がんの発生、再発、転移の研究に有用！使用データが豊富ながん幹細胞マーカー抗体 Cancer Stem Cell Marker（固形がん）

がん幹細胞（Cancer Stem Cell、CSC）は、腫瘍内の全細胞の通常1％から3％を占める少数の細胞で、腫瘍の発生、増殖、転移を促進し、再発を引き起こす可能性があります。その重要性から、CSCを特徴付けるいくつかのバイオマーカーが同定されており、診断、治療、予後の予測が可能となっています。したがって、さまざまな薬剤でCSCを選択的に標的にすることは、がん患者の生存率を向上させる可能性があり、がんに対する有望な治療戦略となります。

すべてのがん細胞の中には、正常な幹細胞が通常私たちの臓器や組織を再生して維持するのと同じように、腫瘍を再生・維持する幹細胞として機能する細胞がいくつかあります。CSCは、正常な幹細胞や前駆細胞（Precursor / Progenitor）から、DNA突然変異、エピジェネティックな事象、組織微小環境因子の組み合わせによって生成されます¹。CSCの重要な能力の1つは、細胞数が少なくても腫瘍を形成することです。したがって、CSCを標的とすることが最も重要です。多くの新しい抗がん剤は、腫瘍を縮小する能力に基づいて評価されます。しかし、この抗がん剤による治療法がCSCを破壊していない場合、腫瘍はすぐに再増殖し、多くの場合、治療に対する高い抵抗性を示します²。さらに、CSCは転移を引き起こし、がん細胞の貯蔵庫として機能し、手術や治療で目に見えるがんの兆候がなくなった後に再発を引き起こす可能性があります。CSCは、90年代後半に急性骨髄性白血病などの血液がんで初めて同定されました。このとき科学者たちは、表面マーカーCD34を発現し、CD38を発現しない白血病細胞の亜集団を単離し、このCD34⁺/CD38^-亜集団が腫瘍を引き起こす可能性があることを実証しました³。血液組織における幹細胞の存在は、他の組織がんにおける研究を促進しています。ただし、CSCという用語自体は2001年に造られたばかりです⁴。