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Recombinant Rabbit Monoclonal Antibody 検証済みの組換えウサギモノクローナル抗体 HLクローン
掲載日情報:2024/02/01 現在Webページ番号:71298
GeneTex社の組換え(リコンビナント)ウサギモノクローナル抗体をご紹介します。GeneTex社は抗体分野のリーディングメーカーの1つであり、現在はこれまでのポリクローナル/モノクローナル抗体に加えて、ウサギを免疫動物に用いた組換えモノクローナル抗体の開発に注力しています。

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GeneTex社の組換えウサギモノクローナル抗体
組換え抗体とは何ですか?そして、GeneTex社の強みは何ですか?
組換え抗体(Recombinant antibody、rAb)は、図に示したようにウサギやマウスといった免疫動物から優秀なモノクローナル抗体を産生するB細胞を選別し、重鎖/軽鎖をクローニングし、哺乳動物細胞で発現させる抗体作製方法です。

GeneTex社独自のrAb作製プロトコルの特長
- マルチパラメーターサイトメトリーに基づいた手法でB細胞を分離します。
- 抗体可変領域遺伝子をIgGバックボーンにクローニングし、哺乳類細胞で発現させます。
- GeneTex社独自のプロトコルは非常に迅速で、株化まで数週間で完了します。
- 多様な能力を持つ抗体を同定します。
- 1つのB細胞から重鎖と軽鎖をクローニングし、天然のペアリングを維持できます。
- 一度クローニングすれば、rAbの産生量に上限はなく、再現性が極めて高い抗体を供給できます。
厳密なバリデーション(5+1 Pillars of Ab Validation)を行っています。
遺伝子組換え抗体産生への移行に伴い、The International Working Group for Antibody Validation(IWGAV)のガイドライン*に基づくバリデーションプロトコルを、さらに強化しました。
- ノックアウト/ノックダウン
- 抗体間の相関性
- 免疫沈降後質量分析(IP/MS)
- 生物学的特性および直交バリデーション
- タンパク質の過剰発現
- これらの5つの柱に加えて、+1として「組換え抗体作製プロセス中のクローン選択で行われる事前検証」 を加えてバリデーションを行っています。

- * Uhlen, M., et al., "A proposal for validation of antibodies.", Nat. Methods, 13(10), 823~827 (2016). [PMID: 27595404]
- ・GeneTex社における抗体の品質管理(5つの品質検証方法)については、フナコシWebのこちらのページをご参照下さい。
- ・同社における抗体の品質管理(5+1 Pillars of Ab Validation)の詳細については、GeneTex社のWebページもご参照下さい。
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組換えウサギモノクローナル抗体の特長とは
実績のあるマウスモノクローナル抗体から、特異性が高く生産性に優れる組換えウサギモノクローナル抗体への切り替え
GeneTex社は現在、新規の抗体生産すべてを組換えウサギモノクローナル抗体に切り替えています。
抗体産生動物としてのウサギには、下記のようなさまざまな特長を持つことが報告されています。
- ウサギは系統分類学上兎形目(ウサギ目、order Rodentia)に属し、マウスの属する齧歯目(order Rodentia)とは目のレベルで分類が異なり 、このことは、ウサギにおいてはヒトの抗原がより免疫原性の高いエピトープを示すことが多いことを意味する。
- ハプテン/低分子抗原に対して、ウサギの方がマウスよりも適正な反応性を示す。
- 一般的に非近交系で、免疫原性応答の多様性が高い。
- ウサギの免疫系はヒトやマウスと異なり、体細胞遺伝子変換(Somatic Gene Conversion、SGC)を利用し、抗体の幅を広げている。
- ウサギのIgGには単一の遺伝子しかなくサブクラスがない。
- K1軽鎖にユニークな鎖内ジスルフィド結合を持ち、安定性が高い。
- Kd値の多くはピコモルレベルで結合親和性が高い。
- 体格が大きく(脾臓も大きく)、寿命も長い。

参考文献
- Starkie, D.O., et al., "Generation of Recombinant Monoclonal Antibodies from Immunised Mice and Rabbits via Flow Cytometry and Sorting of Antigen-Specific IgG+ Memory B Cells.", PLoS One, 11(3), e0152282 (2016). [PMID: 27022949]
- Feng, L., et al., "Rabbit monoclonal antibody: potential application in cancer therapy.", Am. J. Transl. Res., 3(3), 269~274 (2011). [PMID: 21633632]
- Mage, R.G., et al., "B cell and antibody repertoire development in rabbits: the requirement of gut-associated lymphoid tissues.", Dev. Comp. Immunol., 30(1-2), 137~153 (2006). [PMID: 16098588](Review)
- Pinheiro, A., et al., "An overview of the lagomorph immune system and its genetic diversity.", Immunogenetics, 68(2), 83~107 (2016). [PMID: 26399242](Review)
- Weber, J., et al., "From rabbit antibody repertoires to rabbit monoclonal antibodies.", Exp. Mol. Med., 49(3), e305 (2017). [PMID:28336958]
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組換えウサギモノクローナル抗体の検索法
例えば、Rasタンパク質に対する組換えウサギモノクローナル抗体があるかどうかを調べたいとき:
- フナコシWebのトップ画面で「抗体検索」のタブをクリックします。
- メーカー略称には、半角英文字でメーカー略称「GNT」を入力します。
- 免疫動物は、Rabbit(ウサギ)を選択します。
- キーワード欄には、目的タンパク質名、半角スペース、半角英文字で「mono」と入力します。
(例:Ras mono) - 検索ボタンを押します。
- Rasタンパク質に対するウサギ組換えモノクローナル抗体がヒット*します。

* :2023年末で、約2,000種類のウサギ組換えモノクローナル抗体が登録されています。
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使用例1
抗Iba1抗体(HL22)(#GTX635363)

A. 抗Iba1抗体[HL22]を用いたラット小脳組織中Iba1タンパク質の検出
パラフィン包埋ラット小脳組織切片をクエン酸バッファー(pH 6.0)で15分間煮沸処理し、抗原賦活化を行ったのち蛍光免疫染色を行った。希釈率:1:1,000。
B. 抗Iba1抗体[HL22]用いたマウス脊髄組織中Iba1タンパク質の検出
マウス脊髄組織凍結切片を免疫染色した。希釈率:1:200。抗Iba1抗体(緑色)、核(青色:Fluoroshield with DAPI(#GTX30920)。CはBを拡大した染色像。
D, Eは上記2種類の試料を、他社の定評のある抗体で染色したもの。FはEを拡大した染色像。
本抗体は、ミクログリアの免疫組織化学的マーカーであるIba1(Ionized calcium-binding adapter molecule 1)を特異的に検出することができました。詳細は、本抗体のデータシートをご参照下さい。
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使用例2
抗RAS(G12D Mutant)抗体 [HL10](#GTX635362)
![RAS (G12D Mutant) antibody [HL10]の画像](/domestic/f-img/ds/GNT_71298_GTX635362_New_70N.jpg)
図.1 免疫組織染色像(IHC-P)
抗RAS(G12D Mutant)抗体[HL10]を用いた膵臓組織中RAS(G12D Mutant)タンパク質の検出。
パラフィン包埋ヒト正常型(wyld type)KRAS膵臓組織(左図)およびG12D変異型KRAS膵臓腫瘍組織(右図)の免疫染色を行った。希釈率:1:50。
図.2 免疫細胞染色/免疫蛍光染色像(ICC/IF)
抗RAS(G12D Mutant)抗体[HL10]を用いた細胞内RAS(G12D Mutant)タンパク質の検出。
A:モックベクター、B:KRAS(野生型)発現ベクター、C:KRAS(G120 mutant)発現ベクターを用いて、293T細胞にトランスフェクションを行い、4%パラホルムアルデヒドで固定して免疫細胞染色/免疫蛍光染色を行った。希釈率:1:500。抗RAS(G12D Mutant)抗体(緑色)。D ~F:核(青色:Fluoroshield with DAPI(#GTX30920))。
図.3 ウエスタンブロット像(WB)
さまざまな細胞株の全細胞ライセートを電気泳動後、ウエスタンブロットを行った。一次抗体:本抗体、希釈率:1:1,000。図の下部のバンドは、抗GAPDH抗体(#GTX100118)で検出したローディングコントロール。
KRASは、RAS変異がんの85%以上で変異しているため、極めて顕著な腫瘍性タンパク質として知られています。本抗体は、パラフィン包埋免疫組織化学(IHC-P)およびウェスタンブロット(WB)により、RAS G12D変異体タンパク質に対して優れた特異性を示す、最初の市販組換え抗体です。
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使用例3
抗NRF2抗体[HL1021](#GTX635826)
![NRF2 antibody [HL1021]の画像](/domestic/f-img/ds/GNT_71298_GTX635826_New_70N.jpg)
図.1 免疫組織染色像(IHC-P)
抗NRF2抗体[HL1021]を用いたラット組織中NRF2タンパク質の検出。
パラフィン包埋ラット組織(唾液腺および精巣組織)切片を、クエン酸バッファー(pH 6.0)で15分間煮沸処理し、抗原賦活化を行ったのち免疫染色を行った。希釈率:1:100。
図.2 免疫細胞染色/免疫蛍光染色像(ICC/IF)
HeLa細胞内NRF2タンパク質の検出。
プロテアソーム阻害物質MG132(10 μM)をHeLa細胞に非添加(A、C)あるいは添加(B、D)し、16時間培養後に4%パラホルムアルデヒドで固定して免疫細胞染色/免疫蛍光染色を行った。希釈率:1:500。抗NRF2抗体(緑色)、核(青色:Fluoroshield with DAPI(#GTX30920)。
図.3 ウエスタンブロット像(WB)
プロテアソーム阻害物質MG132(10 μM)をNeuro2A細胞株に非添加(-)あるいは添加(+)し、15時間培養後に細胞ライセートを電気泳動後、ウエスタンブロットを行った。一次抗体:本抗体および他社の抗体。希釈率:1:1,000 。二次抗体: HRP標識抗ウサギIgG抗体(#GTX213110-01)。化学発光基質:Trident ECL plus(#GTX400006)。