前立腺がん組織の免疫染色におすすめの抗体です 前立腺がん（Prostate Cancer）研究用抗体（Atlas Antibodies社）

前立腺がんは、男性に最も多くみられる悪性腫瘍のひとつです。原発性前立腺がんの症例の多くは腺がんであり、しばしば多巣性や分化パターンの不均一性などの特長を示します。前立腺がんの増殖速度は様々ですが、多くの場合はゆっくりです。診断時の年齢の中央値が高い（65～70歳）ため、ほとんどの患者、特に限局性腫瘍の患者はがんによる重大な症状を経験するすることなく、他の合併症で亡くなることが多々あります。

前立腺がん患者の約15％は、疾患に関連する症状と死亡リスクが高い状態にあります。ただし、一部の患者はがんが遠隔転移した後でも生存期間が長くなる可能性があります。前立腺がんはホルモン（アンドロゲン）によって刺激されることが多く、抗ホルモン療法は腫瘍の成長を制限および減速させるのに効果的です。

正常な前立腺も前立腺がん細胞も共にPSAタンパク質（遺伝子KLK3によってコードされる）を発現し、血中のPSAレベルの上昇の検出は、今日、前立腺がんの増殖を検出するためのスクリーニングツールとして広く使用されています。前立腺がんは直腸検査（触診）や、組織生検によるグリーソンググレードスコアリングシステム（がん細胞の組織学的優位性からがんの病期を判定するシステム）を用いて行われます。また、関連する分子マーカーの免疫染色も重要です。

トランスクリプトーム解析の結果、全ヒト遺伝子（n=19,670）の74％（n=13,686）が前立腺がんで発現していることが分かっています。248個の遺伝子が、前立腺がんにおいてある程度の発現上昇を示します。前立腺がんの予後不良に関連する遺伝子は134個、予後良好に関連する遺伝子は25個あります。