ELISAに関するさまざまな疑問にお答えします！ ELISA Kit製品に関するFAQ（R&D Systems）

A-1. ウェルを取り外せるストリップタイプですので可能です。使用しないウェルはプレートから取り外し、乾燥材が入ったホイルパウチに戻し、2～8℃で最大1か月間保管可能です。

A-2. R&D Systemsでは脱イオン水を用いて検証を行っていますので、脱イオン水の使用をおすすめします。蒸留水を使うことによる測定結果への影響は検証されていません。

A-3. 保証対象外試料での測定可否は検証されていませんので、未検証試料の測定可否をご判断いただく場合には、添加回収試験（Spike and Recovery Test）の実施を推奨いたします。試験の詳細は☞ R&D Systems ELISA 添加回収試験（Spike and Recovery Test）プロトコルをご参照下さい。

A-4. インキュベーション中は全てのプレートを一定の条件に保つため、プレートは積み重ねないことを推奨いたします。

A-5. 単品販売されている組換えタンパク質製品はELISA系に使用するための校正が行われていません。そのため使用可否はR&D Systemsで校正済みのスタンダードと比較して検証のうえご判断いただく必要があります。

A-6. R&D Systemsでは検証された標準曲線範囲外での測定を保証していません。標準曲線の範囲は、複数回にわたる検証によって信頼できる値として設定されています。保証されていない範囲外に濃度を追加すると、一貫性のないシグナルや偽陽性を生じる可能性があります。

A-7. 推奨プロトコルはありません。熱または化学的な試料の前処理は、ほとんどのタンパク質の立体構造を変化させる可能性があります。前処理をした試料で測定する場合は、その都度検証を行うことを推奨します。

A-8. Assay DiluentやCalibrator Diluentに異好性抗体のブロッキング剤は含まれていませんが、結合因子、可溶性レセプター、HAMA、リウマチ因子のような干渉因子つまり、擬陽性を最小限に抑えるように調製されています。そのため、試料に異好性抗体のブロッキング剤を添加する必要はありません。

A-9. いいえ。Assay Diluentはスタンダードと試料の両方のウェルに同じ量が添加され、試料の測定値は標準曲線から算出されるため、試料の希釈倍率や最終分析物の濃度の計算の際にAssay Diluentの添加量を考慮する必要はありません。

A-10. 各製品の異なる生物種への検証結果についてはデータシートの"SPECIFICITY"に記載されています。また、各ELISAキット製品のウェブページ引用文献タブから、実際に測定された生物種などの文献情報をご確認いただけます。

A-11. ライセ－ト試料で検証済みの製品の場合、試料の調製方法は各製品のデータシートに記載されています。ライセ－ト試料が検証されていない製品の場合、ライセ－トや溶解液中の成分が免疫反応に影響を及ぼす可能性がありますのでご注意下さい。

A-12. 従来のELISAアッセイでは血清、血漿、調製培地などの試料中の目的因子の濃度を測定します。一方、ELISpotアッセイでは目的因子を分泌した相対的な細胞数を算出します。細胞をウェルに添加すると、プレートに固相化された捕捉用抗体が細胞から分泌された目的因子と結合します。目的因子が分泌された位置はウェルの底にスポット（点）として可視化されます。

A-13. Parameter ELISA Kitでは、一般的に7点のスタンダード、コントロール^*、非特異的結合用のウェル、39試料の二重測定が可能です。これはキットによって多少異なる場合がありますので、詳細は各製品のデータシートをご参照下さい。
＊ コントロールはオプションです。コントロールを含めない場合は、40試料の二重測定が可能です。

A-14. Calibrator Diluentには動物血清やタンパク質が含まれている場合があり、これらの生物的な成分にバラつきがあるため、ロットによって色や濁度など外観が異なる場合があります。各ロットは販売前に品質試験を行い、性能基準をクリアしていることが確認されていますので、使用には問題ありません。

A-15. R&D Systemsでは、振とう速度は500 RPMに設定した0.12インチのオービットシェイカーを用いて検証を行っています。シェイカーの仕様や設定が異なりますと、OD値に差異が生じる可能性があります。

A-16. さまざまな方法が考えられますが、一例として以下の方法をお試し下さい。

• リバース法でピペッティングを行う。
  リバース法は粘性のある液体に推奨されるピペッティング方法です。プランジャーを2番目の停止位置まで押し込み、静かに溶液を吸い上げます。その後、1番目の停止位置までプランジャーを押すことで分注します。
• 凍結乾燥試薬を再構成する際にボルテックスや激しい振盪を避ける。
• プレート洗浄にはマルチチャンネルピペットでなく洗浄瓶、全自動プレートウォッシャー、またはマニホールドディスペンサーを用いる。

A-17. 主な理由として、ピペッティングの手技が一貫していないことやプレート洗浄が不適切であることが考えられます。精度向上のため、ピペッティングはリバース法を推奨いたします。全自動プレートウォッシャーやマニホールドディスペンサーが使用できない場合は、洗浄瓶をご使用下さい。実際の操作方法は下記動画からご覧いただけます。

A-18. 標準的な寸法である127.76 mm^L × 85.48 mm^W × 14.22 mm^Hです。

A-19. サンドイッチELISA法は、試料中の目的因子に特異的な捕捉抗体を固相化して利用します。目的因子が捕捉抗体に結合した後、さらに検出用の標識二次抗体を反応させることで、目的因子は二つの抗体に挟まれます。この手法は非常に感度が高く、標準曲線との比較により定量的に測定できます。

A-20. 競合ELISA法は、試料中の非標識抗原と外因性の標識抗原が抗体の結合部位をめぐって競合する現象を利用する手法です。よって競合ELISA法においては、試料中の目的因子の濃度が高いほど得られるシグナルが低下します。

A-21. OD値はさまざまな要因の影響を受けます。スタンダード調製時の実験者の手技、洗浄方法、インキュベーションのバラつき、プレートリーダーのキャリブレーションなどによってシグナルは変動する可能性があります。各製品のデータシートに掲載されている標準曲線のOD値は一例としてご参照下さい。最大濃度のOD値は1.0～3.5が一般的です。測定結果の信頼性を高めるには、R&D Systemsが販売しているコントロール（QC Immunoassay Controls）をご利用下さい。

A-22. R&D Systemsではサイトカインの半減期について検証を行っていません。回収した試料は直ちに測定するか、一回分ごとに分注し凍結保存することをおすすめします。タンパク質の分解を防ぐため、凍結融解の繰り返しは避けて下さい。

A-23. 補正波長の測定はプレートの光学誤差を補正するために行います。一般的に540～690 nmの波長で補正が可能ですが、R&D Systemsでは540 nmまたは570 nmを推奨しています。補正を行わず450 nmのみでデータを算出すると、測定値が高くなり精度が下がる可能性があります。

A-24. Wash Bufferに含まれるProClin 300により黄色くなる場合があります。ProClin 300は、診断または研究用試薬に用いられる透明から淡黄色の保存剤です。Wash Bufferの黄色は時間経過や室温での保存により顕著になる場合があります。この色の変化は試薬の保存性や測定結果に影響を及ぼしません。

A-25. この現象はウェル中で基質とStop Solutionが完全に混ざっていない場合に起こります。Stop Solutionを添加後、ウェル中の混合液が黄色になるまでプレートを穏やかにタップするかシェイカーで混合します。不十分な混和を防ぐために、ピペットの先端をウェル内壁の側面に対して45度の角度にして素早くStop Solutionを添加することを推奨しています。

A-26. この現象は、HRP標識検出用抗体（またはHRP標識ストレプトアビジン）でのインキュベート後の洗浄が不十分な場合に見られます。基質およびStop Solutionの添加時にHRPが存在していると、橙褐色または茶褐色の沈殿が見られます。各洗浄操作時にWash Bufferを入れて30秒間おき、その後ウェルから液体を完全に取り除くことで改善される場合があります。

A-27. R&D Systemsでは４パラメーターロジスティック（4-PL）曲線を用いて製品の検証を行っています。代替法として、Microsoft Excelにおいてスタンダードの濃度の対数とスタンダードのOD値の対数をプロットし、線形回帰により標準曲線を作成することも可能です。このExcelを用いた方法で作成された標準曲線は適切ですが、精度は低くなります。

A-28. R&D Systemsでは、感度を「バックグラウンドと確実に区別できる、検出可能な最低濃度」と定義しています。感度はブランクの吸光度を20ウェル分測定し、その平均値に2×標準偏差を足し、濃度へ変換することで算出しています。測定範囲は、ロットや実験者が異なる場合においても信頼性の高い、正確な測定結果を算出できる濃度範囲です。スタンダードの最低濃度は、測定結果を信頼し保証できる限界濃度です。スタンダードの限界濃度以下の試料では正確な測定が行えない可能性があります。

A-29. 考えられる1つ目の理由は、組換えタンパク質を標準曲線範囲の濃度に調製する場合、μg/mlからpg/mlへというように高い倍率で希釈する必要があるためです。希釈倍率が高いほど誤差が生じやすくなります。ピペッティングのエラーやピペットの校正ミスは回収率の誤差につながります。

2つ目の理由は、R&D SystemsがELISAキットの開発の際に用いたタンパク質ではないためです。 一般的に、ELISAアッセイでタンパク質濃度を測定する場合、タンパク質のバイアルに記載されている量の±25%の回収率が期待されます。 抗体が認識できる質量がタンパク質のロット間でわずかに異なる可能性があるため、ELISAで測定した場合、測定値はタンパク質のロットごとに異なる場合があります。 通常の組換えタンパク質をコントロールとして用いる場合の濃度は、ELISAアッセイでの測定値をご参照いただくことを推奨します。

A-30. 試料中の目的タンパク質濃度を標準曲線の範囲内に収めるためと、試料中の因子による測定結果への干渉を抑えるためです。

A-31. ある種のタンパク質はガラスやポリスチレンに付着しやすいですが、ポリプロピレンチューブには付着しにくいためです。

A-32. 非働化済みヤギ血清はバックグラウンドを抑え、S/N比を向上させるので、ウシ胎児血清の使用は推奨しません。

A-33. マトリックス効果は、溶液中に含まれる阻害物質により正確な測定値が算出できなくなる現象です。この現象は抗原の競合因子や、異好性抗体、自己抗体などの物質による特異的な反応が原因となる場合があります。また、タンパク質濃度やイオン強度、pH、そのほか抗原抗体反応に影響を及ぼす血清成分などが原因で非特異的な結合（干渉）を引き起こす場合もあります。

A-34. バイアルと再構成用バッファーを室温に戻して下さい。その後、データシートもしくは試験成績書記載のバッファー量を加え、穏やかに混合して下さい。泡立ちやタンパク質の変性の原因となるボルテックスは避けて下さい。

A-1. Quantikine ELISA Kitは、各製品プロトコルに記載されている適用試料を検証し、最適化された製品です。捕捉用抗体がコーティング済みの96ウェルプレート、HRP標識済みの検出用抗体、その他測定に必要な試薬類がすべて含まれているため、ご購入後すぐにご使用いただけます。

DuoSet Kitは、お客様ご自身で構築するELISAキットです。捕捉用抗体、検出用抗体、スタンダード、HRP標識済みストレプトアビジンが含まれています^*1。DuoSet Kitは細胞培養上清試料でのみ検証されており、血清や血漿などその他試料をご使用の際には、お客様ご自身で条件を検証していただく必要があります。ELISAアッセイに慣れており、コストを下げたい、ご自身でカスタマイズしたいお客様におすすめします。
＊1 その他、測定に必要なプレートやバッファー類は別途ご用意いただく必要があります。

A-2. 製品によって同じ抗体ペアが使用されている場合と、異なる抗体ペアが使用されている場合があります。Quantikine ELISA KitとDuoSet Kitは異なる種類の試料に合わせて個別に設計されているため、同じ条件の製品とは限りません。各製品の検証で最も適した抗体が選択されています。

A-3. 標準曲線の範囲内の濃度であれば測定可能です。しかし、正常ヒト試料ではキットの検出限界以下となる場合があります。各製品のデータシート中の"Sample Value"の項目を参照いただき、正常ヒト試料で検証を行った際の測定値をご確認下さい。また、お客様の試料濃度が標準曲線の範囲内であることを確認するために、事前に文献情報をご参照いただくことを推奨いたします。

サイトカインについて、もし試料中に極微量しか存在しないことが分かっている場合は、高感度タイプのQuantikine HS（High Sensitivity）Kitのご使用もご検討下さい。

A-4. Quantikine HS（High Sensitivity） Kitは、測定対象の因子が非常に低濃度であることが予想される場合におすすめの製品です。測定対象因子のシグナルを増強させることにより測定を行います。文献などからどちらのキットがお客様の用途に適しているかご確認いただくことを推奨します。

A-5. ヒト試料用キット（Human Quantikine ELISA Kit（colorimetric）、Quantikine HS ELISA Kit（high sensitivity）、QuantiGlo ELISA Kit（chemiluminescent））は、3つの異なる濃度のコントロールがセットになった別売があります。各ELISAキットに対応するコントロールセットについては、メーカーサイトの"Supplemental Products"からご覧いただくか、☞ 当社テクニカルサポート（試薬担当）までお問い合わせ下さい。

A-6. コントロールの有効期限は製品の受領後6か月です。一度使用したら廃棄して下さい。凍結乾燥状態で適切に保管された場合、長期間安定である可能性がありますが、長期間の安定性試験は実施していません。また、コントロールの再構成後の安定性については試験していません。

A-7. コントロールはデータシートの記載通りに再構成し、希釈せずにご使用いただく必要があります。試料を希釈する場合でもコントロールは希釈しないで下さい。

A-8. 各製品には試料の希釈に十分な量のCalibrator Diluentが含まれています。Calibrator Diluentが不足する場合、試料の2段階希釈をお試し下さい。1回目は培地で希釈を行い、2回目はCalibrator Diluentで希釈を行って下さい。最終希釈倍率が少なくとも1:10になるように調製して下さい。
それでもCalibrator Diluentが不足する場合は、☞ 当社テクニカルサポート（試薬担当）までお問い合わせ下さい。

A-9. 臨床試料についての調製方法は、推奨プロトコルをご用意していません。一般的に、公開されている文献などをご参照いただき、凍結融解を極力控える方法で調製することをおすすめします。

A-10. 組織ホモジネートや細胞ライセート試料の使用が検証されている製品については、専用の溶解または抽出バッファーが付属しています。その他の製品については、プロトコルの"Other Supplies Required"に記載されている場合や、一般的な試料調製手順がプロトコルの"Sample Values"に記載されている場合がありますので、ご参照下さい。

A-11. 各製品のインキュベーション時間や温度は最適化されており、プロトコルに記載されている条件でのみ検証されています。これらの条件が変更された場合、製品の品質を保証できませんので推奨しません。

A-12. WHOスタンダードが存在する分析物については、キットの添付文書に単位換算式が記載されています。これらの単位はバイオアッセイで決定されたものであり、質量校正されていないことにご注意下さい。

A-13. ほとんどのヒト試料用のQuantikine ELISA Kitは二重測定でスタンダードと40試料が測定可能です。詳細は各製品のプロトコルをご参照下さい。
※ オプションでコントロールも測定する場合は、39試料の測定となります。

A-14. 1プレートあたり二重測定でスタンダードとコントロールと39試料が測定可能です。一部の製品には1製品にプレートが2枚含まれています。詳細は各製品のプロトコルをご参照下さい。

A-15. 免疫沈降／ウエスタンブロットで検出できる試料はQuantikine ELISA Kitでも検出可能であり、その逆も同様であることを示しています。なお、ELISAアッセイでのシグナルが4～5倍異なる場合にのみ、免疫沈降／ウエスタンブロットでシグナル強度の違いを確認できます。免疫沈降／ウエスタンブロットでは、それより小さい差を検出することは難しいです。

A-16. 全ての製品はロット毎に品質試験が行われています。異なるロットの構成品を使用すると測定結果に影響を及ぼす可能性があります。

A-17. 同一製品間でWash Bufferの商品コードが同じであれば、交換して使用できます。
※注意 Quantikine ELISA Kit同梱のWash Bufferは、Quantikine HS（High Sensitivity）ELISA Kitには使用できません。Quantikine ELISA Kit同梱のWash Bufferに含まれるリン酸塩は、Quantikine HS ELISA KitのNADPHによるシグナルの増幅を阻害します。

A-18. Assay Diluent、Calibrator Diluent、Substrateは商品コードとロット番号が同じであれば交換できます。R&D Systemsではキット全体で品質試験を行っているため、異なるロットの構成品で代用することは推奨しません。なお、プレートとConjugateはどのような場合でも交換できません。

A-19. 通常、スタンダードと試料希釈用のCaliburator Diluentがあります。キット内に複数のCaliburator Diluentが含まれる場合、各製品のプロトコルに試料の種類ごとにどの試薬を使用するべきかについて記載されています。スタンダードと試料を同じ種類のCaliburator Diluentで希釈することで、これらを同条件で反応させることができるためです。
Assay Diluentは、試料やスタンダード、コントロールをウェルに添加する前に一定量添加する試薬です。Assay Diluentは、キットに必要量より多く供給されていますが、このステップ以外に用途はありません。Assay Diluentは試料のインキュベーションに必要な成分が含まれており、試料中に存在する他の物質がアッセイに干渉することを防ぐ役割があります。

A-20. 成分が飽和状態であるため、一部のAssay Diluent RD1には沈殿物が見られる場合があります。これは正常な状態であり、このことはデータシートにも記載されています。データシートに記載がない製品の場合は☞ 当社テクニカルサポート（試薬担当）までお問い合わせ下さい。

A-21. Quantikine ELISA Kitにはコート済みマイクロプレート、標識済み検出用抗体、スタンダード、希釈液、基質、反応停止液、洗浄バッファー、プレートシーラーが同梱されています。これら構成品はデータシートに記載された試料に最適化されています。優れた品質を実現するため、徹底的な検証が行われています。

A-22. 異なるロットのスタンダード間で一貫した質量校正を行うため、再構成量は製造時に設定されます。再構成量については、スタンダードのバイアルのラベルをご参照下さい。

A-23. 全自動プレートウォッシャーが使用できない場合、洗浄瓶を用いることを推奨いたします。ウェルをWash Bufferで十分に洗浄し、洗浄後はWash Bufferを完全に取り除いて下さい。Wash Bufferが他のウェルに溢れても測定結果に影響はありません。また、マルチチャンネルピペットのご使用は十分に洗浄できない場合があるため推奨できません。

A-1. Quantikine ELISA Kitは各製品プロトコルに記載の適用試料を検証し、最適化されたELISAキットです。捕捉抗体コーティング済みの96ウェルプレート、HRP標識済み検出用抗体、その他測定に必要な試薬類がすべて含まれているため、ご購入後すぐにご使用いただけます。

DuoSet Kitはお客様ご自身で構築するELISAキットです。捕捉用抗体、検出用抗体、スタンダード、HRP標識済みストレプトアビジンが含まれています^*2。DuoSet Kitは細胞培養上清試料でのみ検証されており、血清や血漿などその他試料をご使用の際には、お客様ご自身で条件を検証していただく必要があります。ELISAアッセイに慣れており、コストを下げたい、ご自身でカスタマイズしたいお客様におすすめします。

＊2 その他、測定に必要なプレートやバッファー類は別途ご用意いただく必要があります。

A-2. DuoSet Kitは細胞培養上清試料でのみ検証されています。血清／血漿試料をご使用の場合、お客様ご自身で実験条件の最適化を行っていただく必要があります。未検証の試料で測定可能か検証する際には、添加回収試験（Spike and Recovery Test）と直線性試験（Linearity Test）の実施を推奨します。これら試験の詳細は☞ R&D Systems ELISA 添加回収試験（Spike and Recovery Test）プロトコルをご参照下さい。

A-3. Quantikine ELISA KitとDuoSet Kitでは同じ因子であっても異なる試薬が使用されているため、その結果、感度が異なる場合があります。DuoSet Kitはお客様ご自身でアッセイを構築する製品であり、細胞培養上清試料での使用が検証されています。感度の向上、その他試料での測定についてはお客様ご自身でご検討下さい。Quantikine ELISA Kitはさまざまな試料で検証されており、キット構成品の各試薬は高感度を得られるように最適化されています。

A-4. 製品によって同じ抗体ペアが使用されている場合と、異なる抗体ペアが使用されている場合があります。Quantikine ELISA KitとDuoSet Kitは異なる種類の試料に合わせて個別に設計されているため、同じ条件の製品とは限りません。各製品の検証で最も適した抗体が選択されています。

A-5. DuoSet Kitの抗体とスタンダードは再構成後の濃度での保存を推奨いたします。試験成績書（Certificate of Analysis, CoA）の記載に従って再構成を行って下さい。抗体とスタンダードは希釈後直ちに使用し、余った溶液は廃棄することを推奨します。希釈後の濃度での保存は推奨しません。

A-6. R&D Systemsでは、各製品のデータシートに記載されているバッファーのみ検証を行っております。少量の界面活性剤でしたら捕捉用抗体や抗原への影響は少ないと思われますが、界面活性剤による測定結果への影響は検証されていません。界面活性剤を加えたことによる製品の性能への影響は、お客様ご自身で検証されることをおすすめします。

A-7. データシートに記載の通り、プレートは一晩コーティングした翌日に使用することを推奨いたします。捕捉用抗体で長時間インキュベートすることはおすすめしません。短期間（24時間以内）の保管でしたら、ブロッキングの段階（Plate Preparation Protocol, step３）で止め、4℃で一晩、プレートをReagent Diluent blocking bufferに浸した状態で保管して下さい。翌日、プレートを室温に戻し、次の手順に進みます。24時間以上のブロッキングは推奨いたしません。

A-8. 捕捉用抗体のコーティングでは、インキュベーション時間は一晩を推奨いたします。ブロッキングも24時間以内として下さい。

A-9. DuoSet Kitには一部試薬（捕捉用抗体、検出用抗体、スタンダード、HRP標識ストレプトアビジン）のみが含まれており、その他の必要な試薬類はお客様ご自身でご用意いただく必要があります。そのためこれらのデータはお客様の実験条件によって変動する可能性がありますので、お客様ご自身でご検証いただく必要があります。Quantikine ELISA Kitについては、これらのデータが公開されています。

A-10. DuoSet Kitの各構成品にアジ化ナトリウムは含まれていません。捕捉用抗体と検出用抗体にはその他保存剤も含まれていません。

A-11. BSAのグレードはELISAアッセイの成功のための重要な要素の一つです。純度98%以上のBSAを推奨いたします。BSA溶液としては、Reagent Diluent Concentrate 2（#DY995）やReagent Diluent Concentrate 1（#DY997）などのデータシートで推奨された試薬の使用をおすすめします。

A-12. 一般的に以下の原因が考えられます。

• BSAのグレード：脂肪酸を含まず、純度が98%以上のBSAをご使用下さい。これにより測定結果に干渉する可能性があるグロブリン、タンパク質の量を減らすことができます。R&D Systemsで販売しているBSA（#DY995、#DY997）の使用を推奨いたします。
• 温度：各試薬が室温になっていない場合や過度に冷えた室内で実験を行う場合、シグナルの減少の原因になる場合があります。
• マイクロプレート：高結合型のELISA用マイクロプレートをご使用下さい。ELISA用以外のマイクロプレート（細胞培養用など）の使用は、捕捉用抗体が十分に結合しない可能性がありますので推奨いたしません。R&D Systemsのマイクロプレート（#DY990、#DY991）をご購入いただけます。
• 試薬の管理：試薬の溶解が不十分な場合や不適切な保管はシグナルの低下の原因となります。試薬の溶解の際には5～10分程度、穏やかに攪拌することを推奨いたします。

A-13. R&D Systemsでは各ロット毎に品質試験を行っているため、異なるロットの構成品を使用すると測定結果に影響を及ぼす場合があります。

A-14. FBSからご検討いただくことを推奨します。

A-15. R&D Systemsから販売している、透明（#DY990）または黒（#DY991）のマイクロプレートと、プレートシーラー（#DY992）がおすすめです。ご参考までに、EvenCoatマイクロプレート（#CP001、#CP002）も利用が可能ですが、併用できるかどうかはご利用いただくDuoSet Kitのデータシートを事前にご確認下さい。

A-16. 凍結乾燥のペレットが観察されない一般的な理由は以下の通りです。

1. 凍結乾燥品が輸送中または取り扱い中にバイアルの壁面やフタに分散してしまい、視認が難しい場合があります。その場合、バイアルを叩いたり遠心することで、凍結乾燥品をバイアルの底に集めて下さい。
2. 抗体の安定性を向上させるために混合されている賦形剤の影響で、時間経過とともに水分を吸収し、外観が透明なフィルム状に変化している場合があります。そのような場合でも、製品の品質や性能に影響がないことを確認していますので、別の容器へ移す前に完全に溶解して下さい。

A-17. 全自動プレートウォッシャーが使用できない場合、洗浄瓶を用いることを推奨いたします。ウェルをWash Bufferで十分に洗浄し、洗浄後はWash Bufferを完全に取り除いて下さい。Wash Bufferが他のウェルに溢れても測定結果に影響はありません。
また、プレートの洗浄をマルチチャンネルピペット使用して行うことは、十分に洗浄できない場合があるために推奨しません。