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大容量の水試料からPCR阻害物質を含まないDNA/RNAを精製するキット Quick-DNA/RNA Water Kit

掲載日情報:2025/04/14 現在Webページ番号:71668

最大50 mlの原廃水や最大1 Lの低生物量の水試料といった大容量の水試料から、超遠心や真空吸引を行わずに、PCR阻害物質を含まないDNA/RNAを精製するキットです。水試料中に含まれるウイルス・微生物や、それらに由来する遊離核酸の検出が行え、廃水監視や環境モニタリングに最適です。
最大5 mlの下水などの環境水からウイルスなどに由来するRNAを抽出するキットについてはこちらをご覧下さい。
本製品は研究用です。研究用以外には使用できません。


廃水からのSARS-CoV2検出

SARS-CoV-2を添加した廃水30 mlから各社キットで核酸精製を行い、Quick SARS-CoV-2 Multiplex Kit(#R3013)を用いたRT-qPCRで、SARS-CoV-2のN1遺伝子を検出した。
他社キットではRT-qPCRが阻害されたが、本キットでは問題なく検出を行えた。


特長

  • 廃水、汚水、汚泥、処理水、天然水、河川水、淡水、塩水などの幅広い種類の水試料に対応し、原廃水、汚泥などの最も条件が厳しい水試料からのDNA/RNA回収も可能です。
  • キットに含まれるWastewater stabilization bufferは、水試料中のウイルス・微生物・遊離核酸の濃縮を容易にし、また水試料中の病原体を不活性化し、微生物プロファイルを保ったまま室温での最大7日間の保存を可能にします。
  • 関連製品としてWastewater stabilization bufferをあらかじめ充填したボトルもあります。
  • キットに含まれるZymoSpin Ⅳ-IR HRC filter*1により、PCR阻害物質を除去したDNA/RNAが得られます。
  • 得られたDNA/RNAは、ddPCR、RT-qPCR、NGSなどの高感度アプリケーションを含む各種用途に使用できます。
  • 試料量:最大50 mlの原廃水または最大1 Lの低生物量の水試料
  • 収量:最大25 μg DNA、最大100 μg RNAを最大50 μlの高濃度溶液として溶出*2

*1 OneStep PCR Inhibitor Removal Kitとして単品販売されています。
*2 キット付属のDNaseⅠで処理することで、RNAのみの溶液を得ることも可能です。


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操作方法概略

試料の濃縮・前処理

① 試料の濃縮・前処理
大容量の水試料を濃縮する。

矢印
試料破砕

② 試料破砕
バイアスが生じないように微生物菌体を完全に破砕する。

矢印
DNA/RNAの精製

③ DNA/RNAの精製
ウイルス・微生物由来および遊離のTotal DNA/RNAを精製する。

矢印
PCR阻害物質の除去

④ PCR阻害物質の除去
各種アプリケーションにそのまま使用できるようにPCR阻害物質を除去する。

試料ごとの詳細な操作方法については、下記をご覧下さい。

クリックで展開します

① 試料の濃縮・前処理

■ 液体試料(原廃水、下水、天然水、処理水)の場合

  1. 50 mlコニカルチューブに最大45 mlの試料を加える。
    遠心ボトルと対応したローターの遠心分離機がある場合は、より大容量の試料を処理できる。
  2. Wastewater stabilization bufferを1/10量(45 mlの試料の場合4.5 ml)加え、ボルテックスで撹拌後、室温で10分間インキュベートする。
  3. 10,000×gで20分間遠心する。
  4. 上清を捨て、ペレットを750 μlのDNA/RNA Shieldに懸濁させた後、ZR BashingBead lysis tube(0.1 & 0.5 mm)に加える。

Wastewater Sample Collection Bottle(別売品)で採取した試料の場合

  1. 50 mlコニカルチューブに最大50 mlの試料を加える。
    遠心ボトルと対応したローターの遠心分離機がある場合は、より大容量の試料を処理できる。
  2. 10,000×gで20分間遠心する。
  3. 上清を捨て、ペレットを750 μlのDNA/RNA Shieldに懸濁させた後、ZR BashingBead lysis tube(0.1 & 0.5 mm)に加える。

■ 水試料を処理したフィルターの場合

  1. フィルターを細断し、ZR BashingBead lysis tube(0.1 & 0.5 mm)に入れ、さらに750 μlのDNA/RNA Shieldを加える。

■ 廃水固形物および汚泥の場合

  1. ZR BashingBead lysis tube(0.1 & 0.5 mm)に最大250 mgの試料を加え、さらに750 μlのDNA/RNA Shieldを加える。

■ 限界ろ過フィルターなどで濃縮した水試料の場合

  1. 濃縮処理についてはそれぞれの製品の指示に従う。
  2. DNase/RNase-freeの新しいチューブに試料を移し、終量が1 mlになるようにDNA/RNA Shieldを加えた後、ZR BashingBead lysis tube(0.1 & 0.5 mm)に移す。

■ Nanotrap Particle(Ceres Nanosciences社)で濃縮した水試料の場合

  1. 濃縮処理については製品の指示に従う。
  2. DNase/RNase-freeの新しいチューブにNanotrap Particleが入らないように試料を移し、終量が1 mlになるようにDNA/RNA Shieldを加えた後、ZR BashingBead lysis tube(0.1 & 0.5 mm)に移す。

② 試料破砕

  1. VortexミキサーまたはFastPrep-5G装置などを用いて、ZR BashingBead lysis tube(0.1 & 0.5 mm)中の試料を破砕する。
  2. 遠心分離後、DNase/RNase-freeの新しいチューブに上清を移す。

③ DNA/RNAの精製

  1. 得られた上清にViral DNA/RNA bufferを加える。
  2. Zymo-SpinⅢCG columnへの試料のアプライ・洗浄・溶出、新しいZymo-SpinⅢCG columnへの試料のアプライ・洗浄・溶出を順次行う。
    【オプション】RNAのみを得たい場合は、2つめのZymo-SpinⅢCG columnにDNaseⅠをアプライして、カラム上でDNA分解を行う。

④ PCR阻害物質の除去

  1. ZymoSpin Ⅳ-IR HRC filterに試料をアプライして、遠心する。
  2. 得られた核酸溶液は下流のアプリケーションに使用できる。


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使用例

廃水からの病原体検出例

廃水からのSARS-CoV2検出
廃水からのバクテリア検出

7.5 mlの流入廃水から、各社キットを用いて核酸を精製した(n=3)。
左)デジタルPCRによるSARS-CoV-2 RNA検出
PREvalence ddPCR SARS-CoV-2 Wastewater Quantification Kit(Bio-Rad社)を用いて、SARS-CoV-2のN2遺伝子をデジタルPCRで検出した。
右)qPCRによる細菌DNAの定量
Femto Bacterial DNA Quantification Kit(#E2006)を用いて、バクテリア由来DNAの回収量をqPCRで評価した。


ウイルス、バクテリア、真菌類由来核酸の高感度かつ直線的な回収

SARS-CoV2検出の直線性
バクテリア検出の直線性

熱不活性化したSARS-CoV-2、Candida aurisMycobacterium tuberculosisをさまざまな濃度で添加した流入廃水10 mlから本キットで核酸精製を行った。
左)RT-qPCRによるウイルス回収量の評価
Quick SARS-CoV-2 Multiplex Kit(#R3013)を用いたRT-qPCRで、SARS-CoV-2のウイルス回収量を定量し、結果をPCR反応あたりのゲノムコピー数で示した。
右)qPCRによる真菌類とバクテリアの検出
C. auris(真菌類)およびM. tuberculosis(細菌)それぞれに対する標的特異的プライマーを用いたqPCRにより回収量を定量し、結果をPCR反応あたりのコロニー形成単位(CFU)として表示した。


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アプリケーションノート

画像をクリックするとPDFファイルをご覧いただけます。

PacBio-Application-Note

廃水および一次汚泥試料から本キットで核酸精製を行った後、Onso(PacBio社)およびNextSeq 2000(Illumina社)を用いてメタゲノム解析を行った(PDF、英文4ページ)。

Nanotrap-Application-Note

生廃水試料をCeres Nanosciences社のNanotrap Microbiome ParticleまたはNanotrap Enhancement Reagentで濃縮処理を行った後、本キットで核酸精製を行い、病原性ウイルスやバクテリアの検出を行った(PDF、英文3ページ)。


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キット内容

各キットコンポーネント名をクリックすると、単品の価格表をご覧いただけます。
別途必要な装置・器具などについては製品マニュアルをご確認下さい。


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価格

[在庫・価格 :2025年04月25日 20時55分現在]

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Quick-DNA/RNA Water Kit
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最大50mlの原廃水や最大1Lの低生物量の水試料といった大容量の水試料から、超遠心や真空吸引を行わずに、PCR阻害物質を含まないDNA/RNAを精製するキット。水試料中に含まれるウイルス・微生物や、それらに由来する遊離核酸の検出が行え、廃水監視や環境モニタリングに最適。
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Quick-DNA/RNA Water Kit

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説明文 最大50mlの原廃水や最大1Lの低生物量の水試料といった大容量の水試料から、超遠心や真空吸引を行わずに、PCR阻害物質を含まないDNA/RNAを精製するキット。水試料中に含まれるウイルス・微生物や、それらに由来する遊離核酸の検出が行え、廃水監視や環境モニタリングに最適。
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関連製品:Wastewater Sample Collection Bottle

Wastewater Sample Collection Bottle

Quick-DNA/RNA Water Kitで用いているWastewater stabilization bufferをあらかじめ充填したHDPE(高密度ポリエチレン)製の250 mlサイズのボトルで、水試料を200 mlまで入れることができます。水試料中の病原体を不活性化し、微生物プロファイルを保ったまま室温での最大7日間の保存を可能にするため、試料の低温輸送が不要となります。


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高密度ポリエチレン製の250mlサイズのボトルで、水試料を200mlまで入れることができる。水試料中の病原体を不活性化し、微生物プロファイルを保ったまま室温での最大7日間の保存を可能にするため、試料の低温輸送が不要となる。Quick-DNA/RNA Water Kitの関連製品。
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高密度ポリエチレン製の250mlサイズのボトルで、水試料を200mlまで入れることができる。水試料中の病原体を不活性化し、微生物プロファイルを保ったまま室温での最大7日間の保存を可能にするため、試料の低温輸送が不要となる。Quick-DNA/RNA Water Kitの関連製品。
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お問い合わせ先

(テクニカルサポート 試薬担当)

reagent@funakoshi.co.jp

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