ヒトApolipoprotein B定量キット Quantikine Human Apolipoprotein B ELISA Kit

Apolipoprotein B（ApoB）は、パルミトイル化かつグリコシル化を受けた分子量550 kDaのタンパク質で、Large Lipid Transfer（LLT）スーパーファミリーに属しています。キロミクロンや超低比重リポタンパク（VLDL）、低比重リポタンパク（LDL）粒子を構成する主要なタンパク質です。アポリポタンパク質から成る粒子は、血液循環中におけるコレステロールやトリグリセリドの輸送に利用されています。血中ApoB濃度の測定は、循環器疾患やインスリン抵抗性、メタボリック症候群などにおけるリスクアセスメントにおいて、重要な要素となっています。摂食などによって変動しやすい血中LDLレベルやVLDLレベルに比べ、ApoBの血中レベルは比較的安定であるとされています。

食事によって摂取された脂質は小腸細胞により吸収され、ApoBと共にキロミクロン中に取り込まれます。また、肝臓により合成された内因性脂質はApoBと共にVLDLに取り込まれ、それぞれ循環血中へ放出されます。放出されたリポタンパク質粒子は、血管内皮細胞表面に発現しているリポタンパク質リパーゼとの相互作用を介して、脂質やコレステロールを各組織へ輸送します。ApoBは、VLDLレムナントやキロミクロンレムナントとして知られる縮小した劣化粒子中にも保持されており、レセプターを介したエンドサイトーシスにより肝細胞や類洞細胞に取り込まれます。