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スキルス胃がん検出に有用なモノクローナル抗体 Anti-MUC1 Antibody (014E)

掲載日情報:2020/06/12 現在Webページ番号:65349

フナコシ /
フナコシ株式会社
[メーカー略称:FNA]

おススメ抗体

各種腫瘍組織で、腫瘍マーカーMUC1(Mucin1)を免疫組織染色で検出できる抗体です。特に、これまで検出が困難とされてきたスキルス胃がんも特異的に検出可能です。
本製品は研究用です。研究用以外には使用できません。


MUC1(Mucin1)IHC

ヒト胃がん組織の免疫組織染色像

ヒト胃がん組織切片を賦活化処理後、免疫組織染色を行った。

  • 希釈倍率:1:2,500
  • 検出試薬:ImmPRESSReagent, Anti-Mouse IgG
    (VEC社 #MP-7402-15
  • 発色色素:ImmPACT DAB Peroxidase Substrate
    (VEC社 #SK-4105

MUC1(Mucin1)West

細胞ライセート(5 μg)のウエスタンブロット検出像

  • :Capan-1(ヒト膵がん由来細胞株:MUC1発現)
  • :HEK293(MUC1非発現)
  • 希釈倍率:1:2,500
  • 二次抗体:Anti-Mouse IgG, Goat-Poly, HRP
    (KPL社 #5220-0341
  • 化学発光基質:SuperSignal West Pico(Thermo Fisher Scientific社)
  • 検出:GeneGnome(Syngene社)で1分間検出

バルクバナー

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MUC1(Mucin1)と抗MUC1抗体(クローン:014E)について

ムチン型糖タンパク質のひとつであるMUC1は様々ながんにおいて発現しており、がん細胞の浸潤や転移に関与していると考えられています。

MUC1は単一の遺伝子から、細胞外領域(MUC1-N)と、細胞外~膜貫通~細胞質領域(MUC1-C)のヘテロダイマーとして発現します。MUC1-Nにはタンデムリピート配列があり、この部分へ糖鎖修飾が行われます。また、MUC1-Nが切断される場合もあります。一方MUC1-Cは、多数のスプライシングバリアントを有します。

従来の抗MUC1抗体の多くは、MUC1-Nや切断部位を抗原にしていたため、MUC1-Nの切断・糖鎖修飾状況によっては検出できないことがありました。クローン:014E抗体は、MUC1-Cの細胞質領域(Cytoplasmic Tail Domain:CTD)中の、スプライシングバリアント間での高保存性配列(Common Region)を抗原としています。そのため、MUC1の細胞外領域の構造に関わらず、大多数のスプライシングバリアントの検出が可能です。

MUC1(Mucin1)

スキルスを始めとした胃がんの検出

胃がんの検出には、抗体(抗MUC1抗体の別クローン、抗ケラチン抗体など)を用いた免疫組織染色や、HE染色、ジアスターゼ消化PAS染色が用いられています。

しかしこれらの検出法では、スキルス胃がん(印環細胞がん:sig、非充実型低分化腺がん:por2)が染色されない、不鮮明な染色像しか得られない、非特異的な染色があるなどの理由により、がん細胞見落としの恐れがありました。クローン:014E抗体はこれまで検出が困難とされてきたスキルス胃がんでも特異的に検出可能です1, 5

膵がんの検出

膵がんの検出において、抗MUC1抗体の一部のクローンでは膵管腺がん(PDAC)のみ検出でき、膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN-gastric typeおよびIPMN-intestinal type)を検出できないことがありました。これらの腫瘍においてMUC1-Nの切断・糖鎖修飾状況が異なっているためで、細胞外領域を抗原とした抗体では検出が行えませんでした。

クローン:014E抗体はMUC1の細胞質領域を抗原としており、MUC1の細胞外領域の構造に関わらず検出可能です4, 5。また、クローン:014E抗体を用いたMUC1の検出結果と、MUC1遺伝子のプロモーター領域のメチル化の相関が報告されています4, 5

参考文献

  1. Yonezawa, S., et al.,"A novel anti-MUC1 antibody against the MUC1 cytoplasmic tail domain: use in sensitive identification of poorly differentiated cells in adenocarcinoma of the stomach", Gastric Cancer, 15(4), 370~381 (2012) [PMID:22237656].
  2. Yokoyama, S., et al., "The application of methylation specific electrophoresis (MSE) to DNA methylation analysis of the 5' CpG island of mucin in cancer cells", BMC Cancer, 12, 67 (2012). [PMID:22329852].
  3. Kitamoto, S., et al., "MUC1 enhances hypoxia-driven angiogenesis through the regulation of multiple proangiogenic factors", Oncogene, 32(39), 4614~4621 (2013). [PMID:23108411].
  4. Yokoyama, S., et al., "Diagnosis of pancreatic neoplasms using a novel method of DNA methylation analysis of mucin expression in pancreatic juice", PLoS ONE, 9(4):e93760 (2014). [PMID:24714692].
  5. 日本国特許第5660486号、Patent US8951526 B2

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特長

  • MUC1の細胞外領域の構造に関わらず、大多数のスプライシングバリアントの検出が可能です。
  • アイソタイプ:IgG
  • 抗原:合成ペプチドCommon Region in Cytoplasmic Tail Domain (CTD) of Human MUC1 (CRYVPPSSTDRSPYEKVSAG)
  • 交差性:ヒト
  • 特異性:ヒトMucin1(MUC1)
  • 適用:IHC (paraffin、1:2,500~1:5,000)、Western Blotting (1:2,500~1:5,000)
  • 製品形状:腹水(PBSで希釈、防腐剤不含)

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価格

[在庫・価格 :2024年04月25日 15時15分現在]

※ 表示されている納期は弊社に在庫が無く、取り寄せた場合の納期目安となります。
詳細 商品名
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納期 文献数
Anti-MUC1, Mouse-Mono(014E) <Anti-Mucin1>
1週間程度 ※ 表示されている納期は弊社に在庫がなく、取り寄せた場合の目安納期となります。 4
説明文
これまで検出が困難とされてきたスキルス胃がんや,一部の抗体では検出できなかったタイプの膵がんでも,特異的に検出できる抗体。
別名:Episialin, PEM, PEMT
クローン:014E
法規制等
保存条件 -80℃ 法規備考
抗原種 Human 免疫動物 Mouse クラス IgG 標識 Unlabeled
交差性 Human 適用 IHC,Western Blot
クロナリティ Monoclonal フォーマット 性状 Acsites 吸収処理
掲載カタログ ニュース2017年3月15日号 p.27

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Anti-MUC1, Mouse-Mono(014E) <Anti-Mucin1>

文献数: 4

説明文 これまで検出が困難とされてきたスキルス胃がんや,一部の抗体では検出できなかったタイプの膵がんでも,特異的に検出できる抗体。
別名:Episialin, PEM, PEMT
クローン:014E
法規制等
保存条件 -80℃ 法規備考
抗原種 Human 免疫動物 Mouse
交差性 Human 適用 IHC,Western Blot
標識 Unlabeled 性状 Acsites
吸収処理 クラス IgG
クロナリティ Monoclonal フォーマット
掲載カタログ ニュース2017年3月15日号 p.27

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関連製品:ImmPRESSReagent

二次抗体を結合させた酵素標識マイクロポリマー法を用いた免疫組織染色システム(ImmPRESS Reagent)です。わずか2ステップで、高感度かつ低バックグラウンドの免疫組織染色を行えます。マウスおよびウサギいずれの一次抗体にも対応できるユニバーサルタイプもあります。

ImmPRESSReagentの詳細はこちらをご覧下さい。

酵素標識ポリマー法を用いた免疫染色試薬 ImmPRESS Reagent

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お問い合わせ先

(テクニカルサポート 試薬担当)

reagent@funakoshi.co.jp

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