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生/死細菌を判別する低細胞毒性の蛍光プローブ AIE Bacterial (Dead)

掲載日情報:2020/06/12 現在Webページ番号:67609

細菌の死細胞に特異的に反応し、青色の蛍光シグナルを発する新規プローブです。この特性を利用して、生細菌と死細菌の判別、細菌の生存率の測定を簡便に行うことができます。従来のLive/Dead細胞染色試薬と異なり低細胞毒性で、かつ光安定性が高いため、長期間の研究にも最適です。

各種細菌の培養液中にAIE Bacterial (Dead) (100 μM)を添加30分後の明視野像および蛍光顕微鏡画像

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各種細菌の培養液中に本製品(100 μM)を添加30分後の明視野像および蛍光顕微鏡画像

  • A, C, E, G, I, K:明視野顕微鏡画像
  • B, D, F, H, J, L:蛍光顕微鏡画像
  • A~DE. coli
  • E~HS. epidermidis(表皮ブドウ球菌)
  • I~LB. subtilis

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製品仕様

商品コードをクリックすると価格表をご覧いただけます。

品名 AIE Bacterial (Dead)
商品コード BPB450
包装 10 μmol
色・形状 白色粉末
検出方法 蛍光
測定波長 励起 320±20 nm / 蛍光 450±50 nm
検出機器 蛍光顕微鏡、共焦点レーザー顕微鏡
適用
  • 飲料水・食品の品質評価
  • 消毒方法の有効性評価
  • 殺菌剤/抗菌剤の開発
実験プロトコル ダウンロードはこちら

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AIE Bacterialとは

細菌の生存率の測定における問題点

微生物に関する研究は、環境モニタリング、医療衛生、食品加工から製薬産業に至るまで重要となっており、ここ数十年間ますます関心を集めています。細菌の生存率は、飲料水と食品の品質の評価、消毒法の有効性の判定、脅威源の特定、新しい殺菌剤の探索および抗菌剤の開発において重要なパラメータです。これまでは、寒天培地上で細菌を増殖させ、コロニー形成単位(CFU)を計数するプレートカウント法が一般に用いられてきましたが、この方法は時間を要し、結果の過小評価、また生存可能ではあっても培養が不可能な細菌には使用できないなどの問題点がありました。また、高分解能顕微鏡法(原子間力顕微鏡法、電子顕微鏡法など)を用いることで、形態学的変化および膜電位の偏差の測定に基づいて細菌の生存率に関する間接的な情報を得る方法もあります。しかし、これらの方法は、効果な機器を必要とし、かつハイスループットスクリーニングには適用が困難であるなどの問題点がありました。一方、膜の完全性や酵素活性、膜電位差に基づく蛍光色素を用いる方法は、高感度で操作が簡便かつ短時間で結果が得られるなどの様々な利点があります。なかでも最も広く用いられるヨウ化プロピジウム(PI)は、損傷した膜を有する細胞のみを染色する膜不透過性の核酸染色色素で、蛍光の増加により細胞死を判定できます。しかし、PIは変異原性や発ガン性を有し、また光安定性や細胞障害性の問題もありました。

AIE蛍光プローブとAIE Bacterial

AIE Biotech社では、分子的に溶解状態では非蛍光性で、凝集時に高い蛍光性を有する新規発光体(Aggregation-Induced Emission(AIE)luminogen)を発見しました。この発光体を用いて、凝集誘起放出(AIE)現象に基づく様々な蛍光プローブの開発に成功しています。この発光体は、高い量子効率、良好な生物適合性および優れた光安定性を有することから、長期間の細胞トラッキング、非自己消光DNA標識、アミロイドの阻害、フィブリル化、アポトーシス細胞のモニタリングなどに用いられています。AIE Bacterialは、AIE蛍光プローブを応用した二本鎖DNAの溝に結合する細胞不透過性DNA染色試薬で、膜の完全性を失った細菌細胞内のDNAと結合することにより強い蛍光を発します。

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使用例

PI/AIE Bacterialの蛍光シグナルの安定性の比較

Live/Dead細胞の蛍光プローブとして500 μMヨウ化プロピジウム(PI)を用いた場合、処理1日後には蛍光がほとんど消失するが(下図(1))、100μM AIE Bacterialを用いた場合では処理3日後でも蛍光シグナルが観察できる(下図(2))。

図1.AIE Bacterialの蛍光シグナルの安定性

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図1.AIE Bacterialの蛍光シグナルの安定性

2.PIの蛍光シグナルの安定性

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図2.PIの蛍光シグナルの安定性

■PI/AIE Bacterialの細胞傷害性(細胞毒性)の比較

E.coli の生細胞を100μM AIE Bacterialまたは50 μMのヨウ化プロピジウム(PI)中で3時間インキュベーションした後、寒天培地を含むプレートに播種し、コロニーの観察(下図A)およびコロニー数を計測し、細胞生存率を求めた(下図B)。細胞生存率は、AIE Bacterialを処理した細胞では約90%であったのに対し、PIを処理した細胞ではわずか37%であった。

細胞傷害性

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AIEプローブ製品の種類

品名をクリックすると製品の詳細を、商品コードをクリックすると価格表をご覧いただけます。AIEプローブの全価格表はこちらをクリックして下さい。

品名 商品コード 測定波長
(励起/蛍光)
包装 製品概要
AIE Bacterial(Dead) BPB450 320±20 nm/450±50 nm 10μmol 死細菌を検出するプローブ。生細菌を染色するSYTO 9と併用が可能。
AIE Cancer Yellow BPCY560 430±20 nm/560±50 nm がん細胞特異的にミトコンドリアを染色するプローブ。ライブイメージングに利用できる。
AIE Cardiolipin BPC480 350 nm/480±30 nm ミトコンドリア内膜の典型的なリン脂質であるカルジオリピン(CL: cardiolipin) の定量が可能なプローブ。
AIE DNA G-quadruplex BPD470 350±10 nm/470±20 nm DNAのG4構造(G-quadruplex)を認識するプローブ。
AIE Glucose BPG540 344±30 nm/540±20 nm 溶液中の過酸化水素(H2O2)と反応し、高感度で蛍光を発する新規のプローブ。この特性を利用して、グルコースオキシダーゼ(GOx)との併用することで、高感度かつ高い特異性で、液体中のグルコースの定量が行える。
AIE Mitochondria Blue BPM480 321±30 nm/480±50 nm 退色しにくいミトコンドリア用蛍光プローブ。ライブイメージング可。
Green BPM503 391±30 nm/503±40 nm
Yellow BPCY560 450±50 nm/670±50 nm
Red BPM670 450±50 nm/670±50 nm
AIE pH BPH660 <pH 10:励起488 nm/蛍光561~659 nm
>pH 10:励起405 nm/蛍光440~525 nm
pHを測定できるプローブ。ライブイメージング可。

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メーカーインタビュー: 凝集誘起発光性を持つ蛍光プローブ



AIEgen Biotech 社は2016 年2 月に設立された香港のベンチャー企業で、自社技術とHKUST(香港科技大学)からライセンスを受けた特許技術を保有するメーカーです。今回は、AIEgen Biotech 社にインタビューしました。

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価格

[在庫・価格 :2024年03月28日 20時15分現在]

※ 表示されている納期は弊社に在庫が無く、取り寄せた場合の納期目安となります。
詳細 商品名
  • 商品コード
  • メーカー
  • 包装
  • 価格
  • 在庫
  • 法規制等
納期 文献数
AIE Bacterial (Dead)
2~3週間 ※ 表示されている納期は弊社に在庫がなく、取り寄せた場合の目安納期となります。 0
説明文
死細菌を検出するプローブ。生細菌を染色するSYTO 9と併用可能。蛍光波長:励起320±20 nm/蛍光450±50 nm。
法規制等
保存条件 4℃,暗所保存 法規備考
掲載カタログ ニュース2023年2月1日号 p.22
ニュース2019年10月15日号 p.11

製品記事
関連記事 蛍光シグナルが褪色しない 凝集誘起発光性を持つ蛍光プローブ(AIEgen Biotech社)

[在庫・価格 :2024年03月28日 20時15分現在]

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AIE Bacterial (Dead)

文献数: 0

説明文 死細菌を検出するプローブ。生細菌を染色するSYTO 9と併用可能。蛍光波長:励起320±20 nm/蛍光450±50 nm。
法規制等
保存条件 4℃,暗所保存 法規備考
掲載カタログ ニュース2023年2月1日号 p.22
ニュース2019年10月15日号 p.11

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お問い合わせ先

(テクニカルサポート 試薬担当)

reagent@funakoshi.co.jp

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