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TGR5活性化物質のスクリーニングキット TGR5 (GP-BAR1) Reporter Assay Kit

掲載日情報:2020/06/12 現在Webページ番号:63979

TGR5(Transmembrane G protein-coupled Receptor 5)発現細胞を用いて、TGR5の活性化を調節する化合物のハイスループットスクリーニングを行えるキットです。細胞上に発現させたTGR5にアゴニストを結合させることで、レポーターであるSEAPの発現を誘導します。このSEAPの活性を化学発光法により簡便に測定します。


胆汁酸(Bile acid)とTGR5 (GP-BAR1)

胆汁酸(Bile acid)は、肝臓で一次胆汁酸として生合成され、腸内の微生物によって修飾された様々な種類の両親媒性分子です。食物の脂質吸収という従来の役割に加えて、胆汁酸の合成・代謝、グルコース恒常性、およびエネルギー消費を調節するシグナル伝達分子として認識されています。
胆汁酸に対するGタンパク質共役レセプター(TGR5またはGP-BAR1)は、最も広く研究されている胆汁酸のレセプターです。アゴニストによるTGR5の活性化は、マクロファージに発現する炎症性サイトカインの減少、腸におけるグルカゴン様ペプチド(GLP-1)分泌の増加、ならびに褐色脂肪組織および筋肉におけるエネルギー消費のシグナルを送る細胞内cAMPの増加をもたらします。それゆえ、代謝および炎症における薬物標的として注目されています。



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特長

  • TGR5アゴニスト、アンタゴニスト、およびモジュレーターをスクリーニングできるリバーストランスフェクション法を用いたレポーターアッセイキットです。
  • 安定した細胞株は必要ありません。アッセイを行う前日に通常のHEK293細胞またはHEK293T細胞をプレートに添加するだけです。
  • フレキシブルなプレートマップまたは部分的なプレートでのアッセイが可能な96ウェルストリップフォーマットです。
  • キットにはポジティブコントロールのアゴニスト(TGR5 receptor agonist positive control)が含まれています。
  • HEK293またはHEK293T細胞を加えてから24~30時間以内に結果を得ることができます。
  • 3回の継時的なサンプリングの分析を行うための十分量の試薬が含まれています。

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測定原理

  • TGR5 reverse transfection strip plateには、TGR5を発現するためのDNA構築物を含むトランスフェクション複合体、およびcAMP応答エレメント制御性SEAPレポーターがコートされています。
  • トランスフェクション複合体上で増殖した細胞は、24時間以内に細胞表面にTGR5を発現します。
  • TGR5へのアゴニストの結合により、GαSおよびアデニル酸シクラーゼ経路を介してシグナル伝達カスケードが開始され、結果として培地中に分泌されるSEAPの発現がもたらされます。
  • 一部培地を刺激後6~8時間で回収し、発光ベースのアルカリホスファターゼ基質を添加してSEAP活性を測定します。

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キット内容

  • TGR5 reverse transfection strip plate (1 plate)
  • TGR5 receptor agonist positive control
  • SEAP substrate (luminescence)
  • 96 well solid plate (3 plates)
  • 96 well cover sheet (3 covers)

キットに細胞(HEK293またはHEK293T)および培地は含まれていません。別途ご用意下さい。
測定には化学発光を検出できるプレートリーダーが必要です。

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測定例

図1

図1.TGR5レセプターを一過性トランスフェクトしたHEK293T細胞におけるSEAP活性

HEK293T細胞をTGR5 reverse transfection strip plateに40,000細胞/ウェルの密度で蒔き、一晩インキュベートした。翌日、無血清培地中で細胞を異なる用量(最大10μM)のTGR5 receptor agonist positive controlで刺激した。7時間刺激した後、各ウェルから10μlの培地を回収し、SEAP活性を測定した。近似曲線から計算されたEC50値は76.95 nMであり、Z’値は>0.8であった。

刺激量、Z’値、および計算されたEC50値は、細胞株、細胞の継代数、および培養条件によって異なります。

図2

図2.様々な種類のアゴニストによるTGR5レポーターアッセイの検証

キットに含まれるTGR5 receptor agonist positive controlに加えて、異なる分類下にある7種類の既知TGR5レセプターアゴニストを本製品を用いて測定した。プレート上でトランスフェクトしたHEK293T細胞を、段階希釈したTGR5 receptor agonist positive control、LCA、ベツリン酸(Betulinic Acid)、ウルソール酸(Ursolic Acid)、オレアノール酸(Oleanolic Acid)、INT-777、DCA、およびCDCAで刺激し、その後、培地を回収して各試料の測定・分析を行った。その結果、胆汁酸LCA、DCA、およびCDCAの相対的な効力は文献>と一致した。また、ベツリン酸およびオレアノール酸は天然の非ステロイド性部分アゴニストであり、予想どおり完全アゴニストよりも低い最大反応を示した。さらに、INT-777およびウルソール酸を含む他の既知アゴニストもまた用量依存的反応を示した。

Schaap, F.G., Trauner, M., and Jansen, P.L.M., Nat. Rev. Gastroenterol. Hepatol., 11, 55~67 (2014).
Kawamata, Y., Fujii, R., Hosoya, A., et al., J. Biol. Chem., 278(11), 9435~9440 (2003).


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価格表

[在庫・価格 :2024年04月19日 20時55分現在]

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  • 法規制等
納期 文献数
TGR5 (GP-BAR1) Reporter Assay Kit
2週間程度 ※ 表示されている納期は弊社に在庫がなく、取り寄せた場合の目安納期となります。 0
説明文
法規制等
保存条件 -20℃ 法規備考
掲載カタログ ニュース2019年6月1日号 p.14

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TGR5 (GP-BAR1) Reporter Assay Kit

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お問い合わせ先

(テクニカルサポート 試薬担当)

reagent@funakoshi.co.jp

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