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アポトーシスとネクローシスの接点、ネクロトーシス研究用製品
Necroptosis: When Apoptosis Meets Necrosis アポトーシスとネクローシスの接点、ネクロトーシス研究用製品
掲載日情報:2023/02/16 現在Webページ番号:70767
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ネクロトーシスとは
多くの種類の細胞死の中で、ネクロトーシス(ネクロプトーシス、necroptosis)は、細胞の恒常性維持において特定の変化、およびアポトーシス(apoptosis)の阻害の際に誘導される、カスパーゼ非依存性のプログラム細胞死の形態です1。通常の生物学的プロセス(炎症、創傷治癒、感染症との闘い)においてだけでなく、疾患状態(がん、慢性炎症)においても重要な役割を果たしています2。実際、ネクロトーシスは状況に応じて腫瘍細胞を保護したり、または殺傷することができます3。
ネクロトーシスの発生とネクロトーシス経路
ネクロトーシスは、アポトーシスとネクローシスの組み合わせと見なすことができます4。それは、TNF-α、TRAIL、インターフェロンγ、遺伝毒性ストレス、ウイルスDNA/RNA、細菌LPS、またはカスパーゼ8阻害などの外部または内部トリガーから始まります。これらのシグナルは、toll-like receptor(TLR)、TNFR-1、FAS、またはZ-DNA結合タンパク質1(ZBP1)2などのレセプターおよび結合タンパク質によって変換されます。最も理解されている経路は、TNF-αがそのレセプターであるTNFR1に結合することから始まるものです(下図参照)。簡潔に言うと、これにより、RIPK1、TRADD、TRAF2、TRAF5、cIAP1、cIAP2、およびLUBACを含むcomplex Ⅰが形成されます。RIPK1がcIAP1/2とLUBACによってポリユビキチン化されると、細胞の生存はNF-κB経路の活性化によって達成されます4。代わりに、RIPK1がCYLDまたはA20によって脱ユビキチン化されると、TRADDおよびRIPK1が放出され、complex Ⅱa(TRADD、FADD、およびRIPK1)またはcomplex Ⅱb(FADD、RIPK1)のいずれかを形成します。カスパーゼ8が存在し、活性化されると、複合体 ⅡaまたはⅡbを介してアポトーシスが起こります。しかし、カスパーゼ8が阻害されているか存在しない場合、RIPK3が動員され、RIPK3のオリゴマー化と自己リン酸化が引き起こされます5。次に、RIPK3はMLKLをリン酸化し、そのオリゴマー化を引き起こし、TRPM7を介したCa2+流入を誘導し6、細胞膜の穿孔を促進し、最終的にネクロトーシスを促進します5。あるいは、活性酸素種(ROS)の存在下では、RIPK1の自己リン酸化によってRIPK3が動員されてネクロソーム(necrosome)が形成され、ネクロトーシスが再び引き起こされます7。
ネクロトーシスと疾病との関連
ネクロトーシスの構成要素は、他の細胞死の形態と重複する可能性があります8。例えば、PARポリメラーゼ-1依存性細胞死(パータナトス、Parthanatos)はDNA損傷によって引き起こされ、その経路にはPARP1のRIPK1およびRIPK3刺激が関与している可能性があります。NETosisによる好中球の細胞死は、RIPK1またはMLKL低分子阻害物質によって阻害できます9。また、オートファジーは、オートファゴソーム上のネクロソームの形成を介してネクロトーシスを媒介することができます10。
ネクロトーシスは、神経変性、炎症、腎障害、がん(増殖、浸潤、血管新生、転移)などの病理学における重要な役割を果たしているため、ネクロトーシス経路の多くの低分子モジュレーターが研究ツールや治療法として開発されてきました4。例えば、☞ Necrostatin-1(Nec-1)と☞ RIPA-56はRIPK1の強力かつ選択的な阻害物質ですが、☞ PonatinibはRIPK1とRIPK3の両方を阻害します。
☞ Necrosulfonamideは異なる作用機序を有し、MLKLとRIPK3の相互作用を特に遮断します。これらの化合物はネクロトーシス研究の重要なツールであり、その多くは現在、がん、大腸炎、関節炎、乾癬、アルツハイマー病、およびALS4の臨床試験中です。
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ネクロトーシス関連抗体
製品ラインナップ
適用(青字)をクリックすると使用例、商品コードをクリックすると各製品の価格表をご覧いただけます。
[メーカー略称:RCK]
品名 | 免疫動物-クロナリティー | クローン名 | 交差性 | 適用 | 商品コード |
---|---|---|---|---|---|
Anti-A20 | Mouse-Monoclonal | 59A426 | Human | FCM、IF、IHC、IP、WB | 200-301-H52 |
Anti-xIAP | Rabbit-Polyclonal | - | Human、Mouse | ELISA、IF、IHC、WB | 600-401-AK2 |
Anti-FLIP | Rabbit-Polyclonal | - | Human、Mouse、Rat | ELISA、FCM、IF、IHC、WB | 600-401-BF3 |
Anti-IKBα | Rabbit-Polyclonal | - | Human、Mouse、Rat | WB | 100-4167C |
Anti-IKKα | Rabbit-Polyclonal | - | Human、Mouse、Rat | IHC、WB | 100-401-219 |
Rabbit-Polyclonal | - | Human | ELISA、I、IHC、WB | 600-401-BT9 | |
Anti-IKKβ | Mouse-Monoclonal | 10AG2 | Human、Mouse | FCM、IF、IHC、IP、WB | 200-301-H83 |
Rabbit-Polyclonal | - | Human、Mouse、Rat | IHC、WB | 100-401-220 | |
Anti-NEMO/IKK-γ | Rabbit-Polyclonal | - | Human | WB | 200-401-GM7 |
Anti-NFκB p65 | Rabbit-Polyclonal | - | Human | ELISA、IF、WB | 600-401-271 |
Rabbit-Polyclonal | - | Human、Mouse | ELISA、IHC、WB | 100-4165 | |
Anti-RIPK1 | Rabbit-Polyclonal | - | Human、Mouse、Rat | ELISA、IF、IHC、WB | 600-401-EA3 |
Anti-RIP3 | Rabbit-Polyclonal | - | Human、Mouse、Rat | ELISA、IF、IHC、IP、WB | 600-401-H16 |
Anti-TAB1 | Rabbit-Polyclonal | - | Human、Mouse | ELISA、IF、IHC、WB | 600-401-EZ1 |
Anti-TAB2 | Rabbit-Polyclonal | - | Human | ELISA、IHC | 600-401-EZ2 |
Anti-TAK1 | Rabbit-Polyclonal | - | Human、Mouse、Rat | ELISA、IF、WB | 600-401-EZ6 |
Anti-TLR3 | Mouse-Monoclonal | 40C1285.6 | Human | FCM、IF、IHC、IP、WB | 200-301-I24 |
Rabbit-Polyclonal | - | Human、Mouse | ELISA、IF、IHC、WB | 200-401-FF9 | |
Anti-TLR4 | Mouse-Monoclonal | 76B357.1 | Human、Mouse、Rat | ChIP、Dot Blot、ELISA、IF、IHC、WB | 200-301-I25 |
Rabbit-Polyclonal | - | Human | ELISA、IHC、WB | 600-401-MK3 | |
Anti-TNF-α | Rabbit-Polyclonal | - | Human | IF、IHC、WB | 209-401-306 |
Rabbit-Polyclonal | - | Mouse | WB | 210-401-321 | |
Anti-TNF-α Fab | Recombinant Monoclonal (Humanized) |
Abz520 | Human | ELISA、WB | 400-001-MT3 |
Anti-TRAF2 | Rabbit-Polyclonal | Human、Mouse、Rat | ELISA、IHC、IP、WB | 600-401-FM5 |
適用
- FCM:Flowcytometry
- IF:Immunofluorescence
- IHC:Immunohistochemistry
- IP:Immunoprecipitation
- WB:Western blotting
使用例
The Many Faces of Cell Death(eBook)
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