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免疫蛍光染色(IF)の原理と基本プロトコル

掲載日情報:2024/07/24 現在Webページ番号:71774

本記事では、免疫蛍光染色(Immunofluorescence、IF)の原理および基本的知識とプロトコルについて説明しています。併せて、おすすめの製品をご紹介していますのでぜひ、ご覧下さい。

下のタブをクリックすると、各情報をご覧いただけます。
本製品は研究用です。研究用以外には使用できません。

免疫蛍光染色(IF)とは

免疫蛍光染色(IF)は、免疫染色の一種として広く用いられており、標的タンパク質に結合した蛍光標識抗体の位置を可視化します。蛍光標識抗体はタンパク質、糖タンパク質、および生物学的・非生物学的小分子を含むその他の抗原ターゲットの分布を分析するために使用されます。組織切片、培養細胞あるいはさまざまな方法で固定した細胞に対して使用でき、細胞や組織内の標的タンパク質の局在性、相対的な発現量、活性化状態を評価することができます。
免疫蛍光染色をした試料の観察には、共焦点顕微鏡が広く使われていますが、誘導放出抑制顕微鏡(Stimulated Emission Depletion Microscopy、STED)などの高度のナノスコピー技術を用いると、共焦点顕微鏡よりもはるかに高い解像度の画像取得が可能となります。
細胞の種類、抗体、抗原によって微調整が必要ですが、共通するプロトコルがあります。詳細は、免疫蛍光染色(IF)のプロトコルのタブをご覧下さい。

免疫蛍光染色概略

1.試料の作製

培養細胞試料

培養細胞試料を用いる免疫蛍光染色では、細胞を顕微鏡用スライドやカバースリップのような固い支持体に接着させます。接着細胞は、6ウェルプレートや24ウェルプレートの底に置いた、滅菌済みのカバースリップ上で細胞培養することができます。ポリ-L-リジンのような荷電ポリマーや、ラミニン、フィブロネクチン、コラーゲンのような細胞外マトリックスタンパク質でカバースリップをあらかじめコートすることで、細胞接着性を高めることができます。各ウェルにおいて、適切な溶液の添加および吸引による溶液の除去を行うことにより、染色工程の全ステップでカバースリップをマイクロプレートに入れたまま行うことができます。浮遊細胞は、サイトスピン(Cytospin)のような集細胞遠心装置の使用や、スライド表面へのPoly-L-Lysineのコートにより、スライドに接着させることができます。

パラフィン包埋切片試料

パラフィン包埋は、組織試料の長期保存に最適です。組織はパラフィンに包埋する前に固定する必要があります。固定は、解剖直後に灌流または浸漬によって行い、通常4~24時間を要します。過度の固定は、抗原のマスキングを引き起こす可能性があるため、組織を24時間以上固定することは推奨されません。必要であれば、固定後に組織をアルコール中に移し、包埋までの時間を確保することができます。
パラフィンは水と混和しないため、パラフィンワックスに漬ける前に組織を脱水する必要があります。脱水は、低濃度のアルコールから高濃度のアルコールに順に浸すことで行います。この方法で、疎水性を徐々に変化させることができ、細胞の損傷を最小限に抑えることができます。脱水後、組織をキシレン中でインキュベーションし、残存するエタノールを除去します。パラフィンは通常、包埋時に60℃で加熱し、包埋後は一晩かけ硬化させます。その後、ミクロトームを使って組織を鋭利な刃で超薄切片にします。得られた切片は顕微鏡用スライド上で乾燥することにより、室温で長期間保存できます。組織切片は、免疫組織蛍光染色のプロトコルを開始する前に再水和する必要があります。パラフィンは組織包埋に最も安価で一般的に使用される物質ですが、樹脂で包埋することもでき、その場合は固化しにくく、より薄い組織切片(1.5 mm対5 mm)を得ることができます。

■パラフィン包埋関連製品のラインナップ
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メーカー 特長
SFJロゴ

サクラファインテックジャパン(株)
[メーカー略称:SFJ]

品名:ティシュー・テック® ユニ・カセット/包埋皿


組織片の固定・薄切・保存までの全プロセスを、効率的に処理できるフタ付きカセットです。さまざまなタイプのご用意があります。
SFJロゴ

サクラファインテックジャパン(株)
[メーカー略称:SFJ]

品名:ティシュー・テック パラフィン ワックス II60


融点が高くベ夕つきにくいため薄切片を容易に作製できる、組織包埋に適したパラフィンワックスです。

凍結包埋/クリオスタット切片試料

凍結組織試料の利点は、パラフィン包埋組織に必要な最初の固定工程を省くことができることであり、時間を節約できます。リン酸化のような翻訳後修飾を検出する場合、瞬間凍結は特に有益です。凍結包埋は、組織を液体窒素やイソペンタンに浸したり、ドライアイスに埋めたりすることで作製できます。凍結包埋は、凍結・切片化後に短時間の固定が必要です。凍結包埋切片はアルコールを用いて固定されることが多いですが、この理由はホルムアルデヒド架橋により抗原のエピトープがマスクされることを防ぐためです。作製した凍結包埋組織はクライオスタットで薄切し、切片は-80℃で最長1年間保存できます。ただし、凍結包埋切片はパラフィン包埋切片よりも短時間で処理できますが、凍結包埋組織は長期保存には適しておらず、細胞内に氷晶が形成されることにより細胞内の細部に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、凍結包埋切片はパラフィン切片よりも厚みがあることが多いため、顕微鏡的解像度が低下し、組織形態の画像が悪くなる可能性があります。また凍結組織は酵素活性を保持していることが多いため、免疫蛍光法に影響を及ぼす可能性のある内因性酵素の機能を阻害することも特に重要です。

■凍結包埋関連製品のラインナップ
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メーカー 特長
SFJロゴ

サクラファインテックジャパン(株)
[メーカー略称:SFJ]

品名:ティシュー・テック クリオモルド プラスチック製包埋皿


凍結切片作製用の包埋皿です。組織サイズに応じて角型3種類、丸型2種類の製品があります。
SFJロゴ

サクラファインテックジャパン(株)
[メーカー略称:SFJ]

品名:凍結組織切片作製用包埋剤 ティシュー・テック O.C.T. コンパウンド


O.C.T. コンパウンド(Optimal Cutting Temperature Compound)は、世界中で使用されている定番の凍結切片作製用の包埋剤です。速やかに包埋できます。

2.固定

免疫染色試料は組織の形態、標的分子の抗原性を保持するために固定操作が必要です。固定は組織の化学組成を変化させるため、組織構造とエピトープの保持で妥協が必要な場合が多いです。細胞や組織の不完全な固定(Underfixation)は、組織内の標的タンパク質の急速なタンパク質分解を許し、特異的免疫反応性を低下させる可能性があります。しかし過度の固定(Overfixation)は、エピトープのマスキングや、非特異的なバックグラウンド染色により、特異的染色が不明瞭となる原因になります。固定化の条件は、試料調製の観点から考慮する必要があり、時間、温度、pHのすべてにおいて検討する必要があります。

ホルムアルデヒド(Formaldehyde)

ホルムアルデヒドは、組織や細胞内の標的タンパク質を保持するために用いられる最も一般的な固定剤です。ホルムアルデヒドを介した組織固定は、メチレン架橋(-CH2-)を含むタンパク質-タンパク質、タンパク質-核酸架橋の形成に依存していると考えられています。ホルムアルデヒドは、-NH2(アミノ)基と-CO-NH-(ペプチド)基、-NH2基と-NH基、-NH2基と-NH2基を化学的に結合させます。
ホルムアルデヒドは、ほとんどの免疫蛍光法に適していますが、万能の固定剤ではありません。ホルムアルデヒドによる過度の固定は、エピトープ中のアミノ酸の一部を修飾し、抗体がエピトープに結合するのを阻害する可能性があります。しかし、抗原賦活化を行うことでエピトープを再度露出させ、抗体結合を回復させることができます。

■凍結包埋関連製品のラインナップ
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メーカー 特長
SFJロゴ

サクラファインテックジャパン(株)
[メーカー略称:SFJ]

品名:ティシュー・テック® ホルマGO™シリーズ


凍結切片作製用の包埋皿です。組織サイズに応じて角型3種類、丸型2種類の製品があります。

アルコール

細胞や組織の固定に最もよく使われるアルコールは、メタノールとエタノールです。メタノールまたはエタノールを用いることで、組織中の水分を脱水します。これにより、タンパク質は誘電率を低下させて等電点で沈殿し、立体構造の変化が生じ抗体とエピトープの結合を阻害します。また、アルコールは疎水性結合を切断することによってタンパク質の三次構造に影響を与えますが、その一方でタンパク質の二次構造を安定化させることもできます。
とは言え、一般的にアルコールはホルムアルデヒドベースの固定剤ほど組織形態を保持しないと考えられています。アルコールはホルムアルデヒドほど浸透せず、主に凍結包埋切片や細胞固定に使用されます。したがって、アルコール固定は膜表面抗原により適しています。アルコール固定後の抗原賦活化処理は、一般的に活性が強すぎて組織切片や細胞の完全性を損なう可能性が高いため、推奨されません。

アセトン

アセトンは強力な脱水剤であり、組織タンパク質の不可逆的沈殿を引き起こす可能性があります。通常、未固定の瞬間凍結組織切片に使用され、その後アルコールまたはホルムアルデヒドで固定します。

組織の固定

灌流固定は、マウス、ラット、モルモットなどの小動物の組織抗原を保持する最良な方法であることが多いです。灌流固定は、動物の全身の血液を固定液で置換する方法ですが、目的の組織を固定するには不十分な場合があります。このような場合、解剖後に組織を固定液に浸すことで対応できます。例えば、4%ホルムアルデヒド/PBSは、組織の灌流固定や浸漬固定によく使用される固定液です。
浸漬固定の浸透を高めるために、組織の厚さは10 mm以下にすることが推奨されています。また、完全な固定をするには、固定液量を組織体積の50~100倍にする必要があり、室温で4~24時間行います。不完全な固定または過度の固定は、組織の免疫反応性を低下または消失させる可能性があるため、固定条件を最適化することが非常に重要です。

培養細胞の固定

組織試料とは対照的に、培養細胞はより濃度の低い固定液かつ短時間で固定することができます。例えば、培地除去を行い2%ホルムアルデヒド溶液を加え室温で20分間固定すれば、細胞形態と抗原性の両方を保持するのに十分であることが多いです。しかし、培地除去に伴う表面張力の変化は、細胞のタイプによっては損傷を与えることがあります。このような場合、固定化剤を培養液に直接加えることで対応できます。例えば、培地量と同量の4%ホルムアルデヒドを加えると、2%ホルムアルデヒド溶液になり、細胞を前固定するのに十分な濃度です。数分後、前固定培地を新しい容量の2%固定液に交換します。前固定により細胞はより硬くなり、表面張力の変化から生じる潜在的な悪影響に耐えられるようになります。

■組織および細胞固定関連製品のラインナップ
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メーカー 特長
POLロゴ

Polysciences, Inc.
[メーカー略称:POL]

品名:各種固定剤


3.抗原の賦活化

ホルムアルデヒド固定を行ったパラフィン包埋切片を免疫染色する場合、アルデヒドの架橋形成によって、立体構造的に抗体が抗原認識部位に到達できず、抗体反応が起こらないまたは弱くなる現象がみられます。加熱処理などによって抗原分子を変性・分解させ、抗体が抗原を認識できるようにする操作が抗原賦活化です。

■賦活化関連製品のラインナップ
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メーカー 特長
GNSロゴ

Polysciences, Inc.
[メーカー略称:POL]

品名:G-Activate(免疫組織化学染色試薬)


パラフィン包埋切片を用いた免疫染色での熱処理時に使用する抗原賦活化バッファ―で、pH6のクエン酸バッファー、pH9のEDTAバッファーの2種類があります。

4.透過処理

抗体分子は大きすぎてかつ表面に電荷を有するため、細胞膜を通過して細胞内タンパク質を検出することはできません。アセトンやメタノール固定、あるいは界面活性剤を用いて細胞を透過処理することで、抗体は細胞膜を通過し、細胞内に入ることができます。細胞透過処理の際に最も一般的に使用される試薬は、非イオン性洗剤であるTriton X-100です。よりマイルドな透過化剤としては、ジギトニンやサポニン化合物があります。

5.蛍光抗体法

直接法(Direct)

直接蛍光抗体法では、蛍光色素で直接標識した抗体を使用します。抗体は標的分子を認識・結合し、抗体に標識された蛍光色素のシグナルを顕微鏡で検出することができます。この手法は染色手順のステップ数を減らし(迅速化)、バックグラウンドシグナルの増加につながる抗体の交差反応性や非特異性の問題を回避するのに役立ちます。しかし、この方法は間接法の特長であるシグナル増幅が起こりません。また、市販されている標識一次抗体の種類が少ないため、自分で抗体を蛍光標識する必要があります。

間接法(Indirect)

間接蛍光抗体法では、まず一次抗体を標的分子に認識・結合させます。続けて、蛍光色素を結合させた二次抗体が一次抗体を認識・結合することで、標的の局在を間接的に顕微鏡で検出できます。このプロトコルは直接法より複雑で時間もかかりますが、実験デザインはより柔軟にでき、増幅によって得られるシグナルが大きくなり、また市販されている標識二次抗体は豊富にあります。

蛍光色素とは

蛍光色素は、特定波長の光を吸収(励起)し、別の特定波長の蛍光として放出します。さまざまな蛍光色素が市販されているため近紫外から近赤外の波長域で使用可能ですが、最適なS/N比を得るためには、用いる蛍光色素の励起・蛍光の波長と、検出する顕微鏡の光源・フィルターの要件を適合させる必要があります。例えば、フルオレセイン(fluorescein)の吸収極大波長は495 nm、蛍光極大波長は515 nmです。つまり、495 nm付近の励起光を用いると最大の蛍光シグナルが得られます。蛍光色素とフィルターの適切なペアリングを行うことで、最大シグナルと最小バックグラウンドを得ることができます。

蛍光スペクトルビューアー

bio-techne社が提供する蛍光スペクトルビューアーです。蛍光色素を選択すると励起波長と蛍光波長が確認でき、レーザーやフィルターと各蛍光色素の適合性を比較することができます。多重染色において最適な蛍光色素を選択するために大変便利です。

蛍光スペクトルビューアー

蛍光スペクトルビューアーのイメージ図です


蛍光色素検索システム

バーをスライドさせることで、励起波長(ex)・蛍光波長(em)にマッチした蛍光色素関連品および蛍光標識抗体が、蛍光色素・波長一覧に表示される検索システムです。

蛍光色素検索システム

蛍光色素検索システムのイメージ図です

免疫蛍光染色(IF)のプロトコル

免疫蛍光染色は、固定化した細胞や組織切片中の標的タンパク質の局在を、蛍光標識抗体を用いて可視化する方法です。蛍光標識抗体は、近紫外から近赤外までの波長域の蛍光色素が標識されています。よく使われる蛍光色素として、フルオレセイン(fluorescein)誘導体のFITC(励起波長:498 nm、蛍光波長:522 nm)があります。特に多重染色する場合、蛍光色素には適切な組み合わせあるので、「蛍光色素選択ガイド」のタブでどの組み合わせが最適かをご確認下さい。

接着細胞

このプロトコルは一般的なプロトコルになりますので、抗体の希釈濃度やインキュベーション時間は各抗体のデータシートをご参照下さい。


1.カバースリップの事前準備
  • カバースリップはエタノールでよく洗うか、クリーンベンチ内のUVライトで最低1時間滅菌をする。
2.カバースリップのコーティング
  • 滅菌状態を保ったまま、50~100 μg/mlのポリ-L-リジンで室温1時間でインキュベーションする。
  • 滅菌水で3回洗う。
  • クリーンベンチ内で一晩乾燥させ、UVライトで4時間以上照射させ滅菌する。

■カバースリップ製品のラインナップ
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メーカー 特長
EBLロゴ

Everest Biotech Ltd.
[メーカー略称:EBL]

品名:Shi-fix Coverslip / Coated Plate


独自のコーティングにより、浮遊細胞を簡便に固定することができるデバイスです。固定した浮遊細胞は、接着細胞のように操作することができます。お手持ちの12ウェルプレート用のカバースリップと、ウェル底面を独自コーティングした96ウェルプレートがあります。

3.細胞調製
  • コーティングしたカバースリップを培養プレート中に置く(12ウェルプレートは丸型18 mmカバースリップ、24ウェルプレートでは丸型12 mmカバースリップ)。
  • カバースリップ上に細胞を移し、50~70%コンフルエントになるまで一晩または2~3日間培養する。
4.固定
  • 培養液を吸引除去した後、細胞をPBSで2回洗う。
  • 細胞を2~4%パラホルムアルデヒド(PFA)で室温10~20分間、または-20℃で冷メタノール、アセトン(1~10分間)で固定する。
  • 細胞をPBSで5分間、3回洗う。

■パラホルムアルデヒド(PFA)のラインナップ
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メーカー 特長
BIEロゴ

Bioenno Tech LLC
[メーカー略称:BIE]

品名:4% Paraformaldehyde in 0.1 M Phosphate Buffer


動物の灌流固定および組織構造の保存に最適なメタノールフリーの組織固定液(4%パラホルムアルデヒド/PB)です。主に脳組織、培養細胞、組織などの形態保持に使用することができます。

5.透過処理
  • PBSを吸引除去した後、0.05~0.25%のTriton X-100/PBS(または100 μMジギトニンまたは0.5%のサポニン)を加え、10~15分間インキュベーションする。
  • 細胞をPBSで5分間、3回洗う。
    メタノールやアセトンで固定した細胞は、透過処理の必要はありません。
    細胞膜表面タンパク質が標的である場合は、透過処理の必要はありません。
    細胞内タンパク質が標的である場合は必ず透過処理をして下さい。
    Triton X-100は透過処理に最も広く用いられている界面活性剤ですが、細胞膜に大きなダメージを与えます。細胞膜上に存在する標的を同時に染色する場合には100 μMジギトニンまたは0.5%のサポニン、NP-40、Tween-20で透過処理を行って下さい。

■界面活性剤のラインナップ
各項目をクリックすると価格表をご覧いただけます。

6.ブロッキング
  • PBSを吸引除去した後、1~3%のBSA/PBS(ブロッキングバッファー)で細胞を30~60分間インキュベートする。

■ブロッキング試薬のラインナップ
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メーカー 特長
KPLロゴ

LGC Clinical Diagnostics, Inc (SeraCare)
[メーカー略称:KPL]

品名:ブロッキング試薬


各種ブロッキング試薬です。免疫組織染色、ELISA、ウエスタンブロッティング用としてマウス、ヤギ、ウサギの血清と、内在性ペルオキシダーゼやホスファターゼを抑えることができる免疫組織染色用としてユニバーサルブロッキング試薬があります。
VECロゴ

VECTOR LABORATORIES, INC.
[メーカー略称:VEC]

品名:ブロッキング試薬


VECTOR社のVECTASTAIN ABC Kitの関連試薬です。

7.一次抗体染色
  • ブロッキングバッファーを吸引除去した後、適切なバッファーで希釈した一次抗体で細胞をインキュベーションする。室温の場合は1~4時間、4℃の場合は一晩。
  • 細胞をPBSで5分間、3回洗う。

■フナコシの抗体検索サイト
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メーカー 特長
FUNロゴ

フナコシ(株)
[メーカー略称:FUN]

フナコシの抗体検索サイト


フナコシ株式会社の抗体検索サイトです。抗体の絞り込み検索、オススメ抗体メーカー、抗体の抗原名の他、各社の商品コードでも抗体をお探しいただけます。

8.二次抗体染色
  • PBSを吸引除去した後、適切なバッファーで希釈した二次抗体で細胞を室温で30~60分間インキュベーションする。
  • 細胞をPBSで5分間、3回洗う。

■蛍光標識二次抗体の動物種別ラインナップ
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メーカー 特長
RSDロゴ

R&D Systems, Inc.
[メーカー略称:RSD]

品名:NorthernLights標識二次抗体


強い蛍光を発し、退色しにくく、アルコールやキシレンを含む溶液中でも安定な蛍光色素であるNorthernLights(NL)を結合した二次抗体とストレプトアビジンです。
BETロゴ

Bethyl Laboratories, Inc.
[メーカー略称:BET]

品名:DyLightシリーズ/Cyシリーズ蛍光標識二次抗体


抗ヒト/マウス/ウサギ/ラットに対する蛍光標識二次抗体です。
RCKロゴ

Rockland Immunochemicals, Inc.
[メーカー略称:RCK]
RCKロゴ

Rockland Immunochemicals, Inc.
[メーカー略称:RCK]

品名:近赤外(NIR)蛍光標識二次抗体


DyLightシリーズを用いた、近赤外(NIR:near-infrared, far-red)蛍光イメージング用の蛍光標識抗体をご紹介します。Rockland社の蛍光標識二次抗体は、マルチプレックス検出用に交差吸収処理されているものが多く、イムノブロッティング、マルチプレックスイメージング、ELISA、顕微鏡、小動物におけるin vivoイメージングなどの様々な用途で高感度、優れたS/N比、高い特異性を示すよう最適化されています。
BAAロゴ

BioActs (DKC Corporation)
[メーカー略称:BAA]

品名:FSD Fluorシリーズ蛍光標識二次抗体


免疫動物がヤギおよびウサギの蛍光標識済み二次抗体です。優れた蛍光強度を有し、標識後も安定した蛍光性を維持するBioActs社オリジナルの蛍光色素(FSD Fluorシリーズ)が標識されています。

9.対比染色(核染色)
  • 0.5 μg/mlのDAPI/PBSまたは0.1~12 μg/mlのHoechst/PBSで核を5~10分間染色する。
  • 細胞をPBSで5分間、2回洗う。

■核染色製品のラインナップ
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  • DAPI
  • Hoechst33342
  • Propidium Iodide(PI)

  • 10.封入
    • カバースリップ上のPBSを毛羽立っていない紙やペーパータオルで吸い取り、できるだけPBSを除去する。
    • スライドガラスにマウンティングメディウムを少量滴下する。
    • 気泡が入らないように、カバースリップをスライドガラスにゆっくりのせる。
    • カバースリップをマニキュアなどでスライドガラスにシールし、自然乾燥させる。
    • スライドは遮光した箱に入れて4℃で保管する。

    ■封入剤のラインナップ
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    メーカー 特長
    VECロゴ

    VECTOR LABORATORIES, INC.
    [メーカー略称:VEC]

    品名:VECTASHIELD PLUS Antifade Mounting Medium


    固化しないタイプの蛍光染色用封入剤です。自家蛍光が生じず、バックグラウンドが低く抑えられます。また、Cy5などの遠赤色領域のスペクトルを有する蛍光の観察に優れています。細胞/組織切片における蛍光タンパク質および蛍光色素の急速な光退色を防ぎます。
    VECロゴ

    VECTOR LABORATORIES, INC.
    [メーカー略称:VEC]

    品名:VECTASHIELD Mounting Medium


    VECTASTAIN ABC KitでおなじみのVector Laboratories社の蛍光染色用封入剤です。固化しないVECTASHIELDおよびVECTASHIELD PLUSと、固化するVECTASHIELD Hard・SetおよびVECTASHIELD Vibranceの4種類があり、いずれも水溶性です。
    VECロゴ

    VECTOR LABORATORIES, INC.
    [メーカー略称:VEC]

    品名:VECTASHIELD Vibrance Antifade Mounting Medium


    新しい組成の蛍光染色用封入剤で、封入後1時間で切片の観察ができます。室温で数時間かけて固化し、細胞/組織切片における蛍光タンパク質および蛍光色素の急速な光退色を防ぎます。お客様からのフィードバックをもとに、使いやすさやシグナル強度の保持などの点を改良しました。
    KPLロゴ

    LGC Clinical Diagnostics, Inc (SeraCare)
    [メーカー略称:KPL]

    品名:Fluorescent Mounting Media


    蛍光免疫染色や蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)に使用できる蛍光顕微鏡用の封入剤です。
    BIEロゴ

    Bioenno Tech LLC
    [メーカー略称:BIE]

    品名:Slide Mount


    パラホルムアルデヒド(PFA)固定脳切片の免疫蛍光染色においてバックグラウンドを抑え、蛍光標識を安定して保持できる水系封入剤です。退色防止剤が含まれており、一般的な蛍光色素の消光および光による退色を防止します。製品ラインナップとして、対比染色用色素が含まれていないSlide Mount for Fluorescent Labelingと、核および染色体の対比染色用色素があらかじめ添加されているSlide Mount -with DAPI(DAPI含有:青色)、-with Green Counterstain(SYTOX Green含有:緑色), -Far-red Counterstain(TO-PRO-3含有:遠赤色)があります。

お問い合わせ先

(テクニカルサポート 試薬担当)

reagent@funakoshi.co.jp

製品情報は掲載時点のものですが、価格表内の価格については随時最新のものに更新されます。お問い合わせいただくタイミングにより製品情報・価格などは変更されている場合があります。
表示価格に、消費税等は含まれていません。一部価格が予告なく変更される場合がありますので、あらかじめご了承下さい。