銅アミン酸化酵素VAP-1の定量キット Quantikine Human VAP-1 ELISA Kit

VAP-1（Vascular Adhesion Protein-1）は、分子量85～90 kDaのⅡ型膜内在性シアロ糖タンパク質で、AOC3（Amine Oxidase, Copper-Containing 3）やSSAO（Semicarbazide-Sensitive Amine Oxidase）とも呼ばれる細胞外酵素グループの一員です。VAP-1表面にはN-結合型シアル酸で修飾されたオリゴ糖が存在し、これにより接着作用と酵素活性の両方を示します。

細胞膜内において、VAP-1は分子量170～180 kDaのホモ二量体として存在しています。可溶型のVAP-1二量体（分子量180 kDa）は内皮細胞で産生され、血液循環中におけるセミカルバジド感受性アミン酸化酵素（SSAO）活性の大部分を担っています。

VAP-1はトパキノン補酵素と共に銅アミン酸化酵素として機能し、メチルアミンやアミノアセトンのような小さな第一級アミンの酸化的脱アミノ化を触媒します。この時に生成するアルデヒドや過酸化物は、酸化的ストレスに関与しています。VAP-1はインスリン様活性も有しますが、これは産生した過酸化物の作用によるものと考えられています。

VAP-1は血管内皮細胞内に貯蔵されており、炎症が起こると細胞表面へ移行します。また、脂肪細胞の脂質負荷は細胞表面のVAP-1の発現量を増加させ、インスリンやTNF-αにより制御されているマトリックスメタロプロテアーゼ（MMP）により、VAP-1が細胞表面から放出します。循環血液中のVAP-1濃度の増加は、糖尿病、うっ血性心不全、急性虚血性脳卒中、結腸直腸がん、炎症性肝疾患などで見られます。