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染色後は血清培地を利用可能!次世代の小胞体(ER)生細胞イメージング試薬 ERseeing® (Endoplasmic Reticulum Green)

掲載日情報:2020/05/18 現在Webページ番号:69316

フナコシ /
フナコシ株式会社
[メーカー略称:FNA]

生細胞イメージング用の不可逆的小胞体(ER)染色試薬です。従来のER染色試薬に比べ、細胞機能への薬理作用が小さく、不可逆的のため培地交換後も観察が可能です。染色後は血清培地に交換できるため、より生理的な条件でERの動的挙動を観察することができます。

本製品は京都大学工学研究科浜地格教授・田村朋則講師の研究成果をもとにフナコシ株式会社が製品化し、販売しています。
本製品は研究用です。研究用以外には使用できません。

ERseeingのデータ

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ERseeing®と従来試薬の比較

従来試薬はERに発現するK+チャネルに可逆的に結合することで可視化するが、結合時にチャネル阻害活性を示し薬理活性が生じる。また、可逆的結合のため洗浄後シグナルは著しく減衰する。一方、ERseeing®はERのタンパク質にランダムかつ不可逆的に結合するため、機能面での影響が小さく、洗浄・培地交換も可能で、生細胞観察後に固定し免疫染色などに利用できる。


既存ER染色試薬の問題点とERseeing®の優位性

既存ER染色試薬の問題点とERseeingの優位性

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小胞体(ER)は細胞の大部分を占めるオルガネラで、さまざまな機能を示すため、幅広い研究で注目されます。免疫染色では、ER特異的なマーカータンパク質(カルネキシン(calnexin)、カルレティキュリン(calreticulin)、プロテインジスルフィドイソメラーゼ(PDI)、BiP/GRP-78など)やERシグナルペプチドKDELなどに対する抗体で可視化できますが、一方でERの生理機能の解明、動的な形態解析においては生細胞イメージングが望まれています。従来汎用されている生細胞のER染色試薬は、ER特異的に発現が認められるK+チャネルのアンタゴニストに蛍光色素を付与したもので、ERの可視化に幅広く使用されてきました。しかしながら、下記のような点が懸念され、アプリケーション幅が限定されています。

  • K+チャネルアンタゴニストの薬理効果によりチャネル活性が阻害され、細胞への影響が大きい
  • 可逆的アンタゴニストのため培地交換などの洗浄操作により容易に除去されてしまう

これに対し、ERseeing®はER膜組成に親和性の高いRhodol系緑色蛍光色素にタンパク質標識基を付与した新規ER染色試薬で、ERに選択的に濃縮し、ERタンパク質に蛍光基を標識することで不可逆的な染色が可能です。不可逆的な染色のため、染色後に血清培地に交換することが可能で、任意の培地や薬剤処理環境下での長期のイメージングに利用できます。

ERseeing®と既存ER染色試薬の比較表

ERseeingと既存ER染色試薬の比較表

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特長

  • 励起/蛍光波長:509 nm/524 nm
    一般的な緑色色素FITCの観察条件が利用可能です。
  • 従来のK+チャネルアンタゴニストを利用した染色剤に比べ、細胞への影響が小さく抑えられます。
  • ERseeing®を培地に含んだままでも観察できます。
    培地に含んだまま長時間染色すると、色素の油滴状の凝集など非特異的な染色が見られるケースがあります。特異性を上げたい場合は洗浄後の観察を推奨しています。
  • 不可逆的な染色のため、染色後の培地交換が可能です。染色後は含FBS培地など、任意の培地でイメージングできます。
  • 生細胞で染色後、固定処理しても観察できます。免疫染色法と組み合わせることが可能です。
    本試薬は固定後の細胞の染色には適していません。染色は生細胞で行って下さい。

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参考データ

ERseeing®の励起・蛍光スペクトル

一般的な緑色蛍光色素FITC観察条件が適用可能です。

ERseeingの励起・蛍光スペクトル

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  • 青色:励起スペクトル
  • 赤色:蛍光スペクトル

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小胞体特異性の検証

各種オルガネラマーカーとの共染色により本試薬の小胞体特異性を評価した。ERseeing®(100 nM)は小胞体標識試薬と高い共局在が観察された(ピアソン相関係数 >0.9)。一方、リソソームマーカー、ミトコンドリアマーカーとの共局在は観察されなかった。ゴルジ体マーカーとは一部で共局在が観察され、本試薬により標識されたタンパク質が小胞体からGolgi輸送で移動し分泌経路に移行していると考えられる。なお、ER-Golgi輸送阻害剤を添加するとゴルジ体との共局在が減少することが分かっている(詳しくは原著論文をご参照下さい)。

小胞体特異性の検証

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細胞内滞留性の評価

細胞内滞留性評価(ERseeing)

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HeLa細胞にERseeing®および従来のER染色試薬を無血清培地に添加し、15分間染色後に観察した(左)。その後、10%FBS含有培地に交換し再度観察した。従来試薬は可逆的なため洗浄後に著しく蛍光シグナルの消失が見られたが、ERseeing®は不可逆的に染色するため洗浄後でも十分なシグナルが観察された。ERseeing®を用いることで、ER染色後にFBS含有培地での培養が可能になり、様々なイメージングに発展できる。

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細胞毒性

細胞毒性データ(ERseeing)

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CHO細胞にERseeing®を各濃度で18時間処理し、MTTアッセイにより細胞生存率を評価した。推奨使用濃度100 nMの30倍に相当する3 μMにおいても毒性は認められなかった。

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免疫染色との併用

免疫染色との併用(ERseeing)

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HeLa細胞を生細胞においてERseeing®(100 nM)で染色後に、4% PFAで細胞を固定し、抗カルネキシン抗体を用いて免疫染色を行った。ERseeing®は不可逆的に標識されるため、固定後に免疫染色と併用することができる。

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ERSeeing®ご使用ユーザー様の声

Users_Voice

『ERseeing®は、従来の試薬とは違い、ERの機能が低下した試料に対しても、明瞭かつ、特異性が高い状態でERの観察を助けてくれる良い試薬です。』

大学ご所属のユーザー様

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原著論文

  • Fujisawa, A., et al., "Chemical Profiling of the Endoplasmic Reticulum Proteome Using Designer Labeling Reagents.", J. Am. Chem. Soc., 140, 17060~17070 (2018). [PMID:30433779]

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関連製品

ERseeing®を応用したER関連タンパク質の精製キット  ERに局在するタンパク質の同定や相対定量、ERストレス研究に有用です。

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価格

[在庫・価格 :2024年04月26日 16時55分現在]

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納期 文献数
ERseeing <Endoplasmic Reticulum Green>
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説明文
生細胞イメージング用の不可逆的小胞体(ER)染色試薬。従来のER染色試薬に比べ,細胞機能への薬理作用が小さく,不可逆的のため培地交換後も観察が可能。染色後は血清培地に交換できるため,より生理的な条件でERの動的挙動を観察することができる。励起/蛍光波長:509 nm/524 nm。
法規制等
保存条件 -20℃,暗所保存 法規備考
掲載カタログ ニュース2023年10月15日号 p.10
ニュース2022年10月1日号 p.3

製品記事 生細胞用オルガネライメージング試薬
小胞体(Endoplasmic Reticulum:ER)ストレス研究用製品特集
脂質過酸化研究用製品特集
ER-Protein Capture Kit
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ERseeing <Endoplasmic Reticulum Green>

文献数: 0

説明文 生細胞イメージング用の不可逆的小胞体(ER)染色試薬。従来のER染色試薬に比べ,細胞機能への薬理作用が小さく,不可逆的のため培地交換後も観察が可能。染色後は血清培地に交換できるため,より生理的な条件でERの動的挙動を観察することができる。励起/蛍光波長:509 nm/524 nm。
法規制等
保存条件 -20℃,暗所保存 法規備考
掲載カタログ ニュース2023年10月15日号 p.10
ニュース2022年10月1日号 p.3

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お問い合わせ先

(テクニカルサポート 試薬担当)

reagent@funakoshi.co.jp

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