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高いインスリン産生能を有するヒト膵β細胞 EndoC-βH5(Human Cell Design社)

掲載日情報:2024/02/07 現在Webページ番号:70967

EndoC-βH5はHuman Cell Design社の独自技術で作製されたヒト膵β細胞です。非常に高いインスリン産生能など、天然のヒトβ細胞に近い性質を有しています。糖尿病の研究や新薬開発において有用です。
細胞表面にHLA-A2(ヒト白血球抗原A2)を発現したヒト膵β細胞HLA-A2 EndoC-βH5についてはこちらをご覧下さい。
本製品は研究用です。研究用以外には使用できません。

従来研究に用いられてきたβ細胞の問題点とEndoC-βH5の優位性について

β細胞は膵臓の膵島(ランゲルハンス島)に存在し、インスリンを産生する唯一の細胞であることから、糖尿病研究において最も重要な研究対象の一つです。しかし下記のように従来、研究に用いられてきたβ細胞にはそれぞれ問題があります。

  • マウス由来β細胞株
     問題点:ヒトβ細胞と性質が大きく異なる
  • ヒトiPS細胞から分化させたβ細胞
     問題点:分化が未成熟であり、β細胞本来の性質を十分に再現できない
  • ヒト初代β細胞
     問題点:ロット間の性質差が大きく、安定した結果を得ることが困難

Human Cell Design社は、独自の細胞作製技術でこれらの問題を克服しました。免疫不全マウスにヒトの膵臓細胞を移植し、マウス体内でヒトインスリノーマに分化・成熟させた後、取り出して培養することで天然のヒトβ細胞に非常に近い性質を持つEndoC-βH5を作製しました。

研究に用いてきたβ細胞とその問題点

図1. 研究に用いられてきたβ細胞とその問題点

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特長

  • ヒトインスリンを産生する単一(>99%)の細胞集団です。
  • 製造ロットに関わらず、再現性の高い結果を得ることができます。
  • 継代や分化誘導の必要がなく、一定期間培養したのち、そのまま各種評価に用いることができます(本細胞は使い切りです)。
  • 培養開始後数週間にわたり(>21 days)、グルコース応答性インスリン分泌(GSIS)で安定した結果を得ることができます。
  • 天然のβ細胞に匹敵する量のインスリン分泌能を有します(>5 μg/million cells)。
  • グルコースの生理的濃度に対する高い応答性と、高いインスリン分泌能を示します。
  • GLP-1レセプターアゴニスト、GIPレセプターアゴニストのような化合物にも応答し、インスリンを分泌します。
  • 96ウェル、384ウェルプレートで培養できるため、HTSに対応可能です。
  • 三次元培養による評価も可能です。

EndoC-βH5の培養には専用培地(ULTIβ1 Medium)と専用コーティング剤(βcoat)が別途必要です(関連製品参照)。


表.従来の細胞とEndoC-βH5の比較

EndoC-βH5 ヒト膵島由来の初代細胞 hES/hiPS細胞から分化させたβ細胞
臨床への適合性
標準化
再現性
時間・労力
HTS対応 ×

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製品の種類

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品名 製品概要 細胞数(cells/vial) 包装 商品コード
EndoC-βH5 高いインスリン産生能を持つヒト膵β細胞 1×106 1 vial BH5-100
3.5~4.5×106 1 vial BH5-350

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参考データ

β細胞マーカー発現の検証

フローサイトメトリーおよび顕微鏡観察により、細胞の特性、成熟度、表現型の観察が行われています。EndoC-βH5は細胞集団の99%以上がインスリンを発現していることに加え、β細胞マーカーであるPDX1、NKX6.1についても90%以上の発現率を有します。

フローサイトメトリーおよび顕微鏡を用いた細胞のアイデンティティ、成熟度、表現型の解析

図2. フローサイトメトリーおよび顕微鏡を用いた細胞の特性解析


グルコース刺激によるインスリン分泌

グルコースの生理的濃度である2.8~11 mMにおいてインスリン分泌が増強され、初代細胞に近いグルコース濃度依存性を示します(EC50≈8.0 mM)。また、低グルコース状態から最大で10倍程度のインスリン分泌が誘導されます。

グルコース刺激によるインスリン分泌

図3. 各グルコース濃度におけるEndoC-βH5のインスリン分泌量

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化合物濃度に依存的なインスリン分泌

2型糖尿病治療薬としても用いられているGLP-1レセプターアゴニストExendin-4、およびGIP-1レセプターアゴニスト[D-Ala2]-GIPに対して、濃度依存的で再現性高いインスリン分泌を示します。

GLP-1レセプターアゴニストExendin-4(左)、およびGIP-1レセプターアゴニスト[D-Ala]-GIP(右)に対するインスリン分泌量

図4. GLP-1レセプターアゴニストExendin-4(左)、およびGIP-1レセプターアゴニスト[D-Ala2]-GIP(右)に対するEndoC-βH5のインスリン分泌量



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活性の異なる化合物に対するインスリン分泌量の比較

2種類のGLP-1レセプターアゴニストExendin-4とSemaglutideで有効濃度に有意な差を見出すことができます(図5)。また、Exendin-4によるインスリン分泌促進効果は、GLP-1レセプターアンタゴニストであるExendin-9(Ex-9)によって阻害されます(図6)。

薬物の違いによるインスリン分泌の比較

図5. GLP-1レセプターアゴニストExendin-4およびSemaglutideに対するEndoC-βH5のインスリン分泌量の比較

GLP-1レセプターアンタゴニストExendin-9を用いたExendin-4によるインスリン分泌促進効果の阻害検証

図6. Exendin-4(Ex-4)によるインスリン分泌促進効果のGLP-1レセプターアンタゴニストExendin-9(Ex-9)による阻害検証

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長期間にわたる化合物応答性の検証

培養開始7~28日後にかけて、グルコース(LG:low glucose、HG:high glucose)およびExendin-4(EX-4)に対して安定した応答性を示します。そのため、長期治療を想定した薬物開発研究に用いることができます。

長期間にわたる薬物応答性の検証

図7. 長期間にわたるEndoC-βH5の薬物応答性の検証


三次元培養した細胞塊による化合物評価

三次元培養によって膵島モデルを作製することで、生体に近い実験系を構築することが可能です(図8)。三次元培養ではβ細胞同士のクロストークが増強されることから、グルコース非添加時のインスリン分泌が二次元培養と比較して抑制され、グルコース、およびExendin-4(EX-4)によるインスリン分泌促進効果がより増強されます(図9)。

三次元培養によって作製した膵島モデル

図8. 三次元培養によって作製した膵島モデル

二次元培養と三次元培養におけるインスリン分泌の比較

図9. 二次元培養(左)と三次元培養(右)におけるインスリン分泌の比較

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使用文献

  1. Brawerman, G., et al., "DNA damage to β cells in culture recapitulates features of senescent β cells that accumulate in type 1 diabetes.″ Mol. Metab., 62, 101524(2022). [PMID:35660116]
  2. Khoubza, L., et al., "Alkaline-sensitive two-pore domain potassium channels form functional heteromers in pancreatic β-cells.″ J. Biol. Chem., 298(10), 102447(2022). [PMID:36063992]
  3. Szczerbinska, I., et al., "Large-Scale Functional Genomics Screen to Identify Modulators of Human β-Cell Insulin Secretion.″ Biomedicines, 10(1), 103(2022). [PMID:35052782]
  4. Karsai, M., et al., "Lack of ZnT8 protects pancreatic islets from hypoxia- and cytokine-induced cell death.″ J. Endocrinol., 253(1), 1~11 (2022). [PMID:35017316]

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関連製品

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品名 製品概要 包装 商品コード
ULTIβ1 Medium EndoC-βH5/HLA-A2 EndoC-βH5用培地 100 ml ULTIB1-100
βCoat EndoC-βH5/HLA-A2 EndoC-βH5用コーティング剤 120 μl BC-120
ULTI-ST Medium EndoC-βH5/HLA-A2 EndoC-βH5を用いたインスリン分泌実験用の培地 50 ml ULTIST-50
βKREBS EndoC-βH5/HLA-A2 EndoC-βH5を用いたインスリン分泌実験用の緩衝液 250 ml BK-250

EndoC-βH5を用いたインスリン分泌実験にはULTI-ST Mediumおよび βKREBSが別途必要です。詳細はユーザーガイド(価格表部分のデータシートに掲載)をご参照下さい。
Human Cell Design社の製品(βKREBSを除く)をご購入の際は、1回のご注文につき30万円の送料が別途必要となります。送料は品数に依らず一律ですので、細胞発注時には実験に必要な分の専用培地やコート剤も同時にご注文することをお勧めします。


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価格

EndoC-βH5

[在庫・価格 :2024年03月03日 00時00分現在]

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Endoc-βH5
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培地・コーティング剤・緩衝液

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Endoc-βH5を用いたインスリン分泌実験に必要な緩衝液。
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ULTIβ1 Medium

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ULTI-ST Medium

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βKREBS

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説明文 Endoc-βH5を用いたインスリン分泌実験に必要な緩衝液。
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お問い合わせ先

(テクニカルサポート 試薬担当)

reagent@funakoshi.co.jp

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