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ADPリボシル化の生化学的および細胞ベースでのアッセイ
PARP活性を見るだけで終わらない。ADPリボシル化研究を多角的に評価! ADPリボシル化の生化学的および細胞ベースでのアッセイ
掲載日情報:2026/07/29 現在Webページ番号:73733
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ADPリボシル化は、DNA損傷応答(DDR)やがん創薬研究において注目される翻訳後修飾です。本記事では、細胞中のPARylationレベル測定、PARPファミリー酵素活性の評価、PARP trapping、PARG/ARH3の加水分解活性測定など、目的に応じて選択できるBPS Bioscience社のアッセイキットをご紹介します。 ※ バイオ研究に役立つ基礎知識・技術情報を、研究テーマ別にまとめています。研究に役立つ基礎知識・技術情報まとめをご覧下さい。 |
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- ADPリボシル化を制御するPARP・PARG・ARH3とがん治療への応用
- 目的に応じたアッセイキットの選択
- 細胞におけるPARylationの評価
- アプリケーションの例
- in vitroでのPARP酵素の活性測定
- DNA上に捕捉されたPARPの定量
- PARGおよびARH3の酵素活性を評価
- 関連製品:PARPファミリー酵素活性アッセイキット
ADPリボシル化を制御するPARP・PARG・ARH3とがん治療への応用
タンパク質へのADPリボースユニットの可逆的な付加は、DNA修復、クロマチンリモデリング、遺伝子発現制御などの細胞プロセスにおける重要な翻訳後のタンパク質修飾です。これは、DNA損傷応答(DDR)に関連するタンパク質で起こります。この付加反応は、モノADPリボシル化(単一のADPリボースユニットが付加され、MARylation(モノADPリボシル化)とも呼ばれる)と、ポリADPリボシル化(複数のユニットが直線状や分岐状で付加される、PARylation(ポリADPリボシル化)とも呼ばれる)の2種類があります。これらの反応は、17種類のポリ(ADPリボース)ポリメラーゼ(PARP)と呼ばれる酵素ファミリーによって制御されます。PARPファミリーのうち一部はPARylationを、他の多くはMARylationを触媒します。PARP1/2阻害物質は、DNA損傷応答ネットワーク内の相補的なパスウェイを標的とした合成致死薬の潜在的な有効性を示し、がん治療に革命をもたらしました。実際、現在米国ではFDA(米国食品医薬品局)の承認を受けた4種類の医薬品が臨床で使用されており、さらに多くの医薬品が開発段階にあります。
一方、タンパク質からのADPリボースを除去する酵素として、ポリ(ADPリボース)グリコヒドロラーゼ(PARG)やADPリボシルアクセプターヒドロラーゼ3(ARH3)が知られています。
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目的に応じたアッセイキットの選択
細胞由来試料におけるPARylationレベルの測定、薬剤プロファイリングのためのPARG/ARH3またはPARP酵素活性の測定、あるいはPARPをDNA上に捕捉する化合物の評価など、目的に応じたアッセイキットをご用意しています。これらのアッセイキットには、実験に必要な試薬が含まれており、化学発光で検出するキットにはECL試薬も含まれています。PARPファミリー全体に対する化合物の影響を比較したい場合は、カスタムサービスでの対応も可能です。
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細胞におけるPARylationの評価
細胞ベースのアッセイは、薬剤候補の生物学的活性の評価と作用機序の理解のヒントを与えるため、創薬プロセスにおいて重要な作業となります。細胞アッセイは、化合物の膜透過や複雑な情報伝達系との干渉、そして化合物と生細胞との相互作用を生化学的アッセイと比較して評価するうえで必要な作業です。LysA Universal PARylation Assay Kit(#82123)は、細胞抽出液中のPARylationレベルを評価し、化合物のIC50値の決定や、特定のDNA損傷応答(DDR)欠損を有する細胞における化合物効果の評価などに使用できます。
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アプリケーションの例
- 化学療法薬剤によって細胞ストレスを与えた後のPARレベルの測定(例:PARPの活性度合とその影響)
- PARPファミリー(PAR Writer)の阻害物質のスクリーニングとIC50値の検出
- PARGファミリー(PAR Eraser)の阻害物質のスクリーニングとIC50値の検出
- PARホメオスタシス研究のための新しい細胞モデルの検証
- 添加試薬の組み合わせによる相乗効果の評価
- PAR標準物質を使用した生体試料におけるPARレベルの定量
アッセイ原理:LysA Universal PARylation Assay Kit(#82123)は、サンドイッチELISA法に基づくアッセイで、細胞抽出物中に存在するPARylationレベルを解析するために設計されています。本キットには、絶対定量のためのPARスタンダードが含まれています。このアッセイは、例えばDNA損傷応答の誘導、PARP阻害物質またはPARG阻害物質への曝露によって生じるタンパク質のPARylationレベルの違いを検出します。96ウェルプレートは、PAR化した鎖を認識する結合試薬でコーティングされています。細胞溶解液をコーティングされたウェルに添加すると、細胞溶解液中に存在するPAR化したタンパク質はバインディング試薬によって捕捉され、抗PAR検出抗体、HRP標識二次抗体とのインキュベーションが行われます。最後に化学発光用のHRP基質を添加すると、細胞のPARylationレベルに応じて発光シグナルが得られます。なお、このアッセイではモノADPリボシル化(MARylation)は検出されません。
HEK293細胞における過酸化水素誘導性タンパク質PARylationでのPARP阻害物質の効果
細胞は、過酸化水素でDNA損傷をさせる前にさまざまな濃度のPARP阻害物質で処理を行い、その細胞溶解液をLysA Universal PARylation Assay Kitにて解析した。結果は、最大のPARylationを100%としたトータルPARylationの割合として標準化した。各条件において、IC50を計算し、GraphPad Prismソフトウェアを用いてグラフ化した。
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in vitroでのPARP酵素の活性測定
この化学発光を用いたELISA法では、タンパク質の酵素活性に試験化合物が及ぼす影響を測定するために精製されたPARPタンパク質を使用します。たとえばヒストン基質のPARylationまたはMARylationなど。
ヒストンタンパク質を96ウェルプレートにコーティングして、ビオチン化したNAD+混合液を精製されたPARP酵素とともにインキュベートします。酵素によっては、活性化させたDNAテンプレートを添加する場合もあります。洗浄後、ストレプトアビジン-HRPを添加し、再度プレートを洗浄します。その後、ECL基質を添加することで、PARP活性に比例した化学発光シグナルが得られます。
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DNA上に捕捉されたPARPの定量
一部のPARP1/2阻害物質は、PARPの自己PARylationを阻害することで、PARPがDNAから解離できなくなり、結果としてPARPをDNA上に捕捉します。これによりDNA修復が妨げられ、細胞死が誘導されることが知られています。そのため、DNA捕捉はPARP阻害物質にとって非常に好ましい特性となります。他のアッセイではPARPの酵素活性を測定し、ヒストンなどの標的タンパク質のPARylationを定量するのですが、PARPtrapアッセイは、化合物がPARP1またはPARP2をDNAプローブ上に保持する能力を測定することができます。
この均一系で簡便なアッセイは、ハイスループットな創薬スクリーニングや、捕捉を高める分子の最適化に利用できます。PARPtrapアッセイは、研究者がライブラリーから最も効果的な阻害物質を効率的にスクリーニングする手助けをします。
このアッセイは蛍光偏光の原理に基づいており、蛍光標識されたDNAプローブを使用します。これらのプローブを偏光で励起すると、分子の回転速度に応じた蛍光偏光が観察されます。遊離DNAプローブは非常に小さく、高速に回転しているため、それらの蛍光偏光度(FP)は低くなります。PARPと複合体を形成すると、タンパク質のサイズが大きいため分子回転が遅くなり、蛍光偏光度が高くなります。NAD+を添加すると、新たにPARylationされた酵素がプローブから解離し、FP値が低下します(下記図参照)。
実際には、精製したPARP1またはPARP2を特定の蛍光DNAプローブと共にインキュベートした後、NAD+を添加してPARylationを開始させます。PARylationが完了すると、PARPはPAR鎖の高い負電荷によりプローブから解離します。この状態では、DNAプローブの大部分が遊離状態となるため、FP値は最も低くなります。
PARylationを阻害するがDNAへの結合を阻害しない阻害物質でPARPを前処理すると、酵素はDNAプローブに捕捉されたままとなり、プローブはPARPと複合体を形成した状態を維持するため、高いFP値を示します。このように、ユーザーはFP値が低い阻害物質なしのコントロールとFP値が高い阻害物質条件を比較することができます。つまり、FPシグナルの増加は、阻害物質による捕捉の様子を示しています。
PARPtrap Assay Kitは、PARP1(#80584)、PARP2(#78296)、およびその組み合わせ(#78317)として、96ウェルおよび384ウェルフォーマットで提供されます。
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PARGおよびARH3の酵素活性を評価
PARG Fluorogenic Assay Kit(#78858)およびARH3 Fluorogenic Assay Kit(#82158)は、シンプルで分かりやすい蛍光アッセイ法によるスクリーニングおよびプロファイリングで酵素の加水分解活性を測定することができる96ウェルフォーマットのアッセイです。この実験では、酵素は蛍光ADPリボース基質とインキュベートしますが、リボースの存在により蛍光が消光された状態になります。PARGまたはARH3により、リボースと蛍光色素間の結合が加水分解されると蛍光を発するようになり、励起波長λ=385 nm/蛍光波長λ=502 nmで検出することができます。蛍光強度は加水分解酵素活性レベルに比例します。
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関連製品:PARPファミリー酵素活性アッセイキット
PARP1をはじめとするPARPファミリー各酵素について、化学発光、比色、AlphaLISAの各検出方法に対応したアッセイキットをご用意しています。商品コードをクリックすると各製品の価格表をご覧いただけます。
| PARP1 | PARP2 | PARP3 | PARP5A | PARP5B | PARP6 | PARP7 | PARP10 | PARP11 | PARP12 | PARP14 | PARP15 | PARP15L | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 化学発光 | 80551 | 80552 | 80553 | 78405 | 78406 | 80556 | 78814 | 80560 | 80561 | 78504 | 80568 | 80567 | 78596 |
| 比色 | 80580 | 80581 | - | 78576 | 78577 | - | - | - | - | - | - | - | - |
| AlphaLISA | 78438 | 78572 | 78491 | 78489 | 78490 | - | - | - | 78492 | - | - | - | - |
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