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遺伝子発現に新たな選択肢!センダイウイルスベクター作製受託サービス

掲載日情報:2023/09/15 現在Webページ番号:65978

Frontiers

Vol.94 遺伝子発現に新たな選択肢!センダイウイルスベクター作製受託サービス

(株)レプリテックは、遺伝子ベクター技術や再生医療技術を有するバイオベンチャー企業です。
次世代型ウイルスベクターとしてセンダイウイルスベクターに着目し、従来の課題であった再構成効率を1,000倍以上改善させたベクターの開発に成功しました。

遺伝子発現の新たな選択肢:センダイウイルス

センダイウイルス(SeV)は、1950年代に東北大学で分離された日本発のウイルスで、1990年代にベクター化されました。SeVベクターは細胞膜上のシアル酸を利用して感染しており、ほとんどの哺乳動物細胞において、分裂・非分裂を問わず遺伝子導入ができます。

また、細胞質発現型のRNAベクターであり、iPS細胞の作製、細胞の分化転換、リコンビナーゼの一過性発現などに適しています。原理的に宿主の染色体に組み込まれないといった安全面の特長から、遺伝子ワクチン用のベクターや遺伝子治療用の開発ツールとしても注目されています。


SeVは導入細胞質内でレプリコンを複製するため、高い遺伝子発現が期待できます。SeVベクターとレンチウイルスベクター(LV)の遺伝子発現効率を蛍光タンパク質の輝度を指標に複数の細胞で比較すると、SeVベクターが数十倍から数百倍高くなります。

SeVベクターとレンチウイルスベクターの遺伝子発現比較

再構成効率の問題を克服し、安定的にご提供

SeVベクターの調製には、SeVのRNAゲノムと構成タンパク質が必須であり、ヘルパープラスミドや産生細胞からの供給が必要です。産生細胞内にこれらを遺伝子導入することでSeVが再構成されます。しかしながら、SeVが属するパラミクソウイルスは再構成の効率が低いことが知られており、十分な感染力価を得るためには時間を要します。

この点が、SeVベクター技術の普及を妨げている課題の一つでした。(株)レプリテックでは、SeVベクターの再構成効率を向上させ、簡便にSeVベクターが得られるシステムの開発に成功しました。再構成効率は従来のSeVベクター技術と比較すると1,000倍以上向上しています。また、再構成開始3日目の培養上清を標的細胞に感染させた場合においても、従来技術をはるかに上回る高力価のベクター上清が得られています。再構成効率の向上により、手間と時間を短縮でき、これまで使用のハードルが高かったSeVベクターの安定的な提供が可能となりました。

再構成効率および感染力価の向上

(株)レプリテックのセンダイウイルスベクター

SeVから細胞への侵入に必要なF遺伝子を欠失させており、二次感染を生じない非伝播型ウイルスベクターです。

SeV ベクターの作製方法

F遺伝子を欠失させたSeVゲノムプラスミドとパッケージングプラスミドを、F遺伝子を発現する産生細胞に導入することでF欠失型SeVベクターが得られる。F欠失型SeVベクターは標的細胞に感染するが、F遺伝子を欠失しているため、一度は感染できるがその後の二次感染はない。


ご希望の遺伝子配列を搭載したセンダイウイルスベクターを作製します

(株)レプリテックのSeVベクターは細胞傷害性を低減する変異を導入しており、長期発現が可能です。また、従来のSeVベクターより迅速に細胞からベクターが消失する温度感受性ベクターを複数開発しています。これらのベクターは温度シフトを行うことでベクターの消失を実現しており、導入遺伝子の一過性発現が可能です。SeVベクターのパッケージングシステム提供を目指し、さらに開発を進めています。


慶應義塾大学医学部生理学教室(岡野栄之教授)と(株)レプリテックの共同研究成果として、センダイウイルスベクターを用いたSARS-CoV-2経鼻ワクチンの開発についての論文がGenes to Cells誌に掲載されました。

  • Morimoto, S., et al., Genes Cells, 28 (1), 29~41(2023). PMID:36401755

センダイウイルスベクター作製受託サービス

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レプリテック

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