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Vol. 86 高品質なVHH抗体をお手頃価格で(QVQ Holding社)

掲載日情報:2022/07/15 現在Webページ番号:70279

Frontiers

Vol.86  高品質なVHH抗体をお手頃価格で

QVQ社は、ユトレヒト大学の出身者によって、2010年にオランダで設立されたメーカーです。トップレベルの学術グループや産業界のパートナーと密接に連携し、最高品質のラマVHH抗体の販売やカスタムVHH抗体の作製受託サービスを提供しています。今回は、共同設立者でCEOのDr. Edward Dolkと、プロジェクトリーダーのMs.Marjolein Kuijprsにお話を伺いました。

ラマVHH抗体の開発から納品までトータルサポート

QVQ社は、VHH抗体のプロジェクトの設計から免疫、ご希望のエピトープに対する抗体の探索、グラムスケールのタンパク質の製造・納品まで、一括したサービスを提供しています。

QVQ社VHH抗体作製サービスのフロー

ラマVHH抗体とは
ウサギやマウスなどの一般的なIgG抗体は軽鎖と重鎖の2種類の組み合わせで構成されるのに対して、ラマやアルパカなどラクダ科の動物は重鎖のみから構成されるIgG抗体を有しています。QVQ社のVHH抗体はラマ由来の約15 kDaのシングルドメインからなるモノクローナル抗体です。

一般的な抗体とVHH抗体の比較

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世界中の研究者の要望にも柔軟に対応

QVQ社は、15名の専門スタッフから成るチームで構成され、毎年アメリカやヨーロッパ、中国、そして日本を含む世界中の研究者から40以上のプロジェクトの注文を受けています。研究者からの個別の要望にお応えできる柔軟性が当社にはあり、次世代の抗体作製に求められる高い要求にも十分応えられます。
QVQ社では、リードパネルの最適化やヒト化、バクテリア/酵母でのカスタム産生など、抗体のカスタムモジュレーションにも対応します。さらに、下記に示すような「型にはまらない」抗体フォーマット化も可能です。
対応可能なフォーマット例:Fcドメインの融合、二価抗体、二重/多重特異性抗体、ナノ粒子への結合

QVQ社VHH抗体の特長

  • 高親和性:免疫沈降またはイムノアフィニティ精製に有用です。
  • 高い組織透過性:生細胞、in vivoイメージングや免疫細胞染色に有用 です。
  • 迅速な血液クリアランス:高いS/N 比および短期間でin vivoイメージングが行えます。
  • 低分子量(通常の抗体の1/10):電子顕微鏡や超解像STED顕微鏡などの高分解能イメージングに有用です。
  • 簡単に蛍光色素やビオチンなどで標識可能VHH抗体のC末端にフリーのシステインとC-tag が付加されています。マレイミド標識された蛍光色素やビオチンなどVHHへの任意の標識が可能であり、抗C-tag抗体による検出やアフィニティレジンを用いた免疫沈降実験が簡単に行えます。
QVQ社VHH抗体の標識について

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今後の展望

2022年現在では、QVQ社は科学力を合理的な委託研究事業へと転換し、VHH抗体の高品質なリードパネルをお手ごろな価格で産生し、次世代の革新的な医薬品、研究ツール、ワクチンまたはアッセイを作るための構成要素を生み出すことを目的としています。



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日本の研究者に向けて

私たちは、フナコシを通じて日本の研究グループや企業へ、ラマ由来VHH抗体を提供できることを嬉しく思っています。また、私たちは日本のバイオテクノロジーは非常に想像力にあふれていると感じています。幅広い用途に使用できるVHH抗体が、新たな革新的ツールの実現や創薬研究を支援できることを願っています。



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QVQ社の主要なメンバーをご紹介


Edward Dolk, PhD(Co-founder, CEO, Member of the Board)

ラマ由来VHH抗体の研究・医療への応用にいち早く注目した人物の一人。通常の使用条件下でのVHH生成に関する研究でPhDを取得し、Springer ProtocolsのMethods in Molecular Biologyシリーズ「Single Domain Antibodies」にもシングルドメイン抗体に関して寄稿。ファージディスプレイによるラマ抗体フラグメントの作製は20年以上の経験がある。PhDおよびポスドクの活動はすべて、企業(Unilever Research、Ablynx、argenx など)との官民パートナーシップに関連しており、産業界と強い繋がりを持つ。多くの学生やPhDを指導し、国際的な査読付きジャーナルに9 つの論文を発表し、10種類以上のVHH抗体に関する特許の共同発明者でもある。H2020プロジェクト“OPATHY”やEurostarsプロジェクト“METADETECT”など、複数の国際プロジェクトにも関わる。科学とビジネス、双方の業界に大きなネットワークを持ち、科学コミュニティの中でVHH抗体をより身近な存在にすることに注力している。

QVQ社Edward Dolk氏

Raimond Heukers, PhD(CSO, Member of the Board)

QVQ社の技術的専門知識と発展、そして疾患の早期発見・治療に関する国内外での研究プロジェクトへのQVQ社の貢献について、責任を担う。化学、生化学、生物医学のバックグラウンドを持ち、ユトレヒト大学でレセプタークラスター/オリゴマーの調査と治療的活用に関する研究に携わり、細胞生物学の博士号を取得。その後、腫瘍関連レセプターの操作と治療標的化のために、抗体やVHHなどの抗体フラグメント、融合体、その他スキャフォールドの開発と利用についてさらに専門知識を身に着ける。ポスドクとして、GPCRを標的とするVHHの発見と特性評価のため、アムステルダム自由大学にVHH選択プラットフォームを設立。現在、このプラットフォームはCXCR4およびACKR3(CXCR7)(ITN ONCORNETおよびONCORNET2.0、H2020)、ウイルスによってコードされたケモカインレセプター(STWおよびNWO)およびヒスタミンレセプター(NWO)に焦点を置いたプロジェクトのリード分子を生成しており、これらのプロジェクトに携わる博士課程の学生の後援者でもある。VHHを標的としたケモカインレセプターの開発に関わる論文を含め、28以上の査読付きジャーナルで論文を発表。特許や助成金申請にも貢献し、多くのポスター賞や旅費助成金を授与される。最近ではEdward博士と共に、Eurostarsプロジェクト”META-DETECT”の最終段階に関わっている。

QVQ社Raimond Heukers氏

Marjolein Kuijprs, BASc(Project leader)

VHH抗体プロジェクトに関わる重要なテクニシャンの一人。ユトレヒト応用科学大学を卒業し、2015年にQVQ社へ入社。免疫からリード候補のセレクションまで全プロジェクトを遂行し、特にリード分子を選択するためのVHH抗体ベースのファージディスプレイパニングに重点を置いて担当している。QVQ社への入社後すぐにシニアテクニシャンやジュニアプロジェクトマネージャーを経験。現在は受託研究プロジェクトに関わり、プロジェクトの計画、調整、実行、コミュニケーションの責任者を務める。その過程で、4人の技術者を育て、定期的に学生の指導にもあたる。また、学術研究プロジェクトやMETA-DETECTにも関わった。

QVQ社Marjolein Kuijprs氏

Stephanie Anbuhl, MSc(Research Scientist)

2021年にQVQ社のメンバーに加わる。ハノーファー大学(ドイツ)で理学士号を取得後、コペンハーゲン大学(デンマーク)とアムステルダム自由大学(オランダ)で薬学における修士号を二つ取得。主要な研究プロジェクトおよび論文に取り組む中で、ケモカインレセプターに対するVHH分子の選択、生産、特性評価に関する専門知識を習得。ケモカインレセプターのH2020プロジェクト”ONCORNET2.0”の博士課程の学生の一人として、このプロジェクトに関する議論を積み重ねてきた。アムステルダム自由大学の分子薬理学教授でGPCRナノボディ専門家のMartine Smit氏の一部指導のもと、現在はCXCR4とACKR3を標的とするVHHに関するプロジェクトに携わっている。



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QVQ社製品/受託サービスのご紹介

乳がんなどの腫瘍のマーカーであるHer2(ErbB2)に対するVHH抗体 Anti-Her2 (llama VHH domain antibody)


肺がんなどの腫瘍のマーカーであるEGFRに対するモノクローナルVHH抗体 Anti-EGFR(llama VHH domain antibody)


in vivoイメージングなどに有用なVHH抗体を作製する受託サービス ラマVHH抗体の作製受託サービス

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お問い合わせ先

(テクニカルサポート 試薬担当)

reagent@funakoshi.co.jp

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