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CRISPR/Cas9 ガイドRNA合成受託サービス EasyEdit sgRNA / SafeEdit sgRNA合成受託サービス

掲載日情報:2021/10/13 現在Webページ番号:67356

CRISPR/Cas9を用いた遺伝子改変は、様々な遺伝子や細胞にノックイン・ノックアウトによる変異を導入できる強力なゲノム編集技術です。簡便な操作で効果的なゲノム編集をサポートする修飾済みの合成シングルガイドRNA(EasyEdit sgRNA)、および高純度で両末端の化学修飾済みのsgRNA(SafeEdit sgRNA)の受託合成サービスをご紹介いたします。
GenCrispr Cas9 Nuclease(Cas9タンパク質)についてはこちらをご覧下さい。
本製品は研究用です。研究用以外には使用できません。


CRISPR/Cas9リボ核タンパク質(RNP)システムとは

CRISPR/Cas9システムでは、リボ核タンパク質(RNP)複合体の細胞導入法として、直接導入、あるいはプラスミド、レンチウイルス、アデノ随伴ウイルスの各ベクターによる導入など、様々な様式が可能です。RNPは、Cas9タンパク質とsgRNAまたはcrRNA+tracrRNA duplexのいずれか一方で構成されています。

  • crRNA:ゲノムのターゲット配列に相補的な20 ntの配列を含むRNAオリゴヌクレオチドです。
  • tracrRNA:67 ntのオリゴヌクレオチドで、crRNAおよびCas9ヌクレアーゼと共に活性型CRISPR/Cas9 RNP複合体を形成します。
  • sgRNA:ターゲットシークエンスを識別するcrRNAと、Cas9タンパク質との複合体形成に関与するtracrRNAのいずれのシークエンスも組み込まれています。

sgRNAまたはcrRNA : tracrRNAがCas9タンパク質と複合体を形成することにより、gRNAの20 ntシークエンスに相補するゲノムのローカス部位(PAMシークエンス[5'-NGG-3']から3-4 bp上流)を二本鎖切断する活性を有するようになります。

Cas9とcrRNAまたはsgRNAによるゲノム編集イメージ

Cas9とcrRNAまたはsgRNAによるゲノム編集イメージ
Cas9とsgRNAとのRNPは、Cas9とcrRNA:tracrRNAとのRNPより安定であることを示した報告がある。

CRISPR/Cas9リボ核タンパク質(RNP)複合体は、従来のプラスミドやウイルスを用いた方法と異なり、細胞内でのタンパク質発現を必要としないインタクトな複合体として細胞導入されます。このため、以下に示す多くの利点が得られます。

  • DNAフリー
  • トランスフェクション直後から高い効率で遺伝子編集効果が認められる
  • RNP複合体は細胞内ですみやかに分解されるためオフターゲット効果が少ない
  • トランスフェクションが困難な細胞に対しても高い編集効率
  • in vivo研究に最適

最近、Cas9+sgRNAがCas9+crRNA:tracrRNAに比べて複合体として安定であり、高いゲノム編集効率が得られることを示した論文が散見されます1,2。また、これまではバクテリオファージRNAポリメラーゼを使用し、100 ntの合成sgRNAをin vitro転写(IVT)することが多く行われていました。これにより得られたsgRNAは5’-三リン酸を有しており、この修飾により、様々な細胞において免疫反応が誘発されるものと考えられていました。最近の研究では、実際にIVTにより産生された5’-三リン酸修飾sgRNAが、ヒトやマウスの細胞で免疫反応を誘発し、細胞毒性を引き起こすことが明らかにされています。一方、化学的に合成されたsgRNAは5’-三リン酸修飾がなく、高いゲノム編集効率を得られることが実証されています。このことから今日に至るまで、CRISPRシステムによるゲノム編集には化学合成sgRNAが最適であるとされています3

  1. Hendel, et al., Nat. Biotechnol., 33, 985~989 (2015).
  2. Ryan, et al., Nucleic Acids Research., 46(2):792~803 (2018) .
  3. Kim, et al., Genome Res., 28, 367~373 (2018).


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EasyEdit sgRNA

EasyEdit sgRNAは、簡便な操作で効果的なゲノム編集をサポートする、修飾を施した合成シングルガイドRNA(sgRNA)です。合成sgRNAは、in vitro転写(IVT)sgRNAと比較してはるかに優れた編集効率を提供します。またプラスミドテンプレートからIVT sgRNAを調製するのにかかる4時間程度の時間を短縮することが可能です。

■EasyEdit sgRNAの特長

  • 実験にすぐに使用いただけるsgRNAのため、IVTやアニーリング工程の必要がありません。
  • ハイスループットスクリーニングに対応した96ウェルプレートでの提供が可能です。
  • ノックアウト(KO)効率が高いため、トランスフェクションが難しい細胞に対してもお試しいただけます。
  • 実験のスケールにフレキシブルに対応可能です。
    • 1~1000本以上のsgRNA合成
    • 2~100+ nmolの収量

■EasyEdit sgRNAの編集効率結果

EasyEdit sgRNAを用いたHEK293細胞のゲノム編集効率結果 EasyEdit sgRNAを用いたJurkat細胞のゲノム編集効率結果

EasyEdit sgRNAは、IVT sgRNAと比較してはるかに優れた編集効率を示した。

■EasyEdit sgRNAの価格

2'-O-メチル、およびホスホロチオエート修飾が、安定性と編集効率向上のために、5'および3'末端の3残基に自動的に追加されます。

品名包装価格
EasyEdit sgRNA 2 nmol ¥14,080 ~
4 nmol ¥21,780 ~
10 nmol ¥37,180 ~
50 nmol ¥110,880 ~
100 nmol ¥175,780 ~

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SafeEdit sgRNA

HPLC精製された高純度のSafeEdit sgRNAが、細胞毒性を最小限に抑えます。両末端に化学修飾も施されています。CRISPRシステムからノックインテンプレートまでワンストップでの準備が可能です。

■SafeEdit sgRNAの特長

  • 90%以上の純度を保証
  • 初代細胞や幹細胞に最適
  • オフターゲットの最小化

■細胞生存率の比較結果

SafeEdit sgRNAを用いた細胞生存率比較結果

高純度のSafeEdit sgRNAが、IVT sgRNAよりも細胞の生存に与える影響を最小限に抑えた。

■オフターゲットの抑制結果

SafeEdit sgRNAを用いたオフターゲットの抑制結果

HPLCで精製されたsgRNAが、試料中の断片化されたオリゴからのオフターゲットを抑制した。

■SafeEdit sgRNAの価格

2'-O-メチル、およびホスホロチオエート修飾が、安定性と編集効率向上のために、5'および3'末端の3残基に自動的に追加されます。

品名包装価格
SafeEdit sgRNA 2 nmol ¥21,780 ~
4 nmol ¥35,090 ~
10 nmol ¥61,490 ~
50 nmol ¥197,780 ~
100 nmol ¥285,780 ~

■追加QCオプション

細胞の品質を維持するための追加QCオプションを提供しています。

  • マイコプラズマ試験(qPCR)
  • エンドトキシン試験(Kinetic LAL)
  • 安定性試験
  • 細胞毒性試験(お客様ご指定細胞株との共培養)

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FAQ

Q-1. ターゲットノックアウトにはsgRNAやcrRNAのシークエンスが何種類必要ですか?

A-1. 実験の精度を高め、ターゲットを確実にノックアウトするには3種類のcrRNAシークエンスを用意することをお奨めします。オフターゲット効果に対する予防策としても、個別のノックアウト変異体を作製することは有効です。



Q-2. プラスミドやウイルスを用いてgRNAを導入する従来法に比べ、合成sgRNAによるゲノム編集の利点は何ですか?

A-2. プラスミドやレンチウイルスによる方法と異なり、CRISPR/Cas9 RNPはインタクトな状態で細胞に導入され、さらに細胞内での発現反応などを必要としないなど、操作が簡潔なことから多くの利点が得られます。

  • DNAフリー
  • トランスフェクション直後から高いレベルで検出可能
  • 細胞内での速やかに分解されるため、オフターゲット効果が少ない
  • トランスフェクションが困難な細胞に対しても高い効率で可能
  • in vivo試験に最適



Q-3. 合成sgRNAとcrRNA: tracrRNA複合体とでは、使用結果にどのような違いがありますか?

A-3. sgRNAでは、crRNAとtracrRNAの場合に行う複合体形成のためのアニーリング反応は必要ありません。しかし最も重要な違いは、複数の研究で明らかにされている通り、sgRNAの方がcrRNA: tracrRNA複合体よりもCas9 RNPとして安定性に優れていることです。



Q-4. In vitroトランスクリプションで合成されたsgRNAに比べ、GenScriptによる合成sgRNAの方が優れている点は何ですか?

A-4. 従来のファージRNAポリメラーゼを使用したin vitroトランスクリプション(IVT)の場合、100 nt程度のsgRNA合成が可能でした。これらのIVT合成sgRNAは、5’-三リン酸を有しており、これが多くの細胞種において免疫反応を誘発するものと考えられていました。最近の研究では、実際に5’-三リン酸修飾のsgRNAが免疫反応誘発性を内在しており、ヒトやマウスの細胞において有害であることが示されています。一方、5’-三リン酸修飾がない化学合成sgRNAの場合は、細胞でのゲノム編集効率が優れていることが実証されています。このため、化学合成sgRNAが、CRISPRシステムによるゲノム編の最適な試薬として支持されてきています。



Q-5. 非修飾sgRNAではなく修飾sgRNAを使用した方が良いのはなぜですか?

A-5. GenScriptでは、sgRNAの5’-と3’-両末端から各3残基を2’-O-methylおよびホスホロチオエート修飾しています。2’-O-methylオリゴ修飾は、加水分解やヌクレアーゼに対する安定性を向上させるRNAアナログです。ホスホロチオエート(PS)修飾は、ヌクレオチド間の結合を変化させ、ヌクレアーゼに対する抵抗性を増強します。

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ご注文方法

専用注文書に必要事項をご記入の上、電子メールに添付して受託・特注品担当(jutaku@funakoshi.co.jp)までお送り下さい。


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