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ヒト組織切片をヒト抗体で免疫染色できます! Human on Human(H.O.H.)Immunodetection Kit

掲載日情報:2021/03/02 現在Webページ番号:69511

凍結またはパラフィン包埋ヒト組織切片上のヒト(またはヒト化)抗体を検出するキットです。一次抗体にヒト抗体を用いて、ヒト組織を免疫染色する際に最適です。キットに付属の特別なブロッキング試薬を用いることで、内在性のヒトIgを簡便にブロッキングし、目的の抗原を特異的に染色できます。

従来法との比較

従来法の問題点


従来法 問題点
二次抗体としてAnti-Human Ig抗体を使用 × 組織中の内在性Igによるバックグラウンド発生
一次抗体にビオチンやFITCなどを直接標識 × 抗体としての特性が変化
× 標識工程を最適化する時間・手間
二次抗体 (Anti-Human Ig抗体) を
あらかじめ結合させる(Pre-Complex法)
× 一次抗体との混合比の最適化が必要
× バックグラウンドが生じやすい

従来法との比較データ①

H.O.H Kit

ヒト扁桃腺FFPE組織切片のH.O.H Kit染色画像

Antibody Pre-Complex Method

ヒト扁桃腺FFPE組織切片のPre-Complex染色画像

ヒト化抗Cytokeratin抗体を一次抗体として用いたヒト扁桃腺FFPE組織切片の染色画像
(左)本製品を使用。
(右)一次抗体と二次抗体を予め混合、ヒト血清で吸収処理した後、HRPポリマー試薬で検出。
従来法(Antibody Pre-Complex Method)では内在性IgGと二次抗体の反応によるバックグラウンド染色が確認された。一方、本製品では非特異的なバックグラウンド染色が抑えられていた。

従来法との比較データ②

H.O.H Kit

ヒト扁桃腺凍結組織切片のH.O.H Kit染色画像

FITC-tagged primary antibody

ヒト扁桃腺凍結組織切片のFITC染色画像

ヒト化抗PD-1抗体を一次抗体として用いたヒト扁桃腺凍結組織切片の染色画像
(左)本製品を使用。
(右)一次抗体にFITCを直接標識し、HRP標識抗FITC抗体で検出。
本製品を使用した場合、抗体の標識条件や標識抗体の特異性検証に時間を費やすことなく、従来法(FITC-tagged primary antibody)と同等の染色像が得られた。

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免疫染色(免疫組織化学、IHC)特集

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特長

  • 組織との反応の前に、一次抗体を試薬(Solution A/B)と反応させてから使用します。それ以外は標準的な免疫組織染色法と同じです。目的抗原を明確、鮮明かつ特異的に染色することができます。
  • キットには、ImmPACT® DAB EqVペルオキシダーゼ基質を含む、アッセイに必要な試薬がすべて含まれています。
  • 操作手順はシンプルかつ簡単で、手のかかる計算は不要です。
  • ヒト、ヒト化、またはキメラのヒト一次抗体による、内在性ヒトIgGの非特異的染色のバックグラウンドを減少させ、目的の抗原を特異的に染色できます。
  • 凍結切片またはパラフィン包埋組織切片における内在性ヒトIgGの干渉排除に特に効果的です。
  • 適用:免疫組織染色(IHC)、免疫細胞染色(IC)
  • 検出酵素:ペルオキシダーゼ
  • 染色可能組織切片数:約50~100枚

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使用例

ヒト腎臓連続切片の免疫組織染色像

使用例1

本製品とヒト抗サイトケラチン一次抗体を用いて検出した特異的染色(茶色

使用例2

一次抗体を用いず、本製品のみで染色したバックグラウンドのないネガティブコントロール

左右ともヘマトキシリンにより核(青色)の対比染色を実施した。

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操作方法概略

PART 1. ヒト抗体溶液の調製(約1時間)

(クリックで開閉します)
  1. 切片当たり抗体溶液100μlを使用するものとし、必要な総量を決定する。
  2. #1で決定した半量のSolution Aを分注する。
  3. ヒト化/ヒト抗体をSolution Aで最終濃度の2倍に希釈し、よく混合する。
  4. 室温下、30~40分間インキュベートする。
  5. #2で使用したSolution Aと等量のSolution Bを加え、よく混合する。
  6. 室温下、30~35分間インキュベートする。
  7. 調製したヒト抗体溶液は、10~15分以内に使用する。
ヒト抗体溶液の調製のイメージ

タンパク質のブロッキング(PART 2. 免疫組織染色法の#4)が完了後に使用できるように準備を行って下さい。ヒト抗体溶液の準備が間に合わない場合、ブロッキング時間を延長することができます。


PART 2. 免疫組織染色法(4~6μm切片の場合)

(クリックで開閉します)
  1. 組織切片を準備する。
  2. 水で5分間洗浄する。
  3. 必要に応じ、内因性ペルオキシダーゼ活性を抑制する。バッファー中で5分間洗浄する。
  4. Protein blockを滴下して切片を10~20分間インキュベートし、その後液を廃棄する。
  5. PART 1で調製したヒト抗体溶液を滴下して、30~60分間インキュベートする。
  6. バッファーで2×5分間洗浄する。
  7. HRP Anti-Goat IgG(0.5 mg/ml)をHRP antibody diluentで25倍(1:25)希釈して20μg/ml濃度とし、切片に滴下して15分間インキュベートする。
  8. バッファーで2×5分間洗浄する。
  9. 等量のImmPACT® DAB EqV reagent 1(Chromogen)とImmPACT® DAB EqV Reagent 2(Diluent)をよく混合してImmPACT® DAB EqVワーキング溶液を調製する。
  10. 切片をImmPACT® DAB EqVワーキング溶液中で適切な染色強度が得られるまで(約5~10分間)インキュベートする。
  11. バッファー中で2×5分間洗浄する。
  12. 水で切片をすすぐ。
  13. 必要に応じて対比染色を行い、透徹および封入する。

S/N比は、以下のいずれかの方法で最適化を行うことができます。

  • Solution Aでヒト化抗体を滴定する(PART 1, #3参照)。
  • 一次抗体のインキュベーション時間を変更する(PART2, #5参照)。
  • HRP Anti-Goat IgG抗体溶液の濃度とインキュベーション時間を変更する(PART2, #7参照)。

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キット内容

  • Protein block
  • Solution A, B
  • HRP Anti-Goat IgG
  • HRP antibody diluent
  • ImmPACT® DAV EqV Reagent 1(Chromogen), 2(Diluent)


製品外観

Human on Human(H.O.H.)Immunodetection Kit(#HOH-3000

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関連資料

(クリックで開閉します)

Whitepaper:Optimized Human on Human Immunodetection

要訳

ヒト抗体またはヒト化抗体は、がんや自己免疫疾患などの治療に広く使用されています。このような抗体医薬品の開発においては、免疫染色による組織交差反応性の評価(抗体が標的組織に結合し、目的以外の組織には結合しないことの確認) が欠かせません。
しかし、抗ヒト抗体を用いて検出する標準的な免疫組織染色(IHC)では、高濃度の内在性ヒト抗体が存在し、二次抗体は内在性Ig とヒト型またはヒト化された抗体医薬品を区別できません。そのためバックグラウンドが高くなってしまい、抗体の評価を行うのに実用的ではありませんでした。
その問題の解決のため、一次抗体の使用量の削減、インキュベーション時間の短縮する方法がありますが、この場合では高感度が得られなくなります。また、一次抗体をハプテンタグ(通常はビオチン、またはFITC)との結合によってもこの問題の解決することが可能ですが、薬剤特性が変化する懸念を生じます。さらにヒト抗体を抗ヒトIgG二次抗体と事前に複合化し、ヒト血清で未結合の二次抗体をブロックする方法もありますが、二次抗体とヒト抗体の比率の最適化し、かつバックグラウンドを効果的に排除することが難しいという問題がありました。

本製品はヒト抗体/ヒト化抗体を用いてヒト組織を染色できるキットです。ヒト、ヒト化、またはキメラのヒト一次抗体による、内在性ヒトIg の非特異的染色を減少させ、目的の抗原を特異的に染色できます。さらに標識効率や試薬調製における煩雑な条件検討が不要のため、手間と時間やコストも節約することができます。

Vector Laboratories社のH.O.H. (Human on Human) Immunodetection Kit (#HOH-3000)は、IHCの手順の簡略化により一次抗体の結合を排除し、アッセイ時間の大幅な短縮と内因性IgGに由来するバックグラウンドの排除、高感度での標的抗原の検出を可能にしました。

詳細は右図をクリックしてご覧下さい(pdf)。

Optimized Human on Human Immunodetection

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FAQ

(クリックで開閉します)

Q-1. H.O.H Kitは自動染色装置で使用できますか?

A-1. 一次抗体の調製後、自動染色装置を使用した検出が可能です。しかし、インキュベーション時間が短いため、自動染色装置を使用しても、手動染色より操作時間を節約できない場合がございます。


Q-2. H.O.H Kitはキメラ抗体の検出に使用できますか?

A-2. 本キットはキメラ抗体を検出します。本キットはヒト抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体などのヒトIgGを幅広く確実に検出するよう開発されました。


Q-3. H.O.H Kitを免疫蛍光染色法で使用できますか?

A-3. 免疫蛍光染色法での使用は推奨しておらず、サポートできません。本キット構成品には、HRP標識二次抗体と組み合わせて使用することで高感度の検出が可能なDAB試薬が含まれています。構成品を変更して免疫蛍光染色を行う場合、特異性または感度が低下する可能性があります。


Q-4. バックグラウンド染色が見られた場合、どのようにプロトコールを最適化すれば良いですか?

A-4. 特定の組織でバックグラウンドの染色が見られた場合、一次抗体の量を変更するか、一次抗体のインキュベーション時間を変更することをおすすめします。加えて、HRP標識検出抗体の濃度やそのインキュベーション時間を調整することでS/N比の改善につながる場合があります。



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価格

[在庫・価格 :2024年04月24日 20時55分現在]

※ 表示されている納期は弊社に在庫が無く、取り寄せた場合の納期目安となります。

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Check it out!

  ヒトタンパク質マイクロアレイ受託サービス

約1万7千種類のヒトタンパク質を搭載したアレイを用いて、抗体の特異性評価・血中抗体のプロファイリングを実施する受託サービスです。また、抗原が未同定の抗体について、抗原を探索することも可能です。詳細は、こちら「ヒトタンパク質マイクロアレイ受託サービス」をご覧下さい。


  ヒト型組換え抗体(リコンビナント抗体)の改変・作製受託サービス

抗体の遺伝子情報を元に、ヒト型組換え抗体(リコンビナント抗体)を作製する受託サービスです。様々な改変を導入することも可能です。詳細は、こちら「ヒト型組換え抗体(リコンビナント抗体)の改変・作製受託サービス」をご覧下さい。

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お問い合わせ先

(テクニカルサポート 試薬担当)

reagent@funakoshi.co.jp

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