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マイコプラズマ汚染から細胞を守るには? マイコプラズマ汚染の防止策
掲載日情報:2025/06/23 現在Webページ番号:72263
Minerva Biolabs社は、1999年、ロベルト・コッホ研究所から独立し、ベルリンに設立されたメーカーです。マイコプラズマ汚染の「検査」、「除去」、「汚染防止」に有用な製品を各種取りそろえています。本記事では、培養細胞のマイコプラズマ汚染を防止するために重要な戦略と製品をご紹介します。
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マイコプラズマ汚染とは
細胞培養時にマイコプラズマ感染が起こると、細胞やその増殖にさまざまな悪影響を及ぼす可能性があります。マイコプラズマはさまざまな真核生物に寄生する真正細菌で、最初は宿主細胞に付着し、その後細胞膜と融合します。その後、マイコプラズマは急速に、宿主細胞を覆いつくすくらい増殖します。
※ マイコプラズマについてもっと知りたい方は上記のFAQをご覧下さい。
※ 「マイコプラズマ汚染の原因と検出法」について詳しい情報はこちらをご覧下さい。
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マイコプラズマ汚染を防止する多面的なアプローチ
マイコプラズマによる汚染は、細胞培養実験室、そしてバイオ医薬品産業で繰り返される問題です。マイコプラズマ汚染の予防は、細胞培養実験の信頼性とバイオ医薬品の安全性を確保するために不可欠です。マイコプラズマ汚染から細胞を守るには、細胞培養施設、細胞培養手順、培養作業従事者の技術など多面的なアプローチが必要となります。以下の防止策の実施は、いかなるマイコプラズマ感染も自動的に予防するものではありませんが、マイコプラズマ汚染の発生率を著しく低下させることができます。

Cell Culture Facility(細胞培養施設)
実験室の設計、換気システムおよび気流パターンは、エアロゾル、浮遊粒子や微生物の分散または沈着に影響を及ぼす可能性があるため、考慮する必要があります。施設は、一般的に無菌細胞培養作業のために設計され、設備が整えられているべきです。いかなる無菌細胞培養作業も、その適切な機能について認証および定期的に点検されているラミナーフローのクリーンベンチで行われることが不可欠です。作業の前後に少なくとも15分間、ラミナーフローを操作することも、汚染リスクの低減に役立ちます。全ての作業表面およびクリーンベンチに入れる全ての器具は、細胞培養作業の前後に消毒する必要があります。消毒だけでなく、定期的に作業面を徹底的に洗浄することも重要です。インキュベーターとウォーターバスは微生物の増殖に理想的な環境条件を提供するため、定期的な清掃も必要です。更に、これらの装置は複数のユーザーやさまざまな細胞培養実験で共有されることが多いため、クロスコンタミネーションのリスクが増大します。床や実験台、流し台、試薬棚など施設の環境を清潔に保つための清掃作業を定期的に実施することも環境の汚染を最小限に抑えるのに有用です。更に、細胞培養施設への入室には制限が必要です。空気中の汚染物質の濃度が高いと、マイコプラズマ汚染のリスクが高まる可能性があるため、細胞培養施設内の人数が過密になることは避けるべきです。
Cell Culture Procedure(細胞培養手順)
適切な細胞培養手順と培養細胞の定期的な検査は、マイコプラズマ汚染のリスクを減らすことができます。このため、効果的、高感度で信頼性のあるマイコプラズマ検出法、可能であれば、PCRによる検出法を確立することが重要です。全ての培養細胞は、少なくとも月1回、定期的に検査すべきであり、新たに入手した細胞株または疑わしい細胞株は、マイコプラズマの存在が否定されるまで他の培養細胞から隔離すべきです。抗生物質は感受性または耐性を生じる可能性があるため、特別な用途および短期間のみ責任をもって使用すべきです。低レベルのマイコプラズマ汚染について検出が遅れる原因は、抗生物質の使用が原因である可能性もあります。抗生物質を使用する代わりに、優れた無菌操作を行う方が汚染の防止においてはるかに重要な役割を果たします。そして、信頼できる供給者からの認証された細胞培養試薬、培地および血清のみを使用すべきです。クロスコンタミネーションを避けるために、1度に細胞株1種類のみを使用し、異なる細胞株に対しては、培地や血清などそれぞれ用意したアリコートを使用することが推奨されます。培養細胞の細胞特性を定期的に確認し、マイコプラズマ陽性細胞が同定された場合は、廃棄する、または他の培養細胞から隔離し、出来る限り迅速にマイコプラズマ除去試薬で処理を行う必要があります。
Operator Techniques(培養作業従事者のテクニック)
培養作業従事者がマイコプラズマ汚染の主な原因であることが知られているため、培養作業従事者は一般的な無菌操作に厳密に従うことが基本となります。これには、細胞培養作業の前後に徹底した手洗いと消毒の実施、また、保護的で清潔な実験着を着用や、装飾品を外し、長い髪は後ろに束ねることも含まれます。
エアロゾルが、細胞を直接汚染するさまざまなマイコプラズマ種を運ぶ可能性があるので、細胞培養作業中は、ラミナーフローフードや隣接する作業スペースでの会話、くしゃみ、咳、および不必要な行き来を避けることが求められます。更に、エアロゾルの発生を防ぐために、培地や血清のようなボトルやフラスコ内の液体の添加にはピペッターを使用する必要があります。
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コンタミネーション防止試薬
Minerva Biolabs社では、マイコプラズマに加え、真菌やバクテリアなどさまざまな微生物に対するコンタミネーション防止試薬をご用意しています。
マイコプラズマ
- 【細胞培養】マイコプラズマ検出キット・除去・汚染防止
マイコプラズマ対策製品・選択ガイド
その他の微生物
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