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アビジン・ビオチン システム

掲載日情報:2007/07/30 現在Webページ番号:956

VECTOR 社のアビジン・ビオチンシステムをご紹介します。

免疫染色(免疫組織化学,IHC)特集

アビジンは,卵白中に存在する分子量約 68 kDa の塩基性糖タンパク質で,低分子ビタミンであるビオチンにきわめて強い親和性( Affinity constant > 10 15 M -1 )があります。現在,ビオチンとアビジンの強い親和性と特異性を利用した,種々のシステムが考案されています。このシステムは”アビジン・ビオチンシステム”と名付けられ,生体構造や機能の様々な研究に利用されています。
タンパク質には多数のビオチン分子が共有結合できるので,ビオチン標識タンパク質は複数のアビジンと結合することができます。また,ビオチン標識を温和な条件で行えば,タンパク質の生理活性は損なわれません。ビオチン標識抗体,レクチン,核酸プローブを用いれば,抗原,糖複合体,核酸の検出に極めて有用です。

アビジン・ビオチンシステムを用いた,次の三つの基本的な方法が開発されています。



Vector Laboratories 社 Tutorials(動画による操作方法の説明)

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サンドイッチ法またはブリッジ法

アビジンに複数のビオチン結合部位があるという点を利用した方法です。まずビオチン標識一次抗体を加え,次にアビジンを加え,更にビオチン標識酵素またはビオチン標識 EM (電子顕微鏡)マーカーを加えます。

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共有結合複合体法または標識アビジン法

この方法では,ビオチン標識一次または二次試薬を加えたのちに,酵素,蛍光色素,または EM マーカーと共有結合したアビジン複合体を加えます。
この方法は,細胞上の特異的エピトープの検出等に用いられます。まず組織切片を,特異的エピトープに対応するモノクローナル一次抗体と反応させます。これにビオチン標識抗マウス IgG 抗体を加えます。最後に,ペルオキシダーゼ基質を加えて発色させます。

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ABC 法または Preformed Complex 法

1981年に開発された非常に感度の高い方法です(詳細は VECTASTAIN ABC 法の解説をご覧下さい)。この方法は,ビオチン標識一次または二次抗体を加えた後に,あらかじめ調製したアビジンとビオチン標識酵素の複合体を加えます。


以上の三つの方法は,それぞれに特長を持っており,必要とする感度や実験の目的に応じて使い分けます。しかもどのアビジン・ビオチンシステムも,蛍光または酵素をもとにした検出法より高感度です。また,種々のマーカーを簡単に交換したり,複数のマーカーを導入することができるため,他のシステムでは測定困難な抗原の検出を行うことができます。

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アビジン・ビオチンシステムの特長

アビジン・ビオチンシステムには,マーカーをレクチン,抗体または核酸プローブに直接結合させる方法に比べて次のような利点があります。

  1. アビジンとビオチンには,複数の結合部位が存在するため,検出感度の増幅が可能です。
  2. アビジンとビオチンの親和性は非常に高いため,アビジン複合体とビオチン標識タンパク質の間に,安定な複合体が迅速に形成されます。
  3. 蛍光色素とタンパク質の結合比(F/P比)が高く,安定なアビジン複合体が得られます。
  4. 蛍光標識アビジンDはフルオレセインやローダミンで標識した抗体に比べ,物質に吸着しにくく,組織と非特異的に吸着してバックグラウンド染色を高くするような問題がありません。
  5. 同一組織切片上の複数の抗原を,同一動物種の一次抗体を複数用いて検出することができます(多重染色)。二つの異なる酵素を用いる方法と,一つの酵素とその酵素によって異なった発色生成物を生じる二つの基質を用いる方法があります。
  6. 1種類の標識アビジンが手元にあれば,種々のビオチン標識レクチン,抗体またはプローブと組み合わせて用いることができます。

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アビジン・ビオチンシステムの応用例

  • RIA,EIA,蛍光免疫測定法
  • 抗体および抗原のアガロースへの固定
  • 免疫組織化学染色
  • 組織の複数標識
  • 細胞表面抗原の精製
  • ホルモン結合部位の検出
  • 膜小胞体の立体化学的配置の研究
  • フローサイトメトリー
  • ニトロセルロースおよびナイロンメンブレン上のトランスファーブロットの検出
  • in situ ハイブリダイゼーション
  • ニューロンの細胞内標識
  • 遺伝子マッピング
  • ハイブリドーマのスクリーニング

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