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ウイルスを用いず簡単に使用できるin vivo用トランスフェクション試薬 in vivo jetPEI

掲載日情報:2017/03/31 現在Webページ番号:615

in vivo実験系への適用が可能な、組織への遺伝子やオリゴヌクレオチドの導入用試薬です。核酸(DNA、siRNA、shRNA、miRNA、オリゴヌクレオチド)と試薬を混合させ、実験動物に注射(静脈、腹腔、脳内、気道など)することにより組織へ導入を行います。

ウイルスを用いず簡単に使用できるin vivo用トランスフェクション試薬

in vivo jetPEIを用いてpCMVLuc (50 µg)を尾静脈にインジェクションした。24時間後、ルシフェラーゼの発現が観察された。


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ユーザーレビュー

in vivo jetPEIを用いた腎線維化モデルマウスへのmicroRNAのデリバリー』はこちらをご覧ください。

特長

  • ウイルスベクターを用いたin vivo導入では、免疫応答や特別な施設が必要といった問題点があります。本製品は免疫応答を引き起こすことなく一般的な施設でin vivo導入を行えます。
  • 陽イオン性脂質を用いた試薬よりも高い導入効率を示します。
  • siRNA、アンチセンス、リボザイム、アプタマーなどのオリゴヌクレオチドの導入にも使用できます。
  • ウイルスベクターでは導入可能な鎖長が3~30 kbに制限されてしまいますが、in vivo jetPEIは400 kb以上のDNAも導入可能です。
  • 動物由来成分を含まず、エンドトキシンフリーであることを確認しています。また、細胞毒性が最小限に抑えられています。
  • マウス、ラット、モルモット、サル、ウサギ、ツメガエルなど、様々な動物種で使用実績があります。
  • 腫瘍内投与、吸入投与、局所経皮投与など様々な方法による導入実績があります。
  • 本試薬0.1 mlで約1 mgのDNAを導入できます。

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使用例

ウイルスを用いないin vivo用核酸導入試薬の使用例2

in vivo jetPEIを用いてプラスミド(pCMVLuc (50 µg))とAnti-luc siRNA(10 µg)をコトランスフェクションした。siRNAによりルシフェラーゼの発現が抑制されていることがわかる。
左図:プラスミド(pCMVLuc (50 µg))+コントロールsiRNA
右図:プラスミド(pCMVLuc (50 µg))+Anti-luc siRNA(10 µg)

ウイルスを用いないin vivo用核酸導入試薬の使用例3

in vivo jetPEIを用いてpCMVLuc (50 µg)を尾静脈にインジェクションした場合の各器官でのルシフェラーゼ発光レベル

ウイルスを用いないin vivo用核酸導入試薬の使用例4

siRNA (40 ug) +in vivo jetPEI、in vivo jetPEIのみ、およびsiRNAのみの各条件でインジェクションしたところ、炎症性サイトカインであるTNF-α, IL12/IL23, IFNγおよびIL6は検出されなかった。
LPS(ポジティブコントロール):E. coli LPS (50 μg).

ウイルスを用いないin vivo用核酸導入試薬の使用例5

in vivo jetPEIとpCMVLuc (40 µg)を混合し、30分または24時間インキュベートしたin vivo jetPEI+pCMVLuc 複合体を、静脈にインジェクションした。24時間インキュベートした複合体でも、ルシフェラーゼが安定して発現することがわかる。


メーカーポスター

ウイルスを用いず簡単に使用できるin vivo用トランスフェクション試薬

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操作方法概略

操作方法概略

マウスへの遺伝子導入ガイド

ウイルスを用いず簡単に使用できるin vivo用トランスフェクション試薬

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メーカー動画

【ウェビナー】 in vivo 核酸デリバリー (研究から遺伝子治療まで)



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文献データベース

各製品の使用情報を検索できる Polyplus transfection 文献データベース
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使用文献



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in vivo jetPEIのFAQ

Q-1. 本試薬と核酸溶液を混合したところ、沈殿が生じました。どのような原因が考えられますか?

A-1. 核酸溶液中に塩が含まれていたことが原因である可能性があります。脱塩済みの核酸を使用し、核酸溶液の調製にはバッファーではなく純水をご使用下さい。



Q-2. 本試薬と核酸を混合した後の安定性について教えて下さい。

A-2. 本試薬と核酸の混合後は、室温で4時間、4℃で7日間、安定性を保ちます。



Q-3. マウスの脳にsiRNAを導入する場合、in vivo jetPEIとjetSI, 10 mMのどちらが適していますか?

A-3. マウスの脳へのsiRNA導入にはどちらの試薬も使用可能ですが、以下のメリット・デメリットがあります。
[コスト] 投与回数あたりで比較すると、jetSI, 10 mMの方が低コストかつsiRNAの使用量が少ないです(jetSI, 10 mM:試薬 0.02μl, siRNA 112 ng、in vivo jetPEI:試薬 0.12μl, siRNA 1~2μgで比較した場合)。

[プロトコル] in vivo jetPEIの方が簡便なプロトコルになっています。

[安定性] jetSI, 10 mMは、試薬と核酸を混合後1時間以内に投与する必要があるため、浸透圧ポンプなどによる投与に適していません。

[文献] in vivo jetPEIはjetSI, 10 mMより多くの文献で使用されています。





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お客様ご使用例


in vivo jetPEIを用いた腎線維化モデルマウスへのmicroRNAのデリバリー

森下 義幸 教授
 自治医科大学附属さいたま医療センター 総合医学第1講座(腎臓内科)

Delivery of microRNA-146a with polyethylenimine nanoparticles inhibits renal fibrosis in vivo.

Internationai Journal of Nanomedicine, 10, 3475~3488 (2015).


要旨

腎線維化モデルマウスでポリエチレンイミンナノパーティクル(PEI-NPs)ベクターを用いたmicroRNA-146a-mimic(miR-146a)の経静脈投与はmiR-146aを尿細管および間質線維化部分にデリバリーし、腎でmiR-146aを有意に過剰発現(>20倍)させ、pro-fibroticシグナル経路 (TGF-β1-Smad4)およびpro-inflammatoryシグナル経路 (TRF6-NF-kB)を抑制し腎線維化を抑制した。


実験方法

片側尿管結紮(unilateral ureteral obstruction: UUO)により作製した腎線維化モデルマウス(UUOマウス)に蛍光色素(Cy3)でラベルしたmiRとPEI-NPs (in vivo jetPEI:本製品)の複合体を尾静脈より投与し、腎でのmiR-PEI-NPsの分布を検討した。
次に二本鎖miR-146a-mimic (5′-UGAGAACUGAAUUCCAUGGGUUT-3′ (sense鎖), 5′-CCCAUGGAAUUCAGUUCUCAUU-3′ (antisense鎖)) (miR-146a)をPEI-NPsと N/P比: 6で混和してmiR-146a-PEI-NPs複合体を作製し、miR-146a-PEI-NPs (5nmol) をUUOマウスに3回/週(合計3回)、尾静脈より投与し腎線維化抑制効果について検討した。


結果

PEI-NPsでmiR を尿細管(図1 右. 黄色)および間質線維化部分(図1右. 赤色:白矢印部分)にデリバリー可能であった。
またmiR-146a -PEI-NPsは腎でmiR-146aを有意に過剰発現(>20倍)させ(図2)、pro-fibroticシグナル経路 (TGF-β1-Smad4)およびpro-inflammatoryシグナル経路 (TRF6-NF-kB)を抑制し腎線維化を抑制した。

図1:PEI-NPsによる腎へのmiRデリバリー効果
図2:miR-146a-PEI-NPsによる腎でのmiR146a過剰発現効果

図1図2

製品を使用してのご感想

in vivo jetPEIはmicroRNA-146a-mimicを腎尿細管間質にデリバリーし、microRNA-146aの有意な過剰発現を誘導し、腎線維化治療効果を得ることができました。作成方法もin vivo jetPEIとmicroRNA-mimicを混和するだけで簡便であり、実験動物に投与した際インターフェロン応答を含む副作用も認めませんでした。
本実験結果からin vivo jetPEIは腎へmicroRNAを含む人工核酸をデリバリーする優れた非ウイルスベクターだと感じました。今後も様々な治療用遺伝子を腎へデリバリーする実験でin vivo jetPEIを使用していきたいと考えています。

研究室の皆様

森下教授(前列右から二人目)と研究室の皆様



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