえているBroadPharm社では、関連した受託サービスを幅広く承っています。
・カタログ品として取り扱いのないPEGリンカーや、ビオチン、蛍光物質などのバイオ標識試薬をカスタム作製します。
・目的物質へのPEGや蛍光色素の標識を行います。



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お問い合わせ先

(テクニカルサポート 試薬担当)

reagent@funakoshi.co.jp

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