唾液試料中バイオマーカー測定のエキスパート(Salimetrics社)
掲載日情報:2020/06/01 現在Webページ番号:69325
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Vol. 59 唾液試料中のバイオマーカーのエキスパート
Salimetrics 社は米国ペンシルバニア州に本拠を置く、唾液中のバイオマーカー研究のエキスパートです。唾液試料中に含まれる各種因子を定量するEIA キットや唾液採取用器具などを開発・製造しています。今回はSalimetrics 社の成り立ちからこれまでの経緯など、様々なお話を伺いました。
![Salimetricsの会社外見](/domestic/f-img/ds/SAL_69325_1.jpg)
![Salimetricsの会社外見](/domestic/f-img/ds/SAL_69325_2.jpg)
米国内に2か所拠点をもつSalimetrics 社
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Salimetrics 社の始まり
Salimetrics社の取り組みは、1990 年代にペンシルベニア州立大学のDouglas A. Granger 博士の研究室から始まりました。当時、小児行動研究などで子供から採血する必要がありましたが、研究室で行うには困難でした。そこで注目したのが非侵襲的に回収でき、バイオマーカーの測定も可能という特長を持った唾液試料でした。唾液試料を用いた研究に必要な技術を提供するべくSalimetirics 社が設立されました。
1998年にリリースしたSalimetrics Salivary Cortisol Assay Kit は、唾液科学研究のさきがけとなりました。
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会社名の由来
「Salimetrics」という名前は、唾液「Saliva」中の分析物の測定「metrics」と いう、2つの単語を組み合わせた造語です。 Salimetrics 社は設立当初、資金の一部を米国ペンシルベニア州中央部の起業を支援する機関であるBen Franklin Technology Partners からの助成金によって調達していました。この関係によって、Penn State Innovation Park biotechnology start up incubator のアドバイザーとの面会が可能になりました。 私たちの会社名は彼らとのブレインストーミングから生みだされたのです。 |
![]() 左側の黄色の丸は、測定に使用する96ウェルマイクロプレートを表している。 |
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商品化までの苦労
今から15年ほど前、私たちの製品を唾液診断(臨床用途)に用いたいというニーズが急速に高まりましたが、臨床用ではなく基礎研究分野を最優先にすることが社内方針として決定し、研究者用の製品に注力することになりました。
しかし、唾液診断に対する要望は高まっていたものの、基礎研究にも唾液試料が使えることを知っている研究者は少なく、ビジネスチャンスをつかむのは困難でした。そのため、研究用製品を製品化するには、まず唾液についての理解を深め、興味や関心をもつ人を増やす活動が必要でした。
その活動の一つが「唾液採取ワークショップ」です。Salimetricsでは研究者向けのワークショップを無料で実施しています。
こうした活動に多くの時間と資源を費やすことで、私たちは唾液科学の市場を作り出すことに成功しました。
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Salimetrics 社の信念
実験においては精度が最も重要です。しかし、唾液は不均一な試料のために、測定精度を高めるには、信頼性の高い採取方法、適切な保存や取り扱い、高品質な測定キット、きちんと検証されたプロトコルが必要となります。 Salimetrics社は、これまで培ってきた経験と知識を生かし、唾液科学における試験法の標準化のリーダーとして、研究者の皆様が最高の結果を得られるように支援させていただきます。
We believe the best research needs the best results, the best results come from the best methods, and the best methods come from Salimetrics.
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唾液試料がもたらす研究の発展
ストレス関連の研究では、今なお唾液中のコルチゾールの測定がゴールドスタンダードとなっています。私たちは基礎研究用製品において、最も使用文献の多い唾液中のコルチゾールのアッセイキットを提供し続けています。
1998年以来、研究者はSalimetrics 社のSalivary Cortisol EIA Kit を使って、ストレス研究を新しい方向へ進めてきました。
現在、唾液試料を使用したストレス研究は、『Nature Reviews』、『JAMA』、『PNAS』など様々な学術誌に掲載されています。
また、最近の研究では、唾液コルチゾールと α-アミラーゼ、DHEA、オステオカルシン、尿酸などの分泌物も組み合わせて測定を行っています。測定対象を複数に増やすことにより、体のストレスに対する反応をより包括的に調べることが可能になっています。
唾液試料はストレスの研究だけでなく、スポーツ科学および運動生理学などの新しい研究分野においても利用されています。
コルチゾールとテストステロン、sIgA(secretory immunogloblin A、分泌型免疫グロブリンA)などを組み合わせて測定することによって、アスリートのトレーニング方法の検討に重要なデータを得られることが示されています。
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重点を置いている研究分野
Salimetrics 社は、感染症研究分野において唾液科学研究が大きな可能性を秘め
ていると考え、現在、感染症研究への支援も行っています。最近リリースしたSalivary IgG Assay Kit によって、唾液試料中のIgGを感染症の指標とみなし、唾液試料で個々の免疫状態のスクリーニングが可能になりました。
一般的に、唾液中と血清中のIgGは同一であるといわれています。しかし、唾液中のIgG濃度は血中IgG と比べると変動が大きいため、総IgGを使用することで唾液試料の品質を検証することができます。
総IgGを測定すると、対象の病原体に特異的なIgG に対する割合を決定できます。この比率が病原体に対する個人の免疫状態を示す唾液試料の品質を表しています。
このような観点から、私たちは唾液中の免疫グロブリン関連のアッセイキットをさらに開発していき、COVID-19などの研究にも応用できるよう検討しています。
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日本の研究者に向けて
私たちは、素晴らしい活動をされている日本の唾液科学研究者皆様の研究の構築に携われることを嬉しく思います。研究や診断分野の発展の促進と健康増進により良い結果が得られるように支援することが私たちの使命です。
唾液以外の試料でも適切に試験し測定ができても、唾液を測定することで、より重要な感染症マーカーを見いだせると考えています。
私たちは次世代唾液バイオサイエンスのためのベストパートナーになることをさらに強くお約束します。
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