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腫瘍微小環境特集

掲載日情報:2021/12/29 現在Webページ番号:69929

近年、がん研究で注目されている腫瘍微小環境(Tumor microenvironment, TME)に関連した腫瘍モデル、細胞培養製品、アッセイキット、抗体をご紹介します。

腫瘍微小環境特集

目次

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腫瘍微小環境(TME)とは

腫瘍微小環境(Tumor microenvironment, TME)とは、腫瘍またはがん細胞とともに免疫系細胞、血管系細胞、線維芽細胞などの様々な細胞が作り出す複雑な微小環境のことを指します。免疫抑制性と低酸素ニッチなどを特徴とし、腫瘍の発生から発達・進行に多くの影響を与えることが分かっています。これまでのがん治療ではがん細胞を標的としてきましたが、近年の研究ではTMEが新たな標的として注目されています1,2


TMEを構成する主な細胞

がん関連線維芽細胞(Cancer-Associated Fibroblast, CAF)

腫瘍間質の主要な構成要素であり、がんの増殖、浸潤、転移、血管新生において重要な役割を果たします3

制御性T細胞(Regulatory T cell, Treg)

CD4T細胞を抑制するため、自己免疫や防御免疫応答を防止するリンパ球のサブセットです。フォークヘッドボックス転写因子(FOXP3)を発現しています4

腫瘍随伴マクロファージ(Tumor-Associated Macrophage, TAM)

M2型のマクロファージです。抗炎症性サイトカインや血管新生因子を多く分泌します5

骨髄由来免疫抑制細胞(Myeloid Derived Suppressor Cell, MDSC)

顆粒球、マクロファージ、樹状細胞などに分化する前の未熟な骨髄細胞です6

Treg, TAM, MDSCはT細胞による免疫応答を阻害します1,5

Tumor-microenvironment

腫瘍微小環境の再現

がん研究では二次元共培養または動物モデルが多く使われています。しかし、二次元の単層状態では複雑な腫瘍微小環境を再現できず、元の組織の機能を完全に反映することができません。動物モデルを用いる場合でも、ヒトに関する生物学的研究を行う上では限界があります7、8
そのため、がん研究においては腫瘍微小環境の複雑さをより再現できる組織モデルや三次元培養技術の需要が高まっています。このような組織は、がんのシミュレーションだけでなく、創薬スクリーニングでの活用も期待されています4

参考文献

  1. Arneth, B., Medicina., 56(1), 15 (2019).[PMID:31906017]
  2. Jin, M.Z. and Jin, W.L., Signal Transduct. Target Ther., 5, 166 (2020).[PMID:32843638]
  3. Shiga, K., et al., Cancers(Basel)., 7(4), 2443~2458 (2015).[PMID:26690480]
  4. Nishikawa, H. and Koyama, S., J. Immunother. Cancer, 9, e002591 (2021).[PMID:34330764]
  5. Li, Y. and Yi, Z., J. Hematol. Oncol., 10 10(1), 58 (2017).[PMID:28241846]
  6. Gao, X., et al., Front. Immunol., 11, 585214 (2021).[PMID:33613512]
  7. Fontana, F., et al., Cancers(Basel)., 13(12), 2970 (2021).[PMID:34199324]
  8. Mestas, J., and Hughes, C.C.W., J. Immunol., 172(5), 2731~2738 (2004).[PMID:14978070]

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血管新生

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Cell Biolabs  ☞ in vitroでの血管形成・血管新生を評価するキット Endothelial Tube Formation Assay (In vitro Angiogenesis)

マウスEHS肉腫から調製したECMを用いて、in vivoに似た三次元環境で血管形成を行うキットです。in vivo実験前の血管形成・血管新生阻害物質のスクリーニングなどに有用です。

CBO_Endothelial-Tube-Formation

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制御性T細胞(Treg)関連製品

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Exbio  ☞ フローサイトメトリーによる制御性T細胞測定キット TregFlowEx Kit

Tregに特徴的なCD4、CD25およびFOXP3の発現をフローサイトメトリーで検出するキットです。

EXB_Treg_flow-cytometry

R&D Systems  ☞ 制御性T細胞分化誘導用キット CellXVivo Human Treg Differentiation Kit

高品質のサイトカインを組み合わせることにより、ヒトのナイーブCD4+T細胞から制御性T細胞(Treg)への分化を誘導するために最適化されたキットです。

RSD_Treg Differentiation Kit

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抗体/ELISA

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Arigo Biolaboratories  ☞ 腫瘍免疫微小環境研究用抗体セットシリーズ

腫瘍浸潤リンパ球(Tumor-infiltrating Lymphocyte, TIL)、MDSC、M1/M2/TAM、およびCAFを識別するための一連の抗体セットです。腫瘍免疫浸潤の研究について理解を深めるのに最良の製品です。

ARI_ARG30333

R&D Systems  ☞ M1/M2マクロファージ活性化マーカー抗体

M1マクロファージおよびM2マクロファージの活性化マーカー抗体です。下記の各因子に対する抗体を取りそろえています。

  • M1 マクロファージの機能:病原体に対する防御
  • M1 関連病原体:慢性炎症、組織損傷、自己免疫疾患
  • M2 マクロファージの機能:傷の治癒と組織再構築
  • M2 関連病原体:がん、線維症、上皮過形成

Synaptic Systems  ☞ 免疫染色用抗体 HistoSure

Synaptic Systems社のホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)試料の免疫染色に特化した抗体です。特にXenograft Pathology抗体は、患者から採取した腫瘍試料を免疫不全マウスに移植するPDXモデルなどにおいて、ヒト成分とマウス成分を区別できるように設計されています。

SS2_HistoSure-antibody

Bethyl Laboratories  ☞ マルチプレックスIHC検出用がん関連抗体パネル PathPlex Panelシリーズ

免疫組織染色(IHC)での使用が検証済みの抗体が3~6種類ずつセットになっており、マルチプレックスフォーマットで利用できます。腫瘍内微小環境をプロファイルするのに有用です。

BET_PathPlex Panel 1(#A810-001)

Arigo Biolaboratories  ☞ HMGB1を中心とした腫瘍微小環境研究用製品

HMGB1(High Mobility Group Box 1)は細胞局在によって異なる役割をもつ多機能性タンパク質です。腫瘍微小環境において腫瘍細胞が分泌するHMGB1は、樹状細胞の成熟を阻害し、MDSCおよびTregの活性を促進することによって抗腫瘍免疫を抑制します。

ARI_HMGB1_products

Absolute Antibody  ☞ 【技術情報】免疫療法における二重特異性抗体の展望

オランダのライデン大学医療センター(Leiden University Medical Center, LUMC)のグループが行った研究において、腫瘍溶解性レオウイルスと、T細胞-がん細胞に結合(架橋)する二重特異性抗体を併用することで、腫瘍退縮を効果的に退縮できる可能性が示されました。この研究で、Absolute Antibody社のKnobs-into-holes(KIH)二重特異性抗体が使用されました。

    使用された抗体
  • マウスCD3εとTPR-1(TA99)を標的とする抗体(#bAb0136
  • ヒトCD3εとHER2(4D5-8, Trastuzumab)を標的とする抗体(#bAb0183

ABA_Bi-specific-antibody

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がん組織由来細胞/オルガノイド関連製品・受託サービス

各項目名をクリックすると製品の詳細をご覧いただけます。

ATCC  ☞ Human Cancer Models Initiative(HCMI)作製の次世代がんモデル

ATCC®が、Human Cancer Models Initiative(HCMI)と提携して提供する、患者由来の次世代がんモデルです。
既存の細胞株と比べてヒト腫瘍の複雑さをより再現しており、がんの新規治療法の評価やトランスレーショナルリサーチに有用です。

ATCC_colon-model


AIM Biotech  ☞ 様々な実験条件に適応するユニークな3D細胞培養用チップ idenTx 3 Chip

スライドガラスサイズのチップに、3つのチャンネルで構成される3D細胞培養用マイクロ流路デバイスが3個配列された製品です。
生体内を模倣した三次元細胞培養が行えます。

AIM_metastasis

abc biopply  ☞ オルガノイド・スフェロイド作製用チップ 3D CoSeedis

一度に均一サイズのスフェロイドが大量に作製できる、足場を必要としない三次元培養器材です。6ウェルまたは24ウェルのプレートに、対応する3D CoSeedis Chipを入れて使用します。細胞を混合して共培養する「Contact Co-culture」に加え、距離を置いて共培養する「Distance Co-culture」も可能です。

ECS_3D CoSeedis

TheWell Bioscience  ☞ オルガノイド培養用ハイドロゲル VitroGel ORGANOID

オルガノイド培養に最適化された、ゼノフリー(動物由来成分フリー)のハイドロゲルです。
Ready-to-useで室温ですぐに使用でき、培地と混合するだけで溶液がハイドロゲルマトリックスに変化します。

TWB_VitroGel ORGANOID

PromoCell  ☞ 悪性がん細胞の選択的培養システム Primary Cancer Culture System

原発腫瘍または患者由来の異種移植片(Patient-derived xenograft, PDX)を選択的に培養できるシステムです。
本製品には、専用培地、サプリメント、培養容器表面処理剤が含まれています。

PCI_Primary-Cancer-Culture-System

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イメージング関連製品

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ジェノスタッフ(株)  ☞ ヒト組織検出用プローブ Human Cytoplasm Stain Probe Ⅰ&Ⅱ

ヒトのRibosomal RNAをターゲットにしたin situ Hybridization 用のOligoプローブです。
がん研究で多く使われている ゼノグラフト(xenograft)の組織や混合培養の細胞から、ヒト由来の細胞を特異的に検出します。
DIG標識のⅠキットとBiotin標識のⅡキットがあります。

Human Cytoplasm Stain Probe

Visikol  ☞ スフェロイド・細胞塊用の透明化試薬 Visikol HISTO-M

スフェロイド、オルガノイド、細胞塊、Microtissue(微小培養組織)など組織培養試料用の透明化試薬です。
スフェロイドなどについて、組織内部を蛍光プローブ検出や免疫染色により観察できるため、これらをモデル組織として用いた創薬研究に有用です。

VSK_HISTO-M

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リポソーム製品/受託製造サービス

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(株)ヒュギエイアバイオサイエンス  ☞ マクロファージ枯渇試薬 クロドロン酸内包リポソーム

マクロファージ(Macrophage)に対して枯渇作用を示すクロドロン酸をリポソーム化した製品(Clodronate liposome)です。細胞膜を透過しにくいクロドロン酸の細胞透過性が向上します。腫瘍随伴マクロファージを標的とした粒子径の小さな製品もあります。

HYG_クロドロン酸内包リポソーム

片山化学工業(株)  ☞ リポソーム受託製造サービス

お客様のご要望に沿った脂質組成や内包物のリポソームを、様々なスケールで作製いたします。50種類以上の物質の内包実績があります。

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細胞遊走/浸潤能測定キット

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Platypus Technologies  ☞ 細胞遊走能を再現性高く測定できるキット Oris & Oris Pro Cell Migration Assay

細胞を傷つけることなく細胞の遊走能を、高い再現性(CV:≦12%)でモニタリングおよび計数できるキットです。
各ウェルの中央部にシリコーン樹脂製stopperがセットされた96ウェルプレートの製品(Oris)と、生物適合性の可溶性ゲルを用いた自動化に適する96/384ウェルプレートの製品(Oris Pro)があります。

PLS_oris-migration-assay-kit

Cell Biolabs  ☞ 細胞走化性測定キットと浸潤活性測定キットのセット CytoSelect Boyden Chamber Cell Migration / Invasion Assay

細胞走化性測定キットと浸潤活性測定キットがセットになった製品です。ポリカーボネート膜を装着したチャンバーと24 / 96 wellプレートを組み合わせることで、様々な細胞の遊走性および浸潤活性を測定できます。

CBO_Chemotaxis-Invasion-Assay-Combo-Kit

細胞遊走/細胞浸潤製品特集

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一酸化窒素(Nitric oxide, NO)測定

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活性窒素種(Reactive nitrogen speicies, RNS)は、一酸化窒素シンターゼ(Nitric oxide synthase, NOS)とNADPHオキシダーゼ(NADPH oxidase)の媒介により生成されるNOとスーパーオキシドアニオン(O2)由来の分子です。
RNSは腫瘍微小環境中のC-C motif chemokine 2(CCL2)タンパク質をニトロ化することで、T細胞の浸潤を妨げることが示唆されました。CCL2のニトロ化を阻害する物質を腫瘍微小環境に作用させることが、がん免疫療法として有効である可能性があります1

参考文献

  1. Molon, B., et al., J. Exp. Med., 208(10), 1949~1962(2011).[PMID:21930770

Cell Biolabs  ☞ 培養細胞中のNOを測定するキット OxiSelect Intracellular Nitric Oxide (NO) Assay Kit (Fluorometric)

培養細胞内のNO、またはNOS活性を蛍光法により迅速かつ高感度で測定するキットです。耐光性、pH安定性に優れたNO特異的蛍光プローブを用いています。

CBO_NO-assay-kit

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お問い合わせ先

(テクニカルサポート 試薬担当/テクニカルサポート 機器担当/受託・特注品業務担当)

reagent@funakoshi.co.jp

kiki@funakoshi.co.jp

jutaku@funakoshi.co.jp

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