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異なるアポトーシスの現象を同時解析するキット Multi-Parameter Apoptosis Assay Kit

掲載日情報:2017/07/18 現在Webページ番号:65678

アポトーシスを起こした際に細胞に見られる異なる現象を、下記の4種類のプローブまたは指示薬を用いて、単一細胞における細胞死の表現型を同時に解析できます。異なる指標でアポトーシスの解析を行うため、より少量の試料で分析が可能です。

Cayman Chemical社のアポトーシス、細胞増殖、細胞毒性、エネルギー代謝に関連するアッセイキット全般については、こちらをご覧下さい。

Multi-Parameter Apoptosis Assay Kitのプローブ/指示薬の特長

プローブ/指示薬 測定波長 フローサイトメーター
レーザー/フィルター設定
特長 測定
回数
励起 蛍光 レーザー フィルター
Annexin V FITC 490 nm 517 nm 488 nm 525 nm アポトーシス初期においては、細胞膜内側に存在したホスファチジルセリン(PS)が、外膜への反転が起こり、これにAnnexin Vが特異的に結合し蛍光を発色する。 100 tests
TMRE 540 nm 595 nm 488 nm 585 nm ミトコンドリアの膜電位(⊿φm)のプローブで、アポトーシスにより⊿φmの消失に伴い蛍光強度が減少する。
RedDot 2 646 nm 697 nm 633 nm 700 nm RedDot2は原形質膜不透過性の蛍光色素で、アポトーシス後期において蛍光を発する。
Hoechst 350 nm 461 nm 350(405) nm 450 nm 核の形態の観察用蛍光色素。生細胞、死細胞のどちらの核も染色する。

測定には、測定波長に適合したレーザー&フィルターを付属したフローサイトメーターが必要です。
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Multi-Parameter Apoptosis Assay Kitの使用例

FCM結果

紫外線照射によるJurkat細胞のアポトーシス誘導
200 mj/cm2の紫外線を照射(B下図)または未照射(A上図)のJurkat細胞を、37℃で4時間インキュベート後に浮遊細胞用プロトコルに従って処理し、フローサイトメーターで分析した。データはMACSQuant cytometer (Milteni)で収集し、FlowJoソフトウェアで解析した。分析においては、Hoechst dye陽性&RedDot 2染色陰性細胞をゲートし(左図)、Annexin V FITCTMREでアポトーシスを起こしている細胞を可視化した(右図)。アポトーシスを起こした細胞はQ1~Q3に移動し、TMREによる蛍光色が減退し、一方でAnnexin V FITCによる蛍光色が増加しているのがわかる。

細胞集団の区分化

紫外線照射によるRAW264.7細胞のアポトーシス誘導
200 mj/cm2の紫外線を照射または未照射のRAW 264.7細胞を、37℃で4時間インキュベート後にTMRE(赤色)およびAnnexin V FITC緑色)およびHoechst(青色:核)で細胞を染色し、蛍光顕微鏡で観察した。紫外線照射細胞では、TMREによる蛍光色が減退し、一方でAnnexin V FITCによる蛍光色が増加しているのがわかる。

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アポトーシスの検出メカニズムについて

アポトーシスは、プログラムされた非炎症性細胞死のプロセスで、一連の生化学的事象が細胞形態の変化や、最終的には細胞死をもたらします。これらの変化には、細胞膜の非対称性および完全性、細胞収縮、膜ブレブ、核の断片化およびクロマチン凝縮の喪失が含まれます。生物のライフサイクルの間に、アポトーシスはすべての不要で不健康な細胞を排除し、組織ホメオスタシスの正常な発生および維持に不可欠な役割を果たしています。アポトーシスの調節不全は、神経変性疾患、虚血性障害、自己免疫障害、およびがんなどの病的状態をもたらします。

アポトーシスの現象の一つは、ホスファチジルセリン(PS)およびホスファチジルエタノールアミンなどの膜リン脂質を膜二重層の内側から外側に再分布させ、細胞表面に露出させます。外部原形質膜へのPS残基の露出により、リン脂質結合タンパク質のAnnexin Vに対する高い親和性を介した検出が可能になります。蛍光標識Annexin Vにより結合したアポトーシス細胞は、蛍光顕微鏡法またはフローサイトメトリーを用いて可視化できます。

アポトーシスカスケードの別の重要な要素に、ミトコンドリア膜電位(⊿φm)の消失があります。テトラメチルローダミンエステル(TMRE)などの親油性ローダミンプローブを用いると、インタクトの細胞においてはミトコンドリア内に隔離されますが、アポトーシスの間に⊿φmが消失されると消散されます。この性質は、TMREを用いたフローサイトメトリーや蛍光顕微鏡による⊿φmの摂動の検出に有用です。

アポトーシス後期では、原形質膜は分解を開始することで、RedDot 2などの膜不透過性色素がサイトゾルや核に接近し、そこでDNAに結合すると蛍光を発します。

さらに核は凝縮し、次いで最終的にフラグメント化し、Hoechst 33342などのDNA感受性色素を使用して形態的に検出が可能になります。

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Multi-Parameter Apoptosis Assay Kitの操作方法概要

■Staining solutionの調製

TMRE dye、Hoechst dyeおよびAnnexin V FITC reagentをBinding bufferに添加しStaining solutionを調製する。

A. 浮遊細胞のフローサイトメトリーによる測定

  1. 37℃、CO2インキュベーター内で、アポトーシス誘導または阻害条件下で細胞を培養する。
  2. 1×105~1×106細胞を 400×gで5分間遠心分離回収し、上清を廃棄する。
  3. 細胞をStaining solutionに再懸濁し、室温、遮光下で15分間インキュベートする。
  4. 400×gで5分間遠心分離し、上清を廃棄する。
  5. 細胞をRedDot 2 staining solutionに添加し、細胞が分散するまで混合する。
  6. 前表に示した測定条件下で、フローサイトメトリーで測定する。

B. 接着細胞の蛍光顕微鏡による観察(24 wellプレートまたは4 well チャンバースライド用)

  1. 37℃、CO2インキュベーター内において、アポトーシス誘導または阻害条件下で細胞を80%コンフルエント未満まで培養する。
  2. 細胞層をかき乱さないように培地を除去する。
  3. Staining solutionを各ウェルに添加する。
  4. 室温、遮光下で15分間インキュベートする。
  5. Staining solutionを注意しながら除去し、PBS(pH 7.4)500μlを添加する。
  6. PBSを除去し、RedDot 2 staining solutionを各ウェルに添加する。
  7. 前表に示した測定条件下で、フローサイトメトリーで測定する。

本アッセイを接着細胞に用いた場合、培地から剥がした場合においてもAnnexin Vにより細胞の形態の変化が生じる場合があります。その場合には、製品データシ-ト記載の別法(alternative protocol)に従ってアッセイを行って下さい。

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Multi-Parameter Apoptosis Assay Kitのキット内容

  • Annexin V FITC reagent
  • Cell-based assay annexin V binding buffer
  • TMRE dye
  • RedDot 2 viability dye
  • Cell-based assay Hoechst dye

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Multi-Parameter Apoptosis Assay Kitの価格

[在庫・価格 :2024年04月26日 00時00分現在]

※ 表示されている納期は弊社に在庫が無く、取り寄せた場合の納期目安となります。
詳細 商品名
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  • 在庫
  • 法規制等
納期 文献数
Multi-Parameter Apoptosis Assay Kit
2週間程度 ※ 表示されている納期は弊社に在庫がなく、取り寄せた場合の目安納期となります。 0
説明文
4種類のプローブを用いて異なるアポトーシスの現象を同時解析するキット。測定試料:細胞,検出方法:蛍光
法規制等
保存条件 4℃,暗所保存 法規備考
掲載カタログ ニュース2017年10月1日号 p.25
ニュース2017年8月1日号 p.29

製品記事 Cell Health and Viability Assay Kit
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Multi-Parameter Apoptosis Assay Kit

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説明文 4種類のプローブを用いて異なるアポトーシスの現象を同時解析するキット。測定試料:細胞,検出方法:蛍光
法規制等
保存条件 4℃,暗所保存 法規備考
掲載カタログ ニュース2017年10月1日号 p.25
ニュース2017年8月1日号 p.29

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お問い合わせ先

(テクニカルサポート 試薬担当)

reagent@funakoshi.co.jp

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アポトーシス細胞の検出/抽出キット