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厳密かつ可逆的な発現誘導・抑制ができるAll-in-oneのレンチウイルスベクター SparQ2 Cumate Switch System

掲載日情報:2023/09/04 現在Webページ番号:70826

レンチウイルスベクターを用いた遺伝子発現システムで、哺乳動物細胞において、誘導基質Cumateの添加により目的遺伝子とレポーター遺伝子の発現誘導を可逆的に制御することができます。SparQ Cumate Switch Inducible Systemを改良し、より長鎖の遺伝子において、より高い発現量の発現誘導を行えるようになりました。(図1参照)。

※ ご注意
Cumate Switch Promoterを搭載したベクターで目的遺伝子を発現誘導させる場合は、レンチウイルス粒子で導入して下さい。プラスミドのままトランスフェクションすると、上流のRSV promoterによって恒常的に発現してしまうことがあります。


pCDH-Cuo-MCS-P2A-GFP-EF1a-CymR-T2A-Puro(#QM820B-1)

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図1.pCDH-Cuo-MCS-P2A-GFP-EF1a-CymR-T2A-Puro(#QM820B-1

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Cumate Switchの発現誘導・抑制の原理

Cumate Switchは、Cumateオペレーター配列(CuO)に強く結合しているCymRリプレッサーを介して発現のON/OFFが行われます。CymRリプレッサーにより遺伝子の発現が抑制されている状態(図:Cumate Switch OFF)にCumateを加えると、CumateがCymRリプレッサーに結合しCymRリプレッサーがCuOから解離するため、遺伝子発現が起こります(図:Cumate Switch ON)。その後、増殖培地からCumateを除去することで遺伝子の発現が抑制されている状態に戻ります。

Cumate switchの発現誘導・抑制の原理

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図2.Cumate switchの発現誘導・抑制の原理


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特長

  • P2A配列を有するため、目的遺伝子配列だけでなくレポーター遺伝子の誘導発現も一貫性高く制御することができます。
  • Cumateの添加量で、発現誘導レベルを容易に調節できます。
  • 発現誘導のON/OFFを可逆的に繰り返すことができ、発現量を最大40倍まで増加することができます(図2参照)。
  • 目的遺伝子・レポータ遺伝子の誘導発現と、発現調節に用いるCymRリプレッサーの発現が1つのベクターで行われる簡便なAll-in-oneフォーマットです。
  • ☞ 従来のSparQシステムのpCDH-CuO-MCS-IRES-GFP-EF1-CymR-T2A-Puro All-in-one Inducible IRES Lentivector(#QM812B-1)よりも大きなサイズの遺伝子を導入できます。
  • 発現誘導物質であるCumateは、細胞に対し非毒性の低分子化合物です。
  • レポーター遺伝子(GFPやRFP)も同時に誘導発現されるため、in vivoでの細胞動態研究などのアプリケーションにも適しています。
  • さまざまな選択マーカーやレポーター遺伝子を有するベクターを選択することが可能です。
  • 同様のシステムに比べて、非誘導時のバックグラウンド発現が極めて低くなっています。

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製品ラインナップ

商品コードをクリックすると各製品の価格表をご覧いただけます。

SparQ2 Cumate Switch Systemベクターマップ

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SparQ2 Cumate Switch Systemベクターマップ

品名(バイシストロニック発現用配列) レポーター遺伝子
×××
選択マーカー
●●●
商品コード
pCDH-CuO-MCS-P2A-GFP-EF1a-CymR-T2A-Puro GFP Puro QM820B-1
pCDH-CuO-MCS-P2A-RFP-EF1-CymR-T2A-Puro RFP QM821B-1
pCDH-CuO-MCS-P2A-GFP-EF1-CymR-T2A-Blast GFP Blast QM822B-1
pCDH-CuO-MCS-P2A-RFP-EF1-CymR-T2A-Blast RFP QM823B-1
Plasmid, pCDH-CuO-MCS-P2A-GFP-EF1-CymR-T2A-Neo GFP Neo QM824B-1
pCDH-CuO-MCS-P2A-RFP-EF1-CymR-T2A-Neo RFP QM825B-1
pCDH-CuO-RFP-P2A-GFP-EF1-CymR-T2A-Puro RFP GFP Puro QM826B-1
pCDH-CuO-FLuc-P2A-GFP-EF1-CymR-T2A-Puro FLuc GFP QM828B-1


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組換えウイルス粒子の作製と安定発現細胞株の樹立のワークフロー

レンチウイルス発現コンストラクトのパッケージングと安定発現株の樹立のワークフロー

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  • Step 1.:レンチウイルス発現コントラクトとpPACK packaging plasmid mix293TN細胞(#LV900A-1)をコトランスフェクトする。
  • Step 2.:産生した組換えウイルス粒子を回収し、力価を決定する。
  • Step 3.:標的細胞に感染させる。
  • Step 4.:細胞アッセイ(例、FACS解析)を実施する。

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使用例

SparQ2 Cumate Switch Systemによる遺伝子発現の誘導および抑制

SparQ 2 Cumate Switch ON/OFF System例

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図3.SparQ 2 Cumate Switch ON/OFF Systemの例

pCDH-CuO-RFP-P2A-GFP-EF1-CymR-T2A-Puro(#QM826B-1)のプラスミドをウイルス産生細胞にトランスフェクトして組換えウイルス作製し、MOI 15でHEK293細胞に感染させた。感染から3日後、1 μg/mlのピューロマイシンを培地に添加して安定発現細胞株を樹立した。次に、樹立したHEK293由来の安定発現細胞株を異なる濃度のCumateで処理した。Cumate処理してから3日後には、RFPおよびGFPの発現が十分に誘導さされていることを確認できた。その後、Cumateを培地から除去してから3日間後には、RFPおよびGFPの発現はほとんど確認できなくなった。

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SparQ2 Cumate Switch Systemによる滴定可能かつ可逆的な遺伝子の誘導発現

HEK293安定発現株を用いたCumate濃度による影響の比較

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図4-A.pCDH-CuO-FLuc-P2A-GFP-EF1-CymR-T2A-Puro(#QM828B-1)プラスミドから産生したウイルス粒子を導入して樹立したHEK293安定発現細胞株におけるCumate濃度によるルシフェラーゼ発現量の比較

ルシフェラーゼ活性を測定するため、Cumate処理した細胞を1日目、2日目および3日目にそれぞれ回収した。本製品は、Cumate処理3日後に発現量を最大40倍に増加できることを確認した。

培地からのCumateの除去による遺伝子発現の再抑制の確認

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図4-B.培地からのCumateの除去による遺伝子発現の再抑制の確認

図4-Aで遺伝子発現を誘導した細胞において、今度は遺伝子発現を抑制するために、Cumateを培地から除去した。Cumate除去の3日後には、ルシフェラーゼGFPの発現はほとんど検出されなくなった。

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可逆的で再現性があるSparQ2 Cumate Switch Systemの遺伝子誘導発現

SparQ2 Cumate Switch Systemによる可逆的遺伝子発現の反復可否の評価

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図5.pCDH-CuO-FLuc-P2A-GFP-EF1-CymR-T2A-Puro(#QM828B-1)プラスミドから産生したウイルス粒子をMOI 15でHEK293細胞に感染させ、3日後に1 μg/mlのピューロマイシンを培地に添加して安定発現細胞株を樹立した。次に、樹立したHEK293安定発現細胞株を60 μg/ulのCumateで処理し、3日後にルシフェラーゼの発現が十分に誘導されたことを確認した。Cumateを培地から除去した3日後にはルシフェラーゼ活性はコントロールと同等レベルに戻った。その後、Cumateを培地に再度添加すると、ルシフェラーゼ発現が再び誘導されることを確認できた。

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価格

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