神経科学研究を支援する組換え体タンパク質を開発（StressMarq Biosciences社）

Vol. 47 神経科学研究を支援する組換え体タンパク質を開発

StressMarq Biosciences 社はカナダ・ブリティッシュコロンビア州のビクトリアに拠点を置く試薬メーカーで、2007年にDr. Ariel Louwrierによって創業されました。社名の由来であるストレス応答関連抗体・タンパク質や神経科学分野を得意としています。今回は、同社が新たに開発した凝集活性を有するα-SynucleinやTauタンパク質についてお話を伺いました。

StressMarq社では、アルツハイマー病やパーキンソン病など、様々な神経変性疾患研究用製品を取りそろえています。例えば、α-SynucleinやTauでは、レビー小体病変やタウオパチーの形成が可能な活性型モノマー及び凝集体があります。

※ 本製品は研究用です。研究用以外には使用できません。

PFF体の作製において完全なオリゴマー形成を進行させるためには、生体分子の高次構造（Molecular Scaffold）が必要です。大学の研究室などでもPFF 体は作製されていましたがスキャフォールドの理解が不十分で、安定した品質のPFF 体の形成が困難でした。StressMarq社はスキャフォールドの研究を行い、ロット間差を最小限に抑えつつ、凝集活性を有する α-SynucleinやTauのPFF体開発に成功しました。特性評価は時間を要しますが、電子顕微鏡での構造観察やin vitro / in vivo での実験データを取得するよう努めています。

その後も、線維化または対らせんフィラメント（PHF）を形成するTauのGAE断片や低エンドトキシンレベルのα-Synuclein、SOD1のPFF体、 トランスサイレチン（TTR）フィラメントなど次々と新しい組換え体タンパク質を開発しています。

StressMarq社が開発した活性型PFF 体を始めとする組換え体タンパク質製品を使うことで、より天然に近い状態で神経変性疾患における線維形成などを解析することができます。また、これらの製品を使うことで研究に要する時間や費用、労力を削減することができます。
日本の研究者の皆様は神経変性疾患研究の発展に大きく貢献されており、私達の高品質な製品を使用することで更なる新たな発見につながることを期待しています

組換え体Tau の透過電子顕微鏡観察像
左：Active Human Recombinant Tau441（2N4R）、P301S mutant PFF（#SPR-329）
右：Human Recombinant Tau441（2N4R）Filament（#SPR-463）

ヒト／マウスα-シヌクレイン組換え体タンパク質(α Synuclein, Recombinant Protein)です。単量体（Monomer）およびPFF体（Preformed Fibril）を取りそろえています。アルツハイマー病やパーキンソン病といった神経変性疾患の研究に有用です。
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タウ タンパク質全長をもつ２N4R型（P301S）と、断片のK18型（P301L）のアミノ酸置換変異タンパク質をご用意しています。全長、断片ともに、Monomer（単量体）および、PFF体（Pre-formed fibril、既形成原線維）をご用意しております。
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