新型コロナウイルス感染症パンデミック下におけるウイルスRNA修飾の研究支援ツール ウイルスのRNA修飾および宿主由来RNAの研究用製品（EpiGentek社）

アデノシンメチル化によるウイルスのライフサイクル調節ダイナミクスの解明は、新しい抗ウイルス療法の設計と開発を促進します。N⁶-メチルアデノシン、またはm⁶Aは、真核生物のRNA修飾において最も一般的に見られ、total RNAメチル化の80％以上を占め、構造、スプライシング、局在化、翻訳、安定性、および代謝回転のリボ核酸生物学のあらゆる面に影響を及ぼします³。m⁶Aは、ウイルス種と宿主細胞の種類に応じてプロウイルス活性と抗ウイルス活性の両方を示します⁴。SARS-CoV-2のRNAゲノムには、GGACU（T）、GGACA、GGACCなどのRNAメチラーゼ複合体METTL3/14によるm⁶A修飾の特定の配列モチーフが存在し、50以上の潜在的なm⁶A部位が含まれています。その結果、SARS-CoV-2 RNAの全アデノシンの＞0.64％、または全塩基の0.18％がm⁶Aとなる可能性があります。

m⁶Aの獲得または喪失は、RNAウイルスに重大な機能変化をもたらし、宿主細胞の融合／侵入、複製、感染、病原体強度、および免疫回避を変化させる場合があります。また、宿主抵抗性に関与する宿主細胞のm⁶Aエピトランスクリプトームも、ウイルス感染後に変化することも考えられます。したがって、ウイルスおよび宿主のm⁶A修飾の研究は、SARS-CoV-2感染に影響を与える要因を明らかにし、COVID-19の治療のための新しい標的を特定するのに役立つことが期待されます。