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免疫蛍光染色(IF)の原理と基本プロトコル
免疫蛍光染色(IF)の原理と基本プロトコル
掲載日情報:2024/07/24 現在Webページ番号:71774
追加しました。
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2024/11/15
試薬 特別価格
[KOM]低分子化合物20%OFF・Fc-KIH融合タンパク質30%OFFキャンぺーン[~2025/02/28]
期間:2024/11/15 ~2025/02/28
Adipogen Life Sciences(KOM)
本記事では、免疫蛍光染色(Immunofluorescence、IF)の原理および基本的知識とプロトコルについて説明しています。併せて、おすすめの製品をご紹介していますのでぜひ、ご覧下さい。
※ 下のタブをクリックすると、各情報をご覧いただけます。
※ 本製品は研究用です。研究用以外には使用できません。
免疫蛍光染色(IF)とは
免疫蛍光染色をした試料の観察には、共焦点顕微鏡が広く使われていますが、誘導放出抑制顕微鏡(Stimulated Emission Depletion Microscopy、STED)などの高度のナノスコピー技術を用いると、共焦点顕微鏡よりもはるかに高い解像度の画像取得が可能となります。
細胞の種類、抗体、抗原によって微調整が必要ですが、共通するプロトコルがあります。詳細は、免疫蛍光染色(IF)のプロトコルのタブをご覧下さい。
免疫蛍光染色概略
1.試料の作製
培養細胞試料
パラフィン包埋切片試料
パラフィンは水と混和しないため、パラフィンワックスに漬ける前に組織を脱水する必要があります。脱水は、低濃度のアルコールから高濃度のアルコールに順に浸すことで行います。この方法で、疎水性を徐々に変化させることができ、細胞の損傷を最小限に抑えることができます。脱水後、組織をキシレン中でインキュベーションし、残存するエタノールを除去します。パラフィンは通常、包埋時に60℃で加熱し、包埋後は一晩かけ硬化させます。その後、ミクロトームを使って組織を鋭利な刃で超薄切片にします。得られた切片は顕微鏡用スライド上で乾燥することにより、室温で長期間保存できます。組織切片は、免疫組織蛍光染色のプロトコルを開始する前に再水和する必要があります。パラフィンは組織包埋に最も安価で一般的に使用される物質ですが、樹脂で包埋することもでき、その場合は固化しにくく、より薄い組織切片(1.5 mm対5 mm)を得ることができます。
■パラフィン包埋関連製品のラインナップ
項目をクリックすると該当するWeb記事をご覧いただけます。
メーカー | 特長 |
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サクラファインテックジャパン(株) [メーカー略称:SFJ] |
品名:ティシュー・テック® ユニ・カセット/包埋皿組織片の固定・薄切・保存までの全プロセスを、効率的に処理できるフタ付きカセットです。さまざまなタイプのご用意があります。 |
サクラファインテックジャパン(株) [メーカー略称:SFJ] |
品名:ティシュー・テック パラフィン ワックス II60融点が高くベ夕つきにくいため薄切片を容易に作製できる、組織包埋に適したパラフィンワックスです。 |
凍結包埋/クリオスタット切片試料
■凍結包埋関連製品のラインナップ
項目をクリックすると該当するWeb記事をご覧いただけます。
メーカー | 特長 |
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サクラファインテックジャパン(株) [メーカー略称:SFJ] |
品名:ティシュー・テック クリオモルド プラスチック製包埋皿凍結切片作製用の包埋皿です。組織サイズに応じて角型3種類、丸型2種類の製品があります。 |
サクラファインテックジャパン(株) [メーカー略称:SFJ] |
品名:凍結組織切片作製用包埋剤 ティシュー・テック O.C.T. コンパウンドO.C.T. コンパウンド(Optimal Cutting Temperature Compound)は、世界中で使用されている定番の凍結切片作製用の包埋剤です。速やかに包埋できます。 |
2.固定
ホルムアルデヒド(Formaldehyde)
ホルムアルデヒドは、ほとんどの免疫蛍光法に適していますが、万能の固定剤ではありません。ホルムアルデヒドによる過度の固定は、エピトープ中のアミノ酸の一部を修飾し、抗体がエピトープに結合するのを阻害する可能性があります。しかし、抗原賦活化を行うことでエピトープを再度露出させ、抗体結合を回復させることができます。
■凍結包埋関連製品のラインナップ
項目をクリックすると該当するWeb記事をご覧いただけます。
メーカー | 特長 |
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サクラファインテックジャパン(株) [メーカー略称:SFJ] |
品名:ティシュー・テック® ホルマGO™シリーズ凍結切片作製用の包埋皿です。組織サイズに応じて角型3種類、丸型2種類の製品があります。 |
アルコール
とは言え、一般的にアルコールはホルムアルデヒドベースの固定剤ほど組織形態を保持しないと考えられています。アルコールはホルムアルデヒドほど浸透せず、主に凍結包埋切片や細胞固定に使用されます。したがって、アルコール固定は膜表面抗原により適しています。アルコール固定後の抗原賦活化処理は、一般的に活性が強すぎて組織切片や細胞の完全性を損なう可能性が高いため、推奨されません。
アセトン
組織の固定
浸漬固定の浸透を高めるために、組織の厚さは10 mm以下にすることが推奨されています。また、完全な固定をするには、固定液量を組織体積の50~100倍にする必要があり、室温で4~24時間行います。不完全な固定または過度の固定は、組織の免疫反応性を低下または消失させる可能性があるため、固定条件を最適化することが非常に重要です。
培養細胞の固定
■組織および細胞固定関連製品のラインナップ
項目をクリックすると該当するWeb記事をご覧いただけます。
メーカー | 特長 |
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Polysciences, Inc. [メーカー略称:POL] |
品名:各種固定剤 |
3.抗原の賦活化
■賦活化関連製品のラインナップ
項目をクリックすると該当するWeb記事をご覧いただけます。
メーカー | 特長 |
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Polysciences, Inc. [メーカー略称:POL] |
品名:G-Activate(免疫組織化学染色試薬)パラフィン包埋切片を用いた免疫染色での熱処理時に使用する抗原賦活化バッファ―で、pH6のクエン酸バッファー、pH9のEDTAバッファーの2種類があります。 |
4.透過処理
5.蛍光抗体法
直接法(Direct)
間接法(Indirect)
蛍光色素とは
蛍光スペクトルビューアー
bio-techne社が提供する蛍光スペクトルビューアーです。蛍光色素を選択すると励起波長と蛍光波長が確認でき、レーザーやフィルターと各蛍光色素の適合性を比較することができます。多重染色において最適な蛍光色素を選択するために大変便利です。
蛍光色素検索システム
バーをスライドさせることで、励起波長(ex)・蛍光波長(em)にマッチした蛍光色素関連品および蛍光標識抗体が、蛍光色素・波長一覧に表示される検索システムです。
免疫蛍光染色(IF)のプロトコル
接着細胞
※ このプロトコルは一般的なプロトコルになりますので、抗体の希釈濃度やインキュベーション時間は各抗体のデータシートをご参照下さい。
- カバースリップはエタノールでよく洗うか、クリーンベンチ内のUVライトで最低1時間滅菌をする。
- 滅菌状態を保ったまま、50~100 μg/mlのポリ-L-リジンで室温1時間でインキュベーションする。
- 滅菌水で3回洗う。
- クリーンベンチ内で一晩乾燥させ、UVライトで4時間以上照射させ滅菌する。
■カバースリップ製品のラインナップ
項目をクリックすると該当するWeb記事をご覧いただけます。
メーカー | 特長 |
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Everest Biotech Ltd. [メーカー略称:EBL] |
品名:Shi-fix Coverslip / Coated Plate独自のコーティングにより、浮遊細胞を簡便に固定することができるデバイスです。固定した浮遊細胞は、接着細胞のように操作することができます。お手持ちの12ウェルプレート用のカバースリップと、ウェル底面を独自コーティングした96ウェルプレートがあります。 |
- コーティングしたカバースリップを培養プレート中に置く(12ウェルプレートは丸型18 mmカバースリップ、24ウェルプレートでは丸型12 mmカバースリップ)。
- カバースリップ上に細胞を移し、50~70%コンフルエントになるまで一晩または2~3日間培養する。
- 培養液を吸引除去した後、細胞をPBSで2回洗う。
- 細胞を2~4%パラホルムアルデヒド(PFA)で室温10~20分間、または-20℃で冷メタノール、アセトン(1~10分間)で固定する。
- 細胞をPBSで5分間、3回洗う。
■パラホルムアルデヒド(PFA)のラインナップ
項目をクリックすると該当するWeb記事をご覧いただけます。
メーカー | 特長 |
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Bioenno Tech LLC [メーカー略称:BIE] |
品名:4% Paraformaldehyde in 0.1 M Phosphate Buffer動物の灌流固定および組織構造の保存に最適なメタノールフリーの組織固定液(4%パラホルムアルデヒド/PB)です。主に脳組織、培養細胞、組織などの形態保持に使用することができます。 |
- PBSを吸引除去した後、0.05~0.25%のTriton X-100/PBS(または100 μMジギトニンまたは0.5%のサポニン)を加え、10~15分間インキュベーションする。
- 細胞をPBSで5分間、3回洗う。
※ メタノールやアセトンで固定した細胞は、透過処理の必要はありません。
※ 細胞膜表面タンパク質が標的である場合は、透過処理の必要はありません。
※ 細胞内タンパク質が標的である場合は必ず透過処理をして下さい。
※ Triton X-100は透過処理に最も広く用いられている界面活性剤ですが、細胞膜に大きなダメージを与えます。細胞膜上に存在する標的を同時に染色する場合には100 μMジギトニンまたは0.5%のサポニン、NP-40、Tween-20で透過処理を行って下さい。
■界面活性剤のラインナップ
各項目をクリックすると価格表をご覧いただけます。
- PBSを吸引除去した後、1~3%のBSA/PBS(ブロッキングバッファー)で細胞を30~60分間インキュベートする。
■ブロッキング試薬のラインナップ
項目をクリックすると該当するWeb記事をご覧いただけます。
メーカー | 特長 |
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LGC Clinical Diagnostics, Inc (SeraCare) [メーカー略称:KPL] |
品名:ブロッキング試薬各種ブロッキング試薬です。免疫組織染色、ELISA、ウエスタンブロッティング用としてマウス、ヤギ、ウサギの血清と、内在性ペルオキシダーゼやホスファターゼを抑えることができる免疫組織染色用としてユニバーサルブロッキング試薬があります。 |
VECTOR LABORATORIES, INC. [メーカー略称:VEC] |
品名:ブロッキング試薬VECTOR社のVECTASTAIN ABC Kitの関連試薬です。 |
- ブロッキングバッファーを吸引除去した後、適切なバッファーで希釈した一次抗体で細胞をインキュベーションする。室温の場合は1~4時間、4℃の場合は一晩。
- 細胞をPBSで5分間、3回洗う。
■フナコシの抗体検索サイト
項目をクリックすると該当するWeb記事をご覧いただけます。
メーカー | 特長 |
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フナコシ(株) [メーカー略称:FUN] |
フナコシの抗体検索サイトフナコシ株式会社の抗体検索サイトです。抗体の絞り込み検索、オススメ抗体メーカー、抗体の抗原名の他、各社の商品コードでも抗体をお探しいただけます。 |
- PBSを吸引除去した後、適切なバッファーで希釈した二次抗体で細胞を室温で30~60分間インキュベーションする。
- 細胞をPBSで5分間、3回洗う。
■蛍光標識二次抗体の動物種別ラインナップ
項目をクリックすると該当するWeb記事をご覧いただけます。
メーカー | 特長 |
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R&D Systems, Inc. [メーカー略称:RSD] |
品名:NorthernLights標識二次抗体強い蛍光を発し、退色しにくく、アルコールやキシレンを含む溶液中でも安定な蛍光色素であるNorthernLights(NL)を結合した二次抗体とストレプトアビジンです。 |
Bethyl Laboratories, Inc. [メーカー略称:BET] |
品名:DyLightシリーズ/Cyシリーズ蛍光標識二次抗体抗ヒト/マウス/ウサギ/ラットに対する蛍光標識二次抗体です。 |
Rockland Immunochemicals, Inc. [メーカー略称:RCK] |
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Rockland Immunochemicals, Inc. [メーカー略称:RCK] |
品名:近赤外(NIR)蛍光標識二次抗体DyLightシリーズを用いた、近赤外(NIR:near-infrared, far-red)蛍光イメージング用の蛍光標識抗体をご紹介します。Rockland社の蛍光標識二次抗体は、マルチプレックス検出用に交差吸収処理されているものが多く、イムノブロッティング、マルチプレックスイメージング、ELISA、顕微鏡、小動物におけるin vivoイメージングなどの様々な用途で高感度、優れたS/N比、高い特異性を示すよう最適化されています。 |
BioActs (DKC Corporation) [メーカー略称:BAA] |
品名:FSD Fluorシリーズ蛍光標識二次抗体免疫動物がヤギおよびウサギの蛍光標識済み二次抗体です。優れた蛍光強度を有し、標識後も安定した蛍光性を維持するBioActs社オリジナルの蛍光色素(FSD Fluorシリーズ)が標識されています。 |
- 0.5 μg/mlのDAPI/PBSまたは0.1~12 μg/mlのHoechst/PBSで核を5~10分間染色する。
- 細胞をPBSで5分間、2回洗う。
■核染色製品のラインナップ
各項目をクリックすると価格表をご覧いただけます。
- DAPI
- Hoechst33342
- Propidium Iodide(PI)
- カバースリップ上のPBSを毛羽立っていない紙やペーパータオルで吸い取り、できるだけPBSを除去する。
- スライドガラスにマウンティングメディウムを少量滴下する。
- 気泡が入らないように、カバースリップをスライドガラスにゆっくりのせる。
- カバースリップをマニキュアなどでスライドガラスにシールし、自然乾燥させる。
- スライドは遮光した箱に入れて4℃で保管する。
■封入剤のラインナップ
項目をクリックすると該当するWeb記事をご覧いただけます。
メーカー | 特長 |
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VECTOR LABORATORIES, INC. [メーカー略称:VEC] |
品名:VECTASHIELD PLUS Antifade Mounting Medium固化しないタイプの蛍光染色用封入剤です。自家蛍光が生じず、バックグラウンドが低く抑えられます。また、Cy5などの遠赤色領域のスペクトルを有する蛍光の観察に優れています。細胞/組織切片における蛍光タンパク質および蛍光色素の急速な光退色を防ぎます。 |
VECTOR LABORATORIES, INC. [メーカー略称:VEC] |
品名:VECTASHIELD Mounting MediumVECTASTAIN ABC KitでおなじみのVector Laboratories社の蛍光染色用封入剤です。固化しないVECTASHIELDおよびVECTASHIELD PLUSと、固化するVECTASHIELD Hard・SetおよびVECTASHIELD Vibranceの4種類があり、いずれも水溶性です。 |
VECTOR LABORATORIES, INC. [メーカー略称:VEC] |
品名:VECTASHIELD Vibrance Antifade Mounting Medium新しい組成の蛍光染色用封入剤で、封入後1時間で切片の観察ができます。室温で数時間かけて固化し、細胞/組織切片における蛍光タンパク質および蛍光色素の急速な光退色を防ぎます。お客様からのフィードバックをもとに、使いやすさやシグナル強度の保持などの点を改良しました。 |
LGC Clinical Diagnostics, Inc (SeraCare) [メーカー略称:KPL] |
品名:Fluorescent Mounting Media蛍光免疫染色や蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)に使用できる蛍光顕微鏡用の封入剤です。 |
Bioenno Tech LLC [メーカー略称:BIE] |
品名:Slide Mountパラホルムアルデヒド(PFA)固定脳切片の免疫蛍光染色においてバックグラウンドを抑え、蛍光標識を安定して保持できる水系封入剤です。退色防止剤が含まれており、一般的な蛍光色素の消光および光による退色を防止します。製品ラインナップとして、対比染色用色素が含まれていないSlide Mount for Fluorescent Labelingと、核および染色体の対比染色用色素があらかじめ添加されているSlide Mount -with DAPI(DAPI含有:青色)、-with Green Counterstain(SYTOX Green含有:緑色), -Far-red Counterstain(TO-PRO-3含有:遠赤色)があります。 |
追加しました。
製品情報は掲載時点のものですが、価格表内の価格については随時最新のものに更新されます。お問い合わせいただくタイミングにより製品情報・価格などは変更されている場合があります。
表示価格に、消費税等は含まれていません。一部価格が予告なく変更される場合がありますので、あらかじめご了承下さい。