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RNAデリバリーのための脂質ナノ粒子(LNP)作製検討キット・評価用製品
mRNAやsiRNAの送達に適したLipid Nanoparticle(LNP)の作製に関連する製品を取りそろえています! RNAデリバリーのための脂質ナノ粒子(LNP)作製検討キット・評価用製品
掲載日情報:2024/01/31 現在Webページ番号:70466
脂質ナノ粒子(LNP)は脂質で構成される小さな球状の小胞で、ドラッグデリバリーに革命を起こしています。LNPを用いたRNAデリバリーについて、高純度な脂質をセットにした条件検討キット、細胞への取り込みの評価キット、各種mRNAを内包した作製済みLNPなどの幅広いラインナップをご紹介します。
※ 脂質ナノ粒子の基本と概念および応用の詳細については、Dr. CuthbertsonとDr. ParseyによるCayman社の英文記事をご覧下さい(Cayman Chemical社Webにリンクします)。
※ 本製品は研究用です。研究用以外には使用できません。
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- 製品ラインナップ
- mRNAやsiRNAを効果的に細胞に送達するには
- 技術情報
- Lipid Nanoparticle Exploration Kit
- Lipid Nanoparticle Uptake Kit
- LipidLaunch LNP
製品ラインナップ
製品名 | 製品概要 |
---|---|
Lipid Nanoparticle Exploration Kit | LNPの作製条件を検討するキットで、高純度の脂質から構成されています。 |
Lipid Nanoparticle Uptake Kit | 蛍光標識したLNPにより、細胞への取り込みを検討するキットです。イオン化脂質は3種類から選べます。 |
LipidLaunch LNP | レポーター遺伝子mRNAを内包した作製済みLNPで、パイロット実験に最適です。 |
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mRNAやsiRNAを効果的に細胞に送達するには
mRNAワクチンやsiRNA治療薬のように、mRNAやsiRNAなどの「オリゴヌクレオチド・ペイロード(payload)」を細胞に送達するのには、脂質ナノ粒子(Lipid Nanoparticle, LNP)による、脂質ベースの薬物送達(Lipid-Based Drug Delivery, LBDD)システムを用いるのが便利です1。脂質ナノ粒子は、一般的にはALC‐0315やSM-102などのイオン化脂質、PEG化脂質、リン脂質、およびコレステロールを構成成分とし、PEG化脂質とコレステロールで形成された外殻の内部に、イオン化脂質とコレステロールからなる逆ミセルでオリゴヌクレオチド溶液を閉じ込めた形(下の概略図の右側参照)となるようにします2。
イオン化脂質は、生理的pHでは電気的中性に近く、酸性環境ではカチオン性となります1, 3。この特性により、LNP調整中に負に帯電したオリゴヌクレオチドを内包する逆ミセルが形成されます。LNPはエンドサイトーシスによって細胞内に取り込まれ4、その後エンドソームの酸性環境においてイオン化脂質がプロトン化され、正に帯電しエンドソーム膜を破壊すること(エンドソーム脱出)で、オリゴヌクレオチドのようなペイロードの細胞内送達が促されます5, 6。
参考文献
- Mitchell, M.J., et al., Nat. Rev. Drug Discov., 20(2), 101-124 (2021). [PMID: 33277608]
- Guevara, M.L., et al., Front. Chem., 8, 589959 (2020). [PMID: 33195094]
- Buschmann, M.D., et al., Vaccines (Basel), 9(1), 65 (2021). [PMID: 33478109]
- Degors, I.M.S., et al., Acc. Chem. Res., 52(7), 1750-1760 (2019). [PMID: 31243966]
- Carrasco, M.J., et al., Commun. Biol., 4(1), 956 (2021). [PMID: 34381159]
- Albertsen, C.H., et al., Adv. Drug Deliv. Rev., 188, 114416. (2022). [PMID: 35787388]
関連資料(PDF版)
※ フライヤーや冊子の画像をクリックするとPDFファイルがダウンロードできます。
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技術情報
カプセル化のための各パラメーター
脂質ナノ粒子(LNP)を使用してオリゴヌクレオチドをカプセル化するための最適な調製条件を、まず研究者ご自身で検討する必要があります。各条件の設定の際、以下のパラメータが主な検討対象とされていますのでご参考にして下さい。
- 各脂質のモル比
- 脂質:オリゴヌクレオチド比(w:w)
- イオン化脂質中の窒素:ヌクレオチド中のリン酸のモル比(N:P)
- 水系バッファー:その特性およびイオン強度
- 粒子サイズ:押出しサイズ(extrusion size)、該当する場合にはマイクロ流体の操作パラメーター、など
LNP製剤作製の際の構成比の例
青字で示されたLNP製剤の構成脂質の製品名をクリックすると価格表をご覧いただけます。
製剤例 | Product A | Product B | Product C |
---|---|---|---|
Cargo(送達物質) | mRNA | siRNA | |
イオン化脂質 | SM-102 | ALC-0315 | DLin-MC3-DMA |
リン脂質 | 1,2-DSPC | ||
ステロール脂質 | Cholesterol | ||
PEG化脂質 | DMG-PEG(2000) | ALC-0159 | DMG-PEG(2000) |
脂質の構成モル比* | 50:10:38.5:1.5 | 46.3:9.4:42.7:1.6 | 50:10:38.5:1.5 |
適応 | COVID-19 | とある難病 |
* イオン化脂質:中性リン脂質:コレステロール:PEG化脂質の比率
※ 出典:Schoenmaker, L., et al., Int. J. Pharm., 601, 120586 (2021). [PMID: 33839230]
LNPの特性の評価とそのアッセイ方法
LNPの特性 | 代表的な評価・アッセイ法 |
---|---|
LNPサイズ | 動的光散乱法(DLS) |
多分散指数(PDI) | DLS |
ゼータ電位 | レーザー・ドップラー電気泳動法 |
カプセル化効率 | 蛍光染料、Triton-Xを使用したUV分光法 |
粒子濃度 | DLS、蛍光相関分光法、UV-vis分光法、UPLC |
脂質とCargo(送達物質)の完全性 | RP-HPLC、SE-HPLC、IP-HPLC、LC-MS / MS |
※ 出典:Lin, P.-C., et al., Biotechnol. Adv. 32(4), 711~726 (2014). [PMID: 24252561]、およびSchoenmaker, L., et al., Int. J. Pharm., 601, 120586 (2021). [PMID: 33839230]
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Lipid Nanoparticle Exploration Kit
RNAデリバリーに適した脂質ナノ粒子(LNP)作製の条件検討を行うために、高純度の各種脂質をセットにした製品です。お持ちの適切な機器(マイクロ流体デバイス、T字/Y字ミキサーなど)や手動操作により、脂質ナノ粒子の試作が行えます。
特長
- 脂質ナノ粒子(LNP)作製に向いた、高純度の脂質製品のセットです。
- COVID-19に対するmRNAワクチンで用いられたSM-102、またはALC-0315のいずれかを含むセットを選ぶことができます。
- 脂質ベースの薬物送達(LBDD)に必要なイオン化可能脂質(SM-102あるいはALC-0315)、中性リン脂質(1,2-DSPC)、ステロール脂質(コレステロール)、PEG化脂質(DMG-PEG(2000)あるいはALC-0159)が含まれています。
- さまざまな用途向けにLNPが使用可能か否かの条件検討が行えます。
脂質ナノ粒子(LNP)の作製方法
各脂質(SM-102, DMG-PEG(2000), 1,2-DSPC, Cholesterol)のアルコール溶液を用意します。 | 別途、オリゴヌクレオチドの水溶液を用意します。 | 適当な機器(マイクロ流体デバイス、T字/Y字ミキサー等)や手動操作(混合しながら添加、ピペッティング等)によって脂質溶液と水溶液を混合します。 | 必要な場合は、サイズ選別を行います。 | 均一なサイズの脂質ナノパーティクルが完成します。 |