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パイロトーシスおよびインフラマソーム研究用製品特集

掲載日情報:2024/06/27 現在Webページ番号:71580

パイロトーシス(ピロトーシス、Pyroptosis)は制御された細胞死(プログラム細胞死)の一種で、インフラマソーム(Inflammasome)と呼ばれるタンパク質複合体によって炎症性CaspaseやIL-1ファミリーのサイトカインが活性化されることにより生じます。
本ページではパイロトーシスおよびインフラマソーム研究に有用な製品をご紹介いたします。
本製品は研究用です。研究用以外には使用できません。


パイロトーシスおよびインフラマソームについて

パイロトーシスについて

パイロトーシス(Pyroptosis)という現象は、マクロファージの病原体感染によって惹起される「プログラム細胞死」の一種として1992年には既に発見されていましたが1、“パイロトーシス”という科学用語は、2001年、瀕死の細胞からIL-1βやIL-18といった炎症性サイトカインが急速に放出される現象を説明する際にギリシャ語のpyro(火あるいは熱)とto-sis(落ちる)2を組み合わせたものとして初めて使用されました。パイロトーシスは、感染した細胞を排除し、病原体抗原を露出させることで細胞内感染と戦うのに役立ちますが、宿主の防御には限定されません。SARS-CoV-2のようなウイルスの一部はパイロトーシスを誘発し、「サイトカインストーム」として知られる過剰な免疫反応の発症に寄与する可能性があります3
長年の研究により、パイロトーシスのメディエーターがいくつか特定されてきました。初期の研究では、カスパーゼ-14への依存が示されていましたが、現在では、カスパーゼ-4、-5、-11などもパイロトーシスを媒介できることが明らかになっています5

活性化するカスパーゼの種類によって、シグナル伝達経路は標準的(canonical)なシグナル経路(カスパーゼ-1)と非標準的(non-canonical)なシグナル経路(カスパーゼ-4、-5、-11)に分類されます6。標準的な経路では、傷害(DAMPs)や病原体関連分子パターン(PAMPs)などの異なる刺激に反応する多量体のタンパク質複合体であるNLRP3インフラマソームなどのインフラマソームによってカスパーゼ-1が活性化されます。非標準的な経路では、パイロトーシスを引き起こすカスパーゼが、グラム陰性菌の細胞内リポ多糖(LPS)の受容体として直接機能し、二次的にNLRP3インフラマソームを活性化させます7

Pyroptosisの概観
図. パイロトーシスの非標準的経路(左)と標準的経路(右)

図中のガスダーミンD(Gasdermin D、GSDMD)は、保存された構造を持つタンパク質ファミリーに属します。GSDMDはカスパーゼによって切断・活性化され、N末端のガスダーミンドメインを放出して細胞膜に孔が形成されます。また、カスパーゼ-1はpro-IL-1βとpro-IL-18を切断し、成熟サイトカインを生成します。これらのサイトカインは、H2Oの流入と膜の破裂に先立ってこれらの膜孔を通して放出されます8。この経路のさまざまな構成要素と相互作用は理解され始めたばかりですので、将来、さらに多くの知見が得られることが期待されています。

参考文献

  1. Zychlinsky, A., et al., "Shigella flexneri induces apoptosis in infected macrophages." Nature, 358(6382), 167~169 (1992). [PMID: 1614548]
  2. D'Souza, C.A., and Heitman, J., "Dismantling the Cryptococcus coat." Trends Microbiol., 9(3), 112~113 (2001). [PMID: 11303499]
  3. Ferreira, A.C., et al., "SARS-CoV-2 engages inflammasome and pyroptosis in human primary monocytes." Cell Death Discov., 7(1), 43 (2021). [PMID: 33649297]
  4. Hilbi, H., et al., "Shigella-induced apoptosis is dependent on caspase-1 which binds to IpaB." J. Biol. Chem., 273(49), 32895~32900 (1998). [PMID: 9830039]
  5. Man S.M., et al., "Converging roles of caspases in inflammasome activation, cell death and innate immunity." Nat. Rev. Immunol., 16(1), 7~21 (2016). [PMID: 26655628]
  6. Wei, X., et al., "Role of pyroptosis in inflammation and cancer." Cell. Mol. Immunol., 19(9), 971~992 (2022). [PMID: 35970871]
  7. Downs, K.P., et al., "An overview of the non-canonical inflammasome." Mol. Aspects Med., 76, 100924 (2020). [PMID: 33187725]
  8. Kovacs, S.B., and Miao, E.A., "Gasdermins: Effectors of Pyroptosis." Trends Cell Biol., 27(9), 673~684 (2017). [PMID: 28619472]


インフラマソームについて

インフラマソーム(Inflammasome)は、炎症やアポトーシスに関与するタンパク質の複合体で、炎症性CaspaseやIL-1ファミリーのサイトカインを活性化します。これまでに、NLRP1(NALP1)Inflammasome、NLRP3(NALP3)Inflammasome、IPAF(NLRC4)Inflammasome、AIM2 Inflammasomeの4種類が報告されており、そのうちの前者3種はNLRタンパク質を含んでいます。
Inflammasomeは、バクテリア生菌、微生物由来毒素、生体異物、PAMPs(病原体関連分子パターン)、DAMPs(ダメージ関連分子パターン)などさまざまな刺激により活性化されます。

インフラマソーム細胞内

インフラマソーム代謝関連図


NLRP3/NALP3インフラマソームの活性化について

NLRP3/NALP3インフラマソーム活性化の正確なメカニズムはまだ議論中ですが、研究者の間では下記の3つのモデルが支持されています。

  1. NLRP3インフラマソームアゴニストである細胞外ATPは、そのレセプターであるP2X7に結合し、K流出とパネキシン-1膜孔形成を引き起こします。後者は、直接的なNLRP3活性化因子となり得る細胞外因子の侵入を可能にしている可能性があります。また、NLRP3がKの流出または膜の完全性を感知している可能性も示唆されています。
  2. MSU、ミョウバン、シリカ、アスベストなどの貪食された結晶性または粒子状のNLRP3リガンドは、リソソーム内容物のサイトゾルへの放出につながる機械的損傷により、リソソームの不安定化と破裂を引き起こす可能性があります。この経路はカテプシンB阻害物質であるCA-074-Meに感受性があり、リソソームプロテアーゼであるカテプシンBが直接NLRP3リガンドの活性化に関与していることが示唆されました。しかしながら、カテプシンB欠損マクロファージにおいて、MSUやミョウバンなどのNLRP3リガンドに応答したIL-1β分泌およびカスパーゼ-1切断の変化は観察されませんでした。NLRP3が細胞質のリソソーム含有量をどのように感知するかはまだ分かっていません。
  3. 3番目のモデルには、活性酸素種(ROS)の生成が含まれます。試験したすべてのNLRP3アゴニストは、ROSの生成を引き起こし、さらに、ROSスカベンジャー(捕捉物質)はNLRP3の活性化を抑制します。ROSの細胞内発生源は現在不明であり、ROSはNLRP3インフラマソームの活性化に必要であるように思われますが、それだけでは十分ではありません。B細胞では、ROS感受性NLRP3リガンドであるTXNIP(チオレドキシン相互作用タンパク質;VDUP1)がNLRP3活性化のトリガーとして関与していることが示されました。

NLRP1と同様に、NLRP3活性化におけるもう1つの重要なパラメーターは、細胞質のK濃度であると思われます。高いK濃度で培養されたマクロファージが、NLRP3依存性カスパーゼ-1活性化の低下を示すという事実は、K流出がNLRP3活性化の上流に必要であることを示唆している可能性があります。


パイロトーシスにおけるCaspase-1について

カスパーゼ-1は、最もよく注目されている炎症性カスパーゼです。サイトカインであるインターロイキン-1β(IL-1β)およびIL-18に作用して、パイロトーシスを誘導します。多数の刺激に応答し、インフラマソーム(Inflammasome)と呼ばれる多タンパク質複合体によって活性化されます。NLRC4は細胞質フラジェリンに、マウスNLRP1bは炭疽菌毒素に、AIM2は細胞質DNAに、そしてNLRP3はさまざまなアゴニストに応答します。


パイロトーシスにおけるGSDMDについて

GSDMD(ガスダーミンD、Gasdermin-D)は、インフラマソーム活性化因子に応答した炎症性カスパーゼCASP1またはCASP4によって切断されます。切断後、細胞膜に移動したGSDMDの断片は、内葉の脂質に結合します。膜内でホモオリゴマー化し、内径10~15 nmの孔を形成することにより、成熟型IL-1βの放出とパイロトーシス(Pyroptosis)を誘発すると考えられています。
パイロトーシスを起こした細胞から細胞外に放出されたGSDMDのN末端は、脂質結合特異性により外側から細胞膜を破壊しないため、隣接する哺乳類細胞を傷つけることなく、グラム陰性菌およびグラム陽性菌の両方に速やかに結合して死滅させます。細胞培養条件下では、Listeria monocytogenes(リステリア・モノサイトゲネス)のような細胞内細菌に対しても活性を示し、カルジオリピンを含む細菌およびミトコンドリアの脂質に強く結合します。


パイロトーシスにおけるHMGB1について

HMGB1(High Mobility Group Box 1)は細胞局在によって異なる役割をもつ多機能性タンパク質です。例えば、がん細胞において、細胞内ではゲノムを安定化させる抗腫瘍タンパク質として作用し、細胞外では免疫抑制機能をもつ前腫瘍タンパク質としての働きをもちます。
炎症細胞死であるパイロトーシスは、防御応答を増強することによって病原体の迅速なクリアランスを促進します。HMGB1は、DAMP(Damage-associated molecular pattern)として機能し、炎症性サイトカインIL-1およびIL-18の成熟およびGSDMD膜孔の形成に寄与するNLRP3インフラマソームの形成を開始し、炎症性サイトカインの放出を促します。


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パイロトーシス・インフラマソーム関連の技術資料および動画

Adipogen社技術資料

画像をクリックするとpdfをご覧になれます。

Inflammasome Research

Inflammasome Research
(英語版,12ページ,3.6 MB)

Gasdermin D Signaling

Gasdermin D Signaling &
Inflammasome Research

(英語版,4ページ,2 MB)

NLRP3 Inflammasome poster

Rockland社技術資料:The Many Faces of Cell Death

RCK-63382-Cell-Death-Ebook

パイロトーシス、アポトーシス、パータナトス(Parthanatos)、フェロトーシス、ネクロトーシス(Necroptosis)、キュプロトーシス(Cuproptosis)、エレボーシス(Erebosis)といったさまざまな細胞死経路について、そのメカニズムや意味を詳しく説明しています。また、これらの細胞死経路に関連した抗体や試薬の包括的なリストが掲載されており、細胞死研究をサポートします(39ページ、約1.2 MB)。
画像をクリックするとpdfをご覧になれます。


関連動画

Inflammasome & Pyroptosis
(Arigo社動画、英語、約2分30秒)

HMGB1 in inflammation
(Arigo社動画、英語、約2分30秒)

The Inflammasome signalling pathway
(Institute for Molecular Bioscience、
 オーストラリア 作製、英語、約5分)


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関連情報:その他のプログラム細胞死について

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表中の記事名をクリックすると該当のページをご覧になれます。なお、下記に記載の他にも、Entosis、Erebosis、Oxeiptosis、Parthanatosといった新たなプログラム細胞死の概念が提唱されています。

細胞死の種類 概要 関連記事
パイロトーシス
(Pyroptosis)
  • さまざまなインフラマソームにより活性化されたCaspase-1によって引き起こされる。
  • 死にゆく細胞からIL-1β、IL-18などの炎症性サイトカインが急速に放出される。
  • 細胞内感染の対抗策であるが、逆にSARS-CoV-2などのウイルスによりパイロトーシスが誘導されてサイトカインストームが生じることもある。
本ページ
アポトーシス
(Apoptosis)
  • カスパーゼの活性化により細胞死を誘導する。
  • 細胞の収縮、核の断片化、クロマチンの凝縮、膜の剥離など、明確な形態的変化を特徴とする。
  • 正常な細胞のターンオーバー、免疫系の適切な発達と機能、ホルモン依存性の萎縮、胚の発達、化学物質による細胞死などに不可欠。
ネクロトーシス
(Necroptosis)
  • 細胞ホメオスタシスの特定変化やアポトーシスが阻害された場合に誘発される、カスパーゼに依存しないプログラムされた細胞死。
  • 炎症、創傷治癒、感染症対策などの正常な生物学的プロセスだけでなく、がんや慢性炎症などの疾患状態においても役割を担っている。
パノトーシス
(PANoptosis)
  • パイロトーシス、アポトーシス、ネクロトーシスを統合した名称で、これらに関与する分子が最終的に炎症性細胞死を引き起こすという概念。
フェロトーシス
(Ferroptosis)
  • 過酸化脂質の致死レベルまでの蓄積が、鉄依存的に生じる。
  • ミトコンドリアの縮小や損傷など、明確な形態的特徴を示す。
キュプロトーシス
(Cuproptosis)
  • 過剰濃度の銅により、タンパク質中のリジン残基へのリポアミドの結合(リポイル化)が生じ、それによるタンパク質の凝集とHSP70の活性化によって引き起こされる。
ネトーシス
(NETosis)
  • 自然免疫系の要素である好中球細胞外トラップ(NET:Neutrophil extracellular traps)が放出される過程で生じる細胞死。
関連項目:
オートファジー
(Autophagy)
  • オートファゴソームと呼ばれる二層小胞が形成され、その内容物がリソソーム加水分解酵素によって分解される。
  • もともと飢餓における生存のための自己栄養メカニズムとして発見されたが、各種疾患、運動や感染症などに対するプロセスにも関与することが示された。

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製品ラインナップ

表中の記事名をクリックすると該当箇所にページ内ジャンプいたします。

製品名
ELISA
キット
インフラマソーム関連因子測定(Adipogen社)
パイロトーシス関連因子測定(Rockland社)
HMGB1測定(Arigo社)
Caspase-1 (mouse) 測定自作キット(Adipogen社)
パイロトーシス細胞(カスパーゼ-1活性化細胞)検出キット
製品名
抗体
セット
パイロトーシス・インフラマソーム関連抗体(Arigo社)
NLRP3インフラマソーム関連抗体・試薬(Adipogen社)
抗体 インフラマソーム研究用(Adipogen社)
パイロトーシス研究用(Rockland社)
抗GSDMD(Affinitiy Biosciences社)
インフラマソーム関連組換え体タンパク質
インフラマソーム関連化合物
生体試料中のHMGB1分析受託サービス

パイロトーシス・インフラマソーム関連ELISAキット

インフラマソーム関連因子ELISAキット

KOMロゴ

Adipogen Life Sciences
[メーカー略称:KOM]

試料中の各種インフラマソーム関連因子を比色法で測定するサンドイッチELISAキットです。
表中の商品コードをクリックすると価格表をご覧になれます。

品名商品コード
Caspase-1 (mouse) ELISA KitAG-45B-0002-KI01
Gasdermin D (mouse) ELISA KitAG-45B-0011-KI01
Gasdermin E (human) ELISA KitAG-45B-0024-KI01
IL-1β (human) ELISA KitAG-45B-0021-KI01
Mouse Gasdermin D ELISA Kit(#AG-45B-0011-KI01)の使用例

Mouse Gasdermin D ELISA Kit(#AG-45B-0011-KI01)の使用例
野生型(WT)またはさまざまな遺伝子ノックアウト(KO)マウスの骨髄由来マクロファージについて、細胞培養上清中(Figure 1)またはライセート中(Figure 2)のGasdermin Dを、Mouse Gasdermin D ELISA Kitを用いて測定した。

パイロトーシス関連因子ELISAキット


RCKロゴ

Rockland Immunochemicals, Inc.
[メーカー略称:RCK]

パイロトーシス関連の各種因子を測定するELISAキットです。
表中の商品コードをクリックすると価格表をご覧になれます。

品名 商品コード
Human IL-1 β ELISA Kit KOA0209
Mouse IL-1 β ELISA Kit KOA0211
Rat IL-1 β ELISA Kit KOA0210
品名 商品コード
Human IL-18 ELISA Kit KOA0523
Rat IL-18 ELISA Kit KOA0362

HMGB1 ELISA Kit

ARIロゴ

Arigo Biolaboratories Corp.
[メーカー略称:ARI]

試料中のヒト、マウス、ラットのHMGB1(High Mobility Group Box 1)を、サンドイッチ法により比色定量するELISAキットです。天然型および組換え体HMGB1のいずれも定量でき、HMGB2との交差性はありません。
表中の商品コードをクリックすると価格表をご覧になれます。

商品コード ARG81185 ARG81310 ARG81351
測定動物種 ヒト マウス/ラット ヒト/マウス/ラット
>Human HMGB1 ELISA Kit(#ARG81185)の標準曲線例

Human HMGB1 ELISA Kit(#ARG81185)の標準曲線例

Caspase-1 (mouse) Matched Pair Detection Set

KOMロゴ

Adipogen Life Sciences
[メーカー略称:KOM]

マウス細胞の培養上清中のCaspase-1を測定するELISAキットを構築(自作)するためのキットです。
表中の商品コードをクリックすると価格表をご覧になれます。

品名商品コード
Caspase-1 (mouse) Matched Pair Detection SetAG-46B-0003-KI01

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パイロトーシス細胞(カスパーゼ-1活性化細胞)検出キット
Pyroptosis / Caspase-1 Assay


ITLロゴ

Immunochemistry Technologies, LLC
[メーカー略称:ITL]

パイロトーシス(Pyroptosis)を起こした細胞を、カスパーゼ1の活性化を指標として蛍光顕微鏡またはフローサイトメーターで検出する試薬です。
表中の商品コードをクリックすると価格表をご覧になれます。

Green Assay Far Red Assay
商品コード#9145#9146#9158
使用回数25~50回分100~200回分25回分
FLICA試薬FAM-YVAD-FMK660-YVAD-FMK
測定波長 励起492 nm/蛍光520 nm 励起660 nm/蛍光680~690 nm

使用例

カスパーゼ-1活性測定(Jurkat細胞)

Nigericinで処理Jurkat細胞中のカスパーゼ-1活性測定

■使用キット:FarRed Assay(660-YVAD-FMK)
■実験条件:
(パネルA~C)ネガティブコントロール。誘導なし。
(パネルD~F)Jurkat細胞をNigericin(10 μM)で処理。NLRP3インフラマソームおよびカスパーゼ-1の活性化を誘導した。
その後すぐに660-YVAD-FMKを添加し、次いで細胞を37℃で24時間インキュベートし、洗浄した。さらにHoechst 33342で核を対比染色し、Hamamatsu Flash 4.0カメラ装着Nikon Eclipse 90i蛍光顕微鏡で観察した。
■結果:
(パネルA~C)660-YVAD-FMK標識を示すパネルAでは、活性型カスパーゼ-1を持つ赤色細胞は見られない。
(パネルD~F)Nigericin処理細胞では、パネルEに青色核を持つ多くの細胞が見られるが、その大部分はパネルDで赤色に標識されており、活性型カスパーゼ-1の存在を示す。

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パイロトーシス・インフラマソーム関連抗体セット

パイロトーシス・インフラマソーム関連抗体パネル

ARIロゴ

Arigo Biolaboratories Corp.
[メーカー略称:ARI]

Arigo Biolaboratories社(ARI)の抗体パネル(Antibody Panel)は、それぞれの研究対象に関連した因子に対する抗体をセットにした製品です。また、パネルに含まれる抗体は単品販売もしています。
製品名をクリックすると製品の詳細を、商品コードをクリックすると価格表をご覧になれます。

品名概要商品コード
Pyroptosis Antibody Panel Pyroptosisの3種類の主要因子(Caspase 1、GSDMD、IL-1β)に対する抗体がセットになった抗体パネル。pro-体および分解したタンパク質の検出にも有用。ローディングコントロール抗体として抗チューブリン抗体がセットに含まれている。 ARG30330
NLRP3 Inflammasome Antibody Panel NLRP3 Inflammasomeの3種類の主要因子(NLRP3、ASC、Caspase 1)に対する抗体がセットになった抗体パネル。ローディングコントロール抗体として抗GAPDH抗体がセットに含まれている。 ARG30331
NLRC4 Inflammasome Antibody Panel NLRC4 Inflammasomeの3種類の主要因子(NLRC4、ASC、Caspase 1)に対する抗体がセットになった抗体パネル。pro-体および分解したタンパク質の検出にも有用。ローディングコントロール抗体として抗GAPDH抗体がセットに含まれている。 ARG30332
GSDME-mediated Pyroptosis Antibody Panel GSDME(ガスダーミンE)のpro-体および切断型の両方を検出する抗GSDME抗体、抗Caspase 3抗体、および溶菌性細胞死を検出するための抗HMGB1抗体がセットになった抗体パネル。 ARG30343
Keap1-Nrf2-ARE Antibody Panel 抗Nrf2抗体に加えて、Nrf2のレギュレーターであるKeap1に対する抗体と、Nrf2の標的であるNQO1およびHO-1(Heme Oxygenase 1)に対する抗体がセットになった抗体パネル。転写因子であるNrf2は、Nrf2 / HO-1やNLRP3 / AIM2インフラマソームおよびパイロトーシスの調節を介して炎症プロセスを制御する。 ARG30345

NLRP3 Inflammasome Antibodies/Reagents Starter Set

KOMロゴ

Adipogen Life Sciences
[メーカー略称:KOM]

ウエスタンブロッティングによりNLRP3/NALP3インフラマソーム(Inflammasome)を研究するための、オールインワンソリューションキットです。
NLRP3インフラマソームの主要因子であるNLRP3、Asc、Caspase-1に対するスタンダードな3種類の抗体がセットになっています。
Reagents Starter Setには抗体の他に、NLRP3インフラマソームのプライミングおよび活性化用の2種類の化合物も含まれています。
表中の商品コードをクリックすると各製品の価格表をご覧になれます。

品名 キット内容 動物種 商品コード
NLRP3 Inflammasome Antibodies Starter Set
  • 抗体3種
ヒト AG-44B-0008-KI01
マウス AG-44B-0009-KI01
NLRP3 Inflammasome Reagents Starter Set
  • 抗体3種
  • 化合物2種
ヒト AG-44B-0010-KI01
マウス AG-44B-0011-KI01

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パイロトーシス・インフラマソーム関連抗体

Arigo Biolaboratories社(ARI)抗体については抗体パネルの項をご覧下さい。

インフラマソーム研究用抗体

KOMロゴ

Adipogen Life Sciences
[メーカー略称:KOM]

インフラマソーム関連の各種因子に対する抗体です。
■抗体の例:抗AIM2、抗Caspase-1、抗Gasdermin D

パイロトーシス研究用抗体


RCKロゴ

Rockland Immunochemicals, Inc.
[メーカー略称:RCK]

パイロトーシス関連の各種因子に対する抗体です。
■抗体の例:抗ASC、抗Caspase-1、抗NALP3


ARG57552を用いた免疫組織染色像

抗Caspase-1抗体によるヒト結腸がん組織の免疫組織染色像
・試料:ホルマリン固定パラフィン包埋ヒト結腸がん組織(抗原賦活なし)
・一次抗体:抗Caspase-1抗体(#200-301-H62、5 μg/ml)
・二次抗体:HRP標識抗マウス抗体(1:10,000)
細胞質タンパク質であるCaspase-1に対する抗体で検出後、DAB色素とヘマトキシリンで対比染色を行った(A)。ほとんど染色されない切片と染色部位が多い切片が観察された(A、B)。これらの切片のうち2枚を拡大すると(C、D)、異なった染色像が得られた。

抗GSDMD抗体

AFNロゴ

Affinity Biosciences
[メーカー略称:AFN]

GSDMD(ガスダーミンD、Gasdermin-D)に対する抗体です。

AF4012を用いたHela細胞の免疫細胞染色像

図. LPS処理したHela細胞の免疫細胞染色像
GSDMD(赤色):
  一次抗体:抗GSDMD抗体(#AF4012
  二次抗体:AlexaFluor594標識ヤギ抗ウサギIgG(H+L)抗体
β tubulin(緑色):
  一次抗体:マウス抗β tubulin抗体(#T0023
  二次抗体:AlexaFluor488標識ヤギ抗マウスIgG(H+L)抗体
核(青色):DAPI

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インフラマソーム関連組換え体タンパク質

KOMロゴ

Adipogen Life Sciences
[メーカー略称:KOM]

インフラマソーム関連因子の組換え体タンパク質です。
■組換え体タンパク質:Flagellin、IL-1β

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インフラマソーム関連化合物

KOMロゴ

Adipogen Life Sciences
[メーカー略称:KOM]

インフラマソーム関連の各種因子に活性を有する化合物です。
■化合物の例:7BIO、BAY 11-7082、Colchicine、Efavirenz

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生体試料中のHMGB1分析受託サービス


SNTロゴ

(株)シノテストサイエンス・ラボ
[メーカー略称:SNT]

生体試料中に含まれるHMGB1を測定する受託サービスです。類似タンパク質であるHMGB2を検出することなく、HMGB1のみを測定します。

測定項目・測定方法

項目コード 測定項目 試料量 保存条件 測定方法
B0011 HMGB1 血清・血漿(0.5 ml) -80℃以下 ELISA

EDTA血漿・クエン酸血漿
ヒト、ウシ、ブタ、ウサギ、ラット、マウスの血清・血漿や細胞培養上清・脳脊髄液・気管支肺胞洗浄液中のHMGB1を測定できます。

ご注文方法/価格

ご注文方法、お見積りなどの詳細は当社受託・特注品担当(jutaku@funakoshi.co.jp)までお気軽にお問合せ下さい。

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お問い合わせ先

(テクニカルサポート 試薬担当)

reagent@funakoshi.co.jp

製品情報は掲載時点のものですが、価格表内の価格については随時最新のものに更新されます。お問い合わせいただくタイミングにより製品情報・価格などは変更されている場合があります。
表示価格に、消費税等は含まれていません。一部価格が予告なく変更される場合がありますので、あらかじめご了承下さい。