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生細胞中のGSTP1酵素活性を特異的に可視化する試薬 CellFluor™ GSTP1

掲載日情報:2023/07/27 現在Webページ番号:68669

フナコシ /
フナコシ株式会社
[メーカー略称:FNA]

CellFluor™ GSTP1は、Pi-class Glutathione S-Transferase (GSTP1)の酵素活性を生細胞で観察できるプローブです。広範なGSTファミリーのうちGSTP1に特異的で、GSTP1活性によって緑色蛍光が発生するプローブであり、がん化プロセスや薬剤耐性と密接な関係が報告されるGSTP1の機能解析や阻害剤探索などに有用です。

本製品は研究用です。研究用以外には使用できません。
本製品は東京薬科大学生命科学部 藤川雄太博士の研究成果をもとに、フナコシ(株)が製品化し、販売しています。

製品名変更のお知らせ

本製品は、以下のとおり製品名を変更いたしました。
なお、製品仕様、商品コード、価格、容量に変更はございません。

  • 旧品名:GSTP1 Green
  • 新品名:CellFluor™ GSTP1

CellFluor GSTP1による生細胞内のGSTP1酵素活性測定

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CellFluor™ GSTP1による生細胞内のGSTP1酵素活性測定

CellFluor™ GSTP1 は細胞膜透過性を示し、細胞内でGSTP1活性によりグルタチオン抱合体に変換されることで、緑色蛍光を発します。イメージングにおける蛍光強度からGSTP1活性を相対定量可能です。

まとめ買いバナー

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GSTファミリーとGSTP1について

GSTについて

Glutathione S-Transferase (GST) ファミリーは、バクテリアから動物、植物まで幅広く保存されている酵素ファミリーで、第Ⅱ相薬物代謝酵素の1つです。第Ⅰ相薬物代謝酵素シトクロムP450により細胞内で産生された求電子代謝物や、細胞外から取り込まれた異物化合物(xenobiotics)をグルタチオン(Glutathione、GSH)に付与し、グルタチオン抱合体(GS抱合体、GS-conjugate)に変換する活性を有しています。グルタチオン抱合体は、多剤耐性関連タンパク質(Multidrug resistance-associated proteins、MRP)トランスポーター群により積極的に細胞外に排出され、毒性を軽減させる機構が存在します。そのため、GSTは細胞毒となりうる代謝物質や異物化合物の排出にかかわる解毒因子として機能すると考えられています。細胞内の主たる抗酸化因子として、酸化ストレスや脂質過酸化反応の抑制にも寄与すると考えられています。

一方、多くの抗がん物質などの医薬品はGSTの基質となりうることから、GSTによりグルタチオン抱合体に変換されて細胞外に排出されるケースが報告されています。また、GSTは薬効を低下させる薬剤耐性効果も示します。特に、がんの悪性化にともない特定のGSTアイソフォーム(GSTP1)の発現量が亢進することが知られ、それによりがん細胞は薬剤耐性を獲得すると考えられています。

GSTファミリーに共通する薬剤排出機構

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GSTの活性測定における問題点とCellFluor™ GSTP1について

このように、GSTは第Ⅱ相薬物代謝酵素として抗酸化因子、異物代謝・解毒作用因子、薬剤耐性因子と多機能を有することから、生細胞におけるGST活性の測定技術が求められています。しかし、従来のGST活性の測定は、細胞ライセートを用いたin vitroアッセイによる方法に限られていました。また、多数あるGSTファミリーのうちGSTP1に特異的な活性測定試薬はありませんでした。CellFluor™ GSTP1は、東京薬科大学 藤川雄太博士らにより開発されたGSTP1特異的応答性活性測定プローブで、細胞膜透過性を示すため、生細胞で使用できます。従来技術では困難であった各種細胞のGSTP1活性の定量化や刺激依存的なGSTP1活性のモニタリングに加え、従来難しかった細胞ベースでの阻害剤探索など様々なアプリケーションに応用可能です。

Check it out!

CellFluor™シリーズには、生細胞における広範なGST活性を測定できるCellFluor™ GSTもあります。
CellFluor™ GSTの詳細についてはこちらをご覧下さい。


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キット内容

  • CellFluor™ GSTP1 0.1 mg
  • 補助試薬(MK571; MRPトランスポーター阻害剤) 0.5 mg

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原理

プローブの構造

CellFluor™ GSTP1は3つの部位より構成されており、GSTP1特異的基質(5-mesy-2-nitrolbenzenanilide)、緑色色素骨格(フルオレセイン誘導体)、さらに細胞膜透過性を上げるため色素にアセチル基が付与された構造を有します。この状態ではCellFluor™ GSTP1は消光状態にあります。

CellFluor GSTP1のプローブ構造

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CellFluor™ GSTP1のプローブ構造

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測定原理

CellFluor™ GSTP1は色素骨格に付加されたアセチル基の効果により高い細胞膜透過性を示します。細胞内に取り込まれた後、細胞内のエステラーゼにより脱アセチル化され活性体(以下CellFluor™ GSTP1 (*)と記載)に変換されます。この活性体にGSTP1がGSHを付加しグルタチオン抱合体を形成すると、プローブの分子内の消光機構が解消され、緑色蛍光を発します。
CellFluor™ GSTP1は生細胞専用にデザインされており、in vitroアッセイには使用できません。

CellFluor GSTP1による生細胞作用機序

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CellFluor™ GSTP1による生細胞作用機序

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MRPトランスポーター活性の影響について

GSHが付加した反応生成物はGSTの本来の異物排除機構に沿って、MRPトランスポーターにより細胞外に排出される恐れがあります。そのため、添付の補助試薬(MRPトランスポーター阻害剤MK571)を併用することを推奨しています。細胞種によってMK571の必要性は異なるため、MK571がお客様のアプリケーションに影響を与える可能性もあります。そのため事前にお客様のアッセイ系でMK571の有無条件にてお試し頂くことを推奨します。なお、すべての細胞でMK571の補助効果を保証するものではありません。

MRPトランスポーターがCellFluor GSTP1に及ぼす影響

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MRPトランスポーターがCellFluor™ GSTP1に及ぼす影響

MRPトランスポーター阻害剤MK571存在下でのCellFluor GSTP1の使用例

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MRPトランスポーター阻害剤MK571存在下でのCellFluor™ GSTP1の使用例

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特長

  • プローブ自体は消光状態にありますが、GSTP1により消光状態が解除され、緑色蛍光を発します。
  • 測定波長:励起493 nm/蛍光510 nm
  • 生細胞用にデザインされており、培地に添加するだけで、細胞膜を透過し、観察できます。
    本試薬は生細胞専用です。in vitroのアッセイ(精製タンパク質やライセート)では使用できません。in vitroのGSTアッセイにはCellFluor™ GST(#FDV-0030)を推奨しています。
  • 緑色蛍光を発する反応生成物はMRPトランスポーターにより細胞外に排出される可能性がありますが、付属の補助試薬(MRPトランスポーター阻害剤 MK571)を併用することで抑えることができます。
    細胞によりMRPトランスポーター阻害剤の必要性や効果が異なります。事前評価をおすすめします。
  • GSTP1に高い特異性を示すことが確認されています
  • GSHとの非特異的な反応はほとんど観察されていません。

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参考データ

吸収・蛍光スペクトル

下記データは化学合成した脱アセチル化体CellFluor™ GSTP1*)の物性に関するものです。CellFluor™ GSTP1そのもののデータではありませんのでご注意下さい。
PBS中に溶解した脱アセチル化体CellFluor™ GSTP1*)(2 μM)に、1 mM GSHおよび組換えGSTP1 (1 μg/ml) を添加する前後の吸収スペクトルおよび蛍光スペクトルを測定した。

  • :反応前 
  • :反応後
CellFluor GSTP1の吸収スペクトル

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CellFluor™ GSTP1(*)の吸収スペクトル

CellFluor GSTP1の蛍光スペクトル

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CellFluor™ GSTP1(*)の蛍光スペクトル

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各種反応活性種に対する脱アセチル化体の安定性

酸化還元反応種に対するCellFluor GSTP1の安定性

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酸化還元反応種に対するCellFluor™ GSTP1(*)の安定性

脱アセチル化体CellFluor™ GSTP1*)2 μM溶液に対し、酸化還元反応を触媒する反応活性種(各 1 mM)を添加し30分後の蛍光強度を測定した。GSTP1/GSH共存時のみ蛍光が観察され、その他の酸化還元反応活性種には安定であることが確認できた。特にGSTP1非存在下では本試薬はGSHと非特異的に反応しないことが分かる。

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操作方法概略

CellFluor GSTP1の操作方法概略
  1. CellFluor™ GSTP1 (+MK571) 溶液の調製
    CellFluor™ GSTP1 およびMK571(必要に応じて)をHBSS*1 (Hanks’Buffer with 20 mM HEPES) に添加
    *1 CellFluor™ GSTP1は生細胞用にデザインされており、DMSO溶液では安定ですが、水溶液中では加水分解による脱アセチル化が進む場合があります。反応溶液は必ず実験直前に調製して下さい。また、培地はHBSSが必須ではありませんが、CellFluor™ GSTP1の安定化のため、HEPESなどを含む緩衝能を有する培地を推奨しています。FBSは脱アセチル化反応を促進する恐れがあるため、FBS非含有HBSSを推奨しています。
  2. 培養細胞の培地除去
  3. 1で調製した試薬溶液を細胞に加える
  4. 5分以上*2培養する
    *2 反応時間は細胞のGSTP1活性や使用濃度により異なります。ご使用の細胞系で最適な反応時間をご検討下さい。
  5. 培地交換および細胞洗浄*3
    *3 フェノールレッドは測定に影響を及ぼす可能性がありますので、フェノールレッドフリーのイメージング用培地を用いた観察を推奨しています。
  6. 蛍光顕微鏡による観察*4
    *4 本試薬は固定試薬により固定することができません。観察は未固定状態(生細胞)で行って下さい。

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アプリケーションデータ

GSTP1特異性の検証(各種GSTファミリーの比較)

CellFluor GSTP1のGSTファミリー特異性検証

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GSTP1低発現細胞であるMCF7に18種類のヒトGSTファミリーメンバーを過剰発現し、CellFluor™ GSTP1を添加して蛍光強度を評価した。評価した18種類の中でGSTP1でのみ緑色蛍光が観察され、GSTP1に高い特異性を示すことが確認できた。

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GSTP1特異性の検証(ノックダウンによる評価)

内在性GSTP1ノックダウン時のCellFluor GSTP1反応性検証

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GSTP1高発現細胞であるDU145に対しGSTP1特異的siRNAを処理し、GSTP1をノックダウンした(発現量は左図で確認)。その後、CellFluor™ GSTP1を処理し蛍光強度を観察したところ、コントロール細胞に比べGSTP1ノックダウン細胞で顕著なシグナルの減弱が観察された。

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各種細胞株におけるGSTP1活性の可視化

CellFluor GSTP1を用いた各種がん細胞株におけるGSTP1活性の可視化

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GSTP1高発現が認められる3種類のがん細胞株に対し、CellFluor™ GSTP1(2.5 μM)およびMK571 を添加し15分後に緑色蛍光を観察した。いずれの細胞も細胞質から緑色蛍光が観察された。

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経時的解析

CellFluor GSTP1による生細胞レベルでの反応速度解析

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GSTP1高発現細胞HT1080(ヒト繊維肉腫細胞)およびGSTP1低発現細胞LNCaP(ヒト前立腺がん細胞)にGSTP1(2.5 μM)添加時の経時的蛍光強度の変化を20分間観察した。HT1080では経時的な蛍光強度の上昇が観察された一方で、この時間域ではLNCaP細胞ではほとんど蛍光は観察されなかった。

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エピジェネティック制御剤によるGSTP1発現誘導の可視化

CellFluor GSTP1を用いたエピジェネティックなGSTP1発現制御の可視化

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GSTP1低発現細胞であるMCF7細胞は、GSTP1のプロモーター領域に存在するCpGアイランドが高度にメチル化されていることで、遺伝子発現が抑制されていることが知られている。DNAメチル化阻害剤decitabine (1.25 μM)を2~6日間処理後にCellFluor™ GSTP1(2.5 μM)を添加し、20分後に蛍光強度の観察を行った。GSTP1活性が認められなかったMCF7において、decitabine処理により5日目頃から徐々にGSTP1活性が認められた。

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参考文献

  • Mori, M., et al., "A highly selective fluorogenic substrate for imaging glutathione S-transferase P1: development and cellular applicability in epigenetic studies.", Chem. Commun., 55(56), 8122~8125 (2019). [PMID:31237279]

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価格

[在庫・価格 :2024年04月18日 20時55分現在]

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納期 文献数
CellFluor GSTP1 <Cell-based GSTP1 Activity Assay Reagent>
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説明文
がん細胞で高発現するGSTP1 (Pi-class Glutathione S-Transferase)の酵素活性を生細胞で観察できる蛍光プローブです(励起 493 nm/蛍光 510 nm)。広範なGSTファミリーのうちGSTP1に特異的で、GSTP1の機能解析や阻害剤探索などに有用です。※本製品にはプローブ 0.1 mgと補助試薬(MRPトランスポーター阻害剤 MK571) 0.5 mgが含まれます。
法規制等
保存条件 -20℃ 法規備考
掲載カタログ ニュース2022年11月15日号 p.21
ニュース2022年3月1日号 p.10

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CellFluor GSTP1 <Cell-based GSTP1 Activity Assay Reagent>

文献数: 0

説明文 がん細胞で高発現するGSTP1 (Pi-class Glutathione S-Transferase)の酵素活性を生細胞で観察できる蛍光プローブです(励起 493 nm/蛍光 510 nm)。広範なGSTファミリーのうちGSTP1に特異的で、GSTP1の機能解析や阻害剤探索などに有用です。※本製品にはプローブ 0.1 mgと補助試薬(MRPトランスポーター阻害剤 MK571) 0.5 mgが含まれます。
法規制等
保存条件 -20℃ 法規備考
掲載カタログ ニュース2022年11月15日号 p.21
ニュース2022年3月1日号 p.10

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お問い合わせ先

(テクニカルサポート 試薬担当)

reagent@funakoshi.co.jp

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