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わずか7日間で効率的な分化誘導を実現! ヒトiPS細胞から感覚神経細胞への分化誘導キット「Senso-DM MAX」

掲載日情報:2025/10/27 現在Webページ番号:69775

ヒトiPS細胞(hiPSC、ヒト人工多能性幹細胞)から感覚神経細胞をわずか7日で分化誘導できるキットです。基本操作は培地交換のみと簡便で、最大1.5×107 cells、純度90%の感覚神経細胞を効率よく得られます。

Senso-DMの免疫細胞化学像

図. 本製品を用いたヒトiPS細胞から感覚神経細胞への分化誘導の各段階におけるマーカー分子の発現
1日目(D1)でヒトiPS細胞から外胚葉への分化が確認でき、7日目(D7)では未成熟感覚神経細胞の分化マーカーの発現が確認できる。

ヒトiPS細胞(ヒト人工多能性幹細胞)から神経細胞への分化について

神経細胞のサブタイプはおよそ10,000種類にも及び、幹細胞から神経細胞への分化のシステムは、発生段階において非常に複雑です。そのため、ヒトiPS細胞から特定の神経細胞への分化誘導は、技術的に難しいことが知られています。実際、これまでに報告されている手法を用いた場合、ヒトiPS細胞から神経細胞への分化誘導の最初の段階である幹細胞から外胚葉への分化誘導に1週間程度の時間を要します。最終的に幹細胞から神経細胞やグリア細胞を作製するには、30日~60日の時間を必要とします。このことはヒトiPS細胞を用いた神経系の研究における障害となっています。

Anatomic社の開発した技術について

Anatomic社は、ヒトiPS細胞から外胚葉へわずか24時間以内に分化誘導する技術を開発し、製品化(Senso-DM MAX)に成功しています。Senso-DM MAXを用いると、ヒトiPS細胞からわずか7日間で未成熟な感覚神経細胞を高純度に作製できます。ヒトiPS細胞を用いた痛みのモデリングや末梢神経の再生研究に有用です。


■参考文献
  • Walsh, P., et al., Stem Cells, 38(11), 1400(2020). [PMID:32745311]

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特長

■迅速な分化誘導:わずか7日間でヒトiPS細胞を感覚神経細胞に分化誘導
■シンプルな操作:各培地(それぞれ所定のサプリメントを含む)の基本操作は、培地交換のみ
■高効率:最大1.5×107 cells(純度90%)の感覚神経細胞を作製可能

作製した神経細胞は凍結保存可能です。


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簡易プロトコル

分化誘導前のiPS細胞維持

  1. Essential 8培地/ビトロネクチンを用いて、6ウェルプレートで4日間培養を行う。
  2. 0日目、1日目、2日目、3日目にそれぞれ2 ml、2.5 ml、3 ml、4 mlの培地を加える。
  3. 4日目までに細胞は80%コンフルエントになるので、継代を行う。

プレートのコーティング

  1. iMatrix 511-SILKは、DPBS-/-で希釈する。
  2. 6ウェルプレートの各ウェルに、希釈したiMatrix 511-SILKを添加する。
  3. 37℃で3時間、または4℃で一晩インキュベートする(蒸発を防ぐためパラフィルムで覆い、乾燥はさせない)。

シングルセル(単一細胞)の播種

  1. Versene EDTAを用いて、シングルセルにする。
  2. 遠心分離後、ROCK阻害物質含有のEssential 8培地を用いて、適切な細胞数に調製する。
  3. iMatrix 511-SILKでコーティングした6ウェルプレートに播種し、培養を行う。

分化誘導

  1. 培養プレートから培地を除き、Senso-DM MAX 1培地を入れる。
  2. 24時間、培養を行う。
  3. 翌日以降はSenso-DM MAX 2~7培地を用いて、それぞれステップ1~2を繰り返す。

未成熟感覚ニューロンの保存

  1. 細胞はVersene EDTAで洗い、Accumaxでシングルセルにする。
  2. 遠心分離を行い、最適な細胞数になるように調整後、クライオバイアルで保存する。

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Senso-DM MAX培地を用いた分化誘導例

細胞密度は左から7K(7,000/cm2)、8K(8,000/cm2)、9K(9,000/cm2)、10K(10,000/cm2)、11K(11,000/cm2)、12K(12,000/cm2)。

Day0:ヒトiPSCから外胚葉に分化誘導するためにSenso-DM MAX 1培地で培養を開始する

ヒトiPS細胞をさまざまな細胞密度で培養した。細胞密度は分化の成否を左右する重要因子であり、各ヒトiPS細胞株の固有の増殖特性に応じて最適化する必要がある。

分化誘導0日目

Day1:外胚葉への分化が確認でき、Senso-DM MAX 2培地に交換する

均質な外胚葉に分化する。中央に核小体を有する円形の特徴を有する細胞が見られる。

分化誘導1日目

Day2:Spinal neural population形成が確認でき、Senso-DM MAX 3培地に交換する

HOXB4およびSOX2陽性のSpinal neural populationが産生される。コロニーは平坦化し、エッジはより滑らかになる。数日後にはコロニーの中心部の密度が高くなる。

分化誘導2日目

Day3:Neural plate border populationの形成が確認でき、Senso-DM MAX 4培地に交換する

Neural plate border populationが形成される。

分化誘導3日目

Day4:Neural crestの形成が確認でき、Senso-DM MAX 5培地に交換する

神経堤(neural crest)前駆細胞へ分化すると、コロニーはより尖鋭化した形態を示す。細胞が遊走を開始できるよう、十分なスペースの確保が必要である。観察の結果、7~10Kの細胞密度が神経堤細胞の遊走に最も適した空間条件を与えると考えられる。

分化誘導4日目

Day5:Neural crest細胞の増殖が確認でき、Senso-DM MAX 6培地に交換する

Neural crest前駆細胞はコロニーの端からシート様の塊となって広範囲に遊走し始める。コロニーの中心部はより三次元的な形態へと変化を続ける。

分化誘導5日目

Day6:感覚ニューロン前駆細胞が確認でき、Senso-DM MAX 7培地に交換する

Neural crest前駆細胞が感覚ニューロンへ分化する過程で、軸索が細胞から伸長し始める。細胞密度が高すぎる場合、密集コロニー(赤矢印)が生じる。

分化誘導6日目

Day7:感覚ニューロンに分化する

感覚ニューロンの軸索は伸長し、感覚ニューロン前駆細胞は終末分化へ移行する。 この段階で、細胞を保存するか成熟培養を継続するかを選択できる。 細胞密度に関しては、7Kは低すぎ、8~9Kが理想的である。

分化誘導7日目

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ヒトiPS細胞由来の感覚神経細胞

Anatomic社では、本製品を用いてヒトiPS細胞から分化させた感覚神経細胞RealDRG(#1020F1-1M、#1020M1-1M)も取り扱っています。詳細はヒトiPS細胞由来の感覚神経細胞と成熟化培地をご確認下さい。


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アプリケーションガイド

カルシウムイメージングの手順・詳細は以下のクイックガイドをご確認下さい。

CalciumImaging QuickGuide

CalciumImaging QuickGuide


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キット内容

  • iMatrix 511-SILK(コート用細胞培養基質)
  • Basecamp(分化基礎培地)
  • Senso DM Max 1~7(サプリメント)
  • Senso-MM(成熟化培地)

キットに含まれていない必要試薬、装置などはSenso-DM MAX Quick Guideの「Other Reagents Needed」をご確認下さい。


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価格

[在庫・価格 :2025年11月18日 00時00分現在]

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Senso-DMmax

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Senso-MM
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お問い合わせ先

(テクニカルサポート 試薬担当)

reagent@funakoshi.co.jp

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