肺がん組織の免疫染色におすすめの抗体です 肺がん（Lung Cancer）研究用抗体（Atlas Antibodies社）

肺がんは、世界で最も多く見られるがんであり、がん関連死亡の第一の原因となっています。喫煙は肺がん患者の70～90%に関連する主要な危険因子ですが、肺がんの病因は環境因子と遺伝因子の両方が関与する多因子性であると考えられています。
肺がん患者の5年生存率はすべてのステージにおいて男性で13.6％、女性で19.4％と予後不良です。この予後の悪さは、診断の遅れに加え、有効な治療法の欠如も一因となっています。

組織型により、肺がんは主に以下のように分類されます。

SCLCは神経内分泌細胞から発生し、原発性肺がん全体の約15％を占めます。このがんは極めて増殖が早く、一般に化学療法で治療し、初期には良好な効果が得られますが、残念ながらほとんどの場合、その後、治療に対する抵抗性が生じ、生存率は低下します。

NSCLCは、気管支原性細胞または肺胞細胞から発生することが示唆されています。原発性肺がんの中で最も多く、全肺がん症例の約80～85％を占めています。NSCLCは組織型によってさらに異なるサブタイプに分類され、腺がんと扁平上皮がんが最も一般的であるとされています。
NSCLCの治療は、主に腫瘍の進展度に基づいて行われます。原則として、限局型の腫瘍は外科的治療を行い、場合によっては化学療法や放射線療法を追加しますが、進行型の腫瘍は細胞障害性薬剤や最近開発された分子標的薬剤を併用して緩和的な治療を行います。

トランスクリプトーム解析の結果、全ヒト遺伝子（n=19,670）の74％（n=14,627）が肺がんで発現していることが分かっています。97個の遺伝子が、肺がんにおいてある程度の発現上昇を示します。肺がんの予後不良に関連する遺伝子は354個、予後良好に関連する遺伝子は297個あります。