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DNAヘリカーゼ阻害物質 Heliquinomycin[CAS: 178182-49-5]

掲載日情報:2023/05/08 現在Webページ番号:68122

Heliquinomycin(ヘリキノマイシン)は、微生物化学研究所において単離された、DNAヘリカーゼを阻害する放線菌由来の天然物です。
本製品は研究用です。研究用以外には使用できません。


Heliquinomycin-Structure

Heliquinomycin(#10665)の構造式


DNAヘリカーゼとは

二本鎖DNAのATP依存的な巻き戻しが可能なタンパク質の発見は、1976年に独国ハイデルベルク大学のHoffmann-Berlingら 5、6および米国カリフォルニア大学バークレー校のMackayとLinnによって最初に報告されました 7。また、ATP依存性二本鎖DNA巻き戻し酵素を指す「ヘリカーゼ、Helicase」という用語は、1978年にHoffmann-Berlingによって提唱されました 8
DNAヘリカーゼは、ATPの加水分解によるエネルギーを利用してDNA上を移動し、DNA二重らせんの相補鎖間の多くの水素結合を解離させ一本鎖にします。DNAヘリカーゼは、細胞内のDNA複製、転写、DNA修復など、ゲノムの完全性を維持し、細胞の恒常性を維持するために重要な役割を担っています。その重要性は、ヘリカーゼ遺伝子の変異がウェルナー症候群、ブルーム症候群、ラパデリノ症候群などの遺伝性疾患や、様々ながんと関連していることからも明らかです 9

ヘリカーゼ活性の選択的な阻害物質は、細胞増殖におけるヘリカーゼの機能の解明に有用であり、また選択的な抗腫瘍剤開発のためのリード化合物として期待されています。天然物であるHeliquinomycin 4などDNAヘリカーゼを阻害する化合物が報告されており、またウイルスのhelicase-primase複合体を阻害する化合物が抗ウイルス薬として開発されています。


参考文献

  1. Abdel-Monem, M. and Hoffmann-Berling, H., Eur. J. Biochem., 65 (2), 431~440 (1976). [PMID:133022]
  2. Abdel-Monem, M., et al., Eur. J. Biochem., 65 (2), 441~449 (1976). [PMID:133023]
  3. Mackay, V. and Linn, S., J. Biol. Chem., 251 (12), 3716~3719 (1976). [PMID:776974]
  4. Geider, K., et al., The Single-Stranded DNA Phages, p.378~387 (1978). Edited by Denhardt, D., et al., Cold Spring Harbor Laboratory, NY, USA.
  5. Brosh, R.M.Jr., Nat. Rev. Cancer, 13 (8), 542~558 (2013). [PMID:23842644]


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特長

  • CAS No.:178182-49-5
  • 分子式:C33H30O17
  • 分子量:698.586
  • 純度:>80%(HPLC)
  • 酢酸エチル、エタノール、DMSOに溶解し、水、ヘキサンに不溶。

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生理活性作用

  • HeLa細胞由来のDNAヘリカーゼを阻害する(Ki=6.8 mM)。
  • トポイソメラーゼⅡ(IC50=30 μg/ml)およびⅠ(IC50=100 μg/ml)も阻害する。
  • ヒト腫瘍細胞の成長を阻害する(IC50=0.96~2.8 μg/ml)。
  • 培養細胞において、DNAおよびRNA合成を阻害するが、タンパク質合成は阻害しない。

本数値は文献に基づく数値であり、販売用本製品についての生理活性有無の実証実験はしていません。


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参考文献

  1. Chino, M., et al., J. Antibiotics, 49 (8), 752~757 (1996). [PMID:8823506]
  2. Chino, M., et al., J. Antibiotics, 50 (2), 143~146 (1997). [PMID:9099224]
  3. Chino, M., et al., J. Antibiotics, 50 (9), 781~784 (1997). [PMID:9360626]
  4. Chino, M., et al., J. Antibiotics, 51 (5), 480~486 (1998). [PMID:9666176]

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価格

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Heliquinomycin <DNA Helicase Inhibitor>
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説明文
HeLa細胞由来のDNAヘリカーゼを阻害する(Ki=6.8 Mm)。トポイソメラーゼII(IC50=30 μg/ml)およびI(IC50=100 μg/ml)も阻害する。HeLa S3,KB,LS180,K562,HL60などのヒト腫瘍細胞の成長を阻害する(IC50=0.96~2.8μg/ml)。培養細胞において,DNAおよびRNA合成を阻害するが,タンパク質合成は阻害しない。HeLa S3細胞をG2/M期で停止させる。M.W.:698.5811,純度:>80%(HPLC)
CAS No:178182-49-5
法規制等
保存条件 4℃ 法規備考
掲載カタログ ニュース2023年9月1日号 p.19

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Heliquinomycin <DNA Helicase Inhibitor>

文献数: 2

説明文 HeLa細胞由来のDNAヘリカーゼを阻害する(Ki=6.8 Mm)。トポイソメラーゼII(IC50=30 μg/ml)およびI(IC50=100 μg/ml)も阻害する。HeLa S3,KB,LS180,K562,HL60などのヒト腫瘍細胞の成長を阻害する(IC50=0.96~2.8μg/ml)。培養細胞において,DNAおよびRNA合成を阻害するが,タンパク質合成は阻害しない。HeLa S3細胞をG2/M期で停止させる。M.W.:698.5811,純度:>80%(HPLC)
CAS No:178182-49-5
法規制等
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掲載カタログ ニュース2023年9月1日号 p.19

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reagent@funakoshi.co.jp

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