HOME > 特集 > NAFLD / NASH研究用試薬
非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)/非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の研究に!! NAFLD / NASH研究用試薬
掲載日情報:2024/09/25 現在Webページ番号:69743
NAFLD / NASHの研究に有用な測定キット、染色試薬、化合物、NASHモデルなどをご紹介します。
※ 本製品は研究用です。研究用以外には使用できません。
※ Cayman Chemical社のNASH研究関連製品はこちらをご覧下さい。
※ Cayman Chemical社の脂肪肝研究関連製品はこちらをご覧下さい。
※ Mercodia社のNAFLD/NASHと代謝調節異常研究関連製品はこちらをご覧下さい。
追加しました。
-
2024/10/01
試薬 特別価格
[FNA]funakoshiブランド製品40%OFFキャンペーン 第三弾 [~2024/11/29]
期間:2024/10/01 ~2024/11/29
フナコシ株式会社(FNA)
NAFLD / NASHとは
非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD、Non-alcoholic fatty liver disease)は、過剰なアルコール摂取に依らずに肝臓に脂肪蓄積が生じる脂肪肝で、(1)非アルコール性脂肪肝(NAFL、Non-alcoholic fatty liver、あるいは単純性脂肪肝)および(2)非アルコール性脂肪性肝炎(NASH、Non-alcoholic steatohepatitis)に大別されます。NAFLの一部は、何らかの刺激により風船様変性/炎症反応/線維化が起こってNASHが発症し、さらに肝硬変、肝がんへと進行する可能性があります。
参考文献
- 日本肝臓学会、「NASH・NAFLDの診療ガイド2021」、文光堂、東京(2021).
追加しました。
NAFLD / NASH研究のターゲット
インクレチン
NAFLD / NASHとインクレチン
インスリン分泌障害のある非糖尿病性NAFLDおよびNASH患者では、インクレチン(Incretin)であるGLP-1の分泌量の減少が認められています1。インクレチン効果の減少は、インスリン抵抗性および肥満に関連した耐糖能障害の初期徴候であることが示唆されています2。インクレチンをベースとした治療は、ALT(Alanine transaminase、アラニンアミノ基転移酵素)などの肝酵素に効果があり、肝脂質量を減少させ、その他の肝機能マーカーを改善することが示されています3,4。
参考文献
■インクレチン測定キット
メーカー略称 | 製品説明 |
---|---|
MRD | ヒト総GLP-1を特異的に定量できるELISAキット |
MRD | ヒト総GIPを特異的に定量できるELISAキット |
■インクレチン関連製品
メーカー略称 | 製品説明 |
---|---|
MRD | 特異性に優れたサンドイッチ法のグルカゴンELISAキット |
CAY | GLP-1およびGIPのトリグリセリド誘発性分泌を媒介するFFAR1(GPR40)のアッセイキット |
インスリン抵抗性
NAFLD / NASHとインスリン抵抗性
インスリン抵抗性(Insulin resistance, IR)はNAFLD / NASHとの関連性が高く、NAFLDはⅡ型糖尿病患者の数十%に及びます1,2。このインスリン抵抗性はグルコース産生の増加や高血糖症(Hyperglycemia)をもたらし、また、肝臓の脂質やリポタンパク質の代謝にも深刻な影響を及ぼします3。NAFLDにおいて、インスリン抵抗性はde novo lipogenesis(DNL)および白色脂肪組織における脂肪分解の増加を介して、肝臓の脂肪酸の増加に関与します3。肝臓の脂質蓄積はインスリンに対する肝臓の反応性を低下させ、その結果、循環血液中のグルコースの増加、ひいてはインスリンの増加をもたらし、慢性的な高インスリン血症を引き起こします4。また、マクロファージなどの免疫細胞は、NASHの進行に関与します。過度の肝臓の脂肪蓄積はマクロファージ/クッパー細胞の活性化を促進してインスリン抵抗性を悪化させ、肝臓の炎症および線維化をもたらします5。
■インスリン抵抗性の測定
インスリン抵抗性の指標の1つとして用いられるHOMA-IR(Homeostasis Model Assessment of Insulin Resistance)は、以下の計算式より算出します。
参考文献
■インスリンおよびグルコースの測定キット
メーカー略称 | 製品説明 |
---|---|
MRD | 【定番】Mercodia社ヒトインスリン測定キット |
MRD | Mercodia社マウスインスリン測定キット |
MRD | Mercodia社ラットインスリン測定キット |
ARB | 簡便かつ迅速、高感度でグルコース(Glucose)を定量するキット |
■インスリン抵抗性関連因子の測定キット
メーカー略称 | 製品説明 |
---|---|
KOM | ヒト、マウス、ラットのアディポネクチン測定キット |
RSD | ヒト、マウス、ラットのTNF-α測定キット |
■インスリン抵抗性改善のターゲットと研究用試薬
品名をクリックすると商品の詳細、商品コードをクリックすると価格表をご覧いただけます。
ターゲット | メーカー略称 | 品名 | 商品コード |
---|---|---|---|
MPC(Mitochondrial Pyruvate Carrier)阻害 | KOM | 抗MPC-2マウスモノクローナル抗体(クローン:JCM-1) | AG-20B-0071-C100 |
阻害物質、UK 5099 | AG-CR1-3691 | ||
CAY | 16980 | ||
阻害物質、7ACC2 | 23445 | ||
Insulin感受性増感、CAY10415(別名:MSDC-0160) | 71748 | ||
チアゾリジン誘導体 | CAY | Rosiglitazone | 71742 |
KOM | AG-CR1-3570 | ||
CAY | Pioglitazone | 71745 | |
KOM | AG-CR1-0067 | ||
PPARγアゴニスト | CAY | PPARγ-LBD Ligand Screening Assay Kit | 600616 |
FXR(Farnesoid X receptor)アゴニスト/リガンド | CAY | GW 4064 | 10006611 |
Fexaramine | 17369 | ||
Tropifexor | 25748 | ||
XL335 | 23350 | ||
PEP | FGF19 | 100-32 | |
PEP | FGF21 | 100-42 | |
KOM | CHI-MF-102FGF21 | ||
AG-40A-0091 | |||
GLP-1レセプターアゴニスト | KOM | Liraglutide | AG-CP3-0034 |
DNL阻害 | CAY | FASN阻害物質、(±)-C75 | 10005270 |
トリグリセリド合成阻害 | CAY | DGAT-1、A-922500 | 10012708 |
DGAT-2、PF-06424439 | 17680 | ||
DGAT-1/2、Amidepsine A | 17774 | ||
脂肪滴測定 | FNA | 脂肪滴イメージング試薬、LipiDye®Ⅱ | FDV-0027 |
酸化ストレス
NAFLD / NASHと酸化ストレス
酸化ストレスは、NAFLDからNASHへの進行において重要な要因の1つです1。この酸化ストレスの程度は、NASHの重症度との関連性が明らかになっています2。NASHにおける酸化ストレスの主な要因は、動物モデルでは肥満とインスリン抵抗性(IR)に起因する過剰な遊離脂肪酸(FFA)負荷です3。FFA負荷条件下では、ミトコンドリアのβ酸化が過剰になり活性酸素種(Reactive Oxygen Species, ROS)の産生が増加します4。酸化ストレス存在下では、ROSと細胞の抗酸化能のバランスが崩れて脂質過酸化(Lipid Hydroperoxide, LPO)が生じます5。また、NASHではOxLDL(Oxidized Low-Density Lipoprotein)レベルが増加し6、食後のOxLDLの増加はNADLD患者の組織学的重症度の予測を可能にします7。肝臓において、OxLDLはクッパー細胞のリソソーム内に捕捉され、肝炎症や炎症性遺伝子発現の増加をもたらします8。また、OxLDL投与した高脂肪食(High Fat Diet, HFD)マウスモデルでは、脂肪肝、線維化が悪化し、NASHの典型的な極めて強い炎症と重度の肝障害が生じます。HFDによる細胞内脂質酸化や細胞外からのoxLDLによる酸化の亢進が、肝脂肪性肝炎の発症に重要な役割を果たしていることが示唆されています9。
参考文献
- Walenbergh, S.M., et al., J. Hepatol., 58(4), 801(2013). [PMID:23183522]
- Delli Bovi, A.P., et al., Front. Med. (Lausanne), 8, 595371(2021). [PMID:33718398]
- Petta, S., et al., Dig. Liver Dis., 41(9), 615(2009). [PMID:19223251]
- Lau、J.K., et al., J. Pathol., 241(1), 36(2017). [PMID:27757953]
- Chen, Z., et al., Free Radic. Biol. Med., 152, 116(2020). [PMID:32156524]
- Hendrikx, T. and Binder C.J., et al., Front. Endocrinol. (Lausanne), 11, 607011(2020). [PMID:33362721]
- Musso, G., et al., Ann. Med., 40(5), 383(2008). [PMID:18484349]
- Bieghs, V., et al., Liver Int., 33(7), 1056(2013). [PMID:23617943]
- YiMin, et al., Lab. Invest., 92(2), 265(2012). [PMID:22064320]
ピックアップ製品:FAOBlue®
図. FAO活性の抑制されたNASHモデルマウス由来細胞(中央図)と脂質代謝を亢進するbezafibrateを投与したNASHモデルマウス由来細胞(右図)
脂肪酸β酸化(FAO)はNASHやがんなどの疾患において大きく変動することが示唆されています。FAOBlue®は生細胞での脂肪酸β酸化の活性を青色蛍光によって可視化および測定を可能にします。
■酸化ストレスのターゲットと製品ラインナップ
ターゲット | メーカー略称 | 製品説明 |
---|---|---|
トリグリセリド | CAY | トリグリセリドを比色法により測定するキット(#10010303) |
遊離脂肪酸 | CAY | 遊離脂肪酸を蛍光法により高感度に測定するキット |
β酸化 | FNA | 生細胞の脂肪酸β酸化(FAO)活性の蛍光定量試薬、FAOBlue® |
活性酸素種 | CAY | DHEを用いた生細胞中の活性酸素種(ROS)測定キット |
DCFDAを用いた生細胞中の活性酸素種(ROS)測定キット | ||
ミトコンドリアの活性酸素種(ROS)測定キット | ||
LKT | 天然物由来Nrf2活性物質 | |
酸化ストレス | STQ | 8-OHdGを競合法により測定するELISAキット |
脂質過酸化 | CAY | 鉄イオンの酸化還元反応を用いて過酸化脂質(LPO)を測定するキット |
脂質過酸化研究用製品特集はこちらをご覧下さい。
フェロトーシス
NAFLD / NASHとフェロトーシス
フェロトーシス(Ferroptosis)は鉄依存的な脂質の過酸化によって引き起こされる細胞死です1。脂肪肝において、フェロトーシスはNASH発症時に炎症を誘発する最初の細胞死であることが明らかにされ、炎症を引き起こすきっかけとして重要な役割を担っていることが示唆されました2。このフェロトーシスの阻害によって、肝炎の発症が抑制されることも示されており2、NASHの予防・治療のターゲットとして期待されています。
参考文献
■フェロトーシス関連製品
肝線維化進行マーカー
肝線維化の指標:FIB-4 index
NAFLDにおける線維化のステージは予後を予測する重要な因子とされ1、正確な評価が重要です。肝線維化の指標として広く普及しているFIB-4 indexは、以下の計算式より算出します。
参考文献
- Ekstedt, M., et al., Hepatology, 61(5), 1547(2015). [PMID:25125077]
■ALTおよびAST活性の測定キット
メーカー略称 | 製品説明 |
---|---|
CAY | アラニンアミノ基転移酵素(ALT)活性の測定キット |
CAY | アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)活性の測定キット |
関連:NASHにおけるケラチン18の測定について
NASHにおける肝細胞の炎症は、主にアポトーシスによる肝細胞の細胞死によって引き起こされます。肝細胞のアポトーシスの初期段階で、カスパーゼが活性化され、ケラチン18(K18)が切断され、その結果生じた断片が血液中に放出されます。カスパーゼによって切断されたK18(ccK18)断片の定量とFIB-4を組み合わせることで進行性NAFLDのリスクの特定が期待できます。
■関連製品(K18断片の測定キット、脂肪滴染色試薬、コラーゲン染色試薬)
メーカー略称 | 製品説明 |
---|---|
PVV | カスパーゼにより切断されたK18断片をM30およびM5抗体を用いて測定するキット |
FNA | 高感度な脂肪滴長時間イメージング試薬、LipiDye®Ⅱ |
POL | 組織切片試料中のコラーゲン染色キット |
NASHモデル
ピックアップ製品:ヒト肝マイクロアレイ
図. ヒト肝マイクロアレイ(左図:未染色)と染色例(中央図、右図)
ヒト肝組織のマイクロアレイ製品です。NASH、アルコール性脂肪性肝炎(ASH)、非アルコール性脂肪肝(NAS)およびアルコール性脂肪肝(AS)のマイクロアレイがあります。一度のアッセイで複数のドナー(最大20ドナー)を比較できます。
■NASHモデルの製品および受託サービス
メーカー略称 | 製品説明 |
---|---|
SXT | ヒト肝組織(肝プレライセート製品、肝マイクロアレイ製品および肝ミクロソーム製品) |
YNK | NASHモデル動物(マウス、ラット)作製受託サービス |
追加しました。
製品情報は掲載時点のものですが、価格表内の価格については随時最新のものに更新されます。お問い合わせいただくタイミングにより製品情報・価格などは変更されている場合があります。
表示価格に、消費税等は含まれていません。一部価格が予告なく変更される場合がありますので、あらかじめご了承下さい。