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イノシトールリン脂質代謝回転阻害を示すイノスタマイシンA Inostamycin A (Sodium Salt) [CAS: 1884611-95-3]

掲載日情報:2022/08/19 現在Webページ番号:69712

イノスタマイシンA(Inostamycin A)は、Streptomyces sp. MH816-AF15株の培養液から単離されたシチジン二リン酸-ジアシルグリセロール(CDP-DG):イノシトールトランスフェラーゼの阻害物質です 1)
イノスタマイシンAは、A431細胞を用いたアッセイ系において、EGFによって誘導されるイノシトール脂質へのイノシトールの取り込みを阻害し、IC50は約0.5 μg/mlでした 2)。A431細胞膜のin vitro CDP-DGのIC50は約0.02 μg/mlでした 1)。srk-NIH-3T3細胞に対して細胞破壊活性(IC50 は約0.07 μg/ml)を示しました 3)。また、イノスタマイシンA は3 μg/mlでKB-C4細胞に対するコルヒチンの細胞毒性を増強しました 4)。0.1 μg/mlでMS-1細胞のG1期への累積を引き起こし、より高濃度(0.3 μg/ml)では形態的にアポトーシスを誘導しました 5)。さらに、小細胞肺がん細胞に対して、タキソールの殺細胞効果を増強することも報告されています 6)
本製品は研究用です。研究用以外には使用できません。


Inostamycin Aの構造式

Inostamycin A (Sodium Salt)(#14652)の構造式



特長

  • 純度:>90%(qNMR)
  • CAS No.:1884611-95-3 (sodium salt)、129905-10-8(salt free form、参考情報)
  • 分子式:C38H68O11Na(sodium salt)
  • 分子量:722.933(sodium salt)
  • メタノール、クロロホルム、アセトンに溶解し、水やヘキサンには不溶。

本製品はNa塩として提供。


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Inostamycin Aのイノシトールリン脂質代謝回転阻害活性のメカニズム

Inostamycin Aの構造式

細胞膜に存在するホスファチジルイノシトール(PI)から生成されたホスファチジルイノシトール2リン酸(PIP2)が、ホスフォリパーゼC(PLC)によってイノシトール3リン酸(IP3)とジアシルグリセロール(DG)に分解され、IP3はイノシトール(I)へと変換される。生成したIはCDP-DGと結合してPIが再合成される。この代謝回転をイノシトールリン脂質代謝回転という。この代謝回転で生じたIP3は小胞体からCa2+を放出させ、そのCa2+とDGによってプロテインキナーゼC(PKC)が活性化され、細胞内の様々なタンパク質をリン酸化することで増殖シグナルやがんの悪性化シグナルを活性化させる。
Inostamycin Aはこのイノシトールリン脂質代謝回転のIとCDP-DGからPIを合成する過程を阻害し、G1期で細胞周期を停止させることで細胞増殖を阻害する 2)



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生理活性・作用の報告例

  • A431細胞を用いたアッセイ系において、EGFによって誘導されるイノシトール脂質へのイノシトールの取り込みを阻害し、IC50値は約0.5 μg/mlを示した 2)
  • A431細胞膜のin vitro CDP-DGのIC50は約0.02 μg/mlを示した 1)
  • srk-NIH-3T3細胞に対して細胞破壊活性を示し、そのIC50は約0.07 μg/mlを示した 3)
  • 3 μg/mlでKB-C4細胞に対するコルヒチンの細胞毒性を増強した 4)
  • 小細胞肺がん細胞に対して、タキソールの殺細胞効果を増強した 5)
  • 0.1 μg/mlでMS-1細胞のG1期への累積を引き起こし、より高濃度(0.3 μg/ml)では形態的にアポトーシスを誘導した 6)

本数値は文献に基づく数値であり、販売用本製品についての生理活性有無の実証実験はしていません。



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参考文献

  1. Imoto M. et al. J. Biochem., 112, 299~302 (1992).
  2. Imoto M. et al. J. Nat. Prod., 53(4), 825~829 (1990).
  3. Odai H. et al. J. Antibiot., 47(8), 939~941 (1994).
  4. Kawada M. et al. J. Antibiot., 45(4), 556~562 (1992).
  5. Imoto M. et al. Jpn. J. Cancer Res., 89(9), 315~322 (1998).
  6. Simizu S. et al. Jpn. J. Cancer Res., 89(9), 970~976 (1998).


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価格

[在庫・価格 :2024年04月19日 10時35分現在]

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納期 文献数
Inostamycin A (Sodium Salt) <Antitumor>
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説明文
Na塩として提供。A431細胞を用いたアッセイ系で,EGFによって誘導されるイノシトール脂質へのイノシトールの取り込みを阻害(IC50 = 約0.5 µg/ml)。A431細胞膜のin vitro CDP-DGのIC50は約0.02 µg/ml。srk-NIH-3T3細胞に対して細胞破壊活性を示すIC50は約0.07 µg/ml。小細胞肺がん細胞に対して,タキソールの殺細胞効果を増強。 0.1 µg/mlでMS-1細胞のG1期への累積を引き起こし,より高濃度(0.3 µg/ml)では形態的にアポトーシスを誘導。M.W.:722.933(Na塩),純度:> 90%(qNMR),分子式:C38H68O11Na(Na塩)
CAS No:1884611-95-3 (sodium salt), 129905-10-8 (salt free form)
法規制等
保存条件 -20℃ 法規備考
掲載カタログ ニュース2022年11月15日号 p.23
ニュース2021年9月15日号 p.21

製品記事 微生物由来生理活性物質
微生物由来の抗腫瘍作用/細胞毒性物質
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Inostamycin A (Sodium Salt) <Antitumor>

文献数: 2

説明文 Na塩として提供。A431細胞を用いたアッセイ系で,EGFによって誘導されるイノシトール脂質へのイノシトールの取り込みを阻害(IC50 = 約0.5 µg/ml)。A431細胞膜のin vitro CDP-DGのIC50は約0.02 µg/ml。srk-NIH-3T3細胞に対して細胞破壊活性を示すIC50は約0.07 µg/ml。小細胞肺がん細胞に対して,タキソールの殺細胞効果を増強。 0.1 µg/mlでMS-1細胞のG1期への累積を引き起こし,より高濃度(0.3 µg/ml)では形態的にアポトーシスを誘導。M.W.:722.933(Na塩),純度:> 90%(qNMR),分子式:C38H68O11Na(Na塩)
CAS No:1884611-95-3 (sodium salt), 129905-10-8 (salt free form)
法規制等
保存条件 -20℃ 法規備考
掲載カタログ ニュース2022年11月15日号 p.23
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reagent@funakoshi.co.jp

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