扁平上皮がん細胞の免疫染色におすすめの抗体です 頭頸部がん（Head and Neck Cancer）研究用抗体（Atlas Antibodies社）

頭頸部がんは、鼻腔、副鼻腔、口唇、口腔、唾液腺、咽頭、喉頭（声帯）に発生するがんです。頭頸部がんは、世界においてタバコの使用やアルコールの摂取が多いある地域でよく見られるがんです。頭頸部がんは、欧米で新たに診断されるがんの約10％を占めますが、インドでは3分の1を占めます。地域間の発生率の差は、タバコやアルコール摂取などの主な危険因子との相対的な分布にほぼ関連しています。頭頸部がんの5年生存率は、原発巣の位置や悪性度によって異なりますが、約60％です。

頭頸部がんの原因にウイルスが関与している可能性を示す証拠が増えつつあります。ヒトパピローマウイルス（HPV：human papillomavirus）のDNAが頭頸部のがん組織から検出され、エプスタイン・バーウイルス（EBV：Epstein-Barr virus）感染は鼻咽頭がんと関連しています。

意外なことに、咽頭上部に進行性のがんがある患者さんでは、腫瘍がHPV陽性であれば、より良い治療結果が得られます。頭頸部がんが若年者に多く、タバコやアルコールを使用しない人に多いことから、遺伝的素因の可能性が示唆されています。

頭頸部がんの多くは扁平上皮から発生し、組織学的悪性度の異なる扁平上皮がんです。高分化型がんの腫瘍細胞は正常な扁平上皮に酷似していますが、低分化型がんは扁平上皮由来であると分類するのは困難です。唾液腺腫瘍（主に腺がん）は頭頸部腫瘍の中では少数派です。

トランスクリプトーム解析の結果、全ヒト遺伝子（n=19,670）の69％（n=13,629）が頭頸部がんで発現していることが分かっています。頭頸部がんでは269の遺伝子がある程度の発現上昇を示します。499人の患者から集めたデータによると、頭頸部がんの予後不良に関連する遺伝子は340個、予後良好と関連する遺伝子は450個あります。