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電子顕微鏡観察やクリックケミストリー用途に適した修飾・非官能化金ナノ粒子 Gold Nanoparticle Labeling Reagentシリーズ(Nanoprobes社)

掲載日情報:2025/05/23 現在Webページ番号:2528

電子顕微鏡(EM)観察やクリックケミストリーなど用途に用いることのできる金ナノ粒子です。粒子径は0.8 nm、1.4 nm、5 nmの3サイズがあり、それぞれのサイズについて研究用途に合わせて非官能化(Non-Functionalized)のほか、正/負電荷、マレイミド基、アミノ基、Sulfo-NHS基、およびクリックケミストリーに適したアジド基、アルキン基、銅触媒なしのクリック反応(Copper Free Click Chemistry)に対応したDBCO修飾物をご選択いただけます。

製品ラインナップ

品名をクリックすると製品の詳細、商品コードをクリックすると各製品の価格表をご覧いただけます。

品名(粒子サイズ) 0.8 nm Undecagold 1.4 nm Nanogold 5 nm Nanogold
修飾の種類 商品コード
Non-Functionalized 2060 2010 2210
Charged Positively 2043 2022 2221
Negatively 2044 2023 2223
(Mono-)Maleimide 2030 2020 2220
(Mono-)Amino 2031 2021 2221
(Mono-)Sulfo-NHS 2045 2025 2225
Click (Mono-)Azido 2046 2026 2226
(Mono-)Alkyne 2047 2027 2227
(Mono-)DBCO 2048 2028 2228


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0.8 nm Undecagold Labeling Reagents

  ☞ Non-Functionalized-Undecagold    ☞ Charged-Undecagold    ☞ Mono-Maleimide-Undecagold    ☞ Mono-Amino-Undecagold    ☞ Mono-Sulfo-NHS-Undecagold    ☞ Click Undecagold  

粒子径0.8 nm Undecagoldは、Nanogoldよりも小さく、直径わずか0.8 nmの11個の金原子からなるコアを備えています。クライオ電子顕微鏡(Cryo-EM)、走査透過型電子顕微鏡(Scanning Transmission Electron Microscopy、STEM)などの超高解像度の電子顕微鏡、または画像処理と組み合わせた透過型電子顕微鏡(TEM)による大型構造の要素の解析に最適です。0.8 nm Undecagoldは、電子顕微鏡でアビジン上のビオチン結合部位を1 nmの解像度で観察するために用いられます。標的分子の特定部位に架橋するための1つの反応性アームを備えており、異なる部位の標識のためにさまざまな反応性で利用することができます。

特長

  • 極めて小さい粒子径0.8 nmの金コアで構成されています。
  • 小さな金プローブが必要な研究に用いられます。
  • 高解像度の解析に有用です。
  • 反応性が選択可能な部位固有の共有結合による標識が可能です。

0.8 nm Undecagoldは、Cryo-EMなどの高解像度アプリケーションでの標識に最適ですが、単一のUndecagoldクラスターは、通常、TEMで直接視覚化されません。また、Undecagoldは、より大きな1.4 nm Nanogoldよりもゆっくりと現像され、銀増強または金増強中の最終的な現像剤の沈着も少なくなります。そのため、多くのアプリケーションでは、1.4 nm Nanogoldのご利用をお勧めします。

Undecagoldの構造

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Undecagoldの構造([Au11]コア、配位子、および周囲の反応基(マレイミド)が示されている。)

Non-Functionalized Undecagold

Non-Functionalized(非官能化)Undecagoldは、反応性化学官能基や特定の親和性特性を持たない、不活性で安定した形態のUndecagold粒子です。


適用

  • 高解像度電子顕微鏡の校正用サイズ標準として用いられます。
  • 細孔のサイズ測定に使用できます(☞ PMID:10557277)。
  • 細胞と組織内の連続した内部空間のトレースに有用です。

Charged-Undecagold

Positive/Neggative Charged-Undecagoldは、イオン標識として用いることで反対電荷を持つ生物構造を染色できます。Positive Undecagoldは、表面に複数のアミンを有するため、負電荷を帯びた構造を染色できます。Negative Undecagoldは、複数のカルボキシル基を有するため、多くの正電荷を帯びた構造を染色できます。

Mono-Maleimide-Undecagold

Mono-Maleimide-Undecagoldは、Undecagoldでチオール基の標識に用いられます。特にタンパク質、抗体、ペプチド、基質、または遊離チオール基を含むその他の分子内の遊離スルフヒドリル基の標識に有用です。使用は、水に溶解し、標識物質と数時間混合します。その後、ゲルろ過によってUndecagold複合体を分離します。


適用

  • Au11を一次抗体Fab'フラグメントに架橋し、独自の小さな金プローブを作製できます。
  • タンパク質に直接標識することで高解像度の部位特異的識別に利用できます。
  • システインを含むペプチドの標識に用いることができます。

Mono-Amino-Undecagold

糖質や糖タンパク質の標識、異なる反応性のためにヘテロ二官能性架橋試薬で活性化することがきます。

Mono-Sulfo-NHS-Undecagold

Mono-Sulfo-NHS-Undecagoldは、Undecagoldを第一級アミンに共有結合させるために用いられます。


適用

  • システインを含まないタンパク質の標識に使用できます。
  • N末端のペプチドを標識します。
  • Undecagold標識低分子は、遷移状態構造を調べるための阻害物質または基質類似体として有用です。

Click Undecagold

Click Undecagoldを用いた安定トリアゾール複合体の作製

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Click Undecagoldを用いた安定トリアゾール複合体の作製

クリックケミストリー(クリック反応)は、代表例としてアジドとアルキンの環化付加反応が知られている分子の合成手法です。このクリック反応は生体直交型(Bioorthogonal)の反応であり、生細胞、組織、さらには生体内において、交差反応を引き起こすことなく選択的な標識ができます。

Click Undecagold試薬は安定性が高く、生体適合性および生細胞に優れた耐性を有しています。Click Undecagoldを用いることで高解像度が得られ、Undecagoldを標的部位に正確に配置します。Click Undecagoldには以下の2つの反応性のものがあります。

  • Mono-Azido Undecagoldは、アルキンおよび関連試薬と反応し、また一部の銅触媒なしのクリック反応に使用できます。
  • Mono-Alkyne Undecagoldはアジドと反応します。

適用

  • 生細胞や組織で起こる動的プロセスを標識します。クリック試薬は加水分解などを起こしません。
  • 生細胞内の成分を標識します。ビオチンや交差反応性タンパク質などの内因性種とは反応しません。
  • サブユニットまたは分子部位の高解像度標識: 対応する反応性アジドまたはアルキンを組み込みます。抗体やプローブは必要ありません。
  • 多重標識に有用です。適切な抗体やプローブがない場合、クリック反応を追加して別の標的物質を検出します。

使用例

クリックすると外部リンク(メーカーサイト)が開きます。

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1.4 nm Nanogold

  ☞ 1.4 nm Non-Functionalized Nanogold    ☞ 1.4 nm Charged Nanogold    ☞ 1.4 nm Mono-Maleimide Nanogold    ☞ 1.4 nm Mono-Amino Nanogold    ☞ 1.4 nm Mono-Sulfo-NHS-Nanogold    ☞ 1.4 nm Click Nanogold  

粒子径1.4 nmのNanogoldは、金コロイドと同様にタンパク質に吸着され、さらに穏やかな緩衝条件下で特定部位で共有結合により反応します。この生成物は、クロマトグラフィーで精製することができます。蛍光標識と同様の汎用性を有し、オリゴヌクレオチド、脂質、ペプチド、タンパク質、酵素阻害物質などの分子を適切な反応基で標識します。これは、抗体と限られた範囲のタンパク質およびペプチドにしか吸着できない金コロイドに比べて大きく優れている点です。1.4 nm Nanogoldは小さく、サイズが非常に均一で、一般的に使用される金コロイドとは対照的です(最も一般的に使用される1 nmの金コロイドの粒子径は、実際には1~3 nmのバラツキがあります)。本製品を用いることで独自の生体分子を標識できます。

Nanogold標識二次抗体についてはこちらをご覧下さい。

1.4 nm Nanogold使用例

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  • 左図:ラット脳内の銀増強したNanogold標識K+チャネルKv2.1サブユニット、×15,000(J.-H. Tao-Cheng、NIH)
  • 右図:プロテアソームを標的とするMaleimide Nanogold標識A βペプチドの暗視野STEM顕微鏡像。試料はメチルアミンバナデートで染色。白点は1.4 nm Nanogold。

引用文献:Gregori, L. et al.,"Binding of amyloid beta protein to the 20 S proteasome", J. Biol. Chem., 272(1), 58~62 (1997). [PMID:8995227]

1.4 nm Nanogoldは、他のほとんどのEMプローブよりも小さいですが、GoldEnhanceまたはSilver Enhancement Kit, LI Silver, HQ Silverを用いることで短時間の露光(1~5分)で簡単に増強でき、2~20 nmの大きさの明瞭な粒子(現像時間によって異なります)を生成できます。さらに現像(8~25分)すると、光学顕微鏡や免疫ブロット、ポリアクリルアミドゲル、ウエスタンブロットで簡単に視覚化できます。

特長

  • 最大40 μmの優れたコンジュゲートの浸透性を有しています。
  • より大きな金プローブよりも高い免疫標識の密度が得られます。
  • 適切な反応基を有するあらゆる分子に結合し、さまざまな反応性で利用できます。
  • 1.4 nmの極めて均一な金ナノ粒子のため、本来の反応性を妨害しない特定の部位を標識できます。
  • 化学量論的標識に近似しています。
  • コンジュゲートはゲルろ過によって簡単に分離できます。
  • コンジュゲートは広範囲のpHおよびイオン強度に対し安定で、1年間保管しても反応性の変化は見られません。
Click Undecagoldを用いた安定トリアゾール複合体の作製

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Nanogoldによる特定の反応部位の特異的標識

Nanogoldは、チオール基(システイン残基)または第一級アミン(N末端、リジン残基)に対して特異的に標識します。

1.4 nm Non-Functionalized Nanogold

1.4 nm Non-Functionalized Nanogoldは、反応性官能基や特定の親和性特性を持たず、不活性で安定的な形態の金ナノ粒子です。


適用

  • 高解像度電子顕微鏡の校正用サイズ標準として用いられます。
  • 細孔のサイズ測定に使用できます(☞ PMID:10557277)。
  • 細胞と組織内の連続した内部空間のトレースに有用です。

1.4 nm Charged Nanogold

Positive/Neggative Charged 1.4 nm Nanogoldは、イオン標識として用いることができます。Positive Undecagoldは表面に複数のアミンを有し、Negative Undecagoldは表面に複数のカルボキシル基を有しています。


適用

  • 酵母エンドサイトーシス経路の追跡に用いることができます(☞ PMID:9436999)。

1.4 nm Mono-Maleimide Nanogold

独自の一次抗体を用い、粒子径の小さい金ナノ粒子免疫プローブを作製でき、優れた解像度、浸透性、局在性を実現したり、さまざまな他の生体分子を標識できます。反応性マレイミドが1つ含まれており、穏やかな条件(pH 6.0~7.0)でチオール(スルフヒドリル)基と反応します。また本製品を用いてFab'、IgG、システインを含むタンパク質またはペプチド、およびスルフヒドリル基を含むその他の分子を共有結合で標識できます。蛍光標識化試薬と同様に、専用の金ラベル標識化試薬を用いて下さい。


適用

  • 一次抗体 Fab' フラグメントにリンクして、独自の小さな金プローブを作製することができます(詳細はこちら)。
  • 他のタンパク質を直接標識化することで、高解像度で部位特異的な識別ができます。
  • システインを含むペプチドの標識に用いることができます(☞ PMID:8995227)。
  • 5'-チオレート化オリゴヌクレオチドを直接標識できます(☞ PMID:8757130)。

操作方法概略

本製品を再構成し、標的分子と室温で1時間、または冷蔵庫中で16時間混合します。その後、ゲルろ過、イオン交換クロマトグラフィー、または疎水性相互作用クロマトグラフィーで精製します。粒子上のMaleimideは、穏やかな条件下で遊離スルフィドリルと特異的に反応し、安定した共有結合を形成します。

より小さな11個の金原子クラスターのMono-Maleimide-Undecagoldについてはこちらをご覧下さい。


使用例

Nanogold標識dサブユニットとホスホリラーゼキナーゼ複合体のSTEM像

カルモジュリンdサブユニットへの変換を促進するため、ホスホリラーゼ-b キナーゼを過剰な外因性カルモジュリンと閾値濃度の尿素とともにインキュベートし、サイズ排除HPLCを用いて酵素から過剰なカルモジュリンを除去した。代謝標識された[35S]カルモジュリンを用いた定量化を行い、1時間以内に全dサブユニットの約10%の変換が測定された。変換された酵素は完全な触媒活性を保持していた。その後カルモジュリンをMonoMaleimide-Nanogoldで誘導体化し、上記の条件下で変換した。
Nanogold変換画像のSTEM像の解析により、ホスホリラーゼキナーゼホロ酵素内にdサブユニットを配置できた。

引用文献:Traxler, K.W., et al., "Direct visualization of the calmodulin subunit of phosphorylase kinase via electron microscopy following subunit exchange", J. Struct. Biol., 135(3), 231~238 (2001). [PMID:11722163]

1.4 nm Mono-Amino Nanogold

架橋反応のために第一級アミンを結合させた1.4 nm Monoamino Nanogoldです。糖鎖の過ヨウ素酸酸化に続くMonoamino Nanogoldとの反応と、結果的に起こるシッフ塩基結合の還元により、糖タンパク質の糖鎖部分へ共有結合させることができます(☞ PMID:7789307)。

1.4 nm Mono-Sulfo-NHS-Nanogold

金コロイドでは凝集、安定性の低さ、浸透の低さなどの問題があります。本製品は、穏やかな条件(pH7.5~8.2)で第一級アミンと反応するスルホ-N-ヒドロキシスクシンイミド(Sulfo-NHS)エステルを反応基を有し、タンパク質、脂質、ペプチド、修飾オリゴヌクレオチド、またはその他のアミン含有分子に安定的に共有結合させることができ、金コロイドに関連する問題点を回避できるユニークな金プローブを作製できます。

NanogoldはSilver Enhancement Kit HQ Silver, LI Silverで簡単に増感できるため、小さな金ナノ粒子はEMまたは光学顕微鏡で簡単に視覚化でき、ブロットやゲル上で目視することもできます。


適用

  • システインを含まないタンパク質を標識できます。
  • N末端のペプチドを標識できます(☞ PMID:7542681)。
  • Fv抗体フラグメントを用いて、最小の抗体プローブを作製することができます(☞ PMID:8648079)。
  • 阻害物質または基質類似体として低分子を標識できます。
  • リポソームに組み込むためのアミノ置換脂質の標識に用いることができます。

操作方法概略

本製品を少量のDMSOまたはイソプロパノールに溶解し、水で再構成して標識する分子と混合します。反応は数時間で完了し、標識された複合体をゲル濾過クロマトグラフィーで精製します。

1.4 nm Click Nanogold

Click Undecagoldを用いた安定トリアゾール複合体の作製

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Click Undecagoldを用いた安定トリアゾール複合体の作製

クリックケミストリー(クリック反応)は、代表例としてアジドとアルキンの環化付加反応が知られている分子の合成手法です。このクリック反応は生体直交型(Bioorthogonal)の反応であり、生細胞、組織、さらには生体内において、交差反応を引き起こすことなく選択的な標識ができます。

Click Undecagoldは安定性が高く、生体適合性および生細胞に優れた耐性を有しています。Click Undecagoldを用いることにより高解像度が得られ、Undecagoldを標的部位に正確に配置し、高分子解像度で標的物質を検出することができます。1.4 nm Click Nanogoldには以下の3つの反応性のものがあります。

  • 1.4 nm Mono-Azido Nanogoldは、アルキンおよび関連試薬と反応します。銅触媒を用いたアジド-アルキン環化付加(Copper-Catalyzed Azide-Alkyne Cycloaddition、CuAAC)または銅触媒なしの歪み促進型アジド-アルキン環化付加(Strain-Promoted Axide-Alkyne Cycloaddition、SPAAC)を使用したクリック反応に用いることができます。
  • 1.4 nm Mono-Alkyne Nanogoldは、銅触媒を用いたアジド-アルキン環化付加(CuAAC)反応を介してアジドと反応します。
  • 1.4 nm Mono-DBCO Nanogoldは、銅触媒なしの歪み促進型アジド-アルキン環化付加(SPAAC)反応を介してアジドと反応します。

適用

  • 生細胞や組織で起こる動的プロセスを標識します。クリック試薬は加水分解などを起こしません。
  • 生細胞内の成分を標識します。ビオチンや交差反応性タンパク質などの内因性種とは反応しません。
  • サブユニットまたは分子部位の高解像度標識: 対応する反応性アジドまたはアルキンを組み込みます。抗体やプローブは必要ありません。
  • 多重標識に有用です。適切な抗体やプローブがない場合、クリック反応を追加して別の標的物質を検出します。

使用例

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5 nm Nanogold

  ☞ 5 nm Non-Functionalized Nanogold    ☞ 5 nm Mono-Maleimide Nanogold    ☞ 5 nm Mono-Amino(Positively Charged)Nanogold    ☞ 5 nm Mono-Sulfo-NHS-Nanogold  
  ☞ 5 nm Azide(Click) Nanogold    ☞ 5 nm Alkyne(Click)Nanogold    ☞ 5 nm DBCO(Click)Nanogold  

5 nm Nanogoldは、安定化にタンパク質を必要としないために、従来の金コロイドで調製したほとんどのコンジュゲートに比べて小さく、全体的な粒子径が均一で、試料への浸透がより速く一貫しています。より大きな粒子サイズが必要な場合は、5 nm NanogoldをGoldEnhanceSilver Enhancement Kit, LI Silver, HQ Silverで簡単に増感できます。使用する試薬に応じて、短時間の露出(1~4分)で、電子顕微鏡で識別できる粒子径10~20 nmの非常に明瞭な粒子が作製できます。さらに現像時間を長くすると、光学顕微鏡、免疫ブロット、ゲル、ウエスタンブロットにおいて簡単に確認でき、有機色素原と容易に区別できる黒いシグナルが生成されます。

特長

  • デザイナーコーティングにより、生体内での使用に適した溶解性と生体適合性が得られます。残留電荷がないため、非特異的結合が最小限に抑えられます。
  • 小さな金プローブが必要な研究に用いられます。
  • 高解像度が必要な解析に有用です。
  • 反応性が選択可能な部位固有の共有結合による標識が可能です。

非コンジュゲート5 nm Nanogold

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非コンジュゲート5 nm Nanogoldは単分散で非常に規則性がある球状のシンメトリカルな5 nm金コアと、均一で薄く一貫したリガンドーコティングを示す。これにより、非常に規則的な粒子径、より小径のプローブ、信頼性が高く再現性のある標識と電子顕微鏡像が得られる。

5 nm Non-Functionalized Nanogold

5 nm Non-Functionalizedは、粒子径5 nmの溶解性が高く、非イオン化性のコーティングされた金ナノ粒子です。


適用

  • 高解像度の傾斜セクションの位置合わせや電子線トモグラフィー用の小型フィデューシャルマーカー(Fiducial marker)に用いられます。
  • 直径は5 nmで、シェルを含む全体の直径は約10 nmの非常に規則性があるため、細胞接合部の通過限界の決定や、細孔のサイズ測定に使用できます。
  • 高水溶性、安定性、非イオン化特性を持っています。タンパク質や細胞成分に対する親和性が極めて低いため、ニューロンや液胞などの連続した内部空間や接続部のマッピングに用いることができます。

5 nm Mono-Maleimide Nanogold

5 nm Maleimide Nanogoldは単分散で、水溶性が高く、安定性と生体適合性に優れた粒子径5 nmの金ナノ粒子です。親水性コーティングが施されており、穏やかな条件(pH 6.0~7.0)でチオール(スルフヒドリル)基と反応するマレイミド基で修飾されています。

5 nm Maleimide Nanogoldとチオール官能化分子の反応図

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5 nm Maleimide Nanogoldとチオール官能化分子の反応図

適用

アクセス可能なチオール基を有する分子を選択的に標識し、以下のような用途で使用できます。

  • IgGおよびIgM抗体: 結合部位から離れたヒンジ部位のチオール基を標識し親和性を維持します。
  • Fab'フラグメント抗体: 結合部位の反対側のヒンジ部位のチオール基に5 nm Nanogoldを結合し、本来の親和性を最大限に維持します。
  • タンパク質およびペプチド: 固有のチオール基部位の選択的な標識、またはペプチド合成中に局在させたい部位にCys残基を組み込みます。
  • DNA、RNA、およびPNA: 合成中にチオール修飾ホスホラミダイトまたはシステインを使用して、金ナノ粒子が必要な場所にチオール基を配置するか、in situで酵素修飾することで修飾部位に金ナノ粒子を配置します。
  • ナノ構造材料: ビルディングブロックを標識してから、計画した金ナノ粒子アレイを構築するか、特定の標識部位をナノ構造にして後で金ナノ粒子を追加します。
  • 小分子: 5 nm Nanogoldをホルモン、阻害物質、シグナル伝達分子などの低分子で修飾し、分子精度(Molecular precision)*1で結合部位を特定します。

*1 本製品は多官能性であるため、架橋を避け、Nanogoldと結合生体分子の比率を制御するように標識反応を実施する必要があります。詳細は、製品データシートをご参照下さい。


操作方法概略

本製品を再構成し、標的分子と室温で1時間、または冷蔵庫中で16時間混合します。反応完了後、ゲルろ過クロマトグラフィーで複合体を分離させます。標識タンパク質は硫安沈殿により、オリゴヌクレオチドはエタノール沈殿やゲル電気泳動により分離できます。また、イオン交換クロマトグラフィーまたは疎水性相互作用クロマトグラフィーも有用です。マレイミド基は、穏やかな条件下でチオール基と特異的に反応し、安定した共有チオエーテル結合を生成します。

5 nm Mono-Amino(Positively Charged) Nanogold

ユニークな糖または活性化カルボキシル部位の選択的な標識に有用です。正電荷を持つアミノ基により、負に帯電した標的分子を電荷によって染色または標識が可能です。


適用

  • カルボキシル標識: カルボン酸を活性型に変換し、本製品と反応させてカルボン酸残基を標識できます。
  • 糖質標識: 過ヨウ素酸塩またはその他の弱選択的酸化剤を用いて炭水化物糖をアルデヒドに酸化し、次に本製品と反応させて生成したイミドを還元して安定したアミン結合複合体を作製できます。詳細は、RNA Labeling with Nanogold(メーカーWeb)をご参照下さい。
  • タンパク質標識:アミン反応性架橋剤を使用して本製品を活性化し、さまざまな他の官能基または標的分子に架橋できます。
  • 電荷ベースの標識:弱酸性の条件下では、本製品はプロトン化し、正電荷を帯びます。タンパク質または細胞小器官の負電荷の領域の標識に用いることができます。
  • DNAナノワイヤの作製:1.4 nm Positively charged Nanogoldと同様に、本製品はDNAバックボーンの負電荷基に結合できます。詳細は、DNA Nanowires(メーカーWeb)をご参照下さい。GoldEnhanceSilver Enhancement Kit, LI Silver, HQ Silverを使用すると、導電性ナノワイヤを作製できます。

本製品は多官能性であるため、架橋を避け、Nanogoldと結合生体分子の比率を制御するように標識反応を実施する必要があります。詳細は、製品データシートをご参照下さい。

操作方法概略

本製品を再構成し、適切な架橋剤で活性化し、適切な条件下で標的分子とインキュベートします。反応完了後、ゲルろ過クロマトグラフィーにより複合体を分離できます。標識タンパク質は硫酸アンモニウム沈殿で分離し、オリゴヌクレオチドをエタノール沈殿またはゲル電気泳動で分離することもできます。また、イオン交換クロマトグラフィーまたは疎水性相互作用クロマトグラフィーが有用な場合があります。マレイミド基は、穏やかな条件下でチオール基と特異的に反応し、安定した共有チオエーテル結合を生成します。

5 nm Mono-Sulfo-NHS-Nanogold

単分散で、水溶性が高く、安定性と生体適合性に優れた5 nm金ナノ粒子です。親水性コーティングが施されており、穏やかな条件(pH 7.5~8.2)で脂肪族アミンと反応するSulfo-NHS基で修飾されています。

5 nm Sulfo-NHS-Nanogoldとアミノ官能化分子との反応図

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5 nm Sulfo-NHS-Nanogoldとアミノ官能化分子との反応図

5 nm Maleimide Nanogoldは単分散で、水溶性が高く、安定性と生体適合性に優れた粒子径5 nmの金ナノ粒子です。親水性コーティングが施されており、穏やかな条件(pH 7.5~8.2)で脂肪族アミンと反応するSulfo-NHS基で修飾されています。

適用

  • IgGおよびIgM抗体: N末端アミンまたはリジン残基を標識します。還元やその他の前処理は必要ありません。希少または低濃度の抗体の保存に有用です。
  • Fab'フラグメント抗体: 結合部位の反対側のヒンジ部位のチオール基に5 nm Nanogoldを結合し、本来の親和性を最大限に維持します。
  • タンパク質およびペプチド:N末端アミンまたはリジン残基を標識します。ジスルフィド結合はそのまま残り、三次および四次構造が保存されます。
  • DNA、RNA、およびPNA: 合成中にアミノ修飾ホスホラミダイトまたはリジンを使用して金ナノ粒子が必要な場所にアミンを配置します。3'または5'末端の標識だけではなく、アミノ修飾はどこにでも導入できます。
  • ナノ構造材料: アミノ官能化ビルディングブロックを標識してから、計画した金ナノ粒子アレイを構築するか、アミノ標識部位を自己組織化材料として後で金ナノ粒子を追加します
  • 小分子: 5 nm Nanogoldをホルモン、阻害物質、シグナル伝達分子などの低分子で修飾し、分子精度(Molecular precision)*2で結合部位を特定します。

*2 本製品は多官能性であるため、架橋を避け、Nanogoldと結合生体分子の比率を制御するように標識反応を実施する必要があります。詳細は、製品データシートをご参照下さい。


操作方法概略

本製品を再構成し、標的分子と室温で1時間、または冷蔵庫中で16時間混合します。反応完了後、ゲルろ過クロマトグラフィーで複合体を分離できます。標識タンパク質は硫安沈殿により、オリゴヌクレオチドはエタノール沈殿やゲル電気泳動により分離できます。また、イオン交換クロマトグラフィーまたは疎水性相互作用クロマトグラフィーも有用です。Sulfo-NHS基は、穏やかな条件下でアミンと特異的に反応し、安定した共有アミド結合を生成します。

5 nm Azide(Click) Nanogold

5 nm Azide(Click) Nanogoldは、銅触媒を用いたアジド-アルキン環化付加(Copper-Catalyzed Azide-Alkyne Cycloaddition、CuAAC)反応または銅触媒なしの歪み促進型アジド-アルキン付加環化(Strain-Promoted Axide-Alkyne Cycloaddition、SPAAC)反応を使用してアルキン修飾標的部位を標識できます。

5 nm Azido(Click) Nanogoldとアルキンの反応図

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5 nm Azido(Click) Nanogoldとアルキンのクリック反応図

  • 図左:銅触媒クリック反応による本製品と歪みのないアルキンとの歪み促進型アジド-アルキン付加環化付加反応(CuAAC)
  • 図右:本製品と歪んだアルキンとの歪み促進型アジド-アルキン環化付加(SPAAC)銅触媒なしのクリック反応

適用

  • 生細胞または組織内の動的プロセスの標識:クリック試薬は加水分解などを起こしません。
  • 生細胞内の成分の標識: ビオチンや交差反応性タンパク質などの内因性種と反応しません。
  • サブユニットまたは分子部位の高解像度標識: 対応する反応性アジドまたはアルキンを標的化できます。抗体やプローブは必要ありません。
  • 光学可視化:GoldEnhanceまたはSilver Enhancement Kit, LI Silver, HQ Silverを使用して光学顕微鏡または高感度ブロッティングで可視化できます。わずか1 pgの標的IgGを確認できます。
  • 標識の多重化: 適切な抗体またはプローブがない場合は、クリック反応を追加することで複数の標的を検出できます。

5 nm Alkyne(Click)Nanogold

5 nm Alkyne(Click) Nanogoldは、CuAAC反応を使用してアジド修飾標的部位を標識できます。

5 nm Alkyne(Click) Nanogoldとアジドのクリック反応図

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5 nm Alkyne(Click) Nanogoldとアジドのクリック反応図


適用

  • 生細胞または組織内の動的プロセスの標識:クリック試薬は加水分解などを起こしません。
  • 生細胞内の成分の標識: 内因性種または交差反応性タンパク質と反応しません。
  • 高解像度の精密標識:抗体またはプローブは不要です。
  • 光学的可視化: GoldEnhanceまたはSilver Enhancement Kit, LI Silver, HQ Silverを使用して光学顕微鏡または超高感度ブロッティングで可視化できます。
  • 標識の多重化: 抗体またはプローブがない場合は、クリック反応を利用して下さい。

5 nm DBCO(Click)Nanogold

5 nm DBCO(Click) Nanogoldは、SPAAC反応を使用してアジド修飾標的部位を標識できます。

SPAACクリック反応による5 nm DBCO-Nanogoldと歪みを有するアルキン (シクロオクチン誘導体) の反応図

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SPAACクリック反応による5 nm DBCO-Nanogoldと歪みを有するアルキン (シクロオクチン誘導体) の反応図


適用

  • 生細胞または組織内の動的プロセスの標識:クリック試薬は加水分解などを起こしません。
  • 生細胞内の成分の標識: 内因性種または交差反応性タンパク質と反応しません。
  • 高解像度の精密標識:抗体またはプローブは不要です。
  • 光学的可視化: GoldEnhanceまたはSilver Enhancement Kit, LI Silver, HQ Silverを使用して光学顕微鏡または高感度ブロッティングで可視化できます。
  • 標識の多重化: 抗体またはプローブがない場合は、クリック反応を利用して下さい。

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reagent@funakoshi.co.jp

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