ヒトgrowth STimulation expressed gene 2測定キット DetectX Human ST2 ELISA Kit

ST2（growth STimulation expressed gene 2、IL1RL1、DER4、T1、FIT-1）は、Toll様受容体（TLR）-インターロイキン1レセプター（IL-1R）スーパーファミリーのメンバーです。スーパーファミリー共通の構造としてToll / Interleukin-1レセプター（TIR）ドメインを有し、それは約160アミノ酸のタンパク質の細胞質末端にある5つのαヘリックスに囲まれた中央の5本鎖のβシートで構成されています。IL-1レセプターファミリーには、古典的なIL-1レセプターおよびIL-18レセプターなどが属しています。ST2は1989年に、IL-1レセプターファミリーの一つのオーファンレセプターとして発見されました。

ST2の機能について調べたところ、特にマスト細胞、2型CD4⁺ヘルパー細胞、およびTh2-関連サイトカインの産生に関する炎症プロセスへの関与が明らかになりました。ST2は、Th2とTh1 T細胞を区別する特定の細胞マーカーとして特徴付けられました。ST2の遺伝子は、ヒト染色体2q12で約40 kbに及び、約200 kbのより大きなヒトIL-1遺伝子クラスターの一部です。ST2は種間で保存されており、マウス（Mus musculus染色体1）、ラット（Rattus norvegicus染色体9）、ミバエ（ショウジョウバエトールタンパク質のホモログ）のゲノムに相同体があります。

約37 kDaのグリコシル化されていない分泌タンパク質は、ST2の可溶型である60～70 kDaのグリコシル化生成物であるsST2に変換されます。臨床的および実験的観察により、ST2と喘息、肺線維症、関節リウマチ、膠原血管疾患および敗血症性ショックなどの疾患との関連が確認されました。ST2の血清レベルは、気管支喘息の急性症例の患者、および息切れを示す緊急治療室の患者で上昇しています。ST2の血清レベルにより、心不全と非心血管病因とを区別することができます。