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わずか7日間で効率的な分化誘導を実現! ヒトiPS細胞から感覚神経細胞への分化誘導キット「Senso-DM」

掲載日情報:2021/12/10 現在Webページ番号:69775

ヒトiPS細胞(hiPSC、ヒト人工多能性幹細胞)から感覚神経細胞への分化誘導キットです。わずか7日間で簡便(基本操作は培地交換)かつ効率的(感覚神経細胞が最大1.2×107cells、純度90%)に分化誘導できます。

ヒトiPS細胞由来の感覚神経細胞用の成熟化培地は、「Senso-MM1」をご覧下さい。
本製品は研究用です。研究用以外には使用できません。

Senso-DMの免疫細胞化学像

図. 本製品を用いたヒトiPS細胞から感覚神経細胞への分化誘導の各段階におけるマーカー分子の発現
1日目(D1)でヒトiPS細胞から外胚葉への分化が確認でき、7日目(D7)では未成熟感覚神経細胞の分化マーカーの発現が確認できる。

ヒトiPS細胞(ヒト人工多能性幹細胞)から神経細胞への分化について

神経細胞のサブタイプはおよそ10,000種類にも及び、幹細胞から神経細胞への分化のシステムは、発生段階において非常に複雑です。そのため、ヒトiPS細胞から特定の神経細胞への分化誘導は、技術的に難しいことが知られています。実際、これまでに報告されている手法を用いた場合、ヒトiPS細胞から神経細胞への分化誘導の最初の段階である幹細胞から外胚葉への分化誘導に1週間程度の時間を要します。最終的に幹細胞から神経細胞やグリア細胞を作製するには、30日~60日の時間を必要とします。このことはヒトiPS細胞を用いた神経系の研究における障害となっています。

Anatomic社の開発した技術について

Anatomic社は、ヒトiPS細胞から外胚葉へわずか24時間以内に分化誘導する技術を開発し、製品化(Senso-DM)に成功しています。Senso-DMを用いると、ヒトiPS細胞からわずか7日間で未成熟な感覚神経細胞を高純度に作製できます。ヒトiPS細胞を用いた痛みのモデリングや末梢神経の再生研究に有用です。


■参考文献
  • Walsh, P., et al., STEM CELLS, 38(11), 1400(2020). PMID:32745311

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特長

■迅速な分化誘導:わずか7日間でヒトiPS細胞を感覚神経細胞に分化誘導

■シンプルな操作:基本的な操作は培地交換のみ

■高効率:最大1.2×107cells(純度90%)の感覚神経細胞を作製可能
作製した神経細胞は凍結保存可能です。


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キット内容

  • Chrono matrix1(コート用細胞外基質)
  • Basecamp(基本培地)
  • Senso DM1~7(サプリメント)

キットに含まれていない必要試薬、装置などはChrono Senso DM Technical ManualのMaterials Required but not Includedをご確認下さい。

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各ステージにおける細胞の状態

培養スキーム

基本操作は培地交換です。プロトコルの詳細については、Chrono Senso DM Technical Manualをご確認下さい。

Senso-DMを用いた培養スキーム

Day -4 ~ Day -1:合成培地における未分化培養の維持

Day -3はコンフルエンシーが最も低くなる継代後最初の日となり、コンフルエンシーは約20%。Day -1にはコンフルエンシーは約60%になる。

合成培地における未分化培養の維持

Day -1:分化誘導のための継代

Chrono matrix1でコートしたT25-フラスコに未分化なヒトiPS細胞コロニーを播種し培養する。


Day 0:Senso DM1での培養(ヒトiPS細胞→外胚葉)

ROCK阻害剤を用いて培養したシングルセル解離時のような、尖った小さなヒトiPS細胞のコロニーが見られる。

ROCK阻害剤を用いたシングルセル解離時のような尖った小さなhPSCのコロニー

Day 1:Senso DM2に培地交換

Senso DM1を用いた培養によって均質な外胚葉に分化する。少数の細胞死が生じ、また小さなコロニーが集合して大きなコロニーを形成することで全体として表面積が小さくなっているため、細胞の培養密度が低く見える。

Senso DM1を用いた培養による均質な外胚葉に分化

Day 2:Senso DM3に培地交換

Senso DM2を用いた培養によってHOXB4、SOX2陽性のspinal neural populationが産生される。コロニーの顕微鏡像はより明るくなり、エッジはより滑らかになる。数日後にはコロニーの中心部の密度が高くなる。

Senso DM2を用いた培養によって産生されたHOXB4、SOX2陽性のspinal neural population

Day 3:Senso DM4に培地交換

Senso DM3を用いた培養によってPAX3陽性のneural plate border populationが産生される。コロニーはより尖った形状になり、培地をSenso DM4に交換するとneural crest に分化誘導される。

Senso DM3を用いた培養によって産生されたPAX3陽性のneural plate border population

Day 4:Senso DM5に培地交換

Senso DM4を用いた培養によってneural crest(PAX3/SOX10陽性)に分化する。Neural crestの前駆細胞はコロニーの端からシート様の塊となって広範囲に遊走し始める。コロニーの中心部は立体的になり、色が黄色になってくる。

Senso DM4を用いた培養によってneural crest(PAX3/SOX10陽性)に分化

Day 5:Senso DM6に培地交換

Senso-DM5での培養によって、PAX3とSOX10を発現するneural crestの数が増加する。この細胞はSenso-DM6での培養によって感覚神経芽細胞に誘導された。

Senso-DM5での培養によって増加したPAX3とSOX10を発現するneural crest

Day 6:Senso DM7に培地交換

Day5でSenso-DM6に培地交換後、細胞は培養によってコロニーの周辺部からBRN3A / ISL1 / PERIPHERIN / TUJ1陽性の感覚神経芽細胞に誘導されていき、軸索を伸長させ始める。

oYo-Linkの商品コードのルール

Day 7:未成熟の感覚神経細胞

Senso DM7を用いた培養によって、軸索が伸長した未成熟の感覚神経細胞(単層)に分化していく。 感覚神経細胞の割合は、播種密度によって上下するが、70%以上になると考えられる。

軸索が伸長した未成熟の感覚神経細胞(単層)

この感覚神経細胞は未成熟な状態であり、解離して凍結保存できる。

凍結保存の方法については、Chrono Senso DM Technical Manualの「7.0 Dissociation of neurons produced with Chrono Senso-DM」と「8.0 Cryopreservation of neurons produced using Chrono Senso-DM」をご確認下さい。
成熟化にはSenso MM1が必要です。成熟化についてはChrono Senso-MM Technical Manualをご確認下さい。


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ヒトiPSC由来の感覚神経細胞

Anatomic社では、ヒトiPSC由来の感覚神経細胞(RealDRG、#SN7009*1)も取り扱っています。詳細は以下のユーザーガイド(左)もしくはクイックガイド(右)をご確認下さい。

Neurons Product Manual

Neurons Product Manual

RealDRG QuickGuide

RealDRG QuickGuide

*1 Anatomic社のヒトiPSC由来の感覚神経細胞(RealDRG、#SN7009)を培養する場合は、コート用細胞外基質としてiMatrix-511 silkの使用を推奨しています。


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アプリケーションガイド

カルシウムイメージングの手順・詳細は以下のクイックガイドをご確認下さい。

CalciumImaging QuickGuide

CalciumImaging QuickGuide


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お問い合わせ先

(テクニカルサポート 試薬担当)

reagent@funakoshi.co.jp

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