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生細胞中のGSTP1酵素活性を特異的に可視化する試薬 GSTP1 Green

掲載日情報:2019/09/05 現在Webページ番号:68669

フナコシ /
フナコシ株式会社

GSTP1 GreenはPi-class Glutathione S-Transferase (GSTP1)の酵素活性を生細胞で観察できるプローブです。広範なGSTファミリーのうちGSTP1に特異的で,GSTP1活性によって緑色蛍光が発生するプローブであり,がん化プロセスや薬剤耐性と密接な関係が報告されるGSTP1の機能解析や阻害剤探索などに有用です。

本製品は研究用です。研究用以外には使用できません。
本製品は東京薬科大学生命科学部 藤川雄太博士の研究成果をもとに製品化されました。

GSTP1 Green は細胞膜透過性を示し,細胞内でGSTP1活性によりグルタチオン抱合体に変換されることで,緑色蛍光を発します。イメージングにおける蛍光強度からGSTP1活性を相対定量可能です。

GSTP1 Greenによる生細胞内のGSTP1酵素活性測定

GSTファミリーとGSTP1について

MEMO

GSTファミリーとGSTP1について


Glutathione S-Transferase (GST) ファミリーは真核生物に保存される酵素ファミリーで,細胞内で疎水的かつ求電子性の異物化合物(xenobiotics)をグルタチオン(glutathione; GSH) に付与し,グルタチオン抱合体(GS-conjugate)に変換する活性を有します。グルタチオン抱合体はMRP(multidrug resistance-associated protein)トランスポーターにより積極的に細胞外に排出されます。そのため,GSTは細胞毒となりうる疎水的かつ求電子性の異物化合物の排出に関わる解毒因子として機能しています。一方,多くの抗がん剤等の医薬品もGSTによりGSH抱合体に変換され細胞外に排出されてしまうため,GSTは薬剤耐性因子として,その薬効を弱める効果も示します。中でもPiクラスGST(GSTP1)は様々な種類のがんにおいて高発現が認められ,がん細胞の薬剤耐性獲得に大きく寄与する酵素であると考えられています。
このようにGSTは異物代謝・解毒作用因子,薬剤耐性因子として機能することから,細胞内のGST活性を測定する技術が求められていますが,従来の方法ではin vitroにおける活性測定に限定されており,生細胞で活性を観察できる手法は不十分でした。また,多数あるGSTファミリーのうちGSTP1に特異的な活性測定試薬はありません。
東京薬科大学 藤川雄太博士らにより開発されたGSTP1 Green(原著論文での名称 Ps-TAc)は細胞膜透過性の化合物で,GSTP1の酵素活性によって緑色蛍光を生じるGSTP1活性応答性プローブです。生細胞で使用できることから,各種細胞のGSTP1活性の定量化や刺激依存的なGSTP1活性のモニタリングに加え,従来難しかった細胞ベースでの阻害剤探索などさまざまなアプリケーションに応用可能です。
GSTファミリーに共通する薬剤排出機構


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参考文献

  • Mori et al., Chem. Commun., 55, 8122~8125 (2019), "A highly selective fluorogenic substrate for imaging glutathione S-transferase P1: development, cellular applicability to epigenetic studies."

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キット内容

  • GSTP1 Green 0.1 mg
  • 補助試薬(MK571; MRPトランスポーター阻害剤) 0.5 mg

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原理

プローブの構造

GSTP1 Greenは3つの部位より構成されており,GSTP1特異的基質(5-mesy-2-nitrolbenzenanilide),緑色色素骨格(フルオレセイン誘導体),さらに細胞膜透過性を上げるため色素にアセチル基が付与された構造を有します。この状態ではGSTP1 Greenは消光状態にあります。

GSTP1 Greenのプローブ構造

測定原理

GSTP1 Greenは色素骨格に付加されたアセチル基の効果により高い細胞膜透過性を示します。細胞内に取り込まれた後,細胞内のエステラーゼにより脱アセチル化され活性体(以下GSTP1 Green (*)と記載)に変換されます。この活性体にGSTP1がGSHを付加しグルタチオン抱合体を形成すると,プローブの分子内の消光機構が解消され,緑色蛍光を発します。
GSTP1 Greenは生細胞専用にデザインされており,in vitroアッセイには使用できません。

GSTP1 Greenによる生細胞作用機序

MRPトランスポーター活性の影響について (クリックで開閉します)

GSHが付加した反応生成物はGSTの本来の異物排除機構に沿って,MRPトランスポーターにより細胞外に排出される恐れがあります。そのため,添付の補助試薬(MRPトランスポーター阻害剤MK571)を併用することを推奨しています。細胞種によってMK571の必要性は異なるため,MK571がお客様のアプリケーションに影響を与える可能性もあります。そのため事前にお客様のアッセイ系でMK571の有無条件にてお試し頂くことを推奨します。なお,すべての細胞でMK571の補助効果を保証するものではありません。
MRPトランスポーターがGSTP1 Greenに及ぼす影響

MRPトランスポーター阻害剤MK571存在下でのGSTP1 Greenの使用例

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特長

  • プローブ自体は消光状態にありますが,GSTP1により消光状態が解除され,緑色蛍光を発します。
  • 励起/蛍光波長=493 nm/510 nm
  • 生細胞用にデザインされていて,培地に添加するだけで,細胞膜を透過し,観察できます。
    本試薬は生細胞専用です。in vitroのアッセイ(精製タンパク質やライセート)では使用できません。in vitroのGSTアッセイにはDNs-Rh#FDV-0030)を推奨しています。
  • 緑色蛍光を発する反応生成物はMRPトランスポーターにより細胞外に排出される可能性がありますが,付属の補助試薬(MRPトランスポーター阻害剤 MK571)を併用することで抑えることができます。
    細胞によりMRPトランスポーター阻害剤の必要性や効果が異なります。事前評価をおすすめします。
  • GSTP1に高い特異性を示すことが確認されています
  • GSHとの非特異的な反応はほとんど観察されていません。

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操作方法概略

GSTP1 Greenの操作方法概略
  1. GSTP1 Green (+MK571) 溶液の調製
    GSTP1 Green およびMK571(必要に応じて)をHBSS*1 (Hanks’ Buffer with 20 mM HEPES) に添加
    *1 GSTP1 Greenは生細胞用にデザインされており,DMSO溶液では安定ですが,水溶液中では加水分解による脱アセチル化が進む場合があります。反応溶液は必ず実験直前に調製してください。また,培地はHBSSが必須ではありませんが,GSTP1 Greenの安定化のため,HEPESなどを含む緩衝能を有する培地を推奨しています。FBSは脱アセチル化反応を促進する恐れがあるため,FBS非含有HBSSを推奨しています。
  2. 培養細胞の培地除去
  3. 1で調製した試薬溶液を細胞に加える
  4. 5分以上*2培養する
    *2 反応時間は細胞のGSTP1活性や使用濃度により異なります。ご使用の細胞系で最適な反応時間をご検討ください。
  5. 培地交換および細胞洗浄*3
    *3 フェノールレッドは測定に影響を及ぼす可能性がありますので,フェノールレッドフリーのイメージング用培地を用いた観察を推奨しています。
  6. 蛍光顕微鏡による観察*4
    *4 本試薬は固定試薬により固定することができません。観察は未固定状態(生細胞)で行ってください。

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参考データ

下記データは化学合成した脱アセチル化体GSTP1 Green (*)の物性に関するものです。GSTP1 Greenそのもののデータではありませんのでご注意ください。

GSTP1 Greenの吸収蛍光スペクトル

吸収・蛍光スペクトル
PBS中に溶解した脱アセチル化体GSTP1 Green (*) (2 μM) に,1 mM GSHおよび組換GSTP1 (1 μg/ml) を添加する前後の吸収スペクトルおよび蛍光スペクトルを測定した。
左:吸収スペクトル,右:蛍光スペクトル。青:反応前,赤:反応後。


酸化還元反応種に対するGSTP1 Greenの安定性

各種反応活性種に対する脱アセチル化体の安定性
脱アセチル化体GSTP1 Green (*) 2 μM溶液に対し,酸化還元反応を触媒する反応活性種(各 1 mM)を添加し30分後の蛍光強度を測定した。GSTP1/GSH共存時のみ蛍光が観察され,その他の酸化還元反応活性種には安定であることが確認できた。特にGSTP1非存在下では本試薬はGSHと非特異的に反応しないことが分かる。

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アプリケーションデータ

GSTP1 GreenのGSTファミリー特異性検証

GSTP1特異性の検証(各種GSTファミリーの比較)
GSTP1低発現細胞であるMCF7に18種類のヒトGSTファミリーメンバーを過剰発現し,GSTP1 Greenを添加して蛍光強度を評価した。評価した18種類の中でGSTP1でのみ緑色蛍光が観察され,GSTP1に高い特異性を示すことが確認できた。


内在性GSTP1ノックダウン時のGSTP1 Green反応性検証

GSTP1特異性の検証(ノックダウンによる評価)
GSTP1高発現細胞であるDU145に対しGSTP1特異的siRNAを処理し,GSTP1をノックダウンした(発現量は左図で確認)。その後,GSTP1 Greenを処理し蛍光強度を観察したところ,コントロール細胞に比べGSTP1ノックダウン細胞で顕著なシグナルの減弱が観察された。


GSTP1 Greenを用いた各種がん細胞株におけるGSTP1活性の可視化

各種細胞株におけるGSTP1活性の可視化
GSTP1高発現が認められる3種類のがん細胞株に対し,GSTP1 Green(2.5 μM)およびMK571 を添加し15分後に緑色蛍光を観察した。いずれの細胞も細胞質から緑色蛍光が観察された。


GSTP1 Greenによる生細胞レベルでの反応速度解析

経時的解析
GSTP1高発現細胞HT1080(ヒト繊維肉腫細胞)およびGSTP1低発現細胞LNCaP(ヒト前立腺がん細胞)にGSTP1(2.5 μM)添加時の経時的蛍光強度の変化を20分間観察した。HT1080では経時的な蛍光強度の上昇が観察された一方で,この時間域ではLNCaP細胞ではほとんど蛍光は観察されなかった。

GSTP1 Greenを用いたエピジェネティックなGSTP1発現制御の可視化

エピジェネティック制御剤によるGSTP1発現誘導の可視化
GSTP1低発現細胞であるMCF7細胞は,GSTP1のプロモーター領域に存在するCpGアイランドが高度にメチル化されていることで,遺伝子発現が抑制されていることが知られている。DNAメチル化阻害剤decitabine (1.25 μM)を2~6日間処理後にGSTP1 Green(2.5 μM)を20分間添加し蛍光強度の観察を行った。GSTP1活性が認められなかったMCF7において,decitabine処理により5日目頃から徐々にGSTP1活性が認められた。

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価格

[在庫・価格 :2019年11月22日 20時04分現在]

※ 納期として表示している期間は弊社発注日からの「目安」となり、納期を保証する物ではございません。実際には長くかかる場合もございます。ご注意ください。
詳細 商品名
  • 商品コード
  • メーカー
  • 包装
  • 価格
  • 在庫
  • 法規制等
納期 文献数
GSTP1 Green
- 0
説明文
がん細胞で高発現するGSTP1 (Pi-class Glutathione S-Transferase)の酵素活性を生細胞で観察できる蛍光プローブです(励起 493 nm/蛍光 510 nm)。広範なGSTファミリーのうちGSTP1に特異的で、GSTP1の機能解析や阻害剤探索などに有用です。※本製品にはプローブ 0.1 mgと補助試薬(MRPトランスポーター阻害剤 MK571) 0.5 mgが含まれます。
法規制等
保存条件 -20℃ 法規備考
掲載カタログ

製品記事 生細胞用GST研究関連製品
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GSTP1 Green

文献数:0

  • 商品コード:FDV-0034
  • メーカー:FNA
  • 包装:1kit
  • 価格:¥40,000
  • 在庫:3個以上
  • 納期:-
  • 法規制等:

説明文 がん細胞で高発現するGSTP1 (Pi-class Glutathione S-Transferase)の酵素活性を生細胞で観察できる蛍光プローブです(励起 493 nm/蛍光 510 nm)。広範なGSTファミリーのうちGSTP1に特異的で、GSTP1の機能解析や阻害剤探索などに有用です。※本製品にはプローブ 0.1 mgと補助試薬(MRPトランスポーター阻害剤 MK571) 0.5 mgが含まれます。
法規制等
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お問い合わせ先

(テクニカルサポート 試薬担当)

reagent@funakoshi.co.jp

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