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簡便性、迅速性に優れたヒスタミンELISA測定キット Histamine ELISA Kit(Oxford Biomedical Research社)

掲載日情報:2018/07/27 現在Webページ番号:5598

細胞培養上清および細胞/組織抽出物ライセート中のヒスタミンを比色法により定量する競合ELISAキットです。全コンポーネントが冷蔵保存のために、すぐに操作を開始でき、またスタンダードや抗体がready-to-useになっているため簡便性に優れています。インキュベーションも室温下で約90分で測定結果が得られます。

サバ科などの魚類由来試料中のヒスタミン定量には適していません。
本製品は研究用です。研究用以外には使用できません。

検量線

検量線例

ヒスタミン(Histamine)とは

ヒスタミンは、ヒスチジンの脱カルボキシル化に由来する複素環式第一級アミンで、酵素ヒスチジンデカルボキシラーゼによって合成され、ほとんどの細胞に存在しており、通常は好塩基球および肥満細胞(顆粒球)の異染性顆粒において貯蔵されています1。細胞内顆粒中では、タンパク質に結合しており、細胞から放出されるまでは不活性です。

また、ヒスタミンは、即時型過敏反応(アナフィラキシー)の初期段階と密接に関連しています。アナフィラキシー応答の間、in vivoで形成された抗原-IgG抗体複合体は、補体カスケードを活性化しアナフィラトキシンと呼ばれる生物活性補体関連ペプチドを切断します。アナフィラトキシンの中で、補体成分のC3由来のC3aとC5由来のC5aは、肥満細胞由来のヒスタミンを放出します2。また、IgE媒介性のアナフィラキシーでは、アレルゲンによる刺激およびIL-13およびIL-4の制御下でBリンパ球によりIgE抗体が産生され、その結果、血流へ顆粒が放出されます3。この脱顆粒は、ヒスタミンを含むさまざまなメディエーターの放出に関与します。肥満細胞から放出されたヒスタミンは、平滑筋および血管に作用し、気管支収縮、血管拡張および血管透過性の増加(紅斑)を引き起こします4

ヒスタミンレセプター(H1、H2およびH3)の中では、H2レセプターが消化性潰瘍につながる胃酸分泌と関連していることから、H2レセプターアンタゴニストは、消化性潰瘍の治療に利用されています5

アナフィラキシーの重要なメディエーター以外にも、ヒスタミンはマグロなどのサバ亜目魚類の腐敗した魚肉中に見られます。そのため、ヒスタミンはScombrotoxin(サバ毒)とも呼ばれています6。また、ヒスタミンはワイン7やチーズ8中にも含まれています。

参考文献

  1. Stites, D.P., et al., "Basic and Clinical Immunology, a Lange Medical Book" (Sixth Edition), Appleton & Lange, Chapter 15, 208~209 (1987).
  2. Roitt, I.,"Essential Immunology", Blackwell Scientific Publications, 8~11 (1988).
  3. Wiley, J., et al., An atlas of biochemistry and molecular biology, 246 (1999).
  4. Roitt, I., et al., “Immunology” (Fifth Edition), Mosby, 68~69 (1998).
  5. Stites, D.P., et al., "Basic and Clinical Immunology, a Lange Medical Book" (Sixth Edition), Appleton & Lange, Chapter 24, 441 (1987).
  6. Scoging, A., Commun. Dis. Public Health, 1, 204~205 (1998).
  7. Buteau, C., et al., J. Chromatography, 284, 201~210 (1984).
  8. Vale, S.R., et al., J. AOAC International, 80(5), 1006~1012 (1997).


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特長

  • 全てのコンポーネントが冷蔵保存のため解凍の必要がなく、すぐに測定を開始できます。
  • 少ない試料量(50 μl/well)で測定できます。
  • Histamine conjugateおよびHistamine standardはあらかじめ使用濃度に希釈済みのready-to-useのため操作が簡便かつ迅速で、また人為的なミスや誤差を低減できます。
  • インキュベーション時間は室温下で行うことができ、合計約90分で結果が得られます。
  • 適用試料:組織培養液組織抽出物細胞またはセルフリー抽出物
  • 測定範囲:2.5~50 ng/ml
  • 検出限界:2.5 ng/ml
  • 測定波長:650 nm(450 nm、反応停止液にHClを用いた場合)

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特異性

化合物名 交差性(%)
Histamine 100
Histidine 0.008
Cadaverine 0.003
Tyramine <0.01
Spermine <0.01
Putrescine <0.01
Trimethylamine <0.01

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キット内容

  • Monoclonal anti-Histamine antibody coated plate
  • PBS buffer
  • Wash buffer
  • TMB substrate
  • Histamine conjugate (ready-to-use)
  • Histamine standard (0, 2.5, 5, 10, 20, 50 ng/ml, ready-to-use)

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操作法概略

  1. Standard(ready-to-use)または測定試料50 μlをマイクロプレートのウェルに添加する。
  2. Histamine-HRP conjugateを加え、室温で45分間インキュベートする。
  3. プレートを3回(マニュアルの場合)または5回(自動プレート洗浄機の場合)洗浄する。
  4. TMB substrateを加え、室温で30分間インキュベートする。
  5. OD650 nm(またはHClを添加して反応を停止した場合はOD450 nm)を測定する。


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ヒスタミンELISAキット選択上のワンポイントアドバイス

ヒスタミンELISAキット選択上のワンポイントアドバイス (クリックで開閉します)

一般に、ELISA(EIA)キットの選択においては、価格適応動物種、適応試料に加え、簡便性測定時間(インキュベーション時間)感度および特異性およびロットや測定間の誤差などがポイントになります。

キット内容ヒスタミンELISAキット選択表

品名をクリックすると製品の特長、商品コードをクリックすると、価格表をご覧いただけます。

品名 Histamine ELISA Kit Histamine ELISA Kit Histamine ELISA Kit
for Food and Beberages
メーカー OBR SPB OBR
商品コード EA31 A05890 FS35
測定原理 競合ELISA
測定フォーマット 96 well plate
測定動物種 ヒト
測定試料 組織培養液、組織抽出物、細胞またはセルフリー抽出物 血漿(EDTA処理)、尿、細胞培養上清、生物試料(固体または液体試料) 食品、飲料
測定試料量 50 μl/well 100 μl/well 50 μl/well
インキュベーション時間(温度) 約90分(室温) 約24時間(4℃) 約90分(室温)
測定方法 比色法
測定波長 650 nm
450 nm)
405~414 nm 650 nm
450 nm)
測定範囲 2.5~50 ng/ml 0.39~50 nM 2.5~50 ng/ml
検出限界 2.5 ng/ml 0.5 nM
主な特長 簡便性、迅速性に優れる。 測定対象が広く、感度と特異性に優れている。 食品、飲料用中のヒスタミン測定にプロトコルを最適化したキット。

Oxford Biomedical Research(OBR)社 Histamine ELISA Kit(簡便/迅速)

Oxford Biomedical Research(OBR)社のHistamine ELISA Kit(#EA31)は、ready-to-useのHistamine conjugateやHistamine standardを採用することで操作の簡便性を向上させており、他のヒスタミンキットに比べて少量の測定試料で、短時間かつ室温の反応で測定結果を得られるのが特長です。実験効率が向上し、人為的なミスも低減できるメリットもあります。ヒスタミンは肥満細胞中に高濃度に存在し、また肺、肝臓、胃粘膜、脳などにも存在してそれぞれの生理機能を担っているため、こうした組織中のヒスタミミンの定量などに有用です。

Bertin Pharma(SPB)社 Histamine ELISA Kit(高感度/優れた特異性)

Bertin Pharma(SPB)社のHistamine ELISA Kit(#A05890)です。測定時間(インキュベーション時間)は長く結果が得られるのに時間を要しますが、一方、高感度幅広い試料に適応し、抽出溶媒による測定誤差が少なく特異性にも優れているため、信頼性の高いデータが得られます。特にヒスタミンの代謝産物であるN-メチルヒスタミン(N-methyl histamine)との交差性が極めて低いことが特長で、血液中や尿中のヒスタミンの特異的な検出にも有用です。

Histamine ELISA Kit for Food and Beberages

また、食品や飲料中のヒスタミン濃度を測定する場合には、専用のOxford Biomedical Research(OBR)社のHistamine ELISA Kit, for Food and Beverage(#FS35)のご使用をお勧めします。



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価格

[在庫・価格 :2024年04月20日 20時55分現在]

※ 表示されている納期は弊社に在庫が無く、取り寄せた場合の納期目安となります。
詳細 商品名
  • 商品コード
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  • 在庫
  • 法規制等
納期 文献数
Histamine, EIA Kit
2週間程度 ※ 表示されている納期は弊社に在庫がなく、取り寄せた場合の目安納期となります。 0
説明文
histamineを競合ELISAにより比色定量するキット。測定波長:650 nm,感度:2.5 ng/ml,測定範囲:2.5~50 ng/ml,測定試料:細胞培養上清,細胞ライセート
法規制等
保存条件 4℃ 法規備考
掲載カタログ

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Histamine, EIA Kit

文献数: 0

説明文 histamineを競合ELISAにより比色定量するキット。測定波長:650 nm,感度:2.5 ng/ml,測定範囲:2.5~50 ng/ml,測定試料:細胞培養上清,細胞ライセート
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お問い合わせ先

(テクニカルサポート 試薬担当)

reagent@funakoshi.co.jp

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