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不凍ポリアミノ酸を使用した、DMSOに代わる細胞用凍結保存試薬の開発(株式会社ビーエムジー)

掲載日情報:2017/01/12 現在Webページ番号:81090

ビーエムジー /
(株)ビーエムジー
[メーカー略称:BVD]

Frontiers

Vol. 33 細胞用凍結保存試薬の開発

(株)ビーエムジーは、細胞用凍結保存試薬を販売している京都大学発のベンチャー企業です。今回は、同社の製品に使用されている独自技術『不凍ポリアミノ酸』についてお話を伺いました。

ビーエムジーの皆様


新規凍結保護物質(不凍ポリアミノ酸)の開発

(株)バイオベルデの基盤技術の一つであるカルボキシル化ポリリジン『不凍ポリアミノ酸』は、2009 年に京都大学再生医科学研究所の玄丞烋博士、松村和明博士(※現所属:北陸先端科学技術大学院大学)らの研究グループにより、安全かつ細胞生存効率の高い高分子系凍結保護剤として、世界で初めて開発されました。


不凍ポリアミノ酸の合成

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DMSO などの既存試薬の問題点

現在、生物学や医学分野において非常に多くの研究が培養細胞を用いて行われており、細胞の凍結保存は欠かせないものとなっています。しかし、既存の凍害保護試薬には様々な問題点があります。1959 年にLovelock によりDMSO の凍害防御効果が報告されてから約半世紀が経過していますが、代替物質はほとんど研究されておらず、毒性が低く効果の高い凍害保護試薬の開発が望まれていました。


既存凍結保護剤の問題点

  • DMSO:毒性が高く解凍時に速やかに除去する必要があり、細胞によっては分化に影響を及ぼす。
  • グリセリンやトレハロース:凍害防御能が低いため、DMSO などと組み合わせて用いる必要がある。
  • ウシ血清やアルブミンなど:再生医療用などへの応用には安全性の面で問題がある。
  • 不凍タンパク質や不凍糖タンパク質:凍結濃縮を防止する効果には優れているが、高価。

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不凍ポリアミノ酸の応用と製品化

私たちは、不凍タンパク質と同等な凍結濃縮防止効果を有し、再生医療用の幹細胞や家畜増産のための精子・受精卵、さらに食品、医薬などの冷凍保存や凍結乾燥製品への応用に期待できる、安価で安全な不凍ポリアミノ酸を開発し、この『不凍ポリアミノ酸』を添加した研究用試薬『CryoScarless®』および『StemCell Keep』を販売しています。その他に、緑茶由来ポリフェノール(EGCg)に、常温または未凍結状態での細胞および組織、臓器の長期保存効果を見出し、EGCgを添加した研究用試薬『ThelioKeep®』を販売しています。

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(株)ビーエムジーの製品

DMSO フリー細胞用凍結保存液 CryoScarless® DMSO-Free

クライオスカーレスDMSOフリーは、タンパク質やDMSOを含まない、各種細胞用の凍結保存液です。解凍後も様々な培養細胞で高い生存性を示し、幹細胞の多分化能(未分化状態)も維持されます。

クライオスカーレス

霊長類ES/iPS 細胞用凍結保存液 StemCell Keep

ステムセルキープは、ガラス化能を高く維持したまま細胞毒性を低く抑えるよう最適化された、霊長類ES / iPS細胞用のガラス化凍結保存液です。

ステムセルキープ

皮膚および神経組織用冷蔵保存液 ThelioKeep®

セリオキープはDMSOや血清タンパク質を含まない、上皮・内皮組織および神経組織に最適な冷蔵保存液です。

セリオキープ

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お問い合わせ先

(テクニカルサポート 試薬担当)

reagent@funakoshi.co.jp

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