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[珈琲編]

掲載日情報:2024/03/08 現在Webページ番号:70484

フナコシ株式会社も会員である一般社団法人日本試薬協会は、平成27年に発足15 周年を記念して、3 月9 日を「試薬の日」に制定しました。

日本で初めて「試薬」という言葉を造語した、美作国津山藩(岡山県津山市)藩医で蘭学者の「宇田川 榕菴」(うだがわ ようあん、1798 年~1846 年)の生誕日に因んでいます。

宇田川 榕庵を検索すると、関連キーワードのトップには試薬ではなくコーヒーが上がってきます。このように、榕庵先生は一般的にはコーヒーにゆかりの深い人として認識されているようです。榕庵先生の接したコーヒーは、長崎の出島にオランダ人が持ち込んだコーヒーであること。しかもコーヒーカンというコーヒー煮出し器の直筆のスケッチが残っていることが津山洋学資料館の「洋学博覧漫筆1」に記されています。William Harrison Ukerの大著 ”All about coffee”2を見ると、確かにこの時代でも、既に透過式(ドリップ、パーコレーターなど)浸漬式(トルコ方式、プレス、煮出し器など)が存在していたことが分かります。またローストに関しては、出島に現在のような計器が完備し自在にローストできるような焙煎機が存在したはずがなく、専用の焙煎機かあるいは家庭用の鉄製の鍋や筒のような器具を用いた自家焙煎ではなかったかと想像されます。浅煎りの調節は難しそうなので深煎りではなかったかな、と何となく思いを馳せました。榕庵先生はどんな珈琲を好んだのでしょうか。

「試薬の日」にちなんで、津山市の直火焙煎コーヒー豆専門店「ばんこく珈琲 津山」さんより「津山榕菴珈琲 ドリップバッグ」を取り寄せてみました。

宇田川榕庵の珈琲バッグ

この「津山榕庵珈琲」に同封されていたリーフレット(榕庵珈琲読本)によれば3、やはりコーヒー豆は当時オランダ領であったインドネシアジャワ島のアラビカ種で、これを「珈琲罐」と称するコーヒーメーカーで淹れていたこと。また、「榕庵が飲んでいたであろう珈琲を現代の焙煎合組(ブレンド)で再現」とも記されています。

参考資料

  1. 津山洋学資料館「洋学博覧漫筆 Vol. 19 榕菴のコーヒー研究」
    http://www.tsuyama-yougaku.jp/Vol19.html (2024年3月1日閲覧)
  2. Ukers, William H., "All About Coffee", Chapter XXXIV "THE EVOLUTION OF COFFEE APPARATUS", pp. 429~450, Library of Alexandria (2012), ebook-Kindle, The Tea and Coffee Trade Journal Co.(1922)。
  3. 「榕庵珈琲読本」(リーフレット)、津山榕菴珈琲ドリップバッグに同封、有限会社ばんこく津山 様(2023年購入)。


フナコシ株式会社の各年の「試薬の日」特集ページです。よろしければこちらもご覧下さい。

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