強化された検証試験 Atlas Antibodies社における抗体検証の取り組み

掲載日情報:2018/10/12 現在Webページ番号:67982

Atlas Antibodies社では、以前から行っている抗体の広範な検証および特性評価に加えて、Nature MethodsでIWGAV(抗体の検証のための国際的ワーキンググループ)が提案したガイドラインに従い、アプリケーション特有の強化された検証試験を導入しました。

Validation

強化された検証試験を表す5つのアイコン

Genetic Validation:
遺伝学的検証
Orthogonal Validation:
生物学的検証
Validation by Independent Antibodies:
独立した抗体による検証
Recombinant Expression Validation:
組換え発現による検証
Migration Capture MS Validation:
質量分析による検証
Genetic Validation Orthogonal Validation Antibodies Validation Expression Validation MS Validation
標的のsiRNAノックダウンによって検証済み。 非抗体ベースの手法によって検証済み。 異なるエピトープを標的とする複数の抗体によって検証済み。 標的タンパク質の過剰発現よって検証済み。 標的の存在を質量分析によって検証済み。

Atlas Antibodies社ホームページの検証試験紹介のページにて、各検証試験を実施済みの抗体の一覧をご覧になることができます。

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実施した検証試験のアイコン表示例

■Anti-ABCF1 Antibody (#HPA017578)

HPA017578

■Anti-AASS Antibody (#HPA020734)

HPA020734

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Genetic Validation:遺伝学的検証

siRNAまたはCRISPR-Cas9を用いて、標的タンパク質を遺伝子レベルで下方制御することにより、抗体の特異性を検証する方法です。対応する遺伝子のノックアウトまたはノックダウンが抗体シグナルの欠如または減少と相関する場合、抗体の特異性が立証されます。

抗PPIB抗体West

抗PPIB抗体を用いたウエスタンブロットでのsiRNAノックダウンによる遺伝子検証例
コントロールsiRNAおよび2つの標的特異的siRNAプローブをU-251細胞にトランスフェクトした。抗体シグナルの下方制御により、標的への特異性が確認された。

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Orthogonal Validation:生物学的検証

抗RAB27A抗体と抗SLC2A2抗体

ウエスタンブロットおよび免疫組織染色による生物学的検証
左図:抗RAB27A抗体(#HPA001333)を用いた、ヒトSK-MEL-30およびCaco-2細胞株におけるウエスタンブロット解析結果。同じ細胞株の対応するRNA-Seqデータ(TPM値)を右に示した。
右図:抗SLC2A2抗体(#HPA028997)を用いた、肝臓および結腸組織の免疫組織染色像。同じ組織の対応するRNA-Seqデータ(TPM値)を下に示した。

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Validation by Independent Antibodies:独立した抗体による検証

同じタンパク質の異なる領域を標的とする2つの抗体を比較することにより、抗体の特異性を検証する方法です。2つの抗体が1組の関連組織において類似の染色パターンを示す場合、抗体は相互に正当性を立証します。

抗体による検証

免疫組織染色による独立した抗体の検証例
A2ML1の異なる領域を標的とする2種類の抗A2ML1抗体(#HPA038847(左図)および#HPA038848(右図))を用いて、食道、扁桃腺、結腸および腎臓の組織を染色した。2つの抗体の染色結果は両者で類似していた。

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Recombinant Expression Validation:組換え発現による検証

標的タンパク質の過剰発現またはタグ付けにより、抗体の結合を検証する方法です。細胞株に標的タンパク質を過剰発現させ、未処理の内因性標的タンパク質と比較することにより抗体を検証します。あるいは、親和性タグまたは蛍光タンパク質によってタグ付けされた標的タンパク質の分布が抗体シグナルと一致した場合、抗体がその標的タンパク質を認識していることが立証されます。

組換え発現による検証

抗ACY3抗体(#HPA039219)を用いたウエスタンブロットによる組換え発現検証例
レーン1:マーカー
レーン2:ネガティブコントロール(ベクターのみトランスフェクトしたHEK293Tライセート)
レーン3:哺乳類のHEK293T細胞においてC末端myc-DDKタグ(約3.1 kDa)と共発現したACY3過剰発現ライセート(#LY408962)

組換え発現による検証

抗NES抗体(#HPA006286)を用いたトランスジェニックHeLa細胞の免疫蛍光染色による組換え発現検証例
抗NES抗体で染色した中間フィラメントのシグナル(緑色)は、GFP標識ネスチンタンパク質の分布(紫色)と重複した。

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Migration Capture MS Validation:質量分析による検証

抗体によって検出された染色パターンおよびタンパク質サイズを、質量分析(MS)法によって得られた結果と比較する検証方法です。抗体によって検出されたサイズが、質量分析において検出された標的タンパク質のサイズと同等である場合、抗体の特異性が立証されます。

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Reproducibility:再現性の確保

徹底的な検証試験を行うことに加えて、抗体の再現性を確保することが非常に重要です。抗体を使用する実験で繰り返し同じ結果が得られるように、新しいロットは以前のロットと同等に使用できなければなりません。Atlas Antibodies社では、すべての新しい抗体ロットを多数の試料において既存のロットと並行してテストしています。

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お問い合わせ先

(テクニカルサポート 試薬担当)

reagent@funakoshi.co.jp

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